ムーミンバレーパークができてから久しく。気づいたらムーミンがまたたく間に浸透していますね。やれあちこちに「ムーミンカフェ」があり(以前水道橋にいったら突如としてミィさんと相席になった思い出)。
友人がムーミンが好きなことも有り「ムーミン見に行かない?」と誘われ「イイヨ~~~☆」と二つ返事で行ってきました。
ちなみに私のムーミンのイメージはCV子安武人さんのスナフキン*1っていうのと、警察に「なんだカバかあ」って言われて「カバじゃない私はムーミンパパだ!!!」ってマジギレぶちかますムーミンパパの印象がめちゃくちゃあります。
過去に北欧に行ったときに「うわ~~~ムーミンだ~~!!」ってテンション上がったくせに場所柄的に「えっ…ムーミン谷遠い…だめだ行けないじゃんやめよ…」ってさっくり諦めたのを今でもちょっと後悔(笑)
ということで、そんなこんなで、六本木・森アーツセンターギャラリーで展示会をしている「ムーミン展」にいってきました。
日本フィンランド外交関係樹立100周年記念で開催ということですがそんなに外交関係長いんだ…とちょっとびっくりしました。
今回の展示会について
今後の展示会の予定を見たら金沢などでも行うみたいですね。もう皆是非いってほしさしかない。
フィンランドを代表する芸術家、トーべ・ヤンソン(1914年~2001年)が生みだした「ムーミン」シリーズは、小説、絵本、新聞連載コミック、アニメ、商品などさまざまなかたちで親しまれています。本展では、その多彩なアートと奥深い物語の魅力を、約500点の展示品で紹介します。
(公式ホームページから)
今回の見どころはフィンランドにあるムーミン美術館(2017年にリニューアルオープンしている)にあるものから500点ほど原画やらスケッチやらが展示されているということ。
森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)で開催中のムーミン展は、6月16日(日)まで❗️10時~20時まで開館しているので、学校やお仕事帰りにも見れちゃいます😊(火曜のみ17時まで、入館は閉館の30分前まで)ムーミンの原点や物語の魅力に触れられる過去最大規模の展覧会を、お見逃しなく~✨ pic.twitter.com/8R252Sjx0d
— ムーミン展 THE ART AND THE STORY 【公式】 (@moomin_art) May 21, 2019
早速行ってみました
そもそもの知識として「トーベ・ヤンソン」という方が女性ということを私は知りませんでした(そもそも論があれである)いやほら…ヤン・ヨンソンみたいなもんかと……(清水エスパルスの元監督)
ということでホームページを見ていろいろ知り「そうなんだ!!」となったのは展示会を見てから。なので「キャラクターとしては知っている」「でもじゃあどんな人が描いてどんな人が作ってきたのかはわからない」「その背景は?」ということを知る機会となりました。
音声ガイドは櫻井孝宏氏
入ってすぐ、550円で貸出可となっている音声ガイド。美術館にあると更に世界観に浸ることが出来るありがたいアイテムです。
今回の音声ガイドを務めたのは最近のムーミンのスナフキン役でもある櫻井孝宏氏。
昨今だと何が代表作なのかなって思ったんですが出てくる作品が結構あの…ヒールが多かったので困っています(笑)
私にとっては思い入れの強い役は金色のガッシュベル!!の清麿なんですけれども。でも、自分もそして一緒にいった友人も揃って声優業について関心の強い人達なので、「じゃあ折角なので」とお借りしました。
左がムーミンで右が彼と両思いのスノークのおじょうさんことフローレン。
つぶらな瞳が大変キュートで「かわいい~~」とほっこりしてこれ声聞けるんですかと押したら飾るようでスタッフさんにご面倒をかけてしまった。大変申し訳無い。
そういえば全然関係ないのですが、櫻井孝宏氏のお仕事の一つに「四不象(スープーシャン/通称スープー)」がありました。藤崎竜先生による封神演義に出てくる空想上の動物です。
それがこちら。
\デジャヴ!!!!/
連載当時めちゃくちゃネタにされていたし何ならスープー谷物語という部分が封神演義原作にはあるのですがまぁなんですか、小ネタとして是非一つよろしくおねがいします。
回り回って、すごいご縁だなって今思いました。スープーシャンもかわいいよ!!!!
中に入った感想
1から順番に「ムーミン」という世界観を楽しめる仕様になっています。
そもそもムーミン(正式名称ムーミントロール)とはなにか?っていうお話からはじまり、思い立ったトーベ・ヤンソンという人の背景も知られます。
また、館内には日本語版の他に英語の表紙も合って「えっこのデザインの表紙めっちゃかわいい!」と思ったら英語版のムーミン谷の物語だったりして、表紙原画と英語版と日本語版で絵が違うのも面白かったです。
ムーミン展の入口では、『たのしいムーミン一家』の表紙絵拡大複製展示が皆さんをお出迎え❗これは、フィンランドにあるムーミン美術館のメインビジュアル。会場では、本邦初公開の英語版表紙原画もあわせて『たのしいムーミン一家』の表紙絵を言語違いで3種類味わえます👍
— ムーミン展 THE ART AND THE STORY 【公式】 (@moomin_art) May 18, 2019
※会場内は撮影禁止です。 pic.twitter.com/gS3b2kPNzg
また、トーベ・ヤンソンが描いていた他の仕事の中にもムーミンが隠れている(いわゆる隠れミッキー的な)のが面白くて、思わず「ONE PIECEのパンダマンとか手塚治虫とかも同じことやってる……」って色んな人達を頭の中でよぎらせていました。
また、広告にもムーミンが描かれているものが有り、スウェーデンの銀行のマスコットキャラクターにムーミンが選ばれているのとか日本人からしたら「北欧だもんな~~~」って感じなんですけど国が違うのになんでかちゃんと説明していました。そりゃそうだ、日本のキャラだから「アジアだもんね~」で中国でピカチュウ使われたら「なんで(笑)」ってなるのと同じ感覚ですもんね。言われてから納得した。
もともとご家族の母国語がスウェーデンだったという背景を聞いて(かつお家で話す言葉がスウェーデンらしい)なるほど、と。北欧に行くときにちょっと調べたらスウェーデンもノルウェーもフィンランドもデンマークもほぼほぼみんな英語喋れて(ノルウェーは96%英語でのやり取りが可能)、そういう意味でも意思疎通は家の中と外ですでにマルチリンガル可能なのかな・・・なんても。
【作品紹介】ロンドンの夕刊紙「イヴニングニュース」で1954年から始まった連載漫画は世界中に配信され、ムーミンは一躍人気者となりました。3年後の1957年、スウェーデンの新聞でも配信が始まることをムーミンたち自身が紙上で告知したユニークな広告です。#ムーミン展 pic.twitter.com/jMkodqV2kO
— ムーミン展 THE ART AND THE STORY 【公式】 (@moomin_art) May 14, 2019
また、日本⇔フィンランドの関係や日本でのムーミンの浸透についてもあり、見ていて面白かったです。富士屋ホテルにトーベ・ヤンソンが泊まったときの落書き…というかイラストを見て「FUJIYA HOTELってサイン入ってあるの面白いなあ」ってなりますし、同時に歌川広重の描き方によく似た雨の描き方(これはトーベ・ヤンソン自身の絵の描き方と似ていたっていうのもある)とかが並べてあるのを見て改めて「こんな細かい絵をよくもまぁ描いたよなあ…」ってしみじみさせられます。
水木しげるさんの水木しげる記念館に以前行ったことが有るのですがその時も「一体何を考えこんなめっちゃ細かすぎて目が痛くなりそうなぐらいのものをこの人は描いたんだ……やっぱ水木先生妖怪なのでは……??」とかめちゃくちゃ思った次第なのですが(褒め言葉です)
何万回見ても「鬼太郎と行く妖怪道五十三次」という本があるのですが「何を考えてこの人は(以下略)」って思って思わず購入してから常々……なんかまったく同じことを考えている自分がいました。
その上で、トーベ・ヤンソンが一枚ずつ描いてきた世界を見ると、背景の細かさとか、モノクロだからこその良さとか、逆に大きなアイテムに対してのムーミントロールたちの立ち位置とか、なんかこう……「えっ……すごい……何を考えてこんなに細かく描こうと思ったの…ムーミンたちの顔はコンパクトシンプルの極みなのにえっすごい…」ってなります。
ムーミンっていうとどちらかというと私は「哲学的」な部類に入ると思っていて、実際ムーミンの言葉たちの名言集とかはよくTwitterでも見かけますし、書籍も販売されています。
ムーミンだけじゃなくて、「ちびのミイ」とか「ムーミンママ」とか、「ムーミンパパ」とか「スナフキン」とかに区分されて販売されているものもあって、それぐらいに「ムーミンの世界」っていうのは考えさせられることがたくさんあるんだなあと、全く知らない頃から思っていて、何なら本編読んだことないくせに、図書館でこういった名言集をパラパラ読むのが好きだったのが私です。
その中で一つ、なぜか心に突き刺さるぐらいに記憶している言葉があります。
- 「大切なのは、自分のしたいことを自分で知ってるってことだよ」
- 「いつもやさしく愛想よくなんてやってられないよ。理由はかんたん。時間がないんだ。」
私が記憶しているのはこの2つで、一体どこのどのシーンで言っているのかは知らないのですが「スナフキン器大きくて、自由で、”そこで生きていることこそが幸せ”っていうのは間違いじゃないなあ」ってしみじみ感じるばかりです。
さすがの自由人スナフキン…!!(自由人という意味ではちょっと違うけれど、A.B.C-Z戸塚祥太氏は”常にスナフキン的なポジションでいたい”みたいなことを話していた記憶があります。)
自分のしたいことって何だろうって考えるとなかなか答えなんか出てこないし漠然と「これはしたくない」「こっちもいや」っていうのはあるんですけど、じゃあ自分の指針となる「お前は何がしたいんだ」っていうのの答えを持ち続けると自ずと答えって精査されていく……ってことなのかなあとか。
また、「いつもやさしく愛想よく」の下りは実に「そ、それ~~~そりゃそうだ~~疲れるもん~~~」って思うんですけど、一方で八方美人になってしまいがちな部分もまた否めないからこその自分の戒めとして「なるほどな」って感じています。
でも一方で「愛想がいいからこそ舞い込んでくる話もある」というふうに思います。勿論自分自身でそこはコントロールしなくちゃならないなとは思いますが。ミイがおばさんに虐げられ、顔をなくしたニンニに「たたかうって事をおぼえないうちは、あんたには自分の顔はもてません。」っていう言葉を言います、ということを櫻井孝宏氏が解説してくれるわけですが、それを聞きながら友人ともども「み、ミイさん容赦ねえ~~~でもド正論~~」っていうこの、なんともいえぬ顔になってしまいました。心に容赦なく刺していく。それがムーミンの世界。
勿論国柄とかは違うのですが、悩みというのは結局「人間関係」であることが多いので、そういった意味ではついて回る考えというのは「国境」を超えるんじゃないかと思います。気に食わねえやつはどうやってもいる。人の話を聞いてもまったく返し方がぶっ壊れた宇宙人みたいな人もいる。自分に自信がないときもある。そういう所々の「あり得る」をふっと軽くしてくれる、わかる~~があるのはムーミンの世界の特徴なのかなと。
イラストの色の使い方は基本モノクロがやっぱり多かったのですが(印刷の都合上当たり前だし、ムーミンは比較的モノクロな印象が私はあります)、一方でカラーになったとたんに「ああ~~北欧カラー!!」ってなるのが面白いなと。マリメッコが北欧だと有名ですが、マリメッコの生地で作られたムーミンの人形などもあり、例えばムーミンママのエプロンの色とか。ミイの真っ赤さとか、スナフキンのグリーンとか。
一つ一つで見たら違うかもしれないけれど全体で見たらなんとなく感じる「北欧色」というか。そんなものを感じられるのが面白いなと思いました。
また、驚いたことはムーミンが舞台になっていること。まさかの2.5次元…!?(違います)
きぐるみショーだとしても内容に対してしっかりとトーベ・ヤンソンが絡んでいて、お衣装のことを考え、そして服装、シナリオととても「公式同人」という言い方は失礼かもしれませんが……作り込まれたものとして楽しめそうでいいなあって感じました。日本でもいろんなイベントがあったりしているのがわかって面白かったです。
全体を通して、感じたムーミンの独特の世界。
「北欧」であり、「どこであってどこでもない」という場所。ムーミン谷は案外あなたのそばにあるかもしれませんという場所でありながら、彼らの持つ世界観と我々に与えてくれる「考える」こと。感じること。
とても哲学的でまた、興味深い世界ということ。
フォトスポットもありました
基本撮影NGなのですが最後のところは撮影オッケーということでウキウキしながら撮ってきました。
ムーミンの本に合わせての撮影や、パネルと一緒の撮影もできます。
しかし。一番目がいったのは、家族写真でした。
1878年に何が起きたのかさっぱりわからなかったんですけれど、1878年にフィンランドでは徴兵法ができたとかで、独自の軍隊ができたとか。ムーミンの先祖たちの表情の何ともいえなさなんでだろう……って思いながらすごいしげしげと見つめてしまいました。
友人はこの感じの絵が非常にお気に入りで「ムーふてくされてる(笑)」とすごいほ、朗らか~!!ってかんじで、この……なんだろう…独特さ…!!
そんなこんなで盛大に満喫し、よっしゃちょっと本読むか~~~となったんですが、その後すぐのグッズ販売のところがひたすらムーーーーーーミン!!!!ってかんじでした。圧倒的ムーミン。 気づいたら散財してた。
Cafe the Sunとのコラボメニュー
ちょうど今回の展示に合わせてコラボメニューをやっていたのでじゃあお昼に食べよと赴いてみました。
お店の中は結構広くて、窓際からテーブル席までいろいろ。
お店の中でまさかの横たわるムーミンがいて「!?!!」と友達共々していました。メニューの横にいてびっくりせざるを得ない。
メニューはこんなかんじ。
コラボフードの割にお値段が安めだなって思うのは自分の感覚が麻痺しているからだろうか何なんだろうか……。どれもおしゃれだったからいろいろ試してみました。その結果がこちら。
文字入れはなんかこうそこはかとなくやってみただけなんですけど、日当たりがよかったのもあってなんとなくオフィシャルページっぽくできました(笑)
具体的な内容は次のとおり。
ニョロニョロパエリア
ホワイトアスパラのニョロニョロが刺さっているのですが、ニョロニョロ倒れそうで何度か直していました。めちゃくちゃ色がカラフル。
実食してみると「なんでかわからんがパイナップルが入っている」ということで「実質酢豚のパイナップル的な…?」といいつつ食べました。
全体的にトマトとシーフードによる「炊き込みご飯」ってイメージが良いかもしれません。ホワイトアスパラには中に揚げパスタなのかな、一本刺さっててぴーんとしてました。
ムーミンのお散歩ソーダ
中はレモンとブルーキュラソーかな、ミントの香りもちょっとするソーダ。
フルーツもゴロゴロ入っているので甘さと一緒にフレッシュさもあるのが特徴。中のレッドベリー思いの外より酸っぱいです。飲み終わってから食べたら「えっ……酸っぱい…!!」と衝撃を受けました。これが北欧パワー…?(違うかもしれない)
スナフキンバーガー
これは私が注文。「釣りをしているスナフキンをイメージしたバーガー」ということで、トルティーヤが巻かれていてその下にフィレオフィッシュみたいなバーガーが入っています。
後ろのニョロニョロがいないとかいったらいけない(駆逐された後)
飾られているお花にははちみつかな?甘いものがかかっていて、おやつとしてトルティーヤも食べることができました。
バーガーはこんなかんじ。上のフィッシュフライはそのままトルティーヤと食べても良いかんじ。カリッとしていて食べごたえが有りました。「さすがの六本木。ちゃんと味がしている…」ってなるのは普段のコラボフードがあれだからでしょうか。ポテトの量が多いので「炭水化物!!!!!!!!!!」ってかんじがめっちゃしましたが美味しかったです。
ちびのミイのいちごミルクドリンク
こちら私がオーダーしたミイのイチゴミルクドリンク。
フィンランドのムーミン美術館とかでもイメージしたものとかはあるらしいんですけど「こうやって形をもしたりするものは珍しい」とのことを公式Twitterがいっていました。
味の感想としては「THEイチゴミルク」ってかんじですかね!!表面にホイップクリームがあったりとなかなか存在感が強いお味でした。さっぱりと、でもTHE甘く飲めるのが魅力だと思います。
ということで、そんなこんなでカフェもめちゃくちゃ満喫しました。美味しかった~!!
「楽しいムーミン一家」という作品について
わざわざ項目作ってしまうぐらいにはムーミン=高山みなみさん*2スナフキンっていうと子安さんのイメージがあるんですけど、ムーミンのアニメについて調べたら90年にアニメになっていたんですよね。
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このデザインのムーミンのイメージがめちゃくちゃ強いんですよね。
原画のムーミンを見たときに「おや…ムーミンの様子が…」とポケモン進化BGMのような音楽が脳内再生されたのを記憶に残しています。まぁそれはそれとして今ではめっちゃくちゃ愛着あるし「かわいい~」って朗らかな気持ちになるんですけれどもね!(笑)
で、この作品は何回も再放送されているし諸外国でも放送されており(何なら本国であるフィンランドでも放送されていたらしい)めちゃくちゃ人気だったらしい。
だからですかね、色んな所でグッズ展開したり、その世代の人間ではない人たちからしても「ムーミンってこの絵柄のイメージ」っていうのがしっかりあるのって。不思議だなあと思います。
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この円盤…もといDVDBOXの一枚絵を見ていると「ああ~~ああ~~(納得)」となってもらえたらいいなって思います。こう、絵柄がちょっと違いますよね。でもこれもだんだん愛嬌って思えてくると言うか、その外見でアニメーションの声のイメージがどんどん聞こえてくるのって声優さんとかアニメスタッフさんとかとマッチングできていたということとか、あとはトーベ・ヤンソンという人そのものが持つ魅力が放たれていったってことなのかなって思います。ムーミン目が点になってる!!とかいろいろ面白い。
で、それはそれとして「スナフキン」という人気の高いキャラクターを演じた子安武人さんが過去にムーミン映画(2014年)のもので再び20代の頃のようにスナフキンを演じるにあたって下記のようにコメントしています。
「何年経ってもスナフキンを演じさせてもらえる喜び」というのを彼は言っていて、声優さんというものの仕事の大変さを痛感するばかりです。
人間誰しもそうですが「年をとっていく」もので、その中で声質というものも変わっていくわけです。男性で言えばそれは本当に顕著で子供の時の声と、少年の声と、青年期の声と、壮年期の声と、年配者担ったときの声ってしごく当然ながら違うんですよね。
だから、その中で「2014年」というもう25年以上前の作品で演じた「スナフキン」というキャラクターをこうして25年後に「じゃあお願いしようかな」ってなってもらえるのってすごいことだと思うし、そして同時に「この役柄にはこの人がいい!!!」って思ってもらえているっていうのはそれぐらい「印象にあって」「ハマっていて」「記憶に残る」というものだからでしょう。
ドラえもんだってクレヨンしんちゃんだってサザエさんだって声優さんが変わる度に「なんかこう…なんかこう…なんだ、なんかこう違うんだよ…悪いわけじゃないんだけど…」って最初違和感が感じられるのは元の声優さんが作り上げたものの功績であって、新しい声優さんはそこを「自分のもの」としてまた新しく構築して、次の世代や「今」楽しんでいる人たちと一緒に歩いていかなければならないっていう難しさを孕んでいるわけです。
ポプテピピックでもそうなんですけれど、同じ作品同じセリフを違う人が言うとそれだけで「全く違う作品」感が出て、私はもうなんか「それはそれで面白いと感じられたらそれでいいかな」ってタイプなんですけど、だからこそ昨今「今のスナフキン」として櫻井孝宏さんが音声ガイドをしたり、こういう空気で、こういうものを創ろう。としているっていう新しいことも素敵ですね。
その一方で「過去に作り上げた、ムーミンというパブリックイメージを浸透させた」作品として、この作品を今見て、新しいたくさんのことを「感じる」「知る」っていうことをできたら良いなと今回の展示を見ていて改めて思うばかりでした。
ムーミン展は6月16日まで!!ぜひぜひ行ける方は行ってみてほしい、楽しい展示でした。