柑橘パッショナート

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夏の終わりにはきっとA.B.C-Zの「夏と君のうた」を聞きたくなる

9月1日、A.B.C-Zの新曲がリリースされました。おめでとうございます。

ドラマ「痴情の接吻」の主題歌かつ奥田民生氏による作曲、スピードワゴンの小沢氏による作詞の一曲になっていて、ドラマで聞く機会があり、ゆっくりとじわじわと浸透させていくような曲だったのですがフル尺で聞いてみるとまた違った味が出てきたのでCDに対する感想をつらつらと書いておこうと思います。

 

 

アイキャッチ+イメージ画像はお誕生日のときにいつも描いてもらっている伊於さんに描いてもらいました。いつも雰囲気が満点のタッチのイラストを描いてもらえて感謝しっぱなしです。ありがとうございます!

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夏の終り、そして秋のはじまりをしみじみ歌っている同曲

 ちなみにTwitterやヘッダーはちょっとレトロなかんじで加工しています。夏の終わり、そして秋の始まり。そんなイメージでお願いしました。

 

 

新曲の概要

前述したとおり今回の楽曲は2021年の夏ドラマ「痴情の接吻」の主題歌になっています。痴情の接吻は原作が漫画の深夜ドラマで、その相手役(主演)にリードボーカルを務める橋本良亮くんが起用されています。

結果、テレビジョン、TVガイド等で橋本くんが表紙をしています。(表紙の基準ってテレビ誌だからそういう持ち回りというか、テレビがあるから起用、というイメージなんですけど違うんですかね?)

 

 

 両方ともA.B.C-Zの他の4人も写っているのがポイント。読めるの楽しみにしています。

 

また、本作はA盤、B盤、通常盤の3タイプが用意されていてカップリングもタイトルを見るだけで「どんなの・・・どんなの!?」と思っていたのですが、公式アカウントによるリリックビデオが今回から披露されているので、全形態買う人も、そうではない人も「この曲が好きだな」ということを前もって知ることができるのが良いですね。

ところでタワレコのポスターのお写真可愛いのであれはあれで別に何かしらでもらえないもんだろうか……とビジュアル見て真っ先に思いました(笑)前回のNbFのポスターでも思ったことでしたが、ポスターのビジュアルがとても良い。

 

 ……とか言っていたら当てることができました。

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ポスターが当たってしまった…!


飾る場所については考えていなかったので、さてはてどう飾ろう……と悩んでいる今日この頃です。みんないい表情しているからこそくるっと丸めてとっておくのも勿体ない…。

 

今回のCDの紙の素材が非常に好きで、ツルッとしすぎていない、でもマットすぎない感じも含めて全体的にレトロというか、90年代ぽさがありますね。フィルムカメラとか、そういうかんじ。

 

 通常盤のこのフィルムカメラでそれぞれ撮ったかのような形が好きです。

 

「夏と君のうた」から感じる秋の訪れ、夏の終り

 リード曲である「夏と君のうた」は作詞奥田民生、作曲スピードワゴン小沢一敬、作曲船山基紀という陣営。船山さんはジャニーズ関連でだと本当にいろいろな人の楽曲に携わっていらっしゃいます。

 

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こちらがミュージックビデオ。フォントも含めて絶妙に昭和レトロチックというか、そのレトロモダンさがゆえの「ゆるくて、かっこいい」の自然体さが出ています。奥田民生さんというと気負わない、ナチュラルさが魅力のお人のイメージなので、そういった意味ではMVも当てはまっていますね。

時代に翻弄されないというか、自分が自分らしくの楽曲だからこその古くはないけれど、どこかの懐かしさが折り混ざったようなMV。このへんは実際にドラマの主題歌として流れている雰囲気とはがらっと変わっているのが面白いです。

 

映像はコラージュをベースにしているからこその移り変わりがあって、グリーンバックでいうとジョイポリスとのコラボのときに映像撮りをしている様子を見られたりしましたが*1JOYしたいキモチのジョイポリス用の映像はいろいろ組み合わせながらもA.B.C-Zの持ち味であるダンスがとてもたくさんあった印象だったので、表現方法が大きく異なっていますね。

 

また、今回からリリックビデオが公開されており、より曲の世界観に没入できるようになっています。

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もちろん、本人たちが映るMVも雰囲気が出ているし誰がどのパートなのかと直接受け取れる良さもあるのですが、と同時にイメージがまた掘り下げられるのが良いですね。

決してスピード感がある、疾走感がある!というよりも、しみじみとした歌だからこその良さが詰まっています。

現在進行系で「今を生きている」けど、一方で、どこか昔のことを思い出して、ああすればよかった、こうすればよかったかな、と思いながらその苦味とか痛みも全部ひっくるめて大切な思い出になっていくのが曲にマッチしていて、大人な曲ですよね。

「それ以外何もない夜だ」「何もかも全部ある夜だ」のギャップが非常に良くて、その「全部ある」のなかには”あの日の後悔”とか、”懐かしかったもの”とか、大人になったからこその大事にしたい「思い出」になった曲だと思います。

落ちサビの前の間奏が、これまでを振り返りながら、それでも時間が進んでいく感じ。飛び跳ねるわけでもなくスキップするわけでもないけれど、確かに日々が動いていって、だからこその落ちサビにつながっていきます。

朝の光が 僕を責める

眩しすぎて 目も開けられないほどだ

 夜になると人間というのはポエミックになるといいます。感傷的になりやすいのは交感神経と副交感神経の動きがあるというようにも言いますが――実際夜に書いたラブレター朝読み直して「だーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と言いようのない気持ちで全部グッシャグシャに丸めたくなったりとか、そういうのに近いと思います。*2 考え事をする時夜になりがちだけど、夜よりも朝のほうがいい(=朝活とかもここに起因するのではないかと)といいますし、面白いですね。

 

好きな曲でGARNET CROWの「泣けない夜も 泣かない朝も」という楽曲があるのですが、今回の「夏と君のうた」はカテゴライズするならきっと近しい位置に配置できて、迷ったり悩んだり考えたり、後悔したりしながら、それでも「今」こうやって考えられることが美しい。いつか忘れてしまうかもしれないその小さな感情たちと向き合いながら、後悔をしつくした夜から「明日」として朝がやってくる。望んだ先ではなかったかもしれないけれど、確実に「前」というものに進まざるを得ない、そんな夜と朝の間の曲。そういう意味ではBUMP OF CHICKENの大ヒット曲「天体観測」もこの曲と同じ位置づけに自分はいます。

小沢さんの世界観と奥田さんの柔らかくも自然体な楽曲がハマった曲だと思います。

泣けない夜も 泣かない朝も

泣けない夜も 泣かない朝も

  • provided courtesy of iTunes

 

サビの盛り上がりも勿論好きですが、「君のことを 思い出す夜だ」と、特徴ある戸塚さんの声で歌い上げているAメロも好きです。を~↑思い出す夜だぁ、ああ、みたいな、戸塚さんの感情がっつり乗っかって、センチメンタルさが柔らかく漂うような。だからこその続けての河合さんや五関さん、塚田さんが続いていく感じで良いな~と。歌順が好きです。適材適所というか。

 

橋本くんは今回は自身のドラマ主題歌だからこそ様々なところで重要な役割(もともとリードボーカルですしね)を担っていて、落ちサビ以外の印象に残る箇所もたくさん。

大阪公演のライヴで披露している姿をみて、懐かしさと切なさを孕んだ歌い方と、ドラマでの上条の抱えっぷり(言えずに去っていった過去)との重なり方とか、様々な部分でリンクしあっている感じが美しかったので音楽番組でも見られる日を心待ちにしたいと思います。本当にお大事に…。

 

君が好きだったバンドが歌う歌詞のような夜だな今夜は

サビのパート、このバンドで思い浮かべるものは世代や考え方でそれぞれだと思います。自分が思い描いたバンドの楽曲を併せて聞くと絶妙に追体験というか、「過去の自分」と「今の自分」を歌い上げているA.B.C-Zと同じように時間をかけて変わっていった自分を見つめ直したというか「ああ、こういうの好きだったな」という思い出と向き合うきっかけになりました。

ちなみに私はバンドで夜というと前述したとおり真っ先にBUMP OF CHICKENを思い出しました。午前2時踏切に望遠鏡担いでいくしかない。

天体観測

天体観測

  • provided courtesy of iTunes

 

奥田民生さんといえば先日チコちゃんに叱られる!で出ていらっしゃってイージュー★ライダーを歌われていたのが印象的でした。誰が、チコちゃんが。チコちゃんに叱られるでも主題歌作っていらっしゃっているのですごい微笑ましいです。

叱られたい!

叱られたい!

  • チコ村民生と江戸川オールスターズ
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

カップリングについて

今回も合計4曲のカップリングが用意されています。

こちらも前述した「夏と君のうた」と同じくリリックビデオが公開されています。だからこそ全形態ではなくて1枚購入する場合「この曲が頭に残った」が手に取りやすくなったんじゃないかなと。

 

VIVA You達!!

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他の楽曲がしっとり「聞かせる」タイプだったからこその「!?」となったというか、いわゆる「THE夏!!!!!」というような、アップテンポな曲です。

コールアンドレスポンスができる時代だったら全力求められていそうだ…となるというか。色々考えちゃうけど「まぁでもそれよりも楽しいことをしよう!」というようなシリアスさ全部投げ飛ばしているかんじです。

パブリックイメージの”塚ちゃん”要素がふんだんにあって、その上でA.B.C-Zという大人のグループがはっちゃけているのって楽しいというか。A.B.C-Zというといっぱい踊って、アクロバットをして―というイメージがありますが、こういったジャニーズ事務所のアイドルらしい楽曲(明るい・テンポが早め・歌詞は勢い)なのも色々あって、特に夏はSummer上々!!やドキナツ2017とか明るいテイストなので、今回もその部類かなと。BOU!NEN!KAI!もかな。

サビの「VIVAって何だろう~~」\VIVAって何だろう~~!/とか頭に残る楽曲ですよね。キャッチーなフレーズでメインパートになっているのが塚田さんだから、ライヴでやるときはネタっぽいかんじでやるのかはたまたファンサ系でやるのか、曲が明るい分どんなふうにも作り込めるような曲ですね。

最初にクマやらペンギンやら狐やらの全力なダンスを見て「モーションキャプチャーで重ねたのかな」と思ったと同時に絶妙にさくらももこワールドに突っ込まれたかと思いました。こう…コジコジみを感じる……。

 

Happy Happy Happines

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こちらは軽やかな楽曲。イントロが爽やかで、リリックビデオにある通り夕焼けを走っていく車の中で聞きたいですね。

良い意味で夏と君のうたに至るまでの楽曲というか、「日々は続いていく」の受け止め方が同じCDでも異なる楽曲だからこその良さ。

「物語は続いていくから」「さぁ今日も幕が上がる 未来は待ってくれない」という当たり前の部分でありながら、爽やかに五人で歌っているシーンは非常に色鮮やかに描いてくれそうですね。どこかライヴや音楽番組で聞いてみたい楽曲でもあります。

 

You've got no fear...

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曲のリリックビデオはネオンな、ちょっと落ち着いた曲ですが歌詞を見ると理想と現実に挟まれながら…という前述の楽曲たちと同じく考えて悩んでその上で目指すものがある曲です。

 

想像した未来も 涙で滲んでく 痛みさえ届きはしない

2番のここから、サビで何度も何度も立ち上がっていくような曲として伝わってくるのが好きです。Top Of Aceもそうですが、A.B.C-Zというグループの現状や諸々を鑑みると「正統派」「王道」かと言われると本人たちも様々な場所でいってるように、そうではないかもしれないけれど(”あっち”と”こっち”と表現されていましたが…)目指しているものと現状のジレンマはあったとしても、そういう状況の今を突き詰めながら「でも、だから、諦めたくない」という曲というのは響きます。

塗り替えよう 栄光の未来へ

サビの最後で必ず表現される栄光の未来。栄光ってなんだろうと考えるのですが、と同時に日常生活の中での自らの目指したい未来とのジレンマに挟まれることも多いからこそ、ふっとこの曲を側においたときに「そうだよなあ」「もうちょっとだけ頑張ろうかな」となれるような――そんな楽曲でした。誰のどのパートが好き、というよりもジワジワと浸透してくるお歌でした。

 

恋に落ちたんだ

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ダイレクトにわかりやすいラブソング。

どストレートに相手を思う楽曲なのですが歌い出しも含めておしゃれな感じですね。歌い出しも含めてさらっとしていて、けれど正直に焦がれるのは「アイドル」グループならではのラブソングとして思わずニコニコしちゃいますね。

サビの「その笑顔で 恋に落ちたんだ」の上がる音が好きです。アプローチの仕方が全員違うであろうイメージがあるなかで、恋の歌を歌い上げるときの柔らかさにふわっと心が上がります。最初にサビだけ聞いたときに(SPOT)こういうカップリングも良いな、と思っていたのですが聴けば聴くほど――みたいなA.B.C-Zは噛みごたえのある楽曲が多くて気づけばループしていました。良い。

 

特典映像諸々

 

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特典映像等はまだ見ていないのですがすでに予告編を見てバラエティが「○みってセミセミか…!?」と慄いています。

ミュージッククリップがどんなふうに作られていくのか、メイキングも含めてゆっくり見られるの楽しみにしています。

 

夏の夕方と夜の間の空を見たくなるような、そんなシングルでした。出社、通学というよりも「帰り」に聞きたい曲として、噛み締めて噛み締めて年令を重ねていくとできること、できないことを向き合いながら過去をふと振り返りたくなるような気持ちに心を重ねられる楽曲としておすすめしたいですね。ライヴでまた見られたらいいな~!!

 

 

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