先日うっかり「はてなブログ」のTwitterに弊ブログのこの企画のこと取り上げられてめっちゃくちゃびっくりしました(笑)はてなブログの人ありがとうございます。完全に自分の趣味です。
「推しのことをひたすら聞く」企画、『オシゴトガタリ』を進めている河野夏橙/甘夏(@DaidaiKawano)さん。
— はてなブログ (@hatenablog) 2020年3月12日
第20回は『BOYS AND MEN』(通称『ボイメン』)について、レタス(@__Lelelettuce)さんにお話を伺ったそう。バックナンバーもあわせて、ぜひお読みください!https://t.co/inQa9voUDf
その人その人ごとに楽しみ方、感じ方は違って当たり前なので、それがすべての意見ではなく…こう、例えるならラジオ番組にゲストきてもらって「最近ねぇ、これがめっちゃ好きなんですよ」っていうのに「ふむふむ、どんなのなんです?」って聞いているようなのをイメージしながらやっています。
このジャンルも多岐に渡り、人にはじまり、食べ物、国、バンド、ドラマジャンルまるっと、作品……と色んな人の「それぞれの楽しみ方」を聞けたこと本当にありがたいなあと感じるばかりです。
正直メリットがあまりゲストとなる方々になくて(無償で、かつお時間頂戴しているので)申し訳ないばかりなんですが以前そんな話をしたときに「ミリしらの人の反応をダイレクトに見れるから(笑)」と言っていただけました。
「余り知らない」から「少し知ってる」に変わっていくその流れが少しでも誰かに伝わっていたら嬉しいです。
今回はトナカイフサコさん (@fusakonomanga) をゲストにお招きしました!
トナカイフサコさんはブログもやっていらっしゃって、その内容がすごく!とっても!全力で面白い。旅にいかれた内容をコミカルに、けれども情景が浮かぶような楽しいテンポでお話されています。
御本も昨年出されていらっしゃいます!すごい!
(ムーミンでおなじみフィンランド…!!1回いってあんまり回れなかったので憧れがあります…!)
そんなトナカイフサコさんの推しは「Death Cab for Cutie」!
前知識が0、本当に驚きの「まったく知らない」状態で色々教えていただく形になりました!「そうなの!?」「なるほど!?」「ふむふむ」の連発になってしまって申し訳ないばかりです…!
オシゴトガタリについて
- 「推し事」をテーマに色んな人にあなたの推しって何でしょう、とお伺いする企画です。
- このブログの管理人が、「推し(好き・応援・大切・考察対象等マルチな意味を指す)事」をしているフォロワーだったり名乗りを上げてくださった方に対してインタビューしています。
- 「無理しない」「楽しい!を人から教わる」ことを基準に行き当たりばったりで行っています。
- 1ミリも知らない(ミリしら)のものなら「そのもの」を教えてもらって知っているものなら「この人はこういうところが好きなんだな!」と感じる。
それができる場所。それが「オシゴトガタリ」です。
- オシゴトガタリについて
- 「Death Cab for Cutie」ってどんなアーティストですか?
- デスキャブのバリエーション豊かな楽曲たち
- CDジャケットのデザイン性も見てみよう!
- メンバーたちの動向を”リアルタイム”に知れる世界
- 「デスキャブ」という世界に踏み出してみよう!
- お話を聞いた上で
「Death Cab for Cutie」ってどんなアーティストですか?
―この度はご参加ありがとうございます!ご参加いただけてとても嬉しいです。今回のトナカイフサコさんの推し、Death Cab for Cutieについて教えていただくわけですが…!まず最初に、Death Cab for Cutieってどんな方々なのかな?というところから教えていただきたいです!
名前に反してとても美しく聞き応えのある曲を作る、インディーとして大成功している稀有なバンドです。
去年のフジロックには来たのですが、ツアーでは日本に滅多に来ないので私は海外のツアーに遠征して観に行っています。これまでに日本以外の3大陸5都市で鑑賞しました。
(名前のトップに「Death」がついているのにそんなギャップ…!(笑)そしてトナカイフサコさんの活発さに「すごい!」と言わずには居られない…推しを追ってワールドワイドな世界へ…!)
―Death Cab for Cutie、どういう流れでこの方々を知っていったのでしょう?
私がDeath Cab for Cutie(一般的には「デスキャブ」、私は「キャブ様」と略しています)と出会ったのは2007年ごろ、私自身が軽音サークルに入っていたので、サークル仲間たちから知りました。
2004年発売のアルバム「Transatlanticism」が大ヒットしたので、この頃に学生だったバンドマンたちには知られているかな、というバンドです。
(歌詞を調べてみたら想像以上に距離的にも心も離れているという「えっ辛い…」っていう曲でびっくりしました。頭にくっついて離れない聞き取りの良さ…馴染みやすい楽曲で流行ったのもわかる…!)
当時は、YouTubeでPVなども見たのですが「曲が良い」ぐらいの印象でした。
メインボーカル&ギターのベン・ギバード(ベン様)が、失礼ながらぽっちゃりヒゲ眼鏡の冴えない感じなんですが、彼の美しい歌声や繊細かつ力強い歌詞とビジュアルとのギャップが良いんです。
他のパートもどれも聞き応えのある作曲センスで、「普通に好きなバンドの一つ」という感じです。
―ふむふむ、「曲は好き、バンドもギャップとして面白い。名前挙げられたら”私も好き”って気楽に言う」ぐらいなイメージですかね…?それがどうして所謂”推し”にまでなっていったのでしょう?
私は海外ひとり旅が好きで年に1回ヨーロッパ旅行に行くんですね。内容は普通に定番スポットを観光して帰ることが多いのですが、自分がインディーバンドをしていて「ヨーロッパでライブをしてみたいなぁ」と思っているのもあり「旅行先で(バンドの売り込みも兼ねて)ライブハウスに行ってみたい」と思っていました。
でも海外でライブハウスに何も知らずに女1人で行くのは怖いので(お酒とか夜道とか…)「せめて知っているバンドのライブがあれば…」と調べていたところ、ちょうど2015年のオランダ旅行中に隣国ベルギーでデスキャブのライブがあり、「デスキャブの客層ならきっと安全だろう」ということで行ってみました。
(先ずそこで「よっしゃデスキャブいくか!」って言える活発さすごい。そして海外旅行~!!!いいですよね楽しいですよね!!!!知らない場所にいく、知っている場所でもいつもとは違う非日常を楽しむ!!)
初めての海外のライブハウス(しかも1人)で緊張しながら行ったのですが、予想通り落ち着いたお客さんたちで「よかったよかった」と胸を撫で下ろしながら、例の冴えないベン・ギバードが出てくるんだろうと思って待っていたら…なんと!! すっかり痩せてスタイル抜群・金髪碧眼のただのイケメンになったベン・ギバード、いやベン様がステージに! 現れたのです!!
それが、私の世界的にキャブ様を追いかける活動、通称キャブ活の始まりでした…。
(劇的ビフォーアフターじゃないですか……推しの顔が綺麗…とても大事……そしてあまりにもチェンジしすぎていると「骨格変わった?!」って言われるあれでは…*1)(ベン様を調べてみると……こう…人のいいというか、くまさんみたいというか…優しそう?というか…!(ニュアンスを伝えたいジレンマ))
―Google画像検索でお名前調べてみました!個人的には前髪重ための短い髪型が似合うと思います…!そして朗らかそうな感じがしているので、この方がめちゃくちゃ一気に変わったらそりゃ動揺すると思います…!
前髪重ため!正にそうなんですよ!!こちら二つで比べてみてください!
(?!!!!!!!!!!?という衝撃まったなしでは?!!!!)
は?誰??王子???ってなりました…相変わらずヒゲは濃いんですけどね。
―一体彼の身に何が……えっ何がどうしてこんなことに…?!
断酒してマラソンに目覚めたんだそうです。
最近はまた筋肉がついてたくましくなってますが、私が初めて生を見た時はだいぶ痩せて(やつれて?)たみたいです。
(あまりにも見かけが変わっててびっくりしました…両者とも海外ドラマに出ていたとしてもそれぞれジャンルが全然違って「別の人」だと思いこむ類では……ええ…前者で透き通る声を出されているのも「ギャップ~!!!!」ってなるし、後者の現在のお姿でやっていても「ヒエッ……かっこいい…!」ってなるし両方違って両方いい…でも片方しってたらそりゃあもう衝撃なんて言葉じゃ言えない程度に衝撃では…)
―なるほど、確かに「ベン様」言いたくなっちゃうのわかります……ちなみにメンバーはどんな方々で構成されているのでしょう?
(この画像から察するに明らかに楽しそうすぎてめちゃくちゃ笑いました。キャラが強い)
ベース:ニック・ハーマー
Chicago, what a blast it was to play the @MetroChicago again - felt like coming home. Thanks for staying up late with us!
— Death Cab for Cutie (@dcfc) 2019年8月5日
📷: @rob_haberman pic.twitter.com/7fZlqUQ8Kn
(上記Twitter3枚め)
ベン様以外で唯一、初期から残っているメンバーです。
寡黙に、ベース位置低めでノリノリで弾いてくれるのがアツい。どの曲もベースラインが良くて、ベーシストならきっと弾きたくなるフレーズばかりです(私見)。
前髪の真ん中が左右からクルンと巻いてるのが、ギリシャ神殿の柱のイオニア式彫刻のようで愛らしいです。
ドラマー:ジェイソン・マガー
Queens, we had an unforgettable time at @foresthillsstdm. What a special venue. We hope you had a good time - we sure did!
— Death Cab for Cutie (@dcfc) 2019年6月19日
📷: @weallwantsome1 pic.twitter.com/3HuxyCXXjN
(お写真1枚め後ろにいらっしゃいます)
このバンドの3人目のドラマーです。
2003年に彼が加入した直後のアルバムが大ヒットしたこともあり、ベン様は「彼ほどしっくりくるドラマーはいない」と絶賛してます。
インタビューを聞くとドラムの話しかしなくてほんとの「ドラム馬鹿」って感じで好感が持てます。
フジロック出演時、サウンドチェック時間に普通にステージ上で自分でチェックしてて、なんかその「大物感を出さない感じ」も良い。
(自他共認める「ドラムバカ」なかんじすごくいい…こう…ジャンプの漫画なら主人公やれちゃう……!!(笑)自分がやるからこそちゃんと自分で把握しておかなくちゃ、とチェックするあたりとてもいいと思います…!)
サイドギター:デイヴ・デッパーさん
元メンバー、クリス・ウォラが弾いていたサイドギターやコーラスワークを引き継いで、ノリノリで弾きこなしてくれます。
当時、西炯子の『娚の一生』って漫画が流行ってて、私はこの「枯れた」大人の男の魅力ってイマイチわからなかったんですが、デッパーさんで枯れ専の気持ちがわかってしまいました…。
(デッパーさん”イケオジ”と言われるあれでは……!?!!こんな方いたら好きになっちゃう…!)(娚の一生ちなみに私も読んでたのですごい「あああ~~~」ってうなずきました。)(そして写真写真の光加減とかめっちゃ好き……良いお写真がいっぱいある…)
デッパーさん、昨年のフジロックで日本に来てた時、旅館の浴衣姿の自撮りをインスタのストーリーにあげてたんです…保存しなかったのを後悔…。
(めっちゃ見たかった…!!!!!!笑)(そして本当にストーリーはじめいろんな写真が「優しそう」な雰囲気がにじみ出てて惚れるしかない。雰囲気が好きです……)
キーボード&ギター:ザック・レイ
Toronto, you were such troupers for braving that downpour. We had a great night with you at @RBCEchoBeach - thanks for sticking around!
— Death Cab for Cutie (@dcfc) 2019年6月24日
📷: @skin_mf pic.twitter.com/zTonnPQTH8
(お写真2枚め)
ステージの後ろの方で淡々と演奏するアーティストです。
ピアノスキルが素晴らしくて、過去曲も美しくピアノアレンジしてくれたりします。
彼の加入でデスキャブは天才ピアニストを手に入れた、と個人的に思っています。
(職人気質最高では……そしてピアノアレンジとかめっちゃ過去曲聞きこまなきゃできないしファンが「うわ~~こうアレンジきたか~!!」とワクワクするやつ…!!)
以上がデスキャブの現メンバーです!
―現メンバー、ということが出てきましたが、他にはどんな方がいらっしゃったのでしょう…?(デッパーさんに心を撃ち抜かれたのは言うまでもない)
ドラマーは過去に2人いますが、重要な元メンバーとして、クリス・ウォラに触れないわけにはいきません…。
彼は初期からのメンバーで、サイドギター兼プロデューサーを担っていました。「デスキャブの魅力はベン・ギバードのソングライティング力と、クリス・ウォラのプロデュース力の化学反応」と言われるほどバンドの要でした。
彼は初期からのメンバーで、サイドギター兼プロデューサーを担っていました。デスキャブの魅力は、ベン・ギバードのソングライティング力とクリス・ウォラのプロデュース力の化学反応と言われるほどバンドの重要メンバーでした。
当時のアー写をご覧いただければ、ビジュアル面でも重要ポジションだったこともご想像いただけるかと思います…。
しかしこのクリス・ウォラが2014年に脱退、ファンたちの間に衝撃が走ります。
(インタビュー記事を見てみると彼自身の考えも分かって、それぞれにそれぞれの考えがあるからこその切なさがありますね……そしてなるほど確かに顔が綺麗で目を引く…!)
それからはベン・ギバード、ニック・ハーマー、ジェイソン・マガーの3人で活動しつつ、ライブではサポートメンバー2人を加えた5人編成でワールドツアーなど行っていました。
(ここでそれぞれの印象が「ハーマーさんがもっと背が大きそうだったけどお写真見たら結構小柄な方だったからガシガシ演奏してたらすごい目がいっちゃいそう」「マガーさんの粛々としたドラムバカなお話すごい好き(好き)」「デッパーさんイケオジ度MAX…!」「ザックさんのピアノアレンジからの元曲やる流れとかないんですかめっちゃそんなセトリあったら滾る」でした…!クリス・ウォラさんに関しては最初にスチュアート・サトクリフみたいな…こう…目をね、いっちゃうようなお人だなと…)
私が初めてライブを見たのはこの3人編成+サポート2名の時だったんですが、アメリカ全土〜ヨーロッパ〜アジアを回るかなりハードなツアーだったんですね。
毎晩のように約2時間のセットリスト(しかもライブごとに曲を変えてる)を弾きこなすって、「それサポートじゃなくてもはや正規メンバーやん…」と思ってたら案の定、その2人も正規加入しました。
(そりゃそこまでやったらメンバーになる…!笑 でもある意味サポートからちゃんとメンバーになっていく過程として「やっぱメンバーやろうよ!」という意味でサポートのお二人も考える時間が……あった…のかな……とかそんなこと考えたり(笑)でもなんだか「よかった~!!」ってかんじがしますね、笑)
―2時間のセットリストで毎回内容違うってメンバーと名乗ってもいい…!(笑)むしろ名乗っていこうスタイルでは……!ちなみに、デスキャブは普段の活動範囲はやっぱりアメリカですか?
(シアトルってどんなところ、でわかり易い例が地球の歩き方しか出てこなかった…!)
デスキャブのバリエーション豊かな楽曲たち
―では次に曲そのものについてトナカイ フサコさんの「初心者にとりあえず聞かせたい!」なおすすめを教えてもらえたら嬉しいです。プロデューサーであるクリス氏がやめられたこともあって曲調や雰囲気も変わったかなあと思うのですが、「とりあえずこれ聞いてくれ…」っていうのを是非!教えてもらえたら!
まず、初めてデスキャブを聴く方にオススメしたいのは「Movie Script Ending」です!
「いい曲」感が溢れてて聴きやすいかと。
MVも、映画「ロスト・イン・トランスレーション」のような恋の切なさ・儚さがあって、これにキュンと来る方はキャブ様の世界観も合うかなと思います!
ぱっと聴くとしっとりバラードで、爽やかでメロウなんですけど、冷静になるとサビの「ハイ・ウェイ♪ ハイ・ウェイ♪」とかが「なんか変な曲」なんですよね。
こういう「全体としては聴きやすい爽やかな曲なのに、ちょいちょい変なことしてる」というのがキャブ様の楽曲の魅力です。
ベン様は透き通る綺麗な声で、英語の発音もとてもプレーンで耳に心地良いんです。
あのMVの女性の雰囲気も「まさにデスキャブの世界のヒロイン」って感じがします。
(この頭に残る、ハイ、ウェイ↑、ハイ、ウェイ↓のサビ感…!!!そして一方でめちゃくちゃオシャレなMVだなぁというギャップ。その名前にある通り、映画の挿入歌っぽさがあるというか……こう…ジョン・カーニーの映画とかで流れていそう……!)
―頭に残る「ハイ、ウェイ」がずっと回っちゃいそうな…1回聞いたらなんだかんだ「あのハイ、ウェイ↑のやつでしょ!」ってなるやつですね…ギャップが!!(笑)ギャップが激しい!!
そう、「ハイ↓・ウェイ↑」て!ってツッコみたくなるんですけど、でも真似したくなっちゃうんですよね…。
歌ってて気持ちいい言葉選びもベン様のすごさです。この曲は2002年なので古いんですが、既にブレイクする予感があります。
続いて新しめのやつで、クリス・ウォラ脱退後初の2015年のアルバム「Kintsugi」より「No Room In Frame」です。
ギター・ベース・ドラムのバンドサウンド!って感じだった昔に比べて、シンセとかダンスミュージック感が加わっています。
そして何よりも、これが収録されているアルバム名が「金継ぎ」なんですよ…。
クリス脱退後のアルバムがこの名前って、もう、泣けすぎるんですよね…。
金継ぎは、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法である。金繕いとも言う。
(軽率に!!!軽率に泣かせようとくる!!!!!!!!!お客様困りますお客様!!!!!エピソード踏まえて聞いちゃったら印象がまた一気に変わっちゃう……!!)
そしてその1曲目がこれで、サビの歌詞が
No room in frame for two
フレームに2人分のスペースはない、って曲なんです…
これ、クリスのことを言っているのか、折しも離婚した奥さんのことを言ってるのか分からないんですが、この別れの歌詞にはファン心を突き刺されます…
(だ、W~~!!!!Wで刺さる!!!言っていることはある意味誰しもが感じたことの有る「選ばれる人」「選ばれない人」なのかもしれないけれど、それでもめっちゃくちゃこのタイミングで……このタイミングでか…という「きちんとしたお別れ」をした上での始まりの歌なのだと思うと…)
ちなみにベン様の元妻は映画『(500)日のサマー』でサブカル男子を骨抜きにしたヒロイン、ズーイー・ディシャネルです。
(おわかりですね、可愛いです。ちなみに「イエスマン」という作品にも出ています!)(そしてこの映画、私もすごい見てて「か~~~わ~~いい~~!」となったのは言うまでもない。サブカル男子骨抜きまったなし)
―金継ぎ、そんな日本人でも知っている人知らない人がいるであろう言葉からタイトルを…!いなくなったからこそ、その喪失感も含めての今のバンドです、という決意表明に見えるというか……足して足して、その上での溝も含めての歴史みたいなもの感じられてめちゃくちゃ好きです…バンドそのものがまさに「エモい」というやつでは…!
そうなんです、エモいんです…。
今まではそこまで状況をストレートに描いた曲とかなかったのに、いきなりド直球かよ!!っていう…。
そして元奥さん、めちゃくちゃ可愛いですよね…。
でもベン様はハリウッドのパーティーづくしの華々しい世界に合わなくて、ワシントン州に戻ってきてしまったんだそうですが、そのインディー精神もまた良いんです…。
「インディー=仕事は別でやりながら音楽をやってる人」って感じが強いんですけど、デスキャブは音楽だけで食べていけるレベルまで売れてるのに、メジャーにはならずあくまで「インディー」であるという…。
一般的に「推しが売れてからなんか遠い存在になっちゃう」的な話があると思うんですけど、彼らはそれがなくて、ずっと「こっち側」な感じがするんですよね。
華やかな「芸能人」とか「セレブ」にはならず、あくまでコツコツと曲を作り、アルバムを発表し、ライブをする…を繰り返して自分たちの音楽を追求するという。
(メジャーになることもそれはそれで「すごい!」ことですが、今の姿、形を持った上で「あえて」この世界を居るっていうのも素敵だなあと思います……こう…日本でいうとMONGOL800的な……?)
ライブで必ず「This band is called Death Cab for Cutie from Seattle, Washington.」と自己紹介するんです。単独ライブでも。お客さんみんな知ってるのに。
その自己紹介もインディーっぽいというか…この「地元から今日はツアーしにきました、名前覚えて帰ってください」的な挨拶がすごくインディーなんです…。
(知っているかもしれない、知らないかも知れない。最初の「覚えてもらう」の前段階である「知ってもらう」という機会をとても大切にされているんだなぁとしみじみしました。とても大事なことでとても素敵なことですね!)
話がそれましたが最後の曲紹介です!
「Transatlanticism」
www.youtube.com
4人編成の時、大ヒットして一気に名前が売れたアルバムのタイトルトラックです。
ここからは売り上げは右肩下がりで、この時のヒットを未だ超えられていません。
(冒頭でご紹介いただいた楽曲ですね!!)
これ、必ずライブのアンコールの一番最後にやる曲なんですけど、終盤の歌詞が「I need you so much closer」を何度も繰り返すんです。
こっちが!!「I need you so much closer」だよ!!!って思いで毎回聴きます…。間奏長いのであんまり一般受けしない曲だとは思うんですが笑。
(しっとりした曲でとても静かな夜とかに聴いていたい曲だなと感じました。
映像で聞いて、見てももちろん楽しいし、いい曲だなと思うのですがライブ独特の「意味目の前で起きる出来事」としてこの曲披露されるのとてもいいなぁ…歌声とメロディーラインが綺麗にマッチしててとろけていくような、角ばったものが解けていくような曲ですね!)
―三曲とも印象がぜんぜん違って面白いですね!そして海外ではほとんど当たり前のことではありますが、サブスクもすごくされているのが!とても!(なんだかんだ日本も広まってきてますが浸透しきれてないものもたくさんありますし)いいなあと思います。
さすが話が早い…!!
そうそう、サブスクとかYouTubeとか公式が積極的に公開していて、今の時代の視聴者のニーズをちゃんと分かってるなぁーってところもいいんです!ファンとしてもオススメしやすい!
―トナカイフサコさんご自身が好きなアルバムはちなみにありますか?
楽曲として好きなアルバムは、PLANSです!
全ての曲に個性があって、捨て曲が少ない。
前作Transatlanticismよりさらにパワーアップしてて、私個人的にはこれを超えるものはまだないので、今後、これを超えるアルバムを作ってくれるのを期待してます。
2005年のアルバムなので、今となっては古いですが…ライブの定番曲が一番多いアルバムかもしれません。
(パッケージデザインが今までとはまた違ってクラシカルな雰囲気なのも良いですね!かっこいい!)
(「Soul Meets Body」めちゃくちゃ好きです……美しい歌声にとてもマッチしてますね…!そして調べたらiTunesオリジナルバージョンなるものがある…?!)
―アルバム聞きました!Soul Meets Bodyの歌声と曲調のギャップがめちゃくちゃかっこいです!!
Soul Meets Bodyとはお目が高い! 繊細な歌声なのに、こういうアグレッシブな曲調にも合うのが不思議です。
他にもベン様のソロ I Will Follow You Into The Dark、Crooked Teeth、涙腺崩壊のWhat Sarah Saidあたりが定番曲です。
(曲に対してのベン様の歌声でどんなふうにも表現できるの最高の極みでは……?What Sarah Saidの「そ、そんなこというなよ~!!!」となんかこう…つらい…好き…)
アップテンポな曲なら、 別アルバムですが We Looked Like Giants なんかも「こんなのもできちゃうんだ!」という驚きがあります。
(今までとの雰囲気が180℃変わるかんじがすごい!そして公式動画がガシガシあるの本当さすがとしかいいようがない!)
何年経ってもちっとも「古い」って感じがしなくて、ずっと聴き続けられます。
各パートがよく練られてるので「おっ、ここのベースはこんなことしてたんだ」「こんな音も入れてたんだ」みたいな発見がずっとあります。
―We Looked Like Giants、想像していたよりももっとアップで、楽器が次から次へと登場していくかんじが楽しい曲ですね…これ生で聞いたらめちゃくちゃ忙しい&楽しい曲なのでは…?!
いやーまさに仰る通りです…かつ、ラストはまるで別の曲のように静かになる、なのにやはりちゃんとこの曲の空気をまとっていて間違いなく同じ曲ではあるという不思議…。
ライブで聴くとやはり盛り上がるんですが、音源で聴くと厚みがあって「すごく複雑なことしてそうだなー」と思うんですが、実際のプレイはわりとシンプルで超絶技巧的なのは全くないんです。
ライブではもちろん盛り上がるんですが、実際のプレイはわりとシンプルで超絶技巧的なのは全くないんです。音源で聴くと厚みがあって「すごく複雑なことしてそうだなー」と感じるのに。(ライブでトラックも流してるとは思うけど、とはいえ。)
―いろんな曲調、いろんな曲があるなかで、地球が自転していくように朝昼夜とその時に聞きたい曲はこれかな~ってシチュエーションを考えていけるアルバムなのが面白いなと思いました。
「地球が自転していくように朝昼夜と聴きたい曲」美しくかつ的確な表現ですね。
図らずも私はSpotifyで「Morning Death Cab for Cutie」「Bedtime Death Cab for Cutie」というプレイリストを作っていて、きっと同じことを感じてたんだなと再認識しました。
(すでにSpotifyでトナカイフサコさんがやってらっしゃった)(福利厚生手厚い…)
CDジャケットのデザイン性も見てみよう!
―アルバムの「このデザインが好き!」というものはありますか?
「Narrow Stairs」ですね!こちらは2008年のアルバムです。
(しゃ、シャレオツ~!!!!!カラーコードが散りばめられているようで実はシンプル!)
段々になってるかわよさ
そして左右字詰めでかわいいけど歌詞がNO改行で読みにくすぎる、でもかわいいから許すというデザインです。
デジタルではできない、紙の遊び心…今となってはノスタルジーです(歳を感じる)
(めちゃくちゃかわいい!!そして手元に残しておきたいオタクにも優しい…紙ならではの温かみみたいなものがありますね!素敵!)
―このアルバムはどんな楽曲が印象的でしたか?
当時彼らなりのいろんな実験をしてたんだなーって感じで、シンセを使ってみたり、エスニックな曲にも挑戦してみたり、と、幅を広げに行っていた感が面白いです。
「やってみたけどこういうのはちゃうな」って後々なったんだろな…って曲のもあるにはあるんですが、今でも定番曲として残っているのも多くて、打率の高さも隅におけない感じです!
この中で私の好きな一曲が、ベン様、音域がもう合ってないのにライブの定番曲にしてて、「無理してやらんでもいいのに…でも私はその曲好きだから嬉しい…ありがとうベン様、声出てないけど…」っていう愛おしさが…。
(当時のキーをあえて挑戦するその心意気好き…!!!)
歌っているベン様はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=MSZDy7-eyCA&feature=youtu.be
サビのシンセの感じが、なんか何っぽいのか私には知識が足りなくてわからないんですが、なんかこの感じが好きなんです…エレクトロポップ?なのが今となっては懐かしさもあって…。
(レトロと最近のものとの融合というか…こう、中田ヤスタカ氏が得意とするような雰囲気もありつつ、でもオリジナリティがあって面白い…!これなんていう表現なんでしょうかね。すごく好みです!明るくもシリアスにもできそうなかんじがよい…)
―この絶妙な入りとかすごい好きです…おお~!!ってなるというか、ライヴで聞いたら「おっ!きたな!」のワクワク感というか……!
入り、いいですよねー!
ドラムのテンポはワクワク感があるのに、抑えめにじわーっと始まる理性…!
この理性がいいです…とても思慮深い人たちなのだというのが音楽にも現れている…。
―何よりもキーを合わないと分かっていながらも表現してくれる、パフォーマンスしてくれるベン様とてもサービス精神旺盛……!泣いてしまう…!
そうなんです、サービス精神…!
海外でのライブではちょっと大人しいところを見ると、お客さんの盛り上がりで本人のテンションもかなり影響受ける(良くも悪くも)感じがして、それもお客さんをよく見てるんだなーと思います。
インタビューで「昔、明らかに彼女に連れてこられた全然ファンじゃない彼氏が最前列で見てたのが気になって気になって仕方なかった、今ではもうそういうのは気にせずできるようになったけど…」って言ってて、なんかそういうのも人間味があっていいなぁ…と…。
(そこ気にしないで!!いやでもきっと「その場」だからこそのライヴ感を大事にされているデスキャブだからこその部分もあるのかなぁと感じます)
メンバーたちの動向を”リアルタイム”に知れる世界
―サブスクをやってくれるところ「さすが!」としか言いようがないのですが、基本デスキャブの活動動向を知れるのはYoutubeやインスタなどですか?
メンバー動向はインスタですね!あまり活発ではないですが、デッパーさんが一番ストーリーを上げてくれます。
公式がTwitter、YouTube、インスタはがんばってますね。
(デッパーさんそんな動向を上げてくれる(ビジュアルとして見ている側にも新鮮なニュースをもらえる)上にパフォーマンスでもめちゃくちゃかっこいいとか所業が神様では…?!)
―公式はまた別にあるんですね!Youtube公式チャンネルありがたい…公式にチャリンチャリンダイレクトできるじゃないですか…!これは見たほうがいい!っていうのありますか?
公式のTwitterとYouTubeですが、とはいえ日本の人気アーティストほど盛んではないので、参考程度です。(すべて英語ですし)
(ここで訪れる言語の壁…!!!!!!!)
こちらはデッパーさんのインスタ…自宅の猫写真が多くて、そこがまたかわいい…おじさまと猫…
(デッパーさんツボポイント確信犯じゃないんですか???????????????????めっちゃかわいい)
「デスキャブ」という世界に踏み出してみよう!
―それでは最後に「あんまり知らないんだけどもっと知りたいな~~!!」っていう方々に向けて【私は!!とても!!ここが好き!!楽しんでる!!】のメッセージをどーんとお願いします!!!
曲を聞いていただければ、メロディの良さ、完成度、面白さは分かっていただけると思うのですが、ビジュアル良し、それぞれのキャラ良し、そして彼らの歴史を知り、インタビューやライブ映像で人間性に触れたりすると、より一層味わい深くなります!
曲に関しては、私個人としてはかつての栄光をまた超えてきてくれるのを待っている状態ですが、ビジュアルに関しては過去イチ高まっているので、写真を漁るだけでも胸が踊ります!
バンドとして音楽を楽しむも良し、アイドル目線でオジサマの美を堪能するも良し!
情報発信が基本的に英語しかないのでハードルがあるかもしれませんが、そこは私が日本のキャブ様アンバサダーとして情報共有を頑張ります。
ベン様のノリノリの横揺れに一緒に揺れましょう!
―素敵なおはなし、ありがとうございました!!
お話を聞いた上で
「デス・キャブ・フォー・キューティー」、グループ名冒頭に「DEATH」をつける強さ…と思っていたのですが、一人ひとりのキャラクターがしっかりしていることや、聞いたことのない曲たち。それぞれを「知っていくこと」で印象が変わっていく変わっていく…。
まず第一にキーがめちゃくちゃ綺麗。こんなにハイトーンが綺麗に出せのすごい。DEATHっていうから完全にデスボイスと言われるヴォォイ!っていうタイプだと思ってました(笑)よい意味でギャップが詰め込まれていて、かつアルバムがどれも1つ1つで完成されていて、いわゆる「流れ」を感じることができるアルバム。
一つのアルバムをゆっくりと堪能して堪能して、そのあとに「この曲はここのときに聞きたいな」っていうのを芽生えさせてくれるというか。発見が大いにあるのが印象的。
”金継ぎ”という、欠けていることからつなぎとめて、その上で作っていったアルバムの「欠けていることを認め、その上でさらに美しくなる」という概念めちゃくちゃ好きだなあという意味でも頭抱えました。
また、ライヴ音源もたくさんあったので視聴したのですが、「生で聞いてみたい!」といえるバンドで、ぶっちゃけ私英語本当に苦手の苦手の苦手を極めている部類のタイプの人物なんですけれど(英語力は察してほしい)その中で「音楽」として聞いてて楽しいっていいなぁと思いました。ハイ・ウエイ↑なんてその極みみたいな。歌えないけれど音楽として「楽しい」っていうのがあるのすごく素敵なことですね!
サブスク含めていろんな形でオープンであるからこそ、「聞いて!」「見て!」がしやすいっていうのもとても良くて、おかげでメンバー紹介の様子や、実際に箱の中で彼らがパフォーマンスしている過去映像を軽率にいっぱい見ることができました。そしてわかる「ベン様本当にビフォーアフターが強い」。
見かけももちろん「めっっっちゃきれいになった……」という部分もあるのですが、体重の増減で歌唱力ってやっぱり変わるものだったりするじゃないですか。それを感じさせないのってすごいな~~と感心するばかりです。
歌を歌う。それはもちろん「バンド」で「アーティスト」だから彼らのアイデンティティとしてとっても大切なことだと思います。
でもそこにプラスアルファとして人間性だったり、それこそビジュアルだったり、楽しそうな雰囲気、空気感だったりとかで「ちょっと気になる」がさらに大きくなっていくのって往々にしてあり、今回の場合は完全に「この人達すごく楽しそうに会話もしているな~!」っていうのがインタビューで感じられました。インタビューなのに朗らかなのがいいな~!楽しそうだな~!ってなるし、MCだとどんなふうになるんだろう。どんなMCから曲の流れになるんだろう?とか。
この曲はどんなタイミングで流してくるんだろう、とか。想像力が膨らみます。楽しいが極まっているバンド。そんなデスキャブの魅力がすごくトナカイフサコさんのお話から伝わるばかりでした…楽しい楽しいお話ありがとうございました!!
個人的に「You Are a Tourist」もすごく好きです…!爽やかで色彩鮮やかな感じがすごくします。白と青が似合いそう(雑な認識で申し訳ない
改めて「どんなバンド?」「どんな曲?」「どんなことしてる?」がいっぱいいっぱい詰まって、さらに人柄まで触れられてめちゃくちゃ「えーっこことそこがそんなところでつながるの?!」がいっぱいでした…とりあえずデッパーさんフォローしました…猫がかわいい…(笑)
*1:元ネタは「ロマンティック・キラー」という漫画です