柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

「ABC座 ジャニーズ伝説2022」雑感

 12月は帝国劇場でA.B.C-Z主演の「ジャニーズ伝説」の幕が上がり、ありがたいことに足を運ぶ機会をいただけました。自身のメモも兼ねて記しておきます。

 ※以下、2022年のジャニーズ伝説の楽曲・ストーリーのネタバレなどを含みます。

本年もお邪魔してきました

 

ストーリーの大まかな流れについて

 基本的な流れは、2021年と同じです。

amanatsu0312.hateblo.jp

 出演者がA.B.C-Z佐藤アツヒロさん、7MEN侍、SpeciaL、少年忍者と同じということもあり、「まったく同じ」ではないけれどいろんなエッセンスを加えていったように感じました。少年との出会いで「大きく変わる」という意味でも今回は佐藤アツヒロさんという存在がより際立ったように感じます。

 初めて日生劇場でABC座「ジャニーズ伝説」を観劇したときと昨年・今回のものと見比べてみてもよりソリッドになったというか、シーン自体はコンパクトになったのですが、ストーリーのわかりやすさ・みやすさでいえば昨今のもののほうが伝わりやすいかな、とも思います。

 2017年は「ストーリーとしての”ジャニーズ”の出会いと別れ」、2021年・22年はその後に紡ぐストーリーとしての重要性が描かれていました。

www.youtube.com

www.youtube.com

 ストーリーはまさに社史というべきか、「ジャニーズ」というグループがどのように結成され、スターダムを駆け上がっていったのかをジャニーさんの視点から描かれます。

 過去のジャニーズ伝説でもしかりですが、史実に少しずつ物語要素を加えています。そのため、この時代を一緒に駆け巡った人たちが知る「史実」の部分と、「お芝居」としてのバランスが考慮されています。ゴール地点は同じですが、描写を加えていくという意味でも「三国志」「三国志演義」の違いみたいなイメージでしょうか。

三国志 第一部 英雄たちの夜明け

 ちなみにこちらは92~94年に東映で作られた「三国志演義」をベースに作られた劇場版三国志。何気なく調べていたらキャスティングで今まさに話題にしようとしている「あおい輝彦さん」が声優をされていてびっくりしました。あおい輝彦さんは声優としてのお仕事もたくさんされていますが、まさかこんなところにも……!ちょっとしたご縁ですね。

 私自身と「ジャニーズ伝説」は、2017年の再演からが始まりでした。当時は全部「はじめまして」の状態だったので、*1手探りながらに楽しませていただいたことを鮮明に覚えています。
 そこからさらにブラッシュアップされ、メドレーにさらに力が入った2018年。演出に滝沢秀明さんが入り、より「ジャニーズJr.の育成領域」としても幅が広がった2019年、自身たちが演出と主演をすることで座長でありつつの責任が増えながら一つの作品としての完成を見せた2021年。毎回少しずつ変化を見せる作品ですが、2022年はキャストが一緒ながら「継承し、さらに伸ばしていく」作品の立ち位置なのかな、と感じました。

 初演である2013年はダイジェスト版の円盤で観たのですが、2022年と見比べてみると約10年の違いがより「大人になったな」という部分が一番感じられました。作品全体を通してみてみると、「ジャニーズ色」を残しながらも見やすさはよりはっきりしたんじゃないかなとも思います。素人ながら意見ですが……。

 

2022年の雑感

 本年は昨年のストーリーに加えて「光GENJI伝説」が加わりました。実際のところ光GENJIというグループについて「名前は知っている」「楽曲は知っている」という状況なれど、実際にどんなグループなのだろうという認識は世代によって異なるからこその表現であったように感じます。

 本編では「デビューを目指すジャニーズJr.」でありつつ、ただ闇雲に探すだけではだめなことなど分かりながら「何をどうしたらいいのかわからない」という岐路に立つ7MEN侍に対してジャニーさん(戸塚祥太さん)がナビゲーターとなり、ともに「この事務所がどのようにできていったのか」「始まりのグループがどんな考え・スタイルで芸能界に飛び込んでいったのか」ということを「観て」「聞いて」進んでいく形です。
 物語の1ページを紡ぐように。彼らの物語を追体験していきます。イメージに近いのはドラえもんの「絵本入りこみぐつ」かもしれませんね。

ジャイ子の漫画にお邪魔します

ドラえもんジャイ子の漫画にお邪魔します」)

 

 ストーリーの中で、一幕一幕が小説や映画を観ているように進み、ナレーションとして俯瞰していたジャニーさんと7MEN侍。作中にいながら「なんかジャニーさんってこうだったよね」と話をしている舞台袖の彼らに対して「君たち今日から7MEN侍だよ!」と作品を超えた中でのコミュニケーションを取ったりとコミカルさが引き立つようになっていました。

 

伝説のスター「光GENJI」のポイント

 ストーリーは本年と昨年の大きな違いとしては「光GENJI伝説」としてSHOWTIMEに追加されることや、スペシャルゲストである佐藤アツヒロさんの存在を引き立たせるための「光GENJI」とはどういうグループだったのか、ということをピックアップされていました。

  • エスト・サイド・ストーリーのシーンから、ジャニーズが強いインスピレーションを受けできたグループとなっていったのにあわせ、「スターライト・エクスプレス」という作品から着想を得られたのが光GENJIというグループ。

 スターライトエクスプレスについては存じ上げなかったのですが、調べていったら1987年の日本公演宣伝時、光GENJIのデビューソング「STAR LIGHT」をイメージソングとして使用していたりと結びつきはたくさんあったことがわかりました。

 1984年に公開された舞台で、おもちゃの電車のセットやローラースケートを装着した俳優が躍動感を持って演じているのがPVからとってもすごく華やかでした。

www.youtube.com

 実際光GENJIといえば「ローラースケート」「躍動感のある動き」「グループ全体で動く姿」というものが印象的だったので「アクロバットやスタントの演技を取り入れたダイナミックな舞台構成」をベースに縦横無尽に駆け巡るSTARLIGHT EXPRESSが強いインパクトを与えた結果――と知り、なるほどなあと妙に納得しました。上記のパフォーマンスで「観たことがある!」みたいな発見があったのですが、昨年や今年のジャニーズ伝説で披露していらっしゃった佐藤アツヒロさんのパフォーマンスにも似たものを感じました。

  • ステージの上をローラースケートで躍動感を持って動く。(佐々木大光くんから「なんで舞台でもないのにローラースケートですべって執事が動いているの?」という素朴なツッコミのシーンの追加)

 こちらも上記の「光GENJIといえば!」というものですね。

 私はローラースケートを活用して動いているアイドルグループというと光GENJIKis-My-Ft2HiHi Jetsという認識です。アメコミやアメリカンダイナーではお店の子たちがローラースケートをつけてサーブをしているイメージもありますし、アメリカでは主流だよというのも何だか納得しちゃいます。カードキャプターさくらでも登校ローラーブレードだったしそんなもんなのかもしれない。調べてみたらアメリカのバーガーショップSnoicのイメージから?とのことです。

  • 7MEN侍のグループ名を決めるまでのジャニーさんの速さ、グループの名前の「数字、英語、漢字」がある初のグループが初めてだよというお話が追加されました。また、追加の部分として「漢字+英語」は光GENJIが初だというお話

 前述でも伝えました通り「グループの名前を決める」とか「じゃあやってみよっか」とスムーズに物事を決めるときにジャニーさんはテキパキ決めていたということが挙げられていました。ここに7MEN侍の名前の由来に加えて光GENJIとの共通性も出てきて観ている側も「へぇ~!」」となる部分もありました。

  • シルエットだけで「あの人達は何者だろう」と気にするくだりに実際に現代でも活用しているお話が追加。光GENJIのポイントがあがる。(7MEN侍とディレクター?プロデューサーではなく佐藤アツヒロさんを出すことでのコミカルさ)

 作中、木の実ナナさんの可愛いキューピーの撮影時、ジャニーさんの発案でバックダンサーである彼らにわざとスポットを当てず視聴者に「あの後ろでシルエットで踊っている人気になる……」となっているくだりを、光GENJIのデビューシングル「STAR LIGHT」を通じて現在も通用していることをあげていました。

 光GENJIを調べると光+GENJIという2つのグループを組み合わせの名前ということもあっての「光GENJI」という名前だったのかな?というようにも印象を受けました。だからA盤・B盤でメインになる人たちを分ける(光とGENJIでスポットを当てているバージョンがある)のかなぁとか勝手に思っていました。スポットがあたっていないとそれはそれでとっても気になるので「こういうのをジャニーズのときに経験して、マーケティングに活用している」となったのかなぁとか思いました。昔のV6のジャケットとか見るとトニセンカミセンで扱いが違う!と当人たちもネタにしていますが、そのへんも引っ掛けてるのかなぁ…とか。憶測なので一概に言えませんが。

  • ”アツヒロ”とジャニーさんの会話の追加

 時代や系列を考えると在りし日のアツヒロさんと会うことは出来ないのですが、物語として追加になることで「つながっている」ように見えました。少年忍者の小田将聖君が若き「アツヒロ」少年を演じ、ジャニーさんと対話をします。このシーンでハッとさせられるのは「歌と踊りの練習、がんばんなさいよ」というジャニーさんのセリフ。これは戸塚祥太さんの「星が光っていると思っていた」にも出てくる”歌と踊りの練習、がんばります!”というフレーズとのリンクを感じさせられます。かつてジャニーさんに戸塚さんが言われた言葉なのか、はたまた願いなのか。このやり取り一つ一つで地続きの「ジャニーズ史」みたいなものを感じさせられます。

 ジャニーズJr.のファンの人達に「なぜ“歌と踊りの練習“でA.B.C-Zのファンの人がピンときていたか」という意味でも、戸塚さんのソロ曲に触れる機会があったらいいなと願っています。

 さて、話を戻しますが、「アツヒロ」という登場人物は2013年に公演された「ジャニーズ伝説」と同じように創作上の登場人物です。三国志演義における貂蝉*2みたいなもの。何なら貂蝉よりも出番そのものは少ないので「キーキャラクター」ではありつつも、インパクトは薄いかもしれません。ただ、彼が「誰」をイメージして、どのような立ち位置に今後なっていくのか……なんて、言わずともがなですよね。

 彼のもつ、まだ誰にも言っていない「夢」「目標」。それを聞いたジャニーさんが「自分の夢とはなにか」を向き合う重要なシーンです。ちなみに、佐藤アツヒロさんはお姉さまが勝手に履歴書を事務所に送ったというジャニーズあるあるなお人なので、「史実」と「IF」は異なるようですが、ストーリーとしての盛り込み方として美しかったです。

その他の変更で印象に残ったこと

 「ジャニーズ」としてはWEST SIDE STORYの楽曲の変更がありました。演出が昨年とは大きく変わっていて、自撮りカメラで参加するジャニーさんではなく、今度は一緒になって5人、そしてアツヒロさんのパフォーマンスに変わりました。

 橋本くんのソロから始まり、五関さん、河合さん、塚田さんにつながり戸塚さんと佐藤アツヒロさんの殺陣。ジュニアの子達の対立対比は「少年たち」にもつながるように感じます。ジャニーズワールドを見に行ったフォロワーさんがKAT-TUNのReal Faceのときのパフォーマンスが赤と青でジャニーズJr.が入り混じり好戦的なものであったと教えてくれました。少年たち、ABC座、ジャニーズワールド、すべていわゆる「ジャニーズ事務所」からの発信された作品ではありますが、その演出で「つながる」ポイントがある、ということはいわゆる「ジャニーイズム」とも言えるエッセンスの1であるとも言えるんじゃないかな――……なんて、考えています。

 また、今回のWEST SIDE STORYでは、戸塚さんとアツヒロさんの出番がはっきりと明確でした。戸塚ファンの人から「どうしても他の4人と比べるとパフォーマンス時間が短いので、単純に羨ましい~!いいな〜!」と去年言われていたぶん、戸塚さんのファンの人やアツヒロさんのファンの人が喜ぶようなしっかりとした見せ場があったのは他の人のファンではありますが嬉しかったです。

 またSpeciaLのお名前がJr SPから変わったこともあり、「スペシャルなお手紙です」という呼びかけがあったりと、少しずつふふっとなる部分も多かったです。SpeciaLのみなさんが公演中体調不良などもあり3人になることが度々ありましたが、皆さんそれを感じさせることなくフォローしている姿も含めて「すごいグループだなぁ」と感心していました。

「飽きさせない」ためのアドリブ要素

 ジャニーズ事務所のいわゆる内部と言われるお芝居はリピーターが非常に多いです。毎日少しずつ成長していく自担(推し)の姿が見たい人や、お芝居そのものを複数見たい人、理由はさまざま。演者も観ている側も「少しずつの違い」を発見する/作る楽しみをエッセンスとして加えるように、いろいろな部分でアドリブや「日替わり」要素があったように思います。

  • 7MEN侍の子たちの毎回の「アドリブ」ポイント

 細かい部分の変動で言えば、回を追うごとに7MEN侍の子たちのアドリブで「ふふっ」と笑わせてくれるシーンがありました。WEST SIDE STORYを見に行く時の矢花君のアドリブが毎回違っていて、「行く前にトイレ寄っていい?」や「ポップコーン食べよ!(ニュアンス)」「コーラでしょ、ポップコーンでしょ…」など、毎回はけるときに何を言ったら客席が笑ってくれるのかな、とか考えていらっしゃるのが伝わってきました。

 前述した光GENJIのSTAR LIGHTのキービジュアル2種で「スポットが本来当たるべき存在があたっていないことで注目を逆に集める」というお話のシーンは、ジャニーさんが劇中劇とも言える「ジャニーズの物語」を観ている7MEN侍にジャニーさんが教えているもの。ジャニーさんがスポットライトを当てないことで注目を集めたという「リアルタイム」そして「その場」を経験した存在が佐藤アツヒロさんです。この前のシーンではディレクターさんをしているのでハンチング帽にチェックのセットアップを着ていらっしゃるのですが「食えない人だ!」など、完全にジャニーさんの手玉に転がされている存在なのですが――「ねえ!そうだよねー!?」という戸塚さんの同意の声に、舞台袖からアツヒロさん走ってきて「そうだよ~!!」とやってきて7MEN侍のうち2人が立っているスポットを消すというものがあります。

 この部分で最初は2人だったものの途中で7MEN侍のなかでの打ち合わせやアドリブをこれやろうあれやろうというチャレンジがあったんでしょうか。1人になって「どうしてそんなことするの!」「はいはい俺だけ!」等、いろいろなツッコミがされるようになっていてバリエーション豊かになったなぁとも感じました。

 全体的に矢花くんはリアルに強いタイプのお人なのかなーとも思いました。ベースソロでA.B.C-Zを始め日替わりで演奏を披露してくれたり、己の名前を発表するときのポージングも毎回違い(かつ、それを松尾龍くんとおそろいにしている)があり、これを観るのが楽しみの一つでした。思いっきり綺羅星☆している回や、ソーラン節のごとく網引いているポージングしたりとなにかと「そうくるか~!」が詰まっていました。

 

  • 中谷くん vs アメリカのキッズ(佐々木大光君)

 Can't Take My Eyes Off Youの後、あおいさん(橋本くん)と真家さん(塚田さん)がいなくなっている!というくだりがあるのですが、その前にジャニーズJr.とA.B.C-Zアメリカでの日々、一緒にダンス・歌をしようとするシーンがあります。そのラストには子どもたちとメンバーが仲良くなって「ばいばーい!」と分かれていく――というものなのですが、中谷さん(河合さん)と隣になるキッズの佐々木くんとの攻防が毎回違っていました。露骨にハイタッチをしてくれなかったり輪に入れてくれなかったり…。

 そんな流れでもめげないくじけないスーパーポジティヴさで「仲良くなれた」と笑顔を向ける中谷くんに「こうやってメンタルは鍛え上げられていくんだな」「僕の大好きな中谷くんも仲間に入れてよ!」というジャニーさんと飯野さん(五関さん)。一番印象的だったのはグレムリンのごとく叫んで逃げ出した回でした。

グレムリン(吹替版)

グレムリン(吹替版)

  • ザック・ギャリガン
Amazon

 Jr.の子たちがうわああと叫んで逃げていくんですが、その叫び方が完全に先日金曜ロードショーで放送されていたグレムリンのそれでした。なお、中谷さんはニコニコしながら「またあしたっていった」といっていてポジティヴっぷりを発揮してくれました。あんまりやりすぎていると不憫度合いが増すんですが、ジャニーさんと飯野さんがそこはフォローに入っているのかな…とか色々考えていました。

  • 矢花くんのベースソロ

 矢花くんは2021年のときも様々な楽曲をベースソロで披露してくれていました。Mステがある金曜日の公演ではMUSIC STATIONのテーマにしてくれていましたが、今回もNakedをはじめ様々なA.B.C-Zや他のコンテンツの楽曲を見せてくれました。ベースの音になると一気に雰囲気が変わるので新鮮みがありました。

  • 中谷くんのアドリブ

 バリーの家に赴く際のジャニーズとジャニーさんのコミュニケーション内容は毎日少しずつ変化していました。大体が「おれって嫌われている?」「多分…」「大好きだよ!(殴りかかりながら笑顔で)」などですが毎日違う要素がありました。飯野くんとの掛け合いを主軸に中谷くんはアドリブが多かったような気がします。河合さんが毎回「ふふっ」となるシーンを編み出しているのが印象に残りました。

  • 飯野さんのアドリブ

 真家さんとあおいさんの二人が勝手に買い物に行った結果、ジャニーさんを怒らせてしまったものの切り替えが早く、「ええ~!?」となりながら追いかけていくシーン。こちらは昨年と同様の定番と化していたのですが、毎回のちょっとずつの違いが面白かったです。

 私が入った回では、真家さん(塚田さん)が「やれば、できる!」というティモンディ高岸さんのような言葉で励ます(※そもそも荷物を大量購入したのは真家さんです)といったものや、チラッ――……と見た中谷さんが「クゥーン!」というような犬の鳴き声を真似て「可愛いと思ってんだろ!そんなことないからな!」といったニュアンスで返しながらちゃんと自分も真似てくれる飯野さんなど。見知らぬアメリカの人(※スタッフ)に手伝ってもらいながら荷物を下げるときに「すいませんね!アメリカの人!」といいながらやり取りするなど毎公演のちょっとした違いが見られる面白さでした。

 

 そのほかの細やかなシーンでもイレギュラーが起きたときに対応していたり、「この日はちょっと雰囲気が違う人達だな」というものがあったりと、リピーターを飽きさせない発見があるのもありがたかったです。バリーの家で楽曲を披露する際に執事とコミュニケーションを取る姿は毎公演やり取りが違ったり、木の実ナナさんのバックダンサーをするときにプロデューサーと話しているシーンでカメラに向かってあおいさんと真家さんが見ているシーンでピースをしたり、コミカルなやり取りを見られました。このへんも「ちょっとした変化」だなぁ、なんても感じたり。

 

1年で人は少年を青年に変える

 前述しましたが、A.B.C-Zはじめ出演者の皆さんそれぞれのブラッシュアップがされてコンセプトに即した成熟されたお芝居になっていったようにも感じます。

 昨年は青々しさのある雰囲気だったり、≒自分な「お芝居」と「リアル」の境目などの切っても切りきれない立ち位置だったことからの難しさも感じていました。しかし、今回は同じキャスティングで空気感がつかめていることからより柔和に、クリアに、お芝居に入っていきやすい内容であったように感じます。ストーリーに自体の本筋は変わっていませんが、追加された部分の肉付けを経て「登場人物としての『彼』らはどんなことを考えているのかな」という作中の奥にいる人たちの思考へ想いを馳せられました。私はA.B.C-Zを中心に見ているため、7MEN侍や少年忍者、SpeciaLのみなさんが普段どんなお仕事をされているのか存じ上げないです。

 しかしながら、昨年の空気感よりも今年のお芝居のほうがより伝わりやすくて好きだったなと思いました。ラストシーンの佐々木大光くんがジャニーさんに向かって「7MEN侍としてジャニーさんからたくさんのものをもらった」と話すくだりで涙ぐみ、つまりながら話すシーンがあるのですが非常に印象に残りました。中村嶺亜くんの「解散なんて、寂しすぎるよ」といったジャニーズが解散の道を選んだことへの素直な感情もダイレクトに彼の「【ファンや、待望していた人たちの目線】の代弁者」としての素直な感情として受け取れました。

 少年忍者の子たちでいえば、細やかな「あのシーン」「このシーン」での発見はもちろんですがショウタイムでの明るいパフォーマンス、大勢でのダンスや歌の部分など印象に残るところもたくさんありました。一人ひとりの姿を見ていると自然と元気をもらえるような、笑顔あふれる瞬間がたくさんありましたね。

 SpeciaLの皆さんは「き、器用……」と言わざるをえないというか、本当にできないことあるの????と思わせてくれるパフォーマンスの数々で、ローラースケートもできれば歌えるしさり気ないセリフ一つでも印象がまた違ったり、体調不良で出られない人がいたとしても残りの3人でのカバーがばっちりで本当に「職人」「驚きのカバー力」だなぁと関心していました。松尾くんの所作が毎回キレイで「美しい……」としみじみしてしまいました。

 ジャニーズのお芝居ならではの「少年は青年になっていく」「一日ごと、一秒ごと、同じはなく、変わっていく」の変化を楽しむという意味では「同じ舞台で同じキャスティング」の上での変化が如実でただただ「すごいなぁ……」と思うばかりでした。

 

A.B.C-Zの10周年の「形」

 さて、主演であるA.B.C-Zの感想ですが、ここ近年ジャニーズ伝説は公演されることが多いなかで今年の変更点を座長として浸透させつつも、ご自身たちの変化を見せているのかなぁとも感じさせてくれました。

 ショウタイムはもちろん、作中のさりげない行動でさっとフォローに回れる、違和感なくできるところはさすがの場数だなぁとも思いました。ワシントンハイツでの野球のセットの布が広げきれなかったとき、何事もなく「監督として」地面を見るような動作をしながらすっ……と直した戸塚さんにお見事だなぁとも思いました。

 また、公演中マイクトラブルがありショウタイムで楽曲が披露できない中ジャニーイズムである「ショー・マスト・ゴー・オン」として歌をまっすぐに披露しているA.B.C-Zの姿は「ジャニーさんが見ていたら何と言うんだろうか」とふと感じさせるくらいの堂々たるものでした。客席の手拍子に負けじと観客に向けて手拍子をする姿も含めて彼らってすごいな、彼らって美しいなぁという語彙力がまったくない感想を胸中抱いたりしていました…(笑)

 今回は「A.B.C-Zが10周年」であり、と同時にジャニーズも周年です。築き上げられて、「歴史を紡ぐ」存在として、語り続けていく社史としてジャニーズの看板を背負っていく彼らの未来がまっすぐ明るいものであったらいいなぁとも思う次第です。明日って今さ、なんて言葉もありますが、まさに「#IMA」、気づかれていく物語が美しかったらいいな、楽しかったらいいな、ファンの一人としてハッピーがもらえていることに感謝しているばかりです。

 

ショウタイムで見せる一瞬の煌き

 本公演は2幕になっており、1幕はストーリー、2幕は先輩たちの楽曲が披露されるショウタイムになっています。

 1幕でのジャニーズの楽曲はTOKIOの10周年のときに歌われていた楽曲のアレンジのため、20年代の現代でも非常に聞きやすいです。「涙くんさよなら」もまさに…。

TOK10

 調べていたら「違う、そうじゃない」でおなじみ鈴木雅之さんも涙くんさよならを歌っていた驚きました。ジャンルが幅広い。

涙くんさよなら

涙くんさよなら

  • provided courtesy of iTunes

 2幕のはじめは「これまで」のABC座を振り返る映像から。これはA.B.C-Z10周年のコンサート「ABCXYZ」のオープニング映像と通ずるものを感じました。若い!と感じたり「ここらへん行ったなぁ」と思うものがあったりと感慨深さがありました。まだ当時Travis Japanであった森田美勇人くんや阿部顕嵐くん、当時ジャニーズJr.だったSnow Manのなどの姿があったりと「これそうか!」「あれ見た!」という発見は多分一緒に歩いてきた長いファンの人たちであればあるほど感慨深さもひとしおなのかもしれません。

 と、同時にジャニーズが目指し、実現できなかった「世界デビュー」を成し遂げたTravisJapanの紹介がされ、ショウタイムは始まります。

 本作は「伝説を伝説で終わらせない物語」として佐藤アツヒロさんに冒頭紹介されていますが、伝説、神話のように遠い遠い物語ではなく地続きでつなげていく存在として「ジャニーズ伝説」はあるのかなぁ……なんてTravis Japanの話を聞きながら思い出しました。

 ショウタイムのセットリストは次の通り。

  1. Za ABC ~5stars~ / A.B.C-Z
  2. REAL DX / タッキー&翼
  3. 夢のHollywood / Travis Japan
  4. ブルドッグ / フォーリーブス
  5. どいつもこいつも / TOKIO
  6. ダイナマイト / SMAP
  7. Crazy F-R-E-S-H Beat / Snow Man
  8. P・A・R・A・D・O・X / 嵐
  9. 抱きしめて TONIGHT / 田原俊彦
  10. 僕らの街で / KAT-TUN
  11. 恋のABO / NEWS
  12. サンダーバード-your voice- / V6
  13. ZOKKON命(LOVE) / シブがき隊
  14. 秘・美・子 / 忍者
  15. JAPONICA STYLE / SixTONES
  16. ロマンチックタイム / 少年隊
  17. TIME ZONE / 男闘呼組
  18. 証拠 / ジャニーズWEST
  19. ミッドナイト・シャッフル / 近藤真彦
  20. FIRE BEAT / Kis-My-Ft2
  21. BANGER NIGH / Hey! Say! JUMP
  22. The Answer / なにわ男子
  23. Amazing Love / KinKi Kids
  24. Magic Touch / King&Prince
  25. LIFE ~目の前の向こうへ~ / 関ジャニ∞
  26. Sexy Summerに雪が降る / Sexy Zone
  27. Never My Love / A.B.C-Z

    光GENJI伝説(光GENJIメドレー)
  28. STAR LIGHT
  29. 微笑みをあずけて
  30. ガラスの十代

    ジャニーズJr.曲
  31. 太陽の笑顔 / 少年忍者
  32. センセーション / SpeciaL
  33. サイレン / 7MEN侍

    A.B.C-Z
  34. LET'S SING A SONG
  35. #IMA

  36. You…

 

 「Za ABC ~5stars~」はA.B.C-Zの名刺代わりとなるデビュー曲ですが、やっぱりたくさんの人と一緒にパフォーマンスしていると圧巻だなぁとしみじみ感じさせてくれます。デビュー曲を決める際に「恋に落ちたボディーガード」にしようとしていた彼らに対して「絶対こっちだよ!!!!!!!」とジャニーさんが決めたというエピソードが大好きなのですが(実際、恋に落ちたボディーガードも好きなのですが、デビュー曲として”頭に残る””インパクトを残す”となったらZa ABC ~5stars~かなぁというのも納得します)、そういう意味でも彼らが穏やかな顔で歌っているとぐっときます。

 河合さんがサビ前に「エビバディ!」と掛け声をあげてくれるところも楽しいですし、コンサートではない手前、振り付けを客席が真似して踊ることはできませんが、彼らが楽しそうに笑ったり、パフォーマンスをしている姿を見ると嬉しい気持ちになりますし、「やっぱりA.B.C-ZといえばZa ABC ~5stars~だよね!」と言われるのも納得します。A.B.C-Zの「デビューからの軌跡」のスタート地点となる楽曲から始まっていくのも、わくわくしますね。

 

 「REAL DX」はタッキー&翼の楽曲で、A.B.C-Zともゆかりのある曲。そして、「1番 2番 3番 XX!」のXXは日替わりの面白さがありました。私が入った回では「えび座」や「はっしー」「あっくん」等でしたが、河合さんは「河合!」なのが面白かったです。そこはフミトじゃないんだ……と……(笑) 

www.youtube.com

 キレッキレで踊るA.B.C-Zがセンターにいた上で、ジュニアがおい!おい!おい!おい!という掛け声ももちろん良かったですし、橋本くんとアツヒロさんが背中合わせでパフォーマンスする姿は胸熱でした。ふたりとも白い衣装だから映えるんですよね。歌と踊りがマッチして「THEジャニーズ」要素がふんだんに盛り込まれた同曲へのリスペクトが感じられるパフォーマンスでした。

 

 「夢のHollywood」は、Travis Japanのジャニーズジュニア時代を代表する一曲。ジャニーズ伝説で始めてみたときに非常にインパクトと存在感のある一曲だなぁと思っていたのをつい先日のように思い出します。

www.youtube.com

 インパクトのある入りとサビをA.B.C-Zが披露することでより耳に残り、「ダンスが揃っている」が特徴であるグループならではの楽曲を先輩として披露することでまた新しさが生まれていたような気がします。最近では英語版をより多く聞く機会が多かったぶん、日本語で聞くとそうだったなぁ、と発見もおおくあったです。

 

 「ブルドッグ」はフォーリーブスの楽曲。原曲のパフォーマンスをそのままにいかしながらA.B.C-Z5人が披露してくれました。ゴムを活用して動かすパフォーマンスなのです。見ててギラギラ感や躍動感のある楽曲です。「にっちもさっちもブルドッグ」という言葉遊びも含めて当時の面白さをふんだんにスパイスとして加えながら「今の形」として彼らがパフォーマンスする姿がすごく好きでした。

 

 「どいつもこいつも」はバンドとしてのTOKIOのパフォーマンスのイメージがあったので踊るとこんなふうになるんだなぁという発見がありました。オレンジの画面に合わせてのダンス含めて見ていて元気のでる曲だっただけにハッピーな気持ちになりました。

 「ダイナマイト」は2021→2022のカウントダウンコンサートで王子様5人が歌っていて「そこはセクシー枠だろう!」と言われていたおなじみSMAPの名曲。パープル(ピンク?)ライトに照らされて艶やかに歌っているA.B.C-Zが見られて嬉しかったです。個人的に好きな曲の一つでもあるのですが、かっこいいなぁとつくづく発見もありました。振り付けにセクシーさが加えられているので、腰を回していたりと歌詞にあった踊りだなぁとも思いました。

 

 「Crazy F-R-E-S-H Beat」は鶴翼の陣形で、人数が多いからこその見せ場がしっかり見える形なんだなぁとも思いました。橋本くんのファンなのでついつい橋本くんを見ていたのですが、この曲の振り付けは岩本照さんということで、新鮮味もありました。楽曲が絶妙にK-POPぽさというか、avexぽさが詰まっているなぁとも思う曲なので見ていても楽しい曲ですね。揃っているからこその見ごたえもあるんじゃないかな~とか思ってました。

 

www.youtube.com

 

「P・A・R・A・D・O・X」はライトをふんだんに使ったダンスナンバー。橋本くん、塚田さん、河合さん、7MEN侍による披露。

P・A・R・A・D・O・X

P・A・R・A・D・O・X

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

塚田さんが音楽番組で相葉さんに振り付けが難しくないですか!?という話をしていたのが印象的でしたが、どこの部分が特に難しいんだろう……と見てしまうほどすんなりできている(素人目線ですが…)ように見えました。スマートに、かつアグレッシヴなナンバーなだけあってサビ終わりの「P・A・R・A・D・O・X!」のいい終わりがすごい好きでした。

 

「抱きしめて TONIGHT」は戸塚さんと五関さんの一曲。

抱きしめてTONIGHT

抱きしめてTONIGHT

  • provided courtesy of iTunes

 音源を聞いていると戸塚さんの歌い方ってすごい田原さんの歌い方に似ているようにも感じました。古き良き昭和の良さを醸し出しつつ、二人の息の合ったパフォーマンス、見ごたえがありました。

 

 KAT-TUNの「僕らの街で」は小田和正さんが手掛けた一曲。調べていたらA.B.C時代の4人がバックで踊っていて時代を感じるとともに彼らにとっては欠かせない一曲の一つなのかなぁとも感じました。今回は河合さん以外の4人で披露。松尾くんのバレエの振り付けが印象的でした。サビのゆったりとしたテンポで緩急をつけつつ、柔らかな冬のシーズンに向いた楽曲でもありますね。

 ここからの河合さんとジュニアによるNEWS「恋のABO」で一気にテンポが明るくなります。「YOU達、何型?」という河合さんの声に対しての佐々木大光くんの返しが毎回違っていて面白かったです。「立ち位置が本当は違います」「ここにいる全員に聞きます?」「あなたに聞いてます!」「おぉ~~(O型)」などなどなど……今回はどんな返しをするかな?と思わせてくれるワクワク感がありました。横、斜めと一列になり、最後には「恋をしようよ!」の河合さんの声とジュニアの声でのかけあい、ABOでの文字編成など「ジャニーズっぽい!!!」(ジャニーズ舞台なので当たり前なのですが)が詰まった一曲に仕上がっていました。ありがたいことに2022年はNEWSのコンサートにお邪魔することができたのですが、そういう意味でも「本家だ~!!」という発見があったりとか、色々な面白さがあったなぁと思い出す結果にもつながったと思います。

 

サンダーバード-your voice-」はイントロからめちゃくちゃテンションが上りました。自分がV6のファンという部分もありますし、すごく好きな曲だったというのもあります。また、近年のジャニーズ伝説の傾向から「V6といえば愛なんだとかやっぱり鉄板かな~」と予想していたので……。今回のジャニーズ伝説のアクロバット部分でも塚田さんがV6をリスペクトして技をするというお話をツイッターで言っていたこともあり完全にDarlingで来ると思っていただけあり衝撃がすごかったです。

www.youtube.com

 この曲は塚田さんをはじめ、アクロバットを得意としている菅田琳寧くんなどジャニーズJr.でも「アクロバット組」な人たちによる披露。サビのキャッチーかつ映画の主題歌ならではの頭に残る部分を披露しつつ、彼らのリスペクトでのアクロバットを見せてくれたことが嬉しかったです。曲がこうやってつながっていくことで、後輩のファンの人達にも今YouTubeにあるから「聞いてみよう」の出会いの場所になっていったらなぁとも願っています。友人のV6ファンを兼ねている塚田担の友人はめちゃくちゃテンションが上っていました。

 また、アクロバットシーンでは、土台が崩れてしまって披露できない回もありましたが、そういうときに迅速にショー・マスト・ゴー・オンで無理をすることなく曲として披露をしているのも良いなと思いました。もう一度チャレンジすることもできたと思いましたが、危ない橋を渡らず、しっかりとパフォーマンスしてくれてよかったな、と記憶にとどめています。

 

 「ZOKKON命」は過去にもジャニーズ伝説で披露していた記憶があるのですが(2019年に披露していました)よりステージ上で乗りやすく頭に残りやすく、それでいてA.B.C-Zの良さが寄り添った一曲でした。夜のヒットスタジオ等でのシブがき隊のパフォーマンスを見て「あれ原曲の振り付けなんだ…!」という発見もたくさんありました。オッとっと、のくだりとかまさにそうですね。

 橋本くんのオッとっと、の振り付けがすごい似合っていてほわっと温かい気持ちになりました。あと最高じゃん!と言われるたびにちょっと脳内に別の……小さくて可愛いヤツが……よぎったり…。それって…あれじゃん…!(笑)

ひとりごつ

ひとりごつ

  • ハチワレ(CV:田中 誠人)
  • J-Pop
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

 「秘・美・子」は曰く、今回の出演者の誰もが知らなかった一曲。エキゾチックで雰囲気のある一曲ですね。MVを見ているとカットインが色々あったり、モノクロだったり、メンバーの振り付け「あっこれジャニーズ伝説でもやっていたな」という発見があったりと、ジャニーズ伝説を経たことで知ることができた一曲でもあります。歌詞と曲の雰囲気がめちゃくちゃギャップ強かったです…。

 ここからの「JAPONICA STYLE」の温度差が激しいというか、ジャニーズJr.とA.B.C-Zの一気に時代を駆け巡った感がすごかったです。

www.youtube.com

 この曲は振り付けが2パターンあるのですが、扇子をパタパタさせているような素振りをしていたと思うのですがどうでしょうか…「多分そう」ぐらいの認識なのですが…。昨年のNavigatorもそうですが、SixTONESの特徴である「個性尊重」「揃わないぶん個人の迫力が強い」ダンスに対してのA.B.C-Zの揃っているダンスだと何だか別のものののように見えました。どっちがいいとか悪いとかじゃなくて「同じ曲でも違うように見えるんだなぁ」という感心するポイントでもあったように思います。いい曲ですよね、ジャポニカ。京本くんのGo…を橋本くんがGo…というところも高音で響いていて良かったですし、ジェシーくんの歌うところを五関さんが歌うところも好きだなぁと思いました。

 

 少年隊の「ロマンチックタイム」は戸塚さんがセンターで、川崎星輝くん・鈴木悠仁くんの三人で。歌詞と曲のテンポと雰囲気が全部あえて揃っていないなかで三人の踊りと歌が印象に残ります。柔らかくて大人っぽさがありながらしなやかで素敵な曲だなぁとしみじみしていました。作曲していたのが林哲司さんということで「し、知っている……!あまりにも知っている人だ……」と驚きました。静岡ご出身ですよね。応援しているチームの楽曲を作ってくれました。*3 何なら好きなアイドル(二次元)の曲も作ってくれている*4

 静かな画面と、スポットライトが当たる三人のセクシーなダンスでおしゃれな空間でした。

 

さて、男闘呼組といえば「TIME ZONE」ですが、7MEN侍はバンドグループでもあり、今回のジャニーズ伝説でもいかんなく発揮してくれました。そのため、ショウタイムでも7MEN侍が引き立ちつつ、A.B.C-Zの歌唱・一緒にパフォーマンスしている同曲は見ごたえがあって、背中合わせになっていたり顔を見合わせていたり頭を振っていたり――……非常にリスペクトも感じられる一曲でもありました。


ジャニーズWESTの明るく背中を思い切り押してくれる「証拠」はジュニア・A.B.C-Zによる披露。ぴょこぴょこジャンプする五関さんや、ステージの奥で頭を揺らす橋本くん、センターで誰より声を大きく出している河合さん、笑顔をたやさない戸塚さん、大きく手をふる塚田さん――五人がすごく良い表情をしているのが印象的でした。

www.youtube.com

曲自体がすごく好きなのですが、手振りをしているジュニアの子たちがキラキラと客席を見ている姿が心に残り、と同時に大切そうに慈しむ5人の表情も素敵でした。


 かっこいい曲でおなじみの「ミッドナイト・シャッフル」はサビの一度は聞いたことがあるであろうノリの良さが7MEN侍とA.B.C-Zの良さをしっかりと出してくれていました。良い演出で見ていて楽しかったですし、そこに「FIRE BEAT」がつながっていくのが良かったです。五人が一並びになり、炎の背景、赤いスポットライト。すごく見ごたえがありました。いわゆる「えびきす」時代を経験していないのですが、当時のライヴを見に行った友人曰く「月日を重ねている瞬間を見た」ということでした(頭を回すくだりなどで特に感じたそうで…)

www.youtube.com

 ゴリゴリにかっこいい曲で、リズムにのりやすい・同期である彼らの曲を楽しそうにやっている5人の姿がとても印象に残りました。7MEN侍と頭をぐるぐる回す「FIRE BEATといえば!」のシーンは見ていてなんだかテンションがあがりました…良い曲だなぁと改めて感じた次第です。


 五関さんとジュニアによる「BANGER NIGH」は恥ずかしながら初見でした。おしゃれな曲だなぁと思ったのと、シンプルなライトなぶん見ごたえがあり「ダンス曲」としてもめちゃくちゃ映えますよね。

www.youtube.com

 五関さんって本当に小柄なのにステージに立つとすっ……と自然と視線がそこに向かうのと所作に無駄がなくて見ていてきれいだなぁとしみじみしてしまうお人ですよね。声質にもあっていて今回の同曲を知るありがたいきっかけになりました。

 

 なにわ男子の「The Answer」は戸塚さんと河合さん、そしてジュニアの曲。金田一少年の事件簿の楽曲だからこそ戸塚さんが「そう…真実は一つ」をセリフとして放ってくれたの「ですよね~!」とテンションが上りました。

www.youtube.com

 あの!トリックが!!無茶を言うんじゃないよ!でおなじみの話を再現してくれただけでもありがたいのですが、The Answerのおしゃれかつミステリアスな雰囲気を戸塚さんと河合さんのシンメで披露してくれたのすごく嬉しかったです。振り付けもなにわ男子のものを再現しつつJrを加えての部分だったので色々をアレンジが踏まえられていて良かったです。印象に残った披露曲でした。

 

 橋本くんのソロ曲はKinKi Kidsの「Amazing Love」 テレビCMでもおなじみですね。 青空を背景に、せり上がりながら橋本くんがサビを本当に気持ちよさそうに歌っている姿がとても印象的でした。

www.youtube.com

 華やかさはもちろんですが、清潔感があるというか、原曲のおしゃれさをしっかりと踏襲した上で二人へのリスペクトが感じられるパフォーマンスでした。上手、下手、センター、色んなところを見てハートを作ってくれるところも印象的でしたし、最後の「Amazing Love」と歌うときの柔らかな表情に彼の良さが凝縮されて「橋本くんが本当に素敵だなあ」としみじみしたものです…。

www.youtube.com

 PVももちろん素敵ですがYouTubeオリジナルバージョンのこの映像もすごく好きです…!


「Magic Touch」は公演前に河合さんが「高橋海人君を再現できるように練習中」とゲネでお話されていた曲。おしゃれなダンス曲で、河合さん五関さん塚田さんの3人で披露しれくれました。

www.youtube.com

表情を観るというよりも、雰囲気とダンスを楽しむ形でせり上がりで三人が揃ったダンスをしているのを見ていて非常に楽しかったです。「THEジャニーズ」のような楽曲というよりもしなやかさが重視されている楽曲なぶん、キンプリの踊りって改めて独特でオリジナリティ溢れるものなのだなぁとしみじみ感心させられました。

 

 ここから一気に怒涛の流れへ。「LIFE ~目の前の向こうへ~」からの「Sexy Summerに雪が降る」はジュニアと一緒に披露。少年忍者たちがセリフをいってくれるのに幼き日のセクゾを思い出しました(といっても私は音源とテレビ越しのカウコンで見たことがあるぐらいなのですが…)そうやって月日を重ねてどんどん青年になっていくんだなぁとも思いますし、にこっと笑っている少年忍者の子たちがとてもかわいらしかったです。「メリークリスマス!」の塚田さんの掛け声は日替わりで、笑いが起きたり「あれえ!?」となったりといろんな面白さも詰まっていました。

 

ショウタイムの締めは「Never My Love」ここまでくると、ああ、もうここまできちゃったんだなぁという寂しさを感じます。

www.youtube.com

作中でとても大切に大切に築いていった曲が今A.B.C-Zによって見せられているというのがグループが好きである自分にとっては感慨深さがありました。河合さんがセンターにいるときにばちーんとウインクをしていたり、橋本くんがウインクしていたり、戸塚さんがまっすぐ客席を見つめていたり、手拍子を求めるシーンで塚田さんがぱあっと笑顔を浮かべていたり、五関さんのクラップがしっかりしていたり――みんなそれぞれに個性があって、やっぱりこの「Never My Love」という曲はいい曲だなぁとつくづく感じ入りました。あおい輝彦さんのソロバージョンもすごく雰囲気があって素敵ですよね。歌い続けられていく曲、というのも納得が行きます。

 

光GENJI伝説(光GENJIメドレー)はジュニアのナレーションとともに彼らの映像が流れ、佐藤アツヒロさんの華麗なパフォーマンスが見られます。ジュニアも一緒にローラースケートを披露してくれるのですが本当に…佐藤アツヒロさん…おいくつですか……?と思うほど体幹がしっかりしていて、ターンが素晴らしい。「STAR LIGHT」の伸びやかなダンスステップに当時を知らない私でも「いや…いやかっこいいな~!!」としみじみします。アツヒロさんに関してはトニセンのネクジェネでゲストに来られた回が印象に残っていて、”はじまり”と”おわり”の流れで、中居さんがグループに対して意見を述べていた――等、合宿所時代の話もありましたね。


そこからの「微笑みをあずけて」はスポットライトでアツヒロさんだけを照らし、まっすぐに歌います。この曲は忍たま乱太郎でおなじみ「勇気100%」のアレンジバージョンで、同じCDにカップリングに入っています。忍たま乱太郎の楽曲ベスト?かアルバムに入っていた記憶があって「この曲知ってる!」と驚いたもんです。

勇気100%のアンサーソングともいえるような歌詞で、フレッシュな勇気100%が背中を押す曲であればこの微笑みをあずけては、寄り添うようにそばにいる曲です。アツヒロさんが歌い、A.B.C-Zが一人ずつライトのそばに立って、前を向く――からの「ガラスの十代」につながっていくのが良いですよね。挫折して、くじけて、また前を向いて光GENJIを代表する「ガラスの十代」を披露していく流れが良くて見ごたえがありました。

ここからジャニーズJr.曲となり「レッツゴージャニーズJr.!」という河合さんの掛け声がから少年忍者の「太陽の笑顔」になり、ジャニーズグループの名前が次々と降りてくる流れ。元気いっぱいの太陽の笑顔はたくさんのメンバー構成がされている彼らを一人ひとり見られる機会でもありました。

www.youtube.com

 まさに「ぱっ」と明るい笑顔をうかべて踊っている姿はジャニーズ伝統の「元気をくれる」「明るい気持ちにさせてくれる」ものでした。

 SpeciaLの「センセーション」はアップテンポで、4人のエメラルドグリーンの衣装がはえる、はじめましての曲だったのですが終わってみると「はじめましての楽曲の中で一番印象に残ったかもしれない」と思わせてくれる曲でした。

www.youtube.com

 一度どこかでSpeciaLのパフォーマンスを別の形でも見てみたいなぁと思わせてくれるものでした。本当に彼らできないことあるの……?

 

7MEN侍の「サイレン」は盛り上がる曲というよりも聞かせる・見せる曲でした。

www.youtube.com

 7MEN侍はどちらかというと前述した通りバンドグループの印象だったのでゴリゴリに踊っている姿は新鮮で、見ごたえがありました。

 

 ジュニアの曲が終わるとA.B.C-Zの曲へ。ABC座といえば大型装置5star。披露する曲はABC座といえば、でおないじもの「LET'S SING A SONG」。拍手とともに5starを滑車のように器用に回していく姿は圧巻でした。

 また、赴いた日、マイクトラブルがあり、LET'S SING A SONG以降の音がでない状況がありました。そんな中でもショー・マスト・ゴー・オンで手拍子でつないでいく姿もありました。声が聞こえない中で地声で歌う五人の姿も、パフォーマンスとして変わらぬ表情でしっかり披露してくれる五人も、改めて「A.B.C-Zってすごいな」と思わせてくれるものでした。

 LET'S SING A SONGの好きなパートで最後のサビがぐっとくるんですが…!

届いたかな

(We're all together!!)

いまあなたに

願いを込めて

(Come on, Join us)

祈りを込めて

(Come on, Join us)

いま歌うよ

Let's sing a song

ここでぐるぐると回りながら、ラストの「Singin' together and join us!!」でばん!と定位置に毎回しっかりと戻り、ポーズを決める瞬間はぞくっときます。拍手をしたくなるというか、A.B.C-Zが持っている良さをふんだんに詰め込まれた良さなのかな…とも。

 

ここからの最新曲である「#IMA」の披露ですが橋本くんが5starの上から歌い、ゆっくりと降りてくるのですが、すごいなぁと思ったのは4人が降りて披露している中で橋本くんは上にいるからこそベルトを外して降りてくる作業があるのですが、Aメロが始まったときにはダンスの定位置にいて、踊り出せる立ち位置に毎回しっかりいるんですよね。あまりにも手際よくて一つでもミスったら絶対ズレるであろうものが揃っているの、「A.B.C-Zってすごいや……」と感じさせてくれるものでした。

www.youtube.com

 大黒摩季さんが手掛けた同曲。5人の優しい歌声で「ジャニーズ伝説」をしめくくるものとしてとてもはまっていました。改めていい曲だなぁとしみじみ。

 

 最後は「You…」最初はA.B.C-Z、そしてアツヒロさん、Jrとみんなで披露。最後のあいさつにつながる曲です。白をベースにした衣装で、この曲を歌うときのメンバーの表情が本当に優しく、切ないもので改めてジャニーさんに思いが並々ならぬものとしてあったのでしょう。

 真ん中のスポットライトに向かって語りかけるように、思いを伝えるように歌う姿は昨年も今年も続いていますが、もし見ていたら何を想うのだろう、何を伝えるのだろう。それは私のような1ファンにはわからないことですが、良い気持ちだったらいいなぁと願うばかりです。

 

一つ一つを積み上げて、紡がれるジャニーズ伝説。デビュー10周年をしめくくる作品として、帝国劇場で見られてよかったです。彼らが彼らとしてまた「次のステップ」そして、次のステージがどんなものになるのかを想像しながら、本作がまた次世代につながっていったらいいな、と願っています。

TOP