柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

オシゴトガタリVol.18/今こそ「古畑任三郎」の世界を楽しもう

オシゴトガタリも2年目に突入し、昨年1ヶ月に1回!!を目標にしていたのに早々に破り行きあたりばったりでひたすら進めてきた中ではございますが、何とかかんとか続けている中です。これもひとえに皆さんのおかげです。

本当にありがとうございますいや本当に答えてくれる人がいなかったら成立しないものなのにで…!

 

ということで、今回も「好き」「楽しい」「面白い」「考察したい」いろんなタイプの「推しごと」=オシゴトをひたすら語っていただく「オシゴトガタリ」を始めたいと思います。

 

オシゴトガタリとは?

「オシゴトガタリ」とは、このブログの管理人が、「推し(好き・応援・大切・考察対象等マルチな意味を指す)事」をしているフォロワーだったり名乗りを上げてくださった方に対してインタビューする企画です。

「無理しない」「楽しい!を人から教わる」ことを基準に行き当たりばったりで行っています。

1ミリも知らない(ミリしら)のものなら「そのもの」を教えてもらう。

知っているものなら「この人はこういうところが好きなんだな!」と感じる。

「あなたの好きを私に話してくれ!」これが「オシゴトガタリ」です。

 

 

今回お答えいただいたのはありひと(arihit0/)さん。

jokigen.hatenablog.com

無機質にアウトプット」というブログで様々な本、映画をみた感想の他、インプットされたものを独自の視点から素敵なアウトプットとして内容を展開されています。

今回語っていただいた内容は「古畑任三郎シリーズ」について。

古畑任三郎 3rd season 1 DVD

(此方は3rd season 1のDVD)

 

古畑任三郎、あなたはどこまで知ってるかな?と聞かれると、「田村正和さんのドラマ」「古畑さん喋り方が柔らかい敬語なのに結構グサグサきてる印象」「パロディめっちゃ人にされてる」「テーマ曲めちゃくちゃ有名」「SMAPが犯人だった回あった記憶がある」「コナンの名探偵図鑑かなんかで古畑さんがあった回があった」ぐらいのふわっとした認識でした。ものまね芸人さんもいっぱい出るおかげで、あの音楽のおかげでめちゃくちゃ頭にしっかり残っています。

警部補 古畑任三郎 サウンドトラック Vol.2

警部補 古畑任三郎 サウンドトラック Vol.2

 

 

三谷幸喜作品であることすら知らず(三谷幸喜という方は当然ながら知ってますよ!12人の優しい日本人が好きです(笑))そういう意味でも、新しい発見ができて、その中で改めて古畑任三郎という作品について教えていただくこととなりました。

ちなみにこのお話を始めたのが今年の1月3日、そう、大河ドラマ三谷幸喜脚本が発表される前だったんですけど、あまりにタイムリーすぎてめちゃくちゃ笑ってます。*1

www.cinematoday.jp

ちなみに個人的にはこの時代に関しては「遙かなる時空の中で3」というゲーム育ちなことから「梶原景時誰?!」ってソワソワしている次第です(笑)「平清盛」では北条政子が杏ちゃんだったのが印象的だったので、今回は誰になるのか密かに期待している次第です。

 

 

ということで、三谷幸喜氏が注目される中(意図せずでしたが)改めて、古畑任三郎の面白いところ、素敵なところ、好きなところを教えていただきます!

 

 

古畑任三郎』という作品シリーズへようこそ!

―この度はご参加ありがとうございます!では初歩的すぎる質問なのですが、”古畑任三郎”ってどんな作品なのか教えていただけますか?

古畑任三郎』は1994年フジテレビ系で第1シーズンが放映されていた、刑事ドラマです。シリーズとしては全3シーズンで、その他単発モノの特別編が8作あります。

ドラマの概要としては、田村正和演じる刑事 古畑任三郎が毎回異なるゲスト俳優演じる犯人と推理対決し、犯人のアリバイやトリックを見破っていくのが毎回の流れです。

大きな特徴としては、犯人があらかじめ視聴者にわかっている"倒叙モノ"形式を採用しているところですね。

(最初から犯人が分かってて、そこから展開していく「倒叙作品」。”逆さまのミステリー”とも言われるらしいです。ある意味ドストエフスキーの「罪と罰」も殺してからが本当の戦いはこれからだ状態なので該当するんですかね…?)

 

―原作とは特になく、フジテレビのオリジナルなんですか?!てっきり小説か何かあるもんかと…。

原作は特になく、オリジナルドラマです。

大事な情報を伝え忘れてましたが、脚本は『有頂天ホテル』や『真田丸』の三谷幸喜さんです。

 

真田丸 完全版 第壱集 [Blu-ray]

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 (黙れ小童!ととても話題になりましたね、真田丸コーエーテクモゲームス信長の野望三國志でめちゃくちゃおなじみのシブサワ・コウ氏が3D地図監修にあって「めっちゃこれゲームでお世話になったやつだ!!」ってめちゃくちゃ盛り上がった記憶があります。コエテクは驚きの真田幸村大好き会社なので…良かったね…って思った思い出が…)

 

―最近黒ラベルのCMでおなじみの三谷幸喜さんですね!!*2ストーリーとしては殺人が起きる(起こす)→古畑任三郎目線になる(犯人探し)→トリックを暴くという認識で大丈夫でしょうか?

大体そんなかんじです!ただ古畑任三郎目線になるよりかは、犯人目線のまま進むことも多いです。

だいたい話の序盤で犯人役の人は古畑さんに目をつけられてしまい、ネチネチと追い込まれていきます。犯人は焦って、人によっては自分の疑いが晴れるような企てをする人もいるのですが、古畑さんはそのもう一歩先をいって、犯人を追い詰めるパターンも多いですね。

視聴者は古畑任三郎に追い詰められる犯人をみて、楽しむわけです(笑)

(見ながら「犯人~!!!!!それボロ出てる~!!!!!!」ってなったりするやつですね?!(笑)犯人やってることはやってることなのであれだけど見ながらどう追い詰められていくのかってドキドキするやつ…!こう、今サクッと聞いた印象で最近話題の金田一少年の犯人たちの事件簿がちゃんとシリアスな形として描かれたのに近しい感じなのかな…と思いました。やることが…やることが多い…!!)

 

三谷幸喜さんといえば、比較的コメディが彼は強い印象なのですが、古畑任三郎はコメディはあまりないイメージ(その分、お笑いとか物真似でネタにされてる)ですが、その辺どうでしょう?コメディ色はありますか?

コメディ要素は全然ありますよ!

殺人の動機はマチマチですが、火サスのようなドロドロした雰囲気になることはほとんどありません。

三谷さんらしく、登場人物同士の掛け合いによるテンポの良い笑いが多いですかね。

例えば、西村まさ彦さん演じる今泉慎太郎という登場人物がいます。

巡査・今泉慎太郎(2) [VHS]

(調べたら今泉君外伝で主人公張ってるじゃないですか…!!!)

言ってしまえばホームズで言うワトソン的役割なのですが、めちゃくちゃポンコツで。

そのおとぼけっぷり自体も笑うところなのですが、そのダメな今泉くんをいじめる古畑さんが更に面白いですね。

また古畑さん自体も頭はめちゃくちゃキレるのですが、子供っぽいところや空気が読めないところがあって、そのクセの強さ故に犯人や周囲の人間を振り回すのが笑えたりします。

(テンポの良い、有る種のお笑い芸人感というか(ちょっと違うかな)会話で聞いているこっちがくすくすしちゃう感じですかね!真田丸でもあった!)

 

あ、そうそう。これは掛け合いとではなく視覚的な笑いですが、トリックの検証をするために古畑さんがストッキングをかぶりながら、タバコを吸うシーンとかもありました。

田村正和さんにストッキングを被せたのは後にも先にも三谷さんが最後でしょうね(笑)あれは衝撃でした。

(シュール過ぎて想像して「なんで?!!!!!!」ってならざるを得ないやつだ!!)

 

古畑任三郎作品は基本「刑事作品であり、ミステリー」っていう認識で大丈夫でしょうか?登場人物は警察官がメインですか?

古畑さんも今泉くんも警視庁刑事部捜査一課の刑事です。古畑さんの階級は警部補、今泉くんは巡査です。
なので、元々殺人事件を調査するのが、仕事です。

ただそれを抜いたとしても、古畑さんは推理することが好きですね。

自分の推理力に半端じゃない自信を持っており、「人間が作った謎である限り人間が解けないわけがない」と豪語したりもしております。

(ある意味「間違えるわけがない」という発想ではなく「どこかにほころびがあって、かつそれは人間が作っているのだから当たり前」っていう考えなのが面白いですね。AIみたいに計算されてできたものではないからこその謎解きというか。言っていることはとても納得できるのにそこに自信があるのは実力も伴っているからなのか…)

 

―トリックの検証でどえらい内容が出てきましたが(笑)基本検証は古畑さんご自身で体力つかってやるかんじでしょうか?

おっしゃるとおり古畑さんは基本は身体は張らないですね。

基本は今泉くんをよく使ってます。ストッキングを被ってたのは犯人との会話の流れでしたが、多分実際は三谷さんがやらせたかったんでしょうねw 

例えば殺人現場にあった謎の水たまりを舐めさせてり、犯行現場からアリバイ箇所までの移動時間を図るために全力疾走させたり……ドSなんですよね。

(今泉くん頑張れ…超頑張れ…!!(笑)そして謎の水たまりなめさせるで「ペロッ…これは…!」ってちょっと名探偵コナンのパロディを思い出しました。下手すると劇薬の可能性あるからみんな軽率に舐めないように!!)

 

古畑任三郎作品は、トリックは前もって全部は明かしていない状態でやっていくかんじですかね?(いわゆる殺害シーンだけ切り取ってのトリック回収)それともどういうトリックを使って、までもしっかり描いていくかんじですか?

トリックを全部明かしているか?については、どっちのパターンもあります。

トリックを前もって明かさず、犯人を追い詰めると同時に視聴者に発表するパターンもあれば、犯行シーンやトリックも全部描画しているように見えて、実は犯人も(視聴者も)気づいていなかったは犯人の矛盾を付くパターンもありますね。

なので、初見で古畑さんが犯人をどう追いつめるか?というのを当てるのは、なかなか難しいです。少なくともわたしは「あ〜!なるほど〜!」ってなる回が多かったです。

(なるほど、だんだんと追い詰めていく方法も多様!前もって分かっている(間違いなくこれでやっている)部分があっても果たしてそこからどうつなげていくか…?!っていうのもまたぜんぜん違うのが面白いですね。そして視聴者も犯人も気づかないけど古畑さんの指摘で「あっ!」ってなると、もう一度犯行シーンを確認したくなりそうです。ほ、本当だ~!みたいな)

 

―話の内容は基本的には1話につき1回、っていうかんじでしょうか?それともシリーズで何話か続いていく、という感じでしょうか。

そうですね〜。1時間はあっという間に感じます。犯行シーンから古畑さんによる捜査、そして最後に事件解明+犯人との対決までの構成は毎回一緒なはずなのに、それを飽きさせないのは、やっぱり三谷さんの脚本が面白いのもそうなんですが、毎回犯人役を演じる役者さんが魅力的なのが大きいのかなと。

なんでも三谷さんは役者を先に決めてエピソードや設定を考える「当て書き」をする脚本家さんで、本作もそれを採用しているらしく。なので、豪華ゲストの魅力が存分に発揮される脚本になってるわけで、面白くないわけがないんですよね。

山寺宏一さんが何かの作品で「ちょっとSEやって」って言われたっていうふうに無茶振りされたと話題の三谷幸喜さん全部あてがきなの今知りました。でも真田丸とかそういう意味では俳優さんの魅力を引き出している部分がとってもありますね。草刈正雄さん本当に良かった)

 

古畑任三郎』はどこから観ても面白い、作品です。時系列も意識しなくてよいですしね。なんてったって『涼宮ハルヒ』『コンフィデンスマンJP』方式で、作中の時系列と放送順序が合ってないので。

(時間が飛び交うやつですねわかります!!!)

コンフィデンスマンJP DVD-BOX

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古畑任三郎は時系列結構バラバラなんですね。明確に「この事件のときは」という過去を振り返るということはあまりないかんじですか? ハルヒ方式(笑)時系列表作りたくなるやつですね。ある種全体を見てみると「ここでそうなってたの!?」な驚きがあって面白いですね!

むしろ結構あります。会話の中で「〇〇(別話の犯人名)のときは〜」みたいなセリフが出てくることがあります。

でもその犯人の話の放送はまだしてなかったりして、視聴者は作中のセリフから実際のドラマ内の時間軸を推測する形ですね。そのへんも『コンフィデンスマンJP』にかなり近いですね。

コンフィデンスマンJP ロマンス編 豪華版Blu-ray

長澤まさみさんが究極かわいい+ストーリーとしてもよくできたドラマ「コンフィデンスマンJP」、見ていてテンポが良くて面白かったですね!そして方式がとってもわかりやすい説明、ありがとうございます!)

 

―ちなみに、時系列の飛び交いについては基本1シリーズでつながっていく感じなのでしょうか?それともSPまで引っ張ったりしていますか?

時系列シャッフルについては、基本シーズン内で閉じてたと思います。

ただ、ある特定の犯人についてシーズンをまたがって、話題挙がったりしてましたね。

例えば、記念すべき第1シーズンの第1話の犯人である小石川ちなみは第2シーズン以降も随所に古畑さんの会話から、その後の様子が語られます。

無罪になったり、結婚したり……。

古畑任三郎』最終話とも言えるファイナルシーズンで最後の犯人を務めた松嶋菜々子演じる大野もみじにもその半生が語られたり……。

これは三谷さんが小石川ちなみを演じた中森明菜さんの大ファンだからというのが通説です(笑)

三谷さんらしい遊び心だと思いますし、こういう仕掛けも本作品の魅力の1つだと思います。

松田聖子さんと並ぶ80年代アイドルトップクラスの人のお名前がこんなところで…!三谷幸喜さん、確かAKB48の方々とコラボしているのを見た覚えがあるんですが、アイドルお好きなんでしょうかね?中森明菜さんといえば少女Aとかいいですよね。後飾りじゃないのよ涙ははぶっちぎりでかっこよく歌われているので私も大好きです。やっぱり鉄板はDESIRE-情熱-ですかね!?!妖艶、可憐、かっこいい、いろんな部分が混ざり込んだ素敵な方だと思います)

 

古畑任三郎作品といえば、忘れてはいけないあの音楽とOPも魅力の一つだと思うのですが、あれは全作品ほとんど一緒ですか?

毎シーズンあのOPとテーマソングです。

OP映像はシーズンによって、バックに写っている古畑さんの立ち姿は変わってますが、四角く囲まれた文字フォントと赤い直線が画面端から伸びてくるというテイストは一貫しています。

あとは『古畑任三郎』を語る上で外せないのはアバンですよね。

真っ黒な部屋でスポットライトを浴びた古畑さんが振り返り、視聴者に語りかけるというかなり特徴的なものですが、あれも第1シーズン第1話よりずっとやってます。『相棒』とか『半沢直樹』、『リーガル・ハイ』とかドラマは音楽も大切ですよね。その作品を印象づけるというか。

(フジテレビの同年代だと「踊る大捜査線」「ショムニ」「GTO」あたりもですかね。テーマ曲で言うと「ごくせん」なんかも頭に残りますし、やっぱりテーマ曲=その作品の名刺代わりみたいな部分があるので古畑任三郎のテーマ曲、そしてアバンの基本モノクロをメインに使っていてシンプルなのって「シンプルだからこそ惹きつける」ものがあるからなのかなっても感じます)

 

古畑任三郎」という人について

―ありひとさんの感じる古畑任三郎という人の、いわゆる他作品における「探偵」の立ち位置の方々の違いって何だと思いますか?

古畑さんは『相棒』の杉下右京さんほど頑固ではないですね。

個人的には右京さんは「どんな理由であろうと犯罪者は断固許すまじ」「絶対正義」のイメージですが、古畑さんはもう少ししなやかです。

基本的には犯人に対して敬意を払って接することが多いですし、相手によっては「人生は何度でもやり直せる」と諭すこともあります。一方で、「犯罪をゲーム」と捉えていたり、自己の利益のために罪を犯す人間には容赦なかったりします。(犯人を平手でぶったこともありますね)

そのへんは右京さんに通ずる部分であり、基本コメディ雰囲気強い本作品のメリハリになる部分だと思います。

(有る種貫きすぎた正義が警察内部でなんでだこの野郎!!ってなったりして孤立しちゃったりするのが右京さんのある意味良いところであり、同時に悪いところでもありますもんね…。そのへんをフォロー回る「相棒」がやっぱりそこでスパイスになっているっていう意味では魅力。しかしながらふたりとも殺戮に対して楽しむ人に対しては絶対的に許せない点など、「警察官」としての自覚がしっかりあるのかなぁ…ととても感じました。ふたりとも違ってふたりともどこか似ている。ちょっと対談したら面白そうですよね!(笑))

 

金田一少年の事件簿』とは作品としての比較になってしまいますが、あの作品犯人結構死にますよね(苦笑)『古畑任三郎』で犯人が自殺するのは1回のみで、そのことは古畑さんにとっても心の傷となっている描写があります。

名探偵コナン』の青山剛昌先生もおっしゃられてますが、探偵役が犯人を追い詰めたゆえに、その犯人すらも死に至らしめてしまっては、本末転倒感を感じます。そういう意味でもわたし個人の「探偵」感にマッチしている本作は魅力的ですね。

金田一少年、初期めちゃくちゃ犯人が死ぬ確率高いんですよね。有る種因果応報感あるんですが。逆に言うと「自分が死んででも何としてもこいつら絶対罰してやる」っていう憎悪とか、復讐心、おどろおどろしい気持ち、執念みたいなのに注目して作っているからなのかなぁと思いました。有る種「推理物」であり「復讐」というものをテーマにしているのかなあとか。金田一少年は概ね「犯人が可哀想過ぎて被害者全員クソじゃん」っていうことが多いです。まぁだからといってフォロー入れきれない部分もありますが(笑)ちなみにシーズン2からだんだん犯人が死ななくなって、だいぶ救う方向になっています。「生きる希望がある」「他にも道はある」ということを示唆するっていうのは犯人もまた「人」であるっていうことの重要性なのかもしれませんね。救うのも人、突き落とすのも人。)

 

―古畑作品ではあまり人が死なないということで、そのへん「犯人の心の揺さぶり」がポイントとして描かれている部分というのも大きいのかな、って印象を今うけました。(同時に心の傷になっているのは本当にそりゃあ目の前で死んだらそうなりますよね…)

「犯人の心の揺さぶり」がポイントとして描かれている部分が大きいというのは、そのとおりだと思います。

犯人側の気持ちになると、古畑さんに目を点けられとたことを同情したくなる犯人とかいますね(笑)

(最初に彼ら(犯人側)から見ているからこそ古畑さんじゃなければ何とかなったのかもしれないなあみたいな部分はありそうですよね。金田一やコナン、ほか諸々作品の「探偵が…探偵さえ来なければ…!!」って思うのとちょっと似てるというか。そういえば昔コナンと金田一のコラボゲームがDSで出ていて村一個まるっとなくなっていた思い出が…!!(笑)「出会わなければ」は、古畑さんの場合「仕事」だからこそ、ある意味仕方ない気もしますが、なかなか不憫でもありますね。

 

―古畑さん、人の心の謎解きというよりも「ロジック」面での謎解き(トリック解決)をしていっている印象を今受けたんですけどそこらへんはどうでしょう。

古畑さんの推理についてはロジック重視だと思います。

ただ前提として『古畑任三郎』はコナンや金田一少年、本格推理小説とかにに出てくるようなめちゃくちゃ凝ったトリックは出てこないです。

よくある紐や鍵を使ったような密室や館の構造を利用したトリックみたいなのはほとんどありません。なので関係者を集めて壮大なトリックの再現や説明をするシーンはありません。どちらかといえば犯人と一対一で退治して、嘘の供述やアリバイ工作の論理の矛盾を付いていく作品です。

うまく伝わるか自信がないのですが、例えば犯人が○○は赤色だと言っているとして、古畑さんはその時間、その場所で〇〇が赤色なわけではない(本当は緑色であるべきなんだ)みたいな感じで、相手の嘘を論理的に論破するタイプですね。なので嘘を見抜くという点では人の心の謎解きも得意だと思います。

(ある意味意地が悪いといえばそれっきりなのですが、しっかりと予防線を把握した上で、論理だてて相手の嘘を『見抜く』っていうのがとても面白いなと思います。人は自分に都合の良いように嘘をつく生き物ですし、そこを踏まえた上でしっかりと見せていく古畑任三郎強い)

 

―今泉くんと古畑さんの距離感というか、関係としてはどんな感じでしょう?この二人の関係としては上司と部下であることもそうですが、今泉くんとしては古畑さんに対して【この人なら謎を解いてくれる】的な印象なのか、はたまた【また始まった】みたいなパターンなのかどちらなのでしょう??結構そこで二人のやり取り変わりそうですよね、ボケとツッコミというか(笑)

まず今泉くんから見た古畑さんは、【コンチクショーと思いつつ大好き】と言う感じです。それこそ第2シーズン中は「巡査・今泉慎太郎」という今泉くんが主役の深夜スピンオフがあったのですが、その中で「古畑のヤローが俺をいじめるんだ」と同期に愚痴るシーンが多々有りました。ただそう言いながらも古畑さんのことが好きな彼は何かと彼と行動したがります(笑)

第3シーズンに入ると今泉くんとは別に西園寺くんという、非常に優秀な(今泉くんとは比べ物にならない)部下がレギュラー化するのですが、今泉くんは彼に対して勝手に対抗心や嫉妬心を燃やしたりしています。

(なんだかんだ振り回されていながらも相棒であるのは自分だという自負が芽生えているのとても良いのでは…?!!)

 

一方で古畑さんは、表向きは彼を邪険にしている描写が多いです。

「署内でキミとわたしが仲がいいと思われていることが非常に腹が立つ」とか「わたしの知る限り最低の刑事です。長いこと一緒に仕事をしていて役に立ったことをは一度もありません」とかを本人の前で平気でいいます(笑)

ただ、極稀に彼のポンコツな行動が事件解決のための思わぬヒントになることがあり、そういう点では彼を認めているようです。

(悪態つきながら一緒にいろんな難事件を推理していくうちにちゃんと「認める」っていうくだりができるあたりとても良いですよね!!悪態つくだけじゃない!!良い!)

また明石家さんまさんがゲスト回のときに、今泉くんが容疑者として捕まってしまうのですが、そのときの古畑さんは「友人の人生がかかっています。必ずやあなたの尻尾をつかんでみせます」と犯人(明石家さんまさん)に真っ向から啖呵を切り、見事今泉くんの無罪を証明します。この話はファンからの人気が高く、ご多分に漏れずわたしもTOP3に好きな話です。多分この話だけでずっと語れます(笑)

ということで、デコボココンビなりに絆が感じられるいい関係だったのですが、第3シーズンあたりから三谷さんがこの構図に飽きたのか、今泉くんのポンコツ具合がより強調されるようになり、古畑さんからの扱いもよりひどくなってしまい、2人で行動するシーンが減ってしまったのでコンビ感は薄れてしまいますね。ちょっと残念。

 

 

古畑任三郎作品を彩るゲスト俳優たち

―個人的にとても印象的な話でSMAPが殺人するやつがあったような記憶があったんですが、(最後に壇上にマネージャーが頭下げながら出てくる落ちだけ覚えてます)ああいった感じで「芸能人が芸能人役」で出ることも結構あったかんじですか?

1999年のお正月に放送された『古畑任三郎 VS SMAP』ですね。 

SMAP回は今となっては伝説回です。今はもうあんなこと中々できないだろうなぁと。ライブステージに頭を垂れながら上がっていくマネージャー役の戸田恵子さんは確かに印象的でした。

「芸能人が芸能人役」パターンは意外と少なくSMAP回と野球選手のイチローの回の2つのみです。

(マネージャーさんが戸田恵子さんっていうのがまた何ともいえない味がでていそうですね。実際のライブっぽい雰囲気があったような記憶があって、すごく印象的なドラマだったなぁと覚えています)

 

SMAPは複数犯での犯行だと思うのですが、古畑任三郎シリーズでは複数犯っていうことは多いんですか?

犯人はほぼ単独犯です。複数犯だったのはそれこそSMAPのときくらいだったかなと。

基本犯人役のゲスト俳優はある程度有名な方ばかりなので、その俳優さんとの一騎打ち構成ですね。

 

―有名な方々との推理バトルはわくわくしますね!シーズンのドラマはクール制だったと思うんですが、こういった有名な方々が出ると言うのはスペシャルドラマだから、というわけでもなく通常シリーズからも多いかんじでしょうか?

基本はクール制の各話のゲスト俳優さんはいつも豪華な印象です。それこそ福山雅治氏も明石家さんまさんもクール内の通常回のゲストさんでした。あとは堺正章さんとか津川雅彦さんとか草刈正雄さんとか市川染五郎さんとかとか、三谷ファミリーも多いですね。

倒叙形式ゆえに大物芸能人を無理なく犯人役に迎えられたらしいです。普通の形式だとどうしても大物ゲスト出ていると「この人が真犯人なんでしょ〜?」みたいな見方をされてしまいますもんね。

スペシャル版のゲストは先に挙げたSMAP以外に藤原竜也さん、松本幸四郎さんとか緒形拳さんの回がありました。確かに「おおっ!」ってなりますが、仮に通常回のゲストがスペシャル版の犯人を担当されていたとしても遜色なかったと思います。それだけ毎回豪華な俳優・芸能人さんを起用してました。

(有名な声優使ってるとすぐ犯人こいつだろって一発で分かっちゃうあるある…!!!昨年の名探偵コナン映画で「これ絶対梶さん犯人でしょ」って思ってたら案の定だったときの言いようのない「デスヨネー!」感に似てる気がします。コナンはそこも踏まえてのエンタメだから…!(笑) )

 

―通常回が豪華すぎて今だと全部スペシャルクラスになりそうですね…!(笑)

ゲスト俳優については、わたしも改めて考えて本当にすごいと思います。時代は違ったとはいえ、今だったら主演クラスの福山雅治氏とかが単発1話の犯人役で出てたりするわけですから、贅沢極まりないです。

最近またアツいキムタクなんか普通回の犯人役として1回、SMAP木村拓哉としてスペシャル版に1回、計2回出演してますからね(笑)

(「教場」「グランメゾン東京」と俳優木村拓哉としての立ち位置をまた1ステップあげている木村拓哉氏。当時SMAPめちゃくちゃ人気だったし俳優さんとしてもビジュアルとしても人気があったキムタクなら納得ができます…がそれにしたって2回はすごい!)

 

私の「古畑任三郎」TOP3

―印象に残った作品TOP3というお話が先程出たので、ぜひお好きな作品3つ教えて下さい!

好きな話TOP3は本当に悩ましいですが、こんな感じです。

  1. 第2シーズン第1話『しゃべりすぎた男』ゲスト:明石家さんま
  2. 第3シーズン第5話『再会』ゲスト:津川雅彦
  3. スペシャル版『すべて閣下の仕業』 ゲスト:松本幸四郎

 

『しゃべりすぎた男』は、先程紹介した古畑さんと今泉さんの絆を感じられる展開が激アツです。

この話は法廷モノになっており、クライマックスは法廷で明石家さんまさん演じる小清水弁護士を追い詰めます、そこでの田村正和さんによる息もつかせないセリフ量と演技の迫力も見ものです。タイトルもゲスト俳優、そしてこの回の謎解き部分にも大きくかかっており、センスがめちゃくちゃ光ってるのも評価が高い。

 

『再会』は作品の中でもかなり異質な、誰も死ななかった(事件が起こらななかった)回です。その異質さも面白いのですが、ハイライトはラスト、旧友である津川雅彦さん演じる安斎に古畑さんが人生について言葉をかけるシーンです。もう号泣。感動必須です。「人生は何度でもやり直せる」という古畑さんの理念が改めて強調された名エピソードです。

 

『すべて閣下の仕業』は全話通して、唯一今泉くん、西園寺くんが登場しない回です。田村正和さんと松本幸四郎さんという大御所俳優の対決ということで見応え充分ですし、ミステリーとしても上質で、視聴者はだいぶ驚かされました。まさにテレビだからこそできたトリックだった思います。

 

(まずタイトルで「しゃべりすぎた男」っていう段階で明石家さんま氏ゲストなのめちゃくちゃ笑いました。こう、コミカルかつ賑やかなお人である印象だからこそ余計にというか「ですよねー!」感というか。あてがきならではで、でも実際のお話を聞いてみるとちょっと方向性が違って、むしろとても張り詰めた空気感なのが感じられるのが面白いですね。俳優さん同士のぶつかり合い、田村正和さんの見せ場っていうのもワクワクしそうです!「再会」は先程お話に上がっていた古畑任三郎というお人柄がしっかり出ていそうな作品の印象を受けました。津川雅彦さん、名優ですよね。どちらかというと忠臣蔵等の印象があるので、今作でどのようなお芝居をするのかとても気になります。松本幸四郎さんに関しては最近CMでよくお見かけしている印象なのですがタイトルがめちゃくちゃかっこいい。閣下。閣下かっこいいよ閣下!!!(語彙力がない ) )

 

―「テレビだからできた」っていうのも三谷さんがテレビ向けに作っているからっていうのもあるんでしょうね!三谷さんというと舞台作品もやれる方の印象が強いのですが、古畑任三郎の先程挙げられたお話は「テレビという空間」だからこその面白さも感じられそうですね。

「テレビだからできたトリック」は三谷さんがかなり仕掛けてきたなぁと思います。

もう1つテレビドラマならではのトリックを使っている唐沢寿明さんがゲストの話があって、どちらも見事に視聴者を騙してくれます。

媒体を意識しているというのは、多分そのとおりで、元々かなり理詰めに構成を練る人のようで、例えば同じ作品でも、ラジオドラマ、舞台、映画と違った形で演じられる都度、イチから脚本を書き直しているそうです。(『笑の大学』だったかな?)

 

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 (どちらも同じ作品でありながら、脚本・雰囲気を変えているっていうのは面白いですね!私がすごい好きな「12人の優しい日本人」も、映画と舞台でそれぞれ全く異なると聞いています。舞台もいつかみてみたいところです)

 

―「作品」として今お話をお伺いしましたが、今度は「犯人」で印象に残った方を教えて下さい!

どの犯人も魅力的ですが、やっぱり明石家さんまさんは外せないですかね。

好きなエピソードというのももちろんありますが、いつも番組司会等ででめちゃくちゃしゃべりながら大っきいお口開けて爆笑しているさんまさんが、ドラマ内でとてもシリアスな表情をされてるギャップが印象的です。しかも結構渋くてカッコいいんですよ。

あとは歌舞伎役者の澤村藤十郎さんは忘れられないですね。この方、わたしは後にも先にも『古畑任三郎』でしか存じ上げないのですが、骨董屋の役で出られてました(調べたら現代劇は本作が初出演だったらしいです)。

ネタバレせずに説明するのがなかなか難しいのですが……、この犯人、犯行のときに骨董商として、痛恨のミスをしてしまいます。

そのミスを古畑さんに最後指摘されるのですが、それは犯人にとってはミスではなく明確な理由があって……。

そのときのセリフを語るときの澤村さんの演技がとてもよくて。大きくないんですけど、観てて鳥肌がたつというか。澤村さんが演じた犯人役は一見ニコニコしているが、腹の底では何を考えているかわからず、結構冷酷な人間なのですが、そのミスの理由を語るときだけ、初めて本音が垣間見えたように伝わるんですよね。

カメラワークや映像演出に頼ることができず、雰囲気や細やかな所作で魅せる歌舞伎役者さんだったからこそ、あの演技ができたのかなぁと勝手に思ってます。

その他にもいっぱいいます。緒形拳さんとかやっぱり大御所としての余裕がすごいあって、田村正和さんに負けない存在感だったり、この辺にしときますかw

 

(にこにこしてるけど腹の底が見えないとかオン・オフのスイッチ入るのめちゃくちゃ熱いのでは…?!そして歌舞伎役者さんの「写っていないなかでも動き続ける」というところが見られるのすごく楽しみです。雰囲気、所作、細やかな部分だけで「ああ、今こんな状態なんだろうな」っていうのがひしひし伝わってくるのって言葉が少なくても伝えられる大きな舞台で立ってきている人たちだからできる部分も往々にして有ると思います。テレビ俳優さんと舞台俳優さんで「出し方」「見せ方」っていうのはそれぞれ違うでしょうし、そこに「歌舞伎」というものがはいったら更にまた変わってくるのかな、と…!!)

 

―では逆に「今まで出てきていないけど、2020年の今やるとしたら見てみたい俳優さん!」とか教えて下さい!

これも妄想が広がりすぎて止まりませんが……。ひとりだけ挙げるとしたら、堺雅人さんですかねぇ。

わたしが堺雅人さんにハマったのも三谷幸喜さん脚本の『新選組!』の山南さんの演技を見てなんですよ。そっからめっちゃ好きで。

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 (山本耕史くんを一躍有名にした「新選組!」ですね!!!!私も!!!!めっちゃ好きです!!!)


好きな女優TOP3に入る菅野美穂さんと結婚されたときは、非常に複雑な気持ちになりましたが、それでも「堺雅人ならいいか!」と何様感MAXで許してしまうくらい好きです(笑)

堺雅人さんも熱血キレキャラから、幼稚なおバカキャラ、ちょっと頼りない優男まで幅広いですが、『古畑任三郎』に出るんだったら山南さんタイプで出てほしいですね。

微笑みを崩さず、常に冷静沈着で余裕があり、でも本心でなにを考えているかはわかりづらい殺人者。古畑さんとの対決は映えそうです。

半沢直樹のようなものから、真田丸ヒミツの花園の次男、そしてエンジンのげんにぃのように淡々としながらも変わっていく人、壬生義士伝のにこにこしながら腹の底が見えない沖田、ハチクロの修ちゃん、ジェネラル・ルージュの速水先生、南極料理人のようにTHE普通の人…本当にいろんなことができてすごい俳優さんですよね……!めっちゃ見たい…!)

 

古畑任三郎で広がった世界観

古畑任三郎の作品の魅力や人柄、世界観などを教えていただきましたが、今度はありひとさんご自身と古畑任三郎シリーズについてお話をお伺いしたく!この作品に出会われたきっかけって何からでしたか?

出会ったきっかけは親が観ていたのが最初です。

当時は小学校低学年だったので、シュールな笑いどころや犯人を追い詰める論理展開は全然といえるくらいわかってなかったでしょうね。

ただ、最初のアバンと解説パートの前に、視聴者に語りかけてくるっていうのが自分の中でとても斬新で印象的だったのを覚えています。そこにかなり惹かれました。あとは敬語を使うキャラクターっていうのも新しかったかもしれません。(今思えばありひとの「一人称”わたし”キャラ萌え」はここから来ているかもしれない……)

そこから小学校高学年くらいにチョコチョコ再放送で観るようになり、中学校になって父に頼み込んで全シリーズのDVDを買ってもらい、初めて通しで全話観たって感じです。

DVDをGETしてからは観まくりましたねぇ〜。高校の受験勉強のときは観てるというより、BGMとして聞いてました。前述した明石家さんまさんゲスト回の『しゃべりすぎた男』なんかはだいたいのセリフを空で言えたと思います。

 

古畑任三郎 COMPLETE Blu-ray BOX

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(全部まとめて買うとお値段が当然張るわけですが、それを買ってくださったお父様から察するに本当に本当にお好きだったんだなぁと…!後自分の作品の好みのきっかけから「こういう人を好きになる」っていうのめちゃくちゃわかります…ある意味罪深く、ある意味原点でもあるそれ、すごいわかる…!!!)

 

―探偵ものというかいわゆる「推理モノ」の基盤にご自身の中でなっていったのもやはり古畑任三郎からだったんですか?

言われてみるとそうかもしれません。

このあたりから小学校の図書館でシャーロック・ホームズ明智小五郎の小説を借りたりしていた気がします。

たまに火サス?土曜ワイド劇場?でやる金田一耕助浅見光彦シリーズとかも観るようになりましたね。

(あの時代めちゃくちゃサスペンスというかミステリー多かった記憶があります。金田一少年銀狼怪奇ファイルも言ってしまえばそこに該当しますね。時代的な流れですかね…?)

 

今こそ、「古畑任三郎」の世界へ! 

―長々となってしまいましたら、せっかくですので「まだ古畑任三郎を具体的に触れたことがない」「モノマネぐらいならわかる」ぐらいの人、あえて「全く知らない人」色んな人がいらっしゃると思います。そんな方々にありひとさんからぜひメッセージをお願いします!

 

古畑任三郎』は倒叙モノミステリーとしても、エンタメとしても本当に魅力的な作品です。ドロドロした雰囲気やグロテスクだったり残虐なシーンはほとんどないので、大人だけではなく子供も楽しめる作品だと思います。

また、三谷幸喜作品をそれとなく観てきた人だったら、三谷ファミリーと言える俳優さんもバンバン出ているので、「あ!あの作品で出てた人がこんなキャラで犯人やってる!」なんて楽しみ方もできると思います。

前述したとおり、どのシーズン、どの話から観ても楽しめる作風になっているので、気になる役者さんが犯人をやってる話から観てみるのもおすすめです。もちろんシリーズとして通しで観たほうが、いろんな仕掛けがあってより面白いです!

最後に!これまで古今東西、多くの芸能人、芸人が古畑任三郎のモノマネをしてきました。しかし!どんなにそれっぽい雰囲気を出せている人でも、あの田村正和さんのクセのある、でもめちゃくちゃかっこいい演技を再現できていた人は誰一人としていません。ぜひその目で本物の古畑任三郎に魅了されてほしいと思います。

……ありひとでした(笑)

 

―その最後の「ありひとでした」というのは…?!

これはアバンの一番最後に「古畑任三郎でした」っていう風に作品で言うのでそれのパロです(笑)

(最後までしっかりこだわりが!!!!!!ネタをわからず本当に申し訳ないです!!)

お話を聞いた上で

単発ドラマで、かつ毎話犯人が豪華で、さらに「俳優」として犯人と古畑任三郎の一対一のお芝居勝負も見ながらストーリーも面白いってめちゃくちゃ良いな~って思いました。

どっちかというと古畑任三郎作品ってパロディであのOPとともに使われることが多い印象だったので、「ああこんなふうに内容はできていたんだ」っていうのが聞いてて面白くて見てみたくなりました!

 

昨今、「犯人目線」ってなっていくと最近はコメディにいくことが多くて(金田一少年の「犯人たちの事件簿」とか、コナンの犯沢さんとか。それはそれで面白いですが!)そういう意味で「犯人目線にかきつつもいかにして謎が暴かれるか」ってとても興味深いです。1時間という枠の中に(SPはもっと長いけど)抑えた上で、彼らの人柄も踏まえ、かつ古畑さんの魅力を伝えるっていうのはとても難しくて、でも同時に「見ごたえ」がとてもあり、テンポもとんとんと進んでいくのは三谷幸喜氏ならではの見せ方もあるのかなって思います。

個人的に「犯人目線」って言われると前述した金田一少年の事件簿であった「星見島 悲しみの復讐鬼」っていう犯人目線になって金田一少年の目をかいくぐりいかにして完全犯罪をするか!!!っていうゲームがその昔あったんですが、そういうのも踏まえて「ああ~!!謎が!謎が暴かれてしまう!!」っていうなんとも言えぬ犯人に感情移入してしまいます(笑)

金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼

金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: ハドソン
  • 発売日: 1998/01/15
  • メディア: Video Game
 

 (時代を見て時代…って顔してる)

 

一つひとつの事件をピックアップし、衝動的だったり緻密な計算をだてて犯行に及んだ犯人が「どういう心境」で「どうやってかいくぐろうとしているのか」が見られるっていうのはすごく興味深いですし、ニヒルでありながらどこかチャーミングである古畑さんという人物だからこそ出せる雰囲気、世界観もあると思います。この人だからこういう言葉を言えるし、この人だからこういう考えになる、だからこそ踏みとどまらせることができる(もしくは、突き詰められた)。

その上で「シリーズが長い」印象があったんですが、どこから切り取っても見られるっていうのはとても良いですよね。濃密で凝縮されていても見ごたえがあるというか。楽しめる良さが盛り込まれていると思います。

ドラマを見るきっかけって人それぞれじゃないですか。例えば三谷幸喜さんが携わっているということで見始める方もいるだろうし、作品あらすじについて読んでみたらどうみても好みってパターンもあるし、主題歌や出演俳優を見て決めるパターンもあります。それら全ての「きっかけ」となるフックは制作側が諸々たくさん用意をしていて見始めるわけで。

視聴者は事前の情報を収集したり(CMをみたり)例えば主題歌がめちゃくちゃ売れたりとかしてその結果見る。っていうケースもあるしクチコミでまた派生していくケースもあります。ゲスト俳優からみよう!てなるパターンも往々にしてありだと思うので「そこからでも大丈夫」な古畑任三郎の作りってとても視聴者側を取り込みやすい作りだなあと感じます。

好きなタレントや俳優から入るのもありだし、見てみたい内容から見てみるのもありだし、そういった多角的に色んな要素を盛り込んでいるっていうのが三谷幸喜氏の作品だからこその良さもあるんじゃないかなあ、とか、そんなことを感じます。

 

素敵なお話!ありがとうございました!!!とっても楽しかったです!――甘夏でした!(笑)

 

ご紹介いただきました

jokigen.hatenablog.com

なんと!ご紹介をいただきました!

この企画を通じて「私の話を聞いてくれ!」「これもっと話したい!」というポイントがいっぱい出てきてくれたということで聞いた側としてもとっても楽しい時間を頂戴できたことをここに記しておきます。

「知らないけど知っている」を「この方が好きなこの作品!」になるとますます見る機会が広がっていけると思います(少なからずFODで配信ないのかめちゃくちゃお話終わってから調べまくった私です)

なので、ぜひとも今後もいっぱいいっぱい好きなことを話していってください!!(笑)

*1:2022年は三谷幸喜小栗旬による「鎌倉殿の13人」に決定

*2:2020年のCMで妻夫木聡さんと共演されていました。

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