小学館から「日本おいしい小説大賞」という新しい賞ができていました。
「食べることは生きること」といいますが、「食べる」という行為または「作る」という行為を日本語で描写することってとても個性が出る行為だと思います。読み手に想像力を掻き立てさせて「ああ、おなかすいた!」と思わせるような描写というのは読む時間帯によっては飯テロと呼ばれる部類にもなりますよね。
二次創作という部類ではありますが、文章を書く身として多くの作家さんが描かれる個性豊かな「食事シーン」というのは読んでいてひきつけられるものがあります。映像ではなく「文字」「文章」だからこその表現が絶対あって、そこに個性と魅力が詰まっています。読んでいて料理の芳しい匂い!料理の音!色鮮やかな世界!料理というのは五感でするもの……なんていう言葉もあるからこそのニュアンスが大好きです。だからこそ、この「日本おいしい小説大賞」というものがあることに納得と喜びがあり、見かけたものを読んでみよう、と思った次第です。
Twitterでうっかりお見かけした「殻割る音」はそんな日本おいしい小説大賞の最終選考作品の一つ*1。ぱっと見てタイトルがおそらくダブルミーニング(ないしはトリプルミーニング)かなと感じられたので購入してみました。
※ネタバレを入れているので、ご注意ください。
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