柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

とある遊戯王ファンの追悼文

 7月7日、高橋和希先生が逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

 正直触れるか触れまいか最後まで悩みに悩みに悩み抜いて今日を迎えています。正直書いては消し、書いては消し、書いては消しを繰り返して、今、改めてやっと調べる気になって、色んな人のコメントや追悼文を読み、考え、キーボードを叩いています。

 そんな、どこにでもいるタイプの「遊戯王」という作品が大好きな人間による書き残しです。

 正直いろんな言葉を記そうと思ったのですが、そこに行き着くことも出来ず、亡くなったという現実も受け止めきれず、何だかふわふわしているというのが訃報を聞いてすぐでした。

 ちょうど7月7日は遊戯王5D’sの主人公・不動遊星の誕生日でもありました。
 「遊戯王」から「遊戯王デュエルモンスターズ」になり、GX、5D’sとつながっていったものでもあり、声優陣も今もなお大事にしてくれていることが分かる作品でもあります。新しい作品を重ねながら、その上で過去の作品も大事だよって言ってくれるのありがたいですよね。

 ……という流れで、まったくをもって「いつもどおり」の日常でした。

 そんな中で飛び込んできた訃報に言いようのない「嘘であってほしい」と「そんなわけがない」という漠然とした気持ちが一気に寄せてきました。

 私が知ったのはスマホのニュースアプリで、「遊戯王作者」とだけ書かれていたのを見て、最初は何か新作がまた出るのかな、とか思っていました。一瞬でそんなワクワクは覆されてしまって、出てきたのは言いようのない気持ちで、それをずっとぐるぐる旋回させている状況といえばいいのでしょうか……そこから、いろんな人の追悼コメントを見ました。テレビ番組でインタビューを受けていた人は「元デュエリスト」「現役デュエリスト」と書かれていて、この「デュエリスト」という肩書だけで何のユーザーか、何のファンかが分かるって改めてコンテンツの大きさを感じます。

 「俺のターン、ドロー!」というだけで、カードゲームであることは明確で、世代によってはもうそれは遊戯王が代表格なんだよね!!ってなります。

 

 Twitterのフォロワーさんには遊戯王を介して知り合った人たちもたくさんいて、皆さんそれぞれの信じられない気持ちを抱かれていました。いわゆる追悼の言葉を言いたいはずなのに、現実が受け止めきれないせいか一つも出てこなくて、ありがとうございましたという感謝の言葉も出てこない。現実なのか非現実なのかも分からないような、そんな気持ちであるように見受けられました。自分自身もまたその人だから、というのもありますが……。

 

 段々と、そのニュースが流れてからアニメーターさんや声優さんたちがコメントを出され始めました。宮下くんの「今は少しだけ待ってほしい」という言葉がとてもつらかったです。大事なキャラクターの誕生日で、自分にとって親しい人が逝ってしまったことは想像を絶するほど辛かっただろうとも思います。

 そんなみなさんのコメントを見ながら、ゆっくりと息を吐きながら、そうかあ、と噛みしめるようにして、やっと言葉にしたのを覚えています。

 

 遊戯王は私にとって、本当に特別な作品です。世代ということもあると思いますが、クラスの子達に混じってカードゲームをしたこともしかり、ファンとのコミュニティができたのもしかり、色んな人と、色んな話をしました。遊戯王が終わってからもニコニコ動画で音MADもみました。PV風風のもみました、手書きMADも見ました。そこからつながった次世代シリーズ、GXや5D'sがあってからの超融合は劇場に何度も足を運んだことを覚えています。決して長い映画ではないのですが、それでも何回もいって、何回も聞いて、回り回ってこの映画が5D'sにおける重要な内容になっていることもあり、多分数えられないほど見ました。

 

 カードが新宿駅にずらりと並んだ時に「このカード大好きだったな」となったり、作品で愛されていたカードと、自分が実際に出たカードをそれぞれ探したりなんかして。
 文庫版や画集を買って、タロットカードが抽選でもらえると聞いて応募して(外れましたけど)。カラオケに行くたびに後ろに遊戯王の動画が出るからって入れたりして。先生にファンレターも送ったことがあります。新卒のときに就職活動先にコナミを入れて落ちたこともあります(笑)

 

 遊戯王だけじゃなくて、読み切り漫画も一度掲載された時に「これコミックス化しないの!?」と言っていたことも覚えています。

 そういう、一つひとつ。漫画も、イラストも、アニメも、原点として高橋先生がいたから始まって、それがゆえにたくさんたくさん連なってきたものだと思います。
 誰かを信じる力。優しくあろうとする心。本当の強さとは、優しさ。古代エジプト。いろんな「ワクワク」と「ドキドキ」と「友情」と「考え方」をもらいました。
 ザダークサイドオブディメンションズの告知を見た時に沸き立ちました。絶対行く!!!!!!と宣言し、お台場の舞台挨拶にもいきました。ジャンフェスにも行きました。

 

amanatsu0312.hateblo.jp

 

 こう、それぐらい、言い表せない「特別」なものです。今も心が追いついていないといえば嘘じゃない。遊戯王も、そこからつながる作品も、自分にとってはとっても特別なものたちです。

 先日、武藤遊戯を演じている風間俊介さんが作品の最終回と絡めながら先生に対し追悼のメッセージを放送されている番組がありました。素直に寂しいと言ってくれて、先生がどんな気持ちで作品に向き合っていたのかを知って、いろんなことを考えさせられました。多分そこでやっと心が向き合おうと動き出したように感じます。

news.nifty.com

 涙が出るというよりも、感情がついてこないというか、うまく整理できない・うまくまとめられないという感じでしょうか。まだ受け止められていないかもしれないけれど、それでも、自分の根底にはやっぱり揺るがぬ形で遊戯王があって、先生に大好きな作品を作ってくれたことを感謝するばかりです。

 まだ先生のイラスト見たかったなあ。過去に作られていた作品も見たかったなぁ。3Dイラストでどんどん「今」の雰囲気を作っていく先生の絵が大好きです。

 ゆっくりと受け止めながら、考えながら生きていこうと思います。

 だけど、同時に悲しむだけじゃなくて、作品を愛し続けて、好きだよと言い続けられる気持ちを含め大切にしていけたらいいな。

 そして、これからで良いからたくさんの人に遊戯王や高橋先生の作品に触れてもらえるきっかけがまたあったら良いな。そこで輪が広がって、仲間ができて、カードゲームをしたり、作品を語ったり、大切な思いがきっと生まれてくると思うので。たくさんの感謝を込めながら、また、作品に触れていきたいです。

遊☆戯☆王 カラー版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

この作品に出会えたこと、明日からもこの作品を大好きでいられることを多大なる感謝を込めて。

TOP