柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜブログ

朝井リョウの「世にも奇妙な君物語」がジワジワくるホラー感

夏が近づいてまいりました。毎年この時期になると「世にも奇妙な物語」のタイミングだなあとしみじみするばかりです。

春夏秋冬その季節ごとに合わせた言いようのない「じわり」とくる感じが好きで毎回ジワジワ楽しんでいます。

友人は「美女缶」がめちゃくちゃ好きで、私は同じ方が手がけている「 ロス:タイム:ライフ」が好きなんですよね。あの雰囲気がすごい好きなんですけれど、出ていらしゃる方を全然気づかず見ていたのですがNEWSの小山慶一郎さん出ていたんですね…。

 全く知らなかったんですが、韓国でも作られているらしく、作品の人気の高さを伺わせます。

ぜひ興味ある方、いろんなかたちでやっていますし一度見てみてもらいたいです。パブリックイメージの「なんとなくだけどサッカーってこんなんじゃん?」みたいな空気で見てもらえれば楽しめると思う。

立命館大学の大学生の方々が作られた映像もYoutubeに上がっていました。クオリティ高くてびっくりしたので是非コチラもおすすめ。

www.youtube.com

演出が「わ、わかる~~」っていうのが詰まっていて学生さんが作ったよとは思えない出来でした。めちゃくちゃスカパー!とかダゾーンとか見て演出方法研究したんだろうな…というのも感じられてサッカーファンとしても嬉しい限りです。どう聞いても北澤豪氏っぽい解説で、いいと思います。

 

まぁあの「ロスタイム」っていう単語そのものが造語で昨今ではロスタイムっていう言葉を言わなくなっているのが日本サッカーの現状なんですけれども、ロスタイムって響きがいいっていうのもめっちゃわかります。

昨今では「アディショナルタイム」と表現されているので、よければ覚えてほしいです。

 

ということで、そんなこんなの「世にも奇妙な物語」のファンである「桐島、部活やめるってよ」でおなじみ朝井リョウが手がけた小説”世にも奇妙な君物語”ののんびり感想を行きたいと思います。

世にも奇妙な君物語 (講談社文庫)

もはやタイトルからめちゃくちゃ「あっ好きなんだろうな」感。

朝井リョウというお人について

「何者」「桐島、部活やめるってよ」「武道館」などを手がけた今話題の作家です。

桐島~の映画が私はとても好きで、神木隆之介陰キャ感と陽キャに見せかけた東出昌大(ただし目は死んでいる)みたいな二人の噛み合わない「噛み合わなさ」が面白かったように印象付けています。。

桐島、部活やめるってよ

 

また、何者に関しても就職活動中に読んでたら「う、うるせ~~!!!」って自己嫌悪とともに溢れ出る痛々しさに本ぶん投げていたと思う。痛々しいほどリアルだった。

目を背けたいところばかりだったので割とメンタルやられましたよね(笑)

武道館に関しては自分自身が”アイドル”というジャンルが好きなこともあり「そっかー…そうかー…そちら側の目線に立つことはできないし、”対価”としてもらってきた楽しいをわざわざ夢を潰す形にされるのは悲しいな」っていうタイプの人間なので(そういう意味で生々しさなら「少年ハリウッド」などでも描かれてきていて、アイドルという職業における浪費についての難しさ、そしてその泡沫だからこその良さみたいなものを改めて両作に於いて考えさせられた)、同意はできないけど「考える」機会としてもらえたという印象です。

 

世にも奇妙な君物語

で、まぁそんなこんなで本作についてですが、

今年二十五周年を迎えたテレビドラマ、「世にも奇妙な物語」の大ファンである、直木賞作家・朝井リョウ。映像化を夢見て、「世にも奇妙な物語」のために勝手に原作を書き下ろした短編、五編を収録。

1 シェアハウさない

2リア充裁判

3 立て! 金次郎

4 13.5文字しか集中して読めな 

5 脇役バトルロワイアル

 ざっくりとわけるとこんな形。

今年、と書いてありますが2015年に発刊されたものでもあるので、ちょっと前なのは私が読むタイミングが遅かったというだけです。

shousetsu-gendai.kodansha.co.jp

公式ホームページがコチラ。

最初にタイトル聞いたときに「君の知らない物語ってことだな!!」ってなったのは自分がVOCALOIDを見てきた世代だからっていうのもあると思います。

君の知らない物語

君の知らない物語

  • provided courtesy of iTunes

 ※君の知らない物語は「化物語」のエンディング曲でした。作っているのはryoさん含めたクリエイターチームsupercell。時代を駆け抜けていったものの一つとしてご紹介。

 

そんな話をさておくとして。

世にも奇妙な物語に対し盛大なリスペクトをしている朝井リョウ氏の「世にも奇妙な君物語」の感想になります。

 

ジワジワと足元を蝕む感じ

世にも奇妙な物語って結構今までやってきたことって何だったんだ感があったりするじゃないですか。虚脱感というか虚無感と言うか。

 美女缶もそのたぐいの一つではあるんですけれども、まぁそれはそれとして。

美女缶 [DVD]

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 こう…築いていたもの、正しいと思っていたものがガラガラと崩れ落ちたり、トランプで言うと大貧民(大富豪)をしていたとき「革命」が起きた感じがすごくして「ぞわ~」ってしました。そうなるよね、そうなっちゃうよね。二段構えかーーそうかーーそうきたかーみたいな。

 

全体を通してつなぎ続けていった結果の第五話「脇役バトルロワイアル」を読むと「あー…ああーそうなるよねーそうだよねーそうか、この人のイメージはこれかー」みたいなのがとてもありました。

脇役バトルワイアルに関しては「どうみてもこの人アレじゃん」感があって、読んでて映像が頭の中で再生しやすいです。同様の感覚をもう一度本を読み直したときに「私のイメージではこの人どう考えてもこっちだったけどなるほどなーこの人かー」ってなるのが楽しくて。このへんは”小説”だから出来る部分でもあるんじゃないかなと思います。

1つ1つの話が短いし、通勤通学のお供に読むのにちょうど良かったです。

イメージとしては「世にも奇妙な物語」×「週刊ストーリーランド」要素が入っている感じでしょうか。

 

「人が恥をかくシーンを見るのが苦手、ドキドキしてしまう」という人にはこの小説は文字だけ追ってても目をそむけたくなる部分もあるので、そのへんは注意したほうがいいかな。

ざっと振り返ってみて、朝井さんの小説はすごく読みやすくて群像劇を描かれるのに特記しているお方という印象があったから全体的にテンポが良かったです。

全部がつながったときの「あ~ああ~お前もそれを言っちゃうか~!!」があったりとかね。

一番ジクジクゾワゾワしたのは4章の《13.5文字しか集中して読めな》だったんですけれど(これはちょっと私も目をそむけたくなった)見出しに対しての内容の深さっていうのは非常に大事で、それは自分自身もブログを書いているからこそ感じているのですが、アクセス数をいかにして稼ぐのかという問題にあくせくウェブメディアが走っているのもまた現状なので、そういうのを風刺を利かせているのが考えさせられます。

まぁでもそもそもトップにいた彼女の突然の足切りに対しては「そりゃねえだろ」って思うので難しいところですよね。勧善懲悪じゃないですけどそういうのを頭をよぎらせてしまいます。不条理。そんなところも世にも奇妙さがあって好きです。

で、その度に思い出すのは「憧れは理解からもっとも遠い感情だよ」のBLEACH藍染惣右介氏。全く何処にいても彼は彼らしくあって好きですね!!!大事な言葉だ!!(笑)

 

友人がこれから読むのも有り、あまりネタバレせずに書こうと心がけたのですが、ぜひこれからのシーズンに向けて、ちらっと読んでみてもらえると楽しいんじゃないかなと思います。

ということで、以上、読書感想文でした!