先日アカデミー賞が発表され、その中で松たか子さんがイディナ・メンゼル他世界のエルサとともに歌唱されたことが話題になっていたなかではありますが、その中で脚本賞でノミネートされた「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」の話をみて「これみたいな~」と思っていたわけです。
で、まぁ映画を見に行くことは好きなんですがここ最近多忙を極めていたので「いけるのかなあ」とか思ってたわけですが、超偶然にも知り合いの知り合いが見たらしくて。
”金田一にはじまりコナンによって湯川先生がはいって古畑任三郎”
そのツイートがあまりに衝撃的だったので「これは行こう」と映画をアカデミー賞授賞式があったその日にとりました。
そう、完全に「オシゴトガタリ」での知識がいきる!!!と思ったからです(笑)
そもそも「始まりは金田一」そして「途中でコナン」さらに「湯川先生」で、オチが古畑任三郎ってオールスターすぎるしここに杉下右京はいったら大乱闘スマッシュブラザーズ状態になっちゃうっていうか。すごく見たい。そんな欲求に負けてダッシュしてきました。レイトショーで見たのですが、アカデミー賞のなかにノミネートされていることもあり、大勢の人がこの時間にも関わらずいらっしゃった印象です。
「ナイブズ・アウト」について
日本ではとても重厚なかんじに予告しているんですが(正直私も予告編みただけだと「すごいポアロっぽい」って思ってました)、いわゆる「ミステリーの王道」の要素をふんだんに盛り込んだ作品。
主演はダニエル・クレイグ。
ざっくりあらすじ
NY郊外の館で、巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌朝、遺体で発見される。
名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることになる。
パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者。
調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく―。
(公式ホームページより)
なんかそれだけだとこう…合ってるけどちょっと説明としてあれなので、私から感じたあらすじを。
富名声力を手に入れた超有名小説家(金持ち)が自分の誕生日の次の日に亡くなった。
死因は自殺。下の階には彼の誕生日を祝う家族が勢揃いだった。どこからどう見ても自殺ではあるけれど、なんだかおかしい。
彼の親族はそれぞれ仕事を持っていて有名人なわけだけれど、それぞれに事情を抱えていて――果たしてこれは本当に自殺なのだろうか。
そんな中、探偵が事情聴取に参加する。彼は「誰かに雇われている。ただ誰かはわからない」という。匿名の依頼人は誰か。また、本当に殺人なのか?
そんな気持ちが交錯し合ったミステリー作品。それが「ナイブズ・アウト」です。サブタイトルに入っている「刃の館の秘密」ですが、これは邦題つけた人がホームズ好きだからなのかなって思いました(笑)ちなみに私はボヘミアの醜聞が好きです。
登場人物が彩り豊か
そもそも本作における殺人犯は誰か?ってなるのはストーリーを面白く見る都合上「言うなよ絶対言うなよ」っていう部分が大いにあるわけですが、皆それぞれミステリーあるある「全員が全員胡散臭い」ポイントを持っています。
ダニエル・クレイグがやっている名探偵はそもそもがちょっと胡散臭いというか、紳士なんだけど慇懃無礼感が随所に滲んでいる。いや言っていることは正しい。そして行動も間違っていない。ただなんだろう…この…絶妙な……イラッとするかんじ…(笑)それも含めての「英国紳士」なのかなとも感じました。スマートなだけが英国紳士ではなく、毒々しさもはらんでいるところがユニーク。
容疑者である一族の面々も「見たこと有る顔だ……」ってなる人がたくさんいて見ててめちゃくちゃおもしろかったです。
全員が全員「都合の悪くなるところはぼやかす」「嘘をつく」っていう意味でも見ごたえがありました。その中で「嘘の付けない」人物がいるっていうのもポイントですね!
金田一でコナンで湯川先生で古畑、時々うみねこ
作品の感想ですが「声を出して笑ってしまうシーンのあるミステリー」って感じでした。
随所に渡って「真面目、でもおかしい」っていう部分がいっぱいあって、もちろんシリアスな作品(人が死んでいるし)なんですけれども十分に笑えるところもあるし、「この状態からどうなるんだろう?」という展開なのが面白いです。
視聴者には作中で「誰がどういう嘘をついているのか」が分かるシステムになっているので、「お前…お前ほら~~そうやって嘘ついた~!」みたいなのが確認できるのがポイント。「はい嘘きました!」みたいな脳内実況もできる。
そういう意味で、一族の話としてみるとうみねこのなく頃にの右代宮要素もあって総じて難ありってかんじ。いいかんじに引っ掻き回しつつ、でもふふっとわらうシーンもたくさんあった…良い内容だった。
推理ものとして一族の諸々抱えているかんじすごい見てて安心感あった。
「推理作品の楽しみ方」色々
ミステリー、推理ものだと楽しみ方って人それぞれだと思うんですよ。
「これって犯人こいつでしょ、こういう展開じゃないかな」って自分自身も”探偵”になって考えるタイプ。
「ええっそうだったのかい!?」とマスオさんのような発言をしながら一緒にストーリーを追いかけるタイプ。
「こいつ…こいつだけはだめだ…だめだこいつなんとかしないと…!」と作中キャラクターに感情を委ねるタイプ。
それぞれにそれぞれの楽しみ方があって、だからこそ推理作品で人とどうだったと話した時にポイントとなる部分は全然違ってくるのが面白いです。で、今作において自分はどれだったかなっていうと「どれも該当していた」でした。
湯川先生のごとく「実に面白い」という発言をブランがした瞬間に「また面白いことに飛びついて…」みたいな相棒の亀ちゃんみたいな反応になったし(タイプで言うと一番下かな)、一方でいろんな証拠が集まりはじめて、発言を見ていくと「これはこの人が犯人だろ~~ドウ見ても胡散臭いじゃん~」みたいなかんじで一番上になるし、一方で驚きの展開になったときに「な、なんだってー!」ってなったりもするしで、感情が忙しかったです(笑)それだけ見ごたえがあったといってもいい。
時間としてはそれなりに時間を有した作品ではありますが、あまり時間を感じない作品でも有りました。集中して見れて、でもふふっと笑える部分もたくさんあって。「飽きさせない」っていうのって映画みたいに「他になにかすることが出来ない環境で集中力を必要とする」っていうものだと、今回の「推理作品」だと置いてけぼりを食らった瞬間に退屈になってしまうものだから、それをさせないためにいろんな工夫がされていました。日本人的には馴染みがある部分も色々あったのが面白い。そして作中の一つ一つの発言が伏線になっているのも良かったですね。
個人的には長女の方のラストシーン絶対そういう形になっているだろうなっていうのもあったし(あのトリック好き)、一方でキャットファイトしているのとかも面白かったです。
次回作をください
ストーリーもしっかりしていて「面白かった」という感想に尽きたのですが、これは次回作登場人物を変えてまた見られたら良いなあと感じました。どういう展開であろうと「ミステリー」をミステリーとして楽しめる作品でありながら、テンポが非常に面白かったこと。映画として見ていて楽しかったこと(あえてドラマじゃなかったのはCM挟まなくて住んだ+集中して見れる環境の映画っていうのがポイントだったんじゃないかと思う)もあって、ぜひみたいな後思うばかりです。
とかいってたら決まっていた。とっても!!!とっても楽しみです!!!!!!!!!
小説本とかになっていたらそれはそれで「推理小説」としてハイスピードでアップテンポな推理小説として楽しめそうだなとも思うばかりです。良い映画でした!満足!