あっという間に8月になり、今年も残すところ…と数えたらめまいがしそうです。
ということで、毎月恒例の自分の”楽しい”を他の方に教えていただく「オシゴトガタリ」です。
「オシゴトガタリ」とはどんなの?っていう方へ。
- 「オシゴトガタリ」とは、このブログの管理人が、「推し(好き・応援・大切・考察対象等マルチな意味を指す)事」をしているフォロワーだったり名乗りを上げてくださった方に対してインタビューする企画です。
- 「無理しない」「楽しい!を人から教わる」ことを基準に行き当たりばったりで行っています。
- 1ミリも知らない(ミリしら)のものなら「そのもの」を教えてもらって、知っているものなら「この人はこういうところが好きなんだな!」と感じる。
それができる場所。それが「オシゴトガタリ」です。
コンセプトはそんなかんじで「人の楽しいという気持ちを教えてもらう」っていうことを目的にやっています。
これまでの皆さんは非常に個性豊かな内容を披露してくださり、「自転車チーム」「北海道銘菓」「宝塚歌劇団」「モー娘。」「朝ドラ」「声優企画」「ロックバンド」と、私の知らない世界をどんどん広げていただいております。
ということで、今回のゲストは「僕が僕であること(仮)」というブログで息子さんとご一緒にウルトラシリーズを中心に楽しまれているRyoさんです!!
実は「ウルトラシリーズ」って言われて最初に思いつくのが「ウルトラマンティガならある程度世代なのでわかります!!」ってぐらいでほかはいわゆる声優ファンとしての視点でばっかりになってしまいがちで(誰々を誰が演じているという意味で)、なかなか作品に触れる機会が少なかった私にとって一つ「未知なる世界」の一つ。
特撮というジャンルを確立したといってもいい円谷プロが育てている「ウルトラシリーズ」。そのシリーズの中でも「ニュージェネレーションヒーローズ」を教えてもらうこととなりました。
タイトル聞いて「アイドルマスターシンデレラガールズのチーム名と一緒だ!」*1というぐらいの認識だったので、本当に「ミリしら」の民に色々改めて教えていただけることになりました。ありがたい!!!
アイコンは息子さんのお写真。とても可愛い!
ということで、Ryoさんによる「ウルトラシリーズの中から”ニュージェネレーション”」についてのオシゴトガタリです!
- ニュージェネレーションって何ですか?
- ニュージェネレーションヒーローズの魅力について
- 各作品にそれぞれのドラマと魅力がある
- 「多様性を認める」という難しさを伝える
- 主題歌めっちゃかっこいい!
- 新作へのワクワク!
- 今だからこそ、ウルトラマンを!
- お話を聞いて/伝統だけではなく新しさも加えて新たな方向性へ
- 『追記』ご紹介いただいちゃいました
ニュージェネレーションって何ですか?
ー改めましてRyoさん名乗り上げていただきまして有難うございます!!!!まず第一に、ニュージェネレーションズとはどこからどこまでを指す言葉なのでしょうか?
こちらこそよろしくお願いします!
「ウルトラシリーズ」は、一般的には、2013年の夏に放送が始まった『ウルトラマンギンガ』から現在放送中の『ウルトラマンタイガ』までがニュージェネレーションヒーローズと呼ばれています。
ただ、『タイガ』は今後「令和ウルトラマン」とか別のカテゴリーに入る可能性もあります。文章にすると非常に長くなるので(笑)、それぞれ放送された年をまとめてみます。
- 2013年『ウルトラマンギンガ』全13話
- 2014年『ウルトラマンギンガS』全16話
- 2015年『ウルトラマンX』全22話
(以上が『ウルトラマン列伝』内にて放送) - 2016年『ウルトラマンオーブ』全25話
- 2017年『ウルトラマンジード』全25話
- 2018年『ウルトラマンR/B』全25話
- 2019年『ウルトラマンタイガ』
『ウルトラマン列伝』とは2011年から16年まで放送されていた、過去のシリーズの再放送を中心に構成された番組です。
『ギンガ』から『X』までは列伝のワンコーナーとしての放送でした。
彼らがニュージェネレーションヒーローズと呼ばれ始めたのは『オーブ』辺りからでしょうか。
『X』以降は春に劇場版が公開されるのが通例となっており、それぞれ前年のウルトラマンのゲスト出演が見所になっています。
(ワンコーナーという立ち位置にびっくりしました。ウルトラ列伝なのにコーナー…?)
(春映画は仮面ライダーとかだと平ジェネの映画で過去作共演で特にその年のライダーとその前のライダーが主軸になっていたりするのですが、イメージはそれが近いのかも?という認識)
ーちなみにこの「ニュージェネレーションヒーローズ」の前のものとかも別称とかがあったりするんでしょうか?
平成以降のウルトラマンの小分けでいうと、
以上が平成三部作
- 2001年『ウルトラマンコスモス』
- 2004年『ウルトラマンネクサス』
- 2005年『ウルトラマンマックス』
- 2006年『ウルトラマンメビウス』
以上がハイコンセプトシリーズ、もしくは名前四文字四部作と呼ばれています。
『メビウス』から『ギンガ』までの間を繋いだのが、主にBSで放送されていた、歴代怪獣をポケモンみたいに戦わせる『大怪獣バトル』シリーズと『ウルトラマン列伝』という流れですね。
(まさかのポケモンのように戦うことしていたのに驚きました。ゴジラVSシリーズみたいな…?/多分違う)
ーウルトラマンって個別で世界観が独立してるイメージなのですがニュージェネレーションについては”映画のゲスト出演では繋がってるけど本編だと別次元”なんでしょうか、それとも同じ次元でヒーローがたくさん一緒に世界を守っているって感じでしょうか?
個々の作品の世界観は、基本的には別次元です。
ただ、『ギンガ』が始まる前の2009年に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』という映画が公開されていまして、これがいわゆるエポックメイキング的な作品になっています。
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この作品以降、別々の世界に存在していたウルトラマンたちがその垣根を超えて共演することが増えまして…M78星雲のある宇宙を中心に、マルチバースと呼ばれる多次元宇宙の設定が導入されています。なので、別次元でありながら別次元ではないといいますか(笑)。特に『X』ではテレビシリーズでも客演が頻繁に行われていました。
(イメージとしては遊戯王ARC-Vのような認識でいいのかなと思いました。いろんな世界がそれぞれにあって、それぞれの中でリンクしている部分がどっかしらある、みたいな!)
で、『ウルトラ銀河伝説』で初登場したウルトラマンゼロってのがいまして。
こいつはウルティメイトイージスという鎧みたいなのをつけると多次元宇宙を自在に移動出来ちゃったりします。なのでいつでもどこでも客演可能!
ゼロは『ジード』にもセミレギュラーとして登場していて、本来ニュージェネの括りにはいないんですけど、各種イベントなんかではシレっとニュージェネ勢に加わってますね(笑)。
ー「セブンの息子だ!!」ってCMで突然出てきて「み、宮野真守くん~!!」と声優好きでゼロは話題になりました(笑)あと「ついにセブンに息子が…」と世代の方がおののいていた記憶があります。「何でも対応可」な立ち位置なんですね!そして他作品にセミレギュラーってめっちゃ美味しい存在じゃないですか!!
ゼロ、個人的に推しなんです(笑)
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ーしかし「多次元」というイメージでいうと、みんな話が独立しつつゲストが来ているっていうと見ている側は”誰だお前!?”ってなることはあんまりないですか?「各作品をそれぞれ楽しめる!でも全部知ってるとより楽しめる!」って感じで大丈夫でしょうか?シリーズはじめから行ったほうがいいのか最新作からいっていいのかな?的な意味で…!
そうですね、知れば知るほど楽しめるし、知らなくても理解できるように配慮もされていると思います。
客演に関しては、それぞれファンのツボを心得ているといいますか、イベントのためのイベントにはなっておらず、ドラマ的にも必然性があるので旧作のファンも楽しめます。
▽Ryoさんのイベント感想レポート
ただ、ゼロは急に出てきます(笑)。
>>突然のゼロ<<
ニュージェネレーションヒーローズの魅力について
ーニュージェネレーションヒーローズの魅力をそれではこれから聞いていこうと思うのですが、せっかくのブロガーさんですし、ぜひ先にご自身のブログを宣伝してください!(笑)
それでは僭越ながら…!(笑)
ーということで、まずは宣伝していただいた上で!(笑)早速ですが「ニュージェネレーションヒーローズ」について、感じる”今まで”との違いって何だとおもいますか?
ニュージェネ以前の平成になってからのウルトラマンって、ウルトラQから続くウルトラシリーズの形といいますか、スタッフの人たちも円谷の伝統を守らなきゃって意識が凄く強かったように思うんです。
それが、『ティガ』から『ガイア』くらいまではいい方向に行っていたけど、『コスモス』辺りからウルトラマンと怪獣の立ち位置が揺らいできて、作風もちょっと迷走して。そうしているうちに仮面ライダーがめちゃくちゃ人気になって、円谷プロ自体が倒産寸前てとこまで行って…。
だからウルトラ派としては仮面ライダーの盛り上がりはちょっと「いいなあ」っていうのと「負けてられないぞ!」みたいな、いわゆる「ライバル」っていう気持ちがあったりします。
で、とにかく「もう円谷的なプライドとか、なりふり構っていられない!」
そういう姿勢がニュージェネ以前以降の違いかなと思います。
ー円谷プロそんなことに…!?知りませんでした…!具体的に「そんな違いが?!」みたいなものとかって何か感じられる箇所はありますか?
例えば、変身アイテムにしても、これはまあバンダイとの絡みとか色々あるんでしょうね、めっちゃくちゃ玩具なんですよ(笑)。
ウルトラアイみたいなあんなオシャレな感じじゃなくて。『ギンガ』や『X』では、スパークドールズと称して実際に売ってる怪獣のソフビがそのまま画面に出てきたりするんです。
ーソフビってあのソフビですか????あの????キッズも大人も大好き低価格で遊び倒せるあの???
そうです(笑)あのソフビです。
(公式サイト / ウルトラ怪獣500 | ウルトラマンギンガS | おもちゃ情報 | バンダイ公式サイト いってみたらほんとに本格的にソフビがメインになってて「すごすぎない???」とびっくりしています)
特オタ的には「そりゃねーだろ」って思うんですけど、息子を見ると、画面に映ったのと同じやつ持ってるから飛び跳ねて喜ぶんですよね。
競合作品との差別化という意味でも、歴代の名怪獣出したりとか、全然躊躇なくて(笑)。ほんとにウルトラがヤバい時期知ってるから、突き抜けたなーと。
各作品にそれぞれのドラマと魅力がある
ー先程話題になっていた「ソフビで戦うウルトラマン」であるギンガはギンガSと2つになって分かれてるんですね!ちょっと展開が新たな雰囲気になる的な感じなんでしょうか?
『ギンガ』は、主人公のヒカルくんが高校生で、そのお友達が物語の中心。ジュブナイル的な作品なんですね。
正直、画面を見ると当時の円谷プロの苦しい感じがはっきり伝わってきちゃうくらい貧相といいますか…無理して作ってる感はあるんですけど、それが無印ギンガ特有の独特の空気感に繋がってます。
(第1話:「星の降る町」)
(第1話の予告編を見てみると”新ウルトラマン列伝”の立ち位置で第2話なの…?!とめちゃくちゃびっくりしました。あとまだ第一話なので何ともいえませんがどっちかっていうと「人と人」のドラマに近そうなかんじの印象を予告編で受けました。)
(前半のハイライトを公式がアップしている、そう円谷プロならね)
『ギンガS』は『ギンガ』の続編ではありますが、主人公はそのままにキャストが一新されています。よりこれまでのウルトラに近いテイストで、UPGという防衛チームが物語の中心。そこに新たなウルトラマン、ビクトリーが絡んでいくという構成ですね。
『ギンガS』から特撮も豪華になり、当時は『ギンガ』とのギャップにびっくりした記憶があります。
画面の情報量が全然違うので…『ウルトラ銀河伝説』も担当したアクション畑の坂本浩一監督がメインで参加し、これまでのウルトラには無かったアグレッシブな演出をどんどん取り入れました。
(同じ「名前」だけど雰囲気が一気に変わるというのはそれはそれですごく興味深いです。イメージとしては「風来のシレン」とか「逆転裁判」みたいな感じですかね…?ゲームとかでよくある「関わる人が変わることで空気感が変わる」みたいなかんじ!)
(早速予告編を拝見した印象「すごい!!ウルトラマンのなんか安心感がある!!!」でした。こう、バチバチやってる感じが…私の知ってるタイプのウルトラマンっていう意味で。でも新規にも優しそうな空気を感じる。)
ーそういえば先程「ソフビがアイテムになっている」というお話がありましたが、ちなみにソフビでどうやって戦うんですか…?
ソフビの足の裏にライブサインっていうコードがありまして、主人公のヒカルくんのギンガスパークでそのコードをリードするとウルトラマンにも怪獣にも変身出来ちゃうという…ちなみにウルトライブっていいます。
ヒカルくん以外もソフビで怪獣にライブするんですけど、怪獣のぐんぐんカットが見れたり、ヒロインの子がレッドキングになったりとか、なかなかおもろいです!
(ヒロインなのにレッドキングを選ばれるセンス!!!/笑)
(改めて見るけどこれヒロインがなるの…?ヒロイン涙目では……??)
『ギンガS』ではあんまり怪獣には変身しなくなっちゃいましたけど、今度は『ビクトリー』がウルトランスって言って怪獣の力を片腕に宿したりします。
で、実際に売ってるソフビと変身アイテムの玩具でそれを再現するのがめちゃくちゃ楽しくて…!
ー先ほどブログでご紹介されていましたごっこ遊びを全力でされるお話に通じますね!Ryoさんといえば息子さんと常に「一番近い同志」として盛り上がっている印象があってすごく楽しませていただいております。ダイレクト世代である息子さんの反応はどうでしょう?
息子に関しては、僕は今の子はみんなライダーか戦隊に行っちゃうものだと思ってて、ダメ元でウルトラマン見せたら見事にハマって今に至るという感じです。
ヒーローも好きですけど、彼は怪獣が大好きで。
ニュージェネって歴代怪獣の再登場が多いんですけど、僕らにとっては見たことあるヤツでも息子にとってはそれが初めてだったりするので、新世代の新鮮な感想が聞けるのを僕も楽しみにしているんです。
ー作品における、「時代の流れ」でのニュージェネレーションヒーローズという部分もあるとは思うのですが、一方で”この括りになっている”からこそ生まれる共通点もあると思いますがどうでしょう?
『オーブ』以降なんですけど、シリーズ通しての悪役がいるんですよ。
そいつらが皆めちゃくちゃヘンなやつ!っていう(笑)。
みんな悪役なんですけど、なんでそうなってしまったのか、それぞれにちゃんと過去を抱えていて。
主人公の成長物語の裏で、悪役には悪役なりの生き方があって…みたいな部分は凄く惹かれます。役者さんのお芝居も乗ってるし、一度見たら忘れられない人たちばかりです。
ー悪役にもきちんとストーリーがあるっていうのはいいですね!倒して終わりではなく、それぞれの物語がちゃんとあると!
そうなんです!『オーブ』以降のクセが凄い悪役をまとめてみました。
ジャグラスジャグラー(オーブ)
『オーブ』の人気はジャグラーの人気と言っても過言ではないほど、ほんとに変わってますこの人。演じる青柳尊哉さんの怪演もさることながら、純粋な悪ではなく、光を掴んだオーブへの嫉妬心とか妬みからどんどんひねくれていく様子が人間臭くてたまらんです。
セリフとかもいちいち面白くて、「一度くらい俺に勝たせろよこの野郎ー!」とか吉本新喜劇の「このくらいにしといたるわ」的な感じで主人公に言い放つ様は今も忘れられない(笑)。
伏井出ケイ(ジード)
ジャグラーの後で、見る人の悪役へのハードルも上がっていたところでまた凄いのが出てきたな…というのがこの伏井出ケイさん。
ミステリアスかつ狂気。『ジード』は主人公とその父親・ベリアルの関係が物語の軸になっているんですけど、ベリアルのしもべとしてこのケイさんが色々仕掛けてきます。
前半は策士なんですけど、後半どんどん身を滅ぼしていく様がちょっと可哀想にも見えたり。SF小説家で、劇中では彼のファンのことをハルキストならぬ「フクイデスト」と呼んでます。
愛染マコト(ルーブ)
ヘンなやつ度合いはこいつが一番です(笑)。
これもネタバレになってしまうので何とも言えないのですが、アイゼンテックという会社の社長で、一見いい人だけど実は…というパターン。
ウルトラマンオタクで、湊兄弟が変身するロッソとブルの戦いぶりにケチつけたり、どこかで見たことのある老害オタク的なキャラクター。
あの愛と善意の伝道師・愛染マコト の #今日のお言葉 が、日めくりで毎日楽しめる💞
— 円谷プロダクション (@tsuburayaprod) July 18, 2018
愛染マコトのお言葉カレンダー、ウルフェス会場で発売決定!
21日からは、オンラインでも通販いたします。
詳細にご期待下さい!#ウルトラマンルーブ #愛染マコト pic.twitter.com/wbSzk0FMH2
(調べて最初に出てきたのまさかの日めくりカレンダーだったんですけど…つまり…どういうことなの…)
(そして「老害オタク」っていうのに刺さりが過ぎてわかる~~あるある~~って顔になるやつ。まさかの公式に導入されているのは気になるがすぎる)
「多様性を認める」という難しさを伝える
ーウルトラマンというシリーズにおいての「ウルトラマン」の扱われ方とかはニュージェネレーションヒーローズでも作品ごとで異なりますか?
「その世界の人たちがウルトラマンや怪獣をどう受け止めているか」はそれぞれ異なるかもしれません。
例えば、『X』にはXioっていうかっちりした防衛チームがいて怪獣や宇宙人と敵対する一方で、人間と共存する可能性も探っている。
(第1話/「星空の声」より)
『オーブ』は、私設の怪奇現象調査チーム”SSP”の3人が少年探偵団みたいにとにかく色んなとこに首突っ込んで、それが時々状況を大きく進展させたりする。彼らの好奇心と探究心が物語を動かすエネルギーになっていました。
『ジード』と『R/B』は、いわゆる防衛チームの存在しない世界でウルトラマンが世間にどう受け入れられていくかという部分に、テレビのニュースの描写を挟んで見せていく。みんながウルトラマン大歓迎というわけでもないのが妙に生々しくもあり、でも確かにと納得させられる部分もあります。
ー「わからない=こわい」という部分も描かれているんですね。
「共存」というテーマは本当は諸刃の剣で、ウルトラマンの存在意義を否定しかねない部分があるんですけど、『X』ではそのへんの矛盾をきちんと整理した上でドラマに組み込んでいます。
「激撮!Xio密着24時」という回がありまして、これはぜひ見ていただきたい傑作です。
(激撮!Xio密着24時)
警察24時のパロディをウルトラでやろうっていう試みなんですけど、捕まった宇宙人が隊長に事情聴取を受けたりして、ネタとしても笑えるし、宇宙人や怪獣のいる日常が本当にさり気なく、でもリアリティたっぷりに描かれています。
ウルトラマンが出てくると町の人々がスマホを向ける光景とかもすごく今っぽい。息子もこの回が大好きでよく見返しています。
(タイトルからしてお遊び回ぽいのにそのなんかこう全力で「その世界観」の馴染みかたを意識した作りになってるの、この作品そのものの空気を感じ取れる良い回な感じがしてすごく良い…そういうの大好きなのでこの回がお話をうけて気になりまくってます)
ー危ないという気持ちと、昨今の日本人の「さもありなん」感というか…。ウルトラシリーズで描く「共存」「他者を認める」という点について、Ryoさんはどうお考えですか?
僕も息子に見せることを考えたときに、「ただ単にウルトラマンが強化されて派手に怪獣倒して終わり」みたいなのは嫌なんですよね。
怪獣も宇宙人も、名前のない人たちもみんな生きていて、それぞれに色んな事情を抱えていて…っていう部分をウルトラシリーズには描いてほしいし、子供の考える機会にもなるのかな、と思います。
主題歌めっちゃかっこいい!
ーちなみにウルトラシリーズOPめっちゃかっこいい印象がありまして!(笑)それこそV6の「TAKE ME HIGHER」(ティガ)もそうなんですけど、演出が心くすぐるというか…曲にあってるの多いですよね!ゼロもDAIGOでしたし!!
TAKE ME HIGHERは劇中の挿入歌としても効果的に使われてましたね。
今でも音楽番組でV6が歌ってくれてて、長野くん見るたびに息子と「ダイゴー!」って叫んでます(笑)。
- アーティスト: V6,20th Century,Coming Century,Marsa Sakamoto,奥居香,菊池一仁,松井五郎,BANANA ICE,真木須とも子,小幡英之,秋元康
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(版権の問題でV6のTAKE ME HIGHERが使えないっていう時期があり、それも含めて両者のファンから”なんでだ!!”って声があがって、最終的に現在みたいに受け入れられるようになった。そのへんも含めて「良かったなあ~」って気持ちになりますね)
ちなみにニュージェネのOPってことで言うと、僕はルーブの『Hands』が好きで。
オーイシマサヨシありがとー!って(笑)。
ー長野くん=ダイゴの認識、ファンとしてはすごい嬉しいです(笑)それにしてもルーブの曲、イントロからかっこよくないですか??めっちゃ熱唱するのまったなしでは…?!
僕は『ティガ』繋がりもあって、多分ジャニーズで一番馴染みあるグループですV6!
「学校へ行こう」的な番組またやってくれないかなーと。
ちなみにV6ファンの間では『ティガ』ってやっぱりマスト的な扱いなんですか?なかなか配信とかで気楽に見る機会が少ない作品なので、少し気になります。
ウルトラの曲って、あまり気をてらってないというか、子供にも分かりやすいのが多くて僕も好きです。家族でカラオケ行ったら絶対息子と歌いますし…!
(学校へ行こう的なのに一番近いのは「愛なんだ」なんですけど、あれを後継番組です!どうぞ!っていうと「昔懐かしい気持ち」というノスタルジックの同居がちょっと強いのでそういう意味でも新しい、でも楽しいがあったらいいなあとファン的には思います/笑 でも愛なんだは愛なんだで楽しそうなのが今年も楽しみです)
ーV6ファンとしてはティガは「僕がティガ(ヒーロー)だもん」って長野君が言ったりしてますし、やっぱり思い入れ強いひと多いと思います。TAKE ME HIGHERはコンサートであのイントロぶち上がりますしね!!!私も好きです!!(笑)以前WOWOWで放送してくれたりしましたが、なかなかファンじゃないとコンサートとか含めて見る機会ないですもんね…!ウルトラシリーズの曲は作品名が入っているあたりとかも含めて「覚えやすい」っていうのがあると感じていますが、そのへんは最近のだとどうでしょう?
今やってる『タイガ』のOPはタイガの声をあててる寺島拓篤さんが歌ってて、ついにキャラソンがウルトラ主題歌に!って時代の流れを感じますね。
(寺島拓篤さん/通称「てらしー」うたプリの音也などを他に演じられています。個人的に寺島さんは遙かなる時空の中で6有馬一と停電少女と羽蟲のオーケストラの柩が好きです)
ー寺島くんが楽曲決まった!というとき声優ファンの中でも話題になりました。今までのなかではキャラソンというのは実質初というかんじでしょうか?
ウルトラのキャラソン、まさにTake Me Higherはダイゴ本人が唄ってるとも言えますからその類に入るのかもなんて思ったりもします(笑)
V6は他の曲もそこそこ分かるので、ライブとか行ってみたいですねー。嫁さんがキンプリ*2ファンなので、ジャニーズの情報も結構入ってくるんですよ!
(ぜひ親子席で皆でご覧いただきたく!笑 キンプリの空気も味わってみたいものです)
昭和のシリーズで言うと『レオ』では主役の真夏竜さんが主題歌唄ってたりもしますが、今で言うキャラソンの定義だと『タイガ』が初めてかと!
ウルトラマンゼロでも演じられた宮野真守君の歌は『ウルトラマン列伝』で主題歌になってましたね。
ウルトラマンの声に声優さんを起用して、そこから人気を広げていく手法は多分ゼロ&宮野君からじゃないかなーと。
新作へのワクワク!
ーところで、つい先日ウルトラマンシリーズの新作が発表されましたが発表を受けての率直な感想をお願いします!
(7月25日、ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズの発表がありました。お話を受けてる流れだったので「このやり取り監視されてるのでは?!!!」(ない)とか思ったのは言わずともがな)
ヤバイですこれ!!!
『ギンガ』がひとりぼっちで戦っていた頃から見ていますし、”感慨深い”の一言です。
僕の場合、その間に子供が生まれて一緒に『ジード』からハマって……という過程もあって、ニュージェネが勢揃いすると無条件で泣けます(笑)
ブログでも書いていますけど、僕が子供の頃はウルトラマンがやっていなかったので、こうして毎年ウルトラ兄弟が増えていく感動って初めてなんですよね。
ニュージェネ世代と言うには年をとっちゃいましたけど(笑)息子を通して僕もリアルタイムで追いかける喜びを味わっています。
坂本監督は『ギンガS』と『ジード』でもメインだった方で、御本人も大のウルトラフリークなんです。思い入れが深すぎてときには「やりすぎ!」と感じることもあるぐらい画面からあふれるウルトラ愛が凄いので、今回の新作でも何をみせてくれるのか楽しみです。
今だからこそ、ウルトラマンを!
ー長時間に渡り質問ご回答有難うございました。まだウルトラシリーズというものを触りしかしらない方も多いでしょうし、「長いシリーズだからこそ」という理由で触れていない人もいると思います。そういった方に最新シリーズである「ニュージェネ」がこんなに面白いぜ!!というメッセージをいただけますか?
「ニュージェネ好き!みんなに見てほしい!」という思いが伝わっていれば嬉しいです!
まずニュージェネに関してお伝えしたいのは、
「今、ウルトラマンやってるよ!」
「騙されたと思って1回見てみて!ミニチュアとかCGとかハンパないから!ヤバイから!!」
ってことですかね。
やっぱり子供の頃から円谷プロ派だった僕としては、もっと世間一般にも、今のウルトラマンが認知されてほしい気持ちは強いです。
特撮のクオリティの高さは、その入口になるかもなんて思ったりします。
シリーズを重ねるたびに思わず「おっ」と身を乗り出してしまうくらいレベルアップしていますから!
「男の子なら幾つになってもこういうの絶対好きでしょ!」ってタブレット片手に宣伝して回りたいくらいで!(笑)
そこにあるものを撮る、きぐるみとミニチュアならではのドキュメント性みたいなものを今のウルトラマンは追求しているように思えるんですね。もちろんCGもあるんですけど、ミニチュアを使えばこんな映像が撮れますよ、ってゴジラもフルCGでやる時代にあえて見せてくれている。
子供の頃に一度でも怪獣映画を見てテンション上がった人なら特撮映像をきっかけに今のウルトラマンにハマるんじゃないかなあ、と。
ただ、僕も息子と一緒に『ジード』にハマるまでは平成ウルトラマンは『ティガ』『ダイナ』『ガイア』の3作以外認めねぇとか思ってる時期がありました。
そんなコンプレックスを取り払ってくれたのが「今、ウルトラマンを作る意味」に付いて模索を続けるニュージェネレーションヒーローズだったんです。
過去作とのつながりはあるんですけど、どの作品も単体でも十分楽しめられるように作られていますし、何より長くても全25話と非常にコンパクト。
思い立って見始めたらすぐ制覇です。気楽に、面白そうなやつから手にとってすぐ見ちゃおう!!(笑)
あとウルトラマンはイベントも多くて楽しいんですよ。
今まさに池袋で「ウルフェス」やってますし、本編の撮影が終了する9月意向は実際のキャストが登場するステージもあったりして、僕は息子がハマっているのをいいことに『ジード』「R/B』のレギュラーメンバーにはほぼほぼ会うことができました!
コチラが「ウルフェス」ことウルトラマンフェスティバルです!
ーありがとうございました!これからもブログめっちゃ楽しみにしています!!
お話を聞いて/伝統だけではなく新しさも加えて新たな方向性へ
ということで、ウルトラマンシリーズについてはティガ以外だと「知ってる!!doaの”英雄”じゃないですか!!」って印象が個人的に一番いわゆる”見ていたもの”としてあげると、っていうのが強いタイプな自分が「ニュージェネレーションヒーローズ」という世界をのぞき見させていただきました。
まず第一に驚いたのは「円谷プロそんなことになってたの」っていうこと。
東映というか、仮面ライダーも「これからも続けられるかな」という流れになりつつあった頃があったのは知っているのですが、特撮と言われる業界全体の陰りというか、ブームではなく「定着」したからこその難しさみたいなのがきっとあったのだろうなっていう印象です。
で、その上で色んな紆余曲折を経て「今!これを!やるぞ!!」っていうので体当りしているさまは非常に面白く、またそれを「リアル世代」である息子さんと一緒にご覧になっているっていうのが聞いてて素敵だなと思いました。
ウルトラマンがやっていない空白の時間、子供のときに得られなかった「ワクワク」を今、自分も再び得て、一緒に楽しんで、こうじゃないかああじゃないか言ってるっていうのは失われた時を求めていると同時に「今」を作っていくというウルトラマンシリーズの最新作・ニュージェネレーションヒーローズが「これからを作る」に似ている感じがしました。
どちらかというと仮面ライダーや戦隊を常時ではないにしても目を通して「楽しいな~」ってなっていた自分からして「なぜウルトラマンをみないのか?」という疑問が個人的にあったんですが、Ryoさんとのお話をしていて「やっているということを知っているのに知らない」という部分があったのだなあと、実に惜しいことをしたもんだと思っています。寺島くんが歌っているのも話題になっていたはずなのになぜか目を落としていた。そこから「じゃあ見てみるか~」ができたかもしれないのに。惜しいことをした…。
しかしながら、ウルトラシリーズにしてもニチアサ(現在は「ニチゴゼ」)シリーズにしても描かれる部分で重要なのはもちろんバトルや殺陣もそうだけれど「人の物語」であるということだと思うんですよね。どういうふうに考えて、どういうふうにその世界を生きて。その中で、先程話されていた一人ひとりの背景が、名前のないモブにも、怪獣にも、もちろんウルトラマンのそれぞれにもあって、描いているっていうのは「大人だって子供だって関係なく、みんなそれぞれ見た上で感じて、そして考えよう」っていうのがあるんじゃないかなって思っていいな~って思います。
ウルトラシリーズは沢山の人を経て、繋がって繋がって今になっていると思います。伝統の作品。先程話していた「今だからこそCGができるのにCGではない描写もたくさんある」というのはそのスキルがあるからこそできる点だとも感じています。
悪役たちのいきいきとした「生き様」を見たり、主人公サイドの血の通った人としての「息吹」を感じたり。そういうことがニュージェネでも感じられたらいいなあって思うのと、25話というコンパクトさにこう…うっかり…気がついたら見始めていそうだなって感じます(笑)
個人的には「オーブ」と「ギンガ」が今聞いた感じだとすっごい気になるんですが、「どこからでもいい」なら最新作から攻めるか…とか色んな夢が膨らんで楽しいばかりです。
Ryoさん、素敵なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました!!
『追記』ご紹介いただいちゃいました
なんと!!!!!
弊ブログの記事を!!!!!!!
ご紹介いただきました!!!!!!!!!
www.bokuboku12.net
正直本当私が人の話を聞くのが好きで、好きな人の好きなものをひたすら語ってるのを聞きたい聞きたい!!ってなってるわがまま企画なので、すごい褒めていただいて恐縮です…!ありがたい…。
これからもぜひ息子さんと、ご家族でいっぱいいっぱい楽しんでいるところをおすそ分けしていただけたらと思います。
とりあえず私はどこから見ようか画策しているのですがギンガから行くか、オーブからいくかXからいくかがすごく今悩みどころです(笑)