柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

トニセン舞台「戸惑いの惑星」を見てきました/人生は悲劇か喜劇か

つい先日A.B.C-Zのハイタッチ会にお伺いしてきたんですが、間をおかずにまた行ってきました大久保新大久保高田馬場

「コリアンタウン」とも称されていましたが、実際店を歩いてみると韓国だけではなくてどちらかというとアジア諸国のいろんなお店が連なっており、非常に面白い場所ですよね。個人的に好きなタイ料理やベトナム料理のお店があるので何やかんやこちらにお伺いすると行ってしまいます。

高田馬場なら有名なとんかつのお店もあるし、最近話題のレッドロックもあったりと話題に事欠かない場所だと思いますしね!なんならいくつか店紹介しろよと言われて友人に紹介した所「住んでたっけ」と笑われました。そんなに行ってるつもりはないんですが気づいたら2月だけで5回くらい足運んでます。なんでや。

 

ということで今回はV6の坂本昌行さん、長野博さん、井ノ原快彦さんの3人舞台「戸惑いの惑星」を見てきました。

舞台で躍動される井ノ原さんを見るのはとっても久しぶりです。坂本さん長野さんはそれぞれの舞台を拝見したので、2017年頭から「あさイチ」ではない井ノ原さんを見られる嬉しさでとてもニコニコしています。

っていうか握手会の前日えびさんの戸塚祥太くんが観劇したっていう話を聞いて、さらにその前日に下見?に来たっていうのを聞いて 「新大久保~高田馬場戸塚祥太が出没スポットになってる…!」と出没アド街ック天国的なテンションで聞いていたのを覚えています。

だがしかし見に行っているの正直羨ましいぞとっつー。私もみたいぞとっつーとか思いながらハイタッチ並んでいました。とっつーいざ前にしたら話をふること全部吹き飛びましたが(笑)

ちなみにハイタッチした内容書こうかと思ったんですがそんな皆さんみたいにすごい話とか書けないんでうーん…となっています。

ちなみにえびさんは塚田さんのニコニコ笑顔に癒やされつつ河合さんのお話する力すごいなと思いつつ五関様マジ五関様やんけっていうのと、とっつーさんの井ノ原さん大好き感と「崇めよ(笑)」とか返したという切り返しのテンポの良さと、はっしーの追いリブしよ!と宣言したりとか、その言葉の裏に自分自身も貫こうとするところとか、すごいなと思います。皆違って皆良い。担当が推しがとかよりもなんかもう「皆すごいなあ」ってありがとうありがとうといいたくなる感じ。

ハイタッチの時に私も見てきます!とはいえませんでした(笑)もうヘロヘロになっているのをみて「お疲れ様…!」としか言えなかった自分が悔しい。

でもお疲れ様、っていう言葉に対して「こっちこそ!」「並んでくれてありがとう!」「きてくれてありがとうございます!」と笑顔と頭を下げてくれた青年たちにこちらこそ有難うございますです。塚田さんとはちょこっとだけお話が出来ました。ありがとう塚田さん。みんな尊かった。リアルに存在してた。

……ということで、えびさんとーくはこの辺にして、トニセンのお話を。 

トニセン目的にきた人大丈夫ですか、まだ読んでいますか…!(笑)

 

「戸惑いの惑星」 についてですが、今回は完全オリジナル舞台ということで!

ちなみに表参道にポスターがいっぱいずらりと並んでいるのは実に壮観でした。

おお…おおお……トニセンだ…と感動していたら路行くカップル(ご夫婦?)に「トニセンだ!」「学校へ行こうだ!」と口にされていて多分同年代だなと嬉しくなりました。

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こちら表参道での写真。

 

ということで、色々思うところなども含めてつらつらと感想として書いていきますので、完全ネタバレご注意ください。

書いておいてなんですが 基本お芝居というものは、知らないで見たほうが 絶対楽しいと思うんで、どうかそこらへんは自己判断でお願いします。

ついでにあの、カテゴリー分けてるふりをしていますが書きなぐっているので「超いってることかぶってるがな…」とか思われると思います。その辺もなんだあれだ「戸惑ってる…」という風に見てもらえれば幸いです。戸惑うしかない。

 

 

戸惑いの惑星

惑星と書いて「ほし」と読む。宇宙とかいて「そら」とか「こすも」と読む。

正直今回私は前情報皆無でいったので「あっそういうストーリーなんだ」とむしろ入ってから知りました。なので何もかもが新鮮。

 

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あらすじ

不意に手渡された一通の手紙。そこには不思議な質問が記されていた。
深く遥かな、心の奥を探るような問いかけ。そこから、この舞台の「旅」は始まる。

三池(坂本昌行)は画家をめざした。
由利(長野博)は子ども時代に目にした「奇跡」を研究しようとした。
長谷川(井ノ原快彦)は作家を志した。
せちがらいこの世の中に抗うように、「夢」を追い続けた3人の男たち。
けれど終わりなき闘いは、彼らを少しずつすり減らしていく。

そんな時に訪れた突然の再会。
そこには懐かしいメロディが流れていた。
あふれ出し溯っていく記憶は、大きなうねりとなってほとばしり
その流れの中にはそれぞれにとって大切な女性の姿があった。
よみがえる甘く切ない痛み、恋の想い出。

メロディはさらに3人が心にフタをしていた様々な想いを呼び起こしていく。
叶わなかった夢、取り戻さなければいけない大切なもの。
混乱しながら時空の狭間を彷徨う3人を、「現在」へと連れ戻すのも、
決して忘れることのできない、あのメロディだ。
思い通りにならなくても、つらくても、遠く離れてしまっても
絶対に切り離すことのできない「本当の自分」に、
3人は音楽に導かれ、再びめぐり合う。

(公式ホームページより引用*1

 

キャスト・スタッフ

20thCenturyの3人が主演。

作・演出はG2が担当。トニセンからするとおなじみですね。

個人的にはガラスの仮面でもお世話になっています。ガラスの仮面はいいぞ……非常にアクが強い演出家さんの印象です。

パンフレットにアンサンブルや各位明記されていますのでそちらもぜひご覧いただければ幸い。見てみると「ああ~~このひとあの作品!」みたいなちょっとしたアハ体験ができました。

 

ざっくり感想

物語の感想

ざっくりというと「自我」を理解できなくなり自分とは誰で、どうしていたのかということをわからなくなる長谷川(通称・はせっち)と、彼を取り巻く人々(三池・由利)の物語。最終的に一本の糸がつながっていくような物語です。

しかし今回まさかの究極近い席をご一緒した方が引き当てまして。これビニールの城でも行ったんですが「えっ本気ですか??」って真顔になったわけですよ。自分じゃ絶対当てられない席でした。有難うございます。とんだ至近距離で呆然としていました。

 

冒頭では「宇宙を見ているとその宇宙の外側がどうなっているのだろう」という有限さを語っていたり「占いに戸惑う」といっていたりと各位が戸惑う話をしています。

皆それぞれに戸惑いが戸惑いを重ねて戸惑っていく、戸惑いのゲシュタルト崩壊が起こっているわけですが。

 

最初はトニセンの三人で喋っているけれど、だんだん「本当にお前はお前か?」となっていくわけです。真っ先に思ったのは「いつからそうだと思ってた?」というBLEACH的テンションなんですけど。「なん……だと…」となるいのっち基はせっちの冒頭シーンに完全にコマ割したらBLEACHみたいになるんじゃない?!とか今思っています。

ストーリー的には非常にシリアスというか、精神論的な面が強調されています。

どこからが夢でどこからがリアルで、またどこからが小説なのか、それもまた曖昧。夢の浮き橋っぽいなと思いました。作中劇なのかと思わせておいてそうでもない。

不安定だけど安定しているような作品です。

 

この作品において言えることは「自分の選んだ道は自分が進むしか無い」のだなということ。そして「時間は巻き戻せないからこそ、自分たちが突き進むしか無い」ということ。

「星」がテーマなだけあって楽曲もそれぞれ星にちなんだものでしたね。歌詞のチョイスが印象的でした。 

また、ストーリーテラーとしては長谷川くんだと思いますが、決して「彼だけ」の物語ではないなあと思います。

三池は画家を目指して描き続けるけれど自分の立ち位置がわからなくなる。由利もまたしかり。

この中で、由利は非常に学術的科学的根拠を持ち合わせながら話をしているわけですが、その部分もあってか随所に色々な引用が出てきますね。

個人的には「華麗なるギャツビー」を書いたフィッツジェラルドの話が使われたのは一昨年「スコット&ゼルダ*2」を見て楽しんでいたので面白いなと思いました。

 

ちなみにこちらがその華麗なるギャッツビー。

 

amanatsu0312.hateblo.jp

さらに、ちなみにスコット&ゼルダの記事はこちら。

127の出版社を渡り歩いた彼が報われた物語。遺伝として、彼が評価されているのを見ていると「だがしかしフィッツジェラルドの晩年は笑えないレベルの物語だよ!」と思ったりとか。スコット&ゼルダ私は大好きですけどあれなんで円盤も音源にもならないのか。版権の問題でしょうか。

あのボンボンウエンツ瑛士はいいぞ。ということでもし興味ある方は是非調べてみてください。いやあこのなんか神経質なところも含めてとても良いので。

 

今回は三人劇なので、それぞれがそれぞれ以外の登場人物を演じます。

例えばマダムなクライアント長野くんとか、例えばヤーさんぽいクライアントを坂本君とか例えば、バーのマスターの井ノ原くんとか。

そこに「その人」をあてがった理由(立ち位置的なものもあるでしょうが)も見ていると中々面白い。特にバーのマスター。三人劇だから消去法で井ノ原さんになったのかもしれないけれど、井ノ原さんがやることで場面転換で「何故ここに自分たちがいる?」とつながるんですよね。

 

引用の意図を考える

この作品において、引用したものにはすべてが意味のあることだと私は見ていて感じました。

作中度々引用される言葉があります。それはシェイクスピアだったり、ユングだったり。教授と由利の会話の中はそれが顕著でした。まあ二人共大学勤めですもんね。 

主にシェイクスピアが出てきましたが、この点において思ったのは「そうだよここは東京グローブ座だもんね」と。多分だから入れたんだろうなって思いました。やたら出てきたけど、超心理学だとシェイクスピア学ばないのではないだろうかという風に思ったので、そう結論づけておくことにしました。

The Globe Tokyo | 東京グローブ座について

東京グローブ座の設立の経緯は公式ホームページをぜひとも見てもらいたいのですが、日本のシェイクスピアのブームに蜷川幸雄氏がいるように、この東京グローブ座も舞台という点において私は重要視する場所だと思っています。

まぁ偶然にしろ何にしろ「東京グローブ座」で「シェイクスピアのことば」を使ってくれたのは嬉しいかな。

同じように丸山くんがマクベスやってくれたのも嬉しいし。その目的で建設された建物が本来の意味を持って使われるのは嬉しい。

昔々平田広明さんがヴェニスの商人東京グローブ座で演じられたのを拝見したのをよく覚えています。そういう場所だから、ああ、戸惑いの惑星を「東京グローブ座」という場所で見れてよかったなと思います。

シェイクスピアでふぇいとのシェイクスピア思い出した人は課金ガチャしてこようね 

「人生は喜劇か悲劇か」という由利が教授に問うシーンがありました。「それが分かれば人間なんてやっていない」みたいなことを教授が返していますが、一方でこの作品を俯瞰している我々にとって彼らの苦悩苦悶は「喜劇」な部分があり、彼ら自身の立ち位置に立ってみると「悲劇」でもあります。

その点を踏まえて、かのゆうめいな喜劇王チャールズ・チャップリンの名言を私は思い出しました。

「人生はクローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇」

悲劇って真面目にやればやるほど笑えてくる(バクマン。で散々話題になった「シリアスな笑い」もこの部類な気がする)から、そういう意味でもチャップリンの言葉はこの作品においてもつながるんじゃないかなあと考えています。

ユング夢分析についてですが、夢というのは何かの理想化、何かの具現化、「こうあったらいいな」の世界でもあり、「こうじゃないといいな」の二律背反でもあるんじゃないかと思いました。夢の世界にこもるように眠り続けた長谷川。その長谷川の頭のなかで描かれた世界の中へ「小説」というものを媒介にして入る二人。

小説、というのは人の頭の中を覗き込む行為だと私は思っています。何考えてこんなもん作ったんだろう思いついたんだろう。とか。

それでも「書かずにはいられない」から人はきっと何かをしようとするんでしょうが。だって私だって何かをしなくちゃいられないから今こうしてブログに感想を書きなぐっているわけですし。きっとそういうことなんじゃないかと思います。

彼の書いたものは「シビュラの託宣*3のように過去現在未来へとつながっていくわけですが。

前述もしましたがフィッツジェラルドという男の末路を考えると、彼もまた「実際にそうではなかったかもしれない」話を妻ゼルダ・セイヤーとのでかでかしい夫婦喧嘩のなかにあります。

二人はそのリスキーを楽しみ、巻き込まれた男は「そもそもゼルダと知り合いでもなんでもない」に至っており、集団心理的なものにかかったかのような状態です。ちょっとはせっちや三池、由利ともリンクする部分があって、示唆されていたのではないかなあと思いました。そこらへん知っていると楽しめるけど、盛り込んでほしかったな~見たかったな~とも思わなくもない。

 

物語とは精査されているものであり、だからこそ言葉には意味がある、その言葉の中に隠された「何か」がきっとあるのだろうなあと素人ながらにつらつらと。

じゃあこの言葉を引用したことにも何かしら意味があると思いたいし、意味もなくつらつらつなげているとは思いたくないんだよなあ。 

また、引用はされていませんでしたが、作中「シェイクスピア」のという男の言葉と行動を掛け合わせているシーンがありました。

 

運命とは、

最もふさわしい場所へと、

貴方の魂を運ぶのだ。

 

前述した運命論のなかに三人はいながらも、魂はふさわしい場所へと呼び合うっていうことを考えると由利から渡された妹の本音、妹の言葉がきちんと彼の手元にいくというのはまた運命の一で、あらがった結果の引き寄せた「新しい運命」なのだと思います。運命を上書き出来なくても、その脚で選んだものは確かに「あなたの魂を」運んだのだろう、と思いました。

 

クラブ33へようこそ

”クラブ33”というものについて。クラブ33とは作中にも出てきたけれどディズニーランドが各国にあるうちの、ディズニーランド(カリフォルニア)と東京ディズニーランド (TDL) に存在する会員専用レストランで一般には非公開の施設です。ホームページも鍵つきシャレオツサイト。

www.club33disneyland.com

「カリフォルニア」と「TDL」にしかないっていうのも考えると色々とくるものあたりますね。すごい特別感。

「選ばれた」3人だから、っていうのもあると思うんですけどね。

夢とリアルを繋ぐ場所 「3(現実世界の三人)×3(小説の中で躍動している三人)」という意味でチョイスしたのではないかと印象に残りました。

鏡越しの場所というか。もともとクラブ33はニューオリンズスクエアの住所だったとかとも出ていましたが。ちなみに「33」という数字についてですが調べていたらこんな記述も見かけました。

niconicohappy.com

 

33という数字には『あなたの周りを大勢のアセンデッドマスターたちが取り囲んで、支えてくれています。あなたの祈りに応え、あなたに必要な導きを与えてくれています。』というメッセージが込められています。

上記URLより)

 

これを見ていたら長谷川からのメッセージまたは願望にも思えました。

夢とリアルを結びつける「クラブ33」、そして「あなたの祈りに応える場所」でもある33。そう思うとあのバーの名前を選んだ理由というのも絶対あるのだろうな、と感じました。まぁ単純にTDLだから、とかそういうのかもしれないけれど。前述したように「選んだことに意味がある」ものとして舞台を掘り下げて考えているので、ちょっといろいろ調べていくと知らなかったことを知られるので面白い。

 

 また別のサイトには下記のように記されていました。

 

www.timeless-edition.com

33という数字も11,22と同じくマスターナンバーと言われる場合があります。(11と22だけを言う場合もあります。)

33は「すべては可能」というメッセージです。

もしあなたが新しい冒険や大きな変化を考えている時に33の数字を見たら、全ては実現し結果となります。

この変化に対するあなたの目的や理由は、高次の意図の一つであり、あなたの決断はポジティブなものだからです。

この変化は、天使と宇宙のエネルギーと共にうまく進むでしょう。

 

まさに「大きな変化」を目の当たりにしている三人の前にある「クラブ33」と思うと、 彼らの意識の決定はポジティブであったならよいなと思います。

 

登場人物に対して思う所

長谷川について

長谷川くんはひたすら自己犠牲の塊みたいな人ですね。文字を書くことで、世界と自分をリンクさせる。手紙代筆業で思い出したのは「セントラル・ステーション」でした。

 

セントラル・ステーション [DVD]

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 内容のベクトルが違うし、こちらも目指す過程が違うのですが同じ「手紙代筆業」として見てみると心がスレたりしんどくなったりする部分が多く見られたなと思います。

ドーラはジョズエと出会えたことで救われたけれど、長谷川くんは自我を喪失していくのですしね。

三池/由利/長谷川の三人が向けている「彼女」への心の置き方は方向性がみんな違うけれど(敬愛、親愛、家族愛)それぞれにそれぞれが大切な気持ちを持っていて、1人の女を喪失することで崩れていくのは「ふしぎの国のアリス」を書いたルイス・キャロルでもあるな、とか。心優しい人ほど崩れやすいの典型的な路線を行かれていてあああ…とも思ったり。

っていうか三人共ベクトルが向ける「好き」というか感情ってすごい、あの、なんだ仮面ライダードライブで見た霧子に向ける3人…!

 

 

 こちらに入っているよ!!!キャラソン(違う)が彼女に向けた歌だったのをふと思い出しました。仮面ライダードライブはいいぞ。

 

クリエイターの三池に感じること 

三池の「インスピレーションが降りてきたら描く」というのは「趣味」と「仕事」の境界線を渡り歩いている彼の不安定さというか、夢を夢として諦めきれない部分を非常に感じました。最近で言うところのドラマでやってる「カルテット*4」の4人と同じく、キリギリスとして夢にすがっている部分があったわけで。

でも三池の場合才能が(色んな形でね)あったわけで、それがある/ない と運の違いみたいなのを感じました。

10年前は天才でも時間がすぎれば凡才になるという話が金色のコルダ3における冒頭部分にて取り上げられていましたが、「仕事として」引き受けながら「描かされる」なかでも「自分のやりたかったこと」を考える三池というのは結構つまされるものがあります。私のやりたいことはこれじゃない、でもこれじゃないと行きていけないのジレンマはちょっと長谷川と似ていますね。

 

証明したい由利のジレンマ

由利も自分のアイデンティティを確立していた母からの否定がつながっているわけで、妹の喪失、母からの己の否定に自分というものがどこに「あ」るのか見えなくなってしまうのではないかとか。

しかしユリゲラーの話題沸騰って言われて、いかんせんピンとしないものの私の世代でも「ポケモンのモデルになって人じゃん」っていう感覚なんですが(ユンゲラー問題参照)流石に本当に一時代を風靡したのだなとかしみじみ。

スプーン曲げ云々の超常現象と聞いて私はゴーストハントという小野不由美さんの小説(悪霊がいっぱいシリーズ/アニメと漫画は「ゴーストハント」)を思い出したりもしたわけですが、よかった…ホラーにつながっていかなくてよかった…!(笑)

 

ちなみに漫画版が入りやすくておすすめ。アニメにもなっているよ。

ゴーストハント(1) (講談社漫画文庫)

ゴーストハント(1) (講談社漫画文庫)

 

ゴーストハントも自分が夢で繋がって「どこ」にいるのかとか無意識な予知能力的な部分もあったなあとか振り返りながら思っているのですが、ゴーストハント面白いから皆様何卒よろしくお願いします。

ナルちゃんと麻衣のコンビ大好きです。小説もアニメも漫画も好きです。

 

由利に関して個人的にちょっとひっかかったのは「大学講師」である彼が冒頭でWikipediaによると~って言ったことでしょうか。

もちろんわかりやすい例としてのWikiを引用したのだと思いますし、あの段階で「由利」ではないのかもしれないのですが、Wikiって真偽が定かではないため、大学では引用すると「これを参考文献にするな」って言われ、コピペ問題と併せて問題になった記憶があります。

こまっかいことなのは分かっているのですがWikiじゃなくて専門書によると~とかでもよかったんじゃないかなあとかね、ちょっとぼんやりと。

 

お歌の話

それぞれにアレンジが非常にきいていて、原曲との違いを楽しめる仕様になっているなと感じました。

Change your destiny」のはじまり、何よりこの舞台の題材として使われる「不惑」は言わずともがな。

個人的にとても大人になって社会人になって、嫌なことを繰り返しながらやっている身としては心に刺さる楽曲だと思っているので、こういうアレンジで聞けたこと非常に嬉しいです。

歳を重ねて、おとなになってから改めてもう一度若い人に聞いてほしいし、吉田拓郎さんのようなノスタルジックながらも生きていこうとする活力があると思うんですよね、この曲。個人的に「今日までそして明日から」と同じタイプ。

非常にエンドレスループしています。だからこのアレンジはとてもうれしい。

そしてもし興味ある方いたら是非吉田拓郎さんの「今日までそして明日から」も聞いてもらいたいです。クレヨンしんちゃんでも挿入歌で使われたよ!

オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ」のバラードも、「Sing!」「days」「Dahlia」、それぞれのアレンジも印象深かった。最後に歌ってくれるときに胸にぐっとくるものがありました。

 

まぁ何よりびっくりしたのは「ちぎれた翼」が選曲されていたことかなあと。何故この曲をチョイスしたのかとても気になる。

ハーロックだもんね宇宙ものだもんね!って思う一方で歌詞がえらく「舞台にどうやって組み入れるんだろう」「そもそも入るのあれ……」とめっちゃくちゃ考えていたので、そういう意味で入ってきたときに「そうだすのか!」と。そして改めて思う。この曲めっちゃ好きです。

円盤になってほしいという声も大きいと思いますが個人的に音源化にもなってほしいなあと思うばかりです。

 

タイトルの「惑星」から考える

そもそも「ほし」がテーマであるこの作品ですが、何故「星」じゃなくて「惑星」にしたのかから考えてみます。

「惑星」をグーグルに検索をかけてみるとgoo辞書の大辞典には下記のように記されています*5

1 恒星の周囲を公転する、比較的大きな天体。

国際天文学連合はこのほか、自己重力のため球形であることと、公転軌道近くに衛星以外の天体がないことを惑星の要件としている。

太陽系では太陽に近い順に、水星・金星・地球・火星・木星土星天王星海王星の八つがある。

海王星の外側を回る冥王星も長く惑星とされていたが、2006年に同連合によって新たに準惑星に分類された。遊星。


2 実力・手腕が未知であるが、有望とみられる人。

ダークホース。「財界の惑星」


[補説]惑星の分類(太陽系)
地球型惑星:水星・金星・地球・火星
木星型惑星木星土星
天王星型惑星:天王星海王星
内惑星:水星・金星
外惑星:火星・木星土星天王星海王星
惑星以外の天体の分類
準惑星 →太陽系小天体 →衛星

 太陽にはなりきれないけれど惑星として今日も回っていると取るべきか。

はたまた後者の「将来有望な未知数」と取るか。私は後者がベースになっていると思いました。

決して「未来ある若者」という状態ではもうないでしょうが(御年40歳になって舞台として形になったわけですし)それも踏まえてたくさんの事を挫折してたくさんのことに戸惑って、それでもなお「惑星」としてあるからこそ、彼らは太陽を回っている、のかなあとか。

作中で俺たちは宇宙の外側にいるという風に言っていましたが、規模がでかすぎて「なるほどわからん」ってなったんですがでも考えてみよう。スターウォーズで考えてみれば「遠い昔、はるかかなたの銀河系で」みたいなもんかなって思いました。何がおきても宇宙の外側ならば仕方ない。

それにほら、あれですよ。遊戯王のアニメ版なんてこの世界はカードの裏と表から宇宙が生まれたとか言ってるんで。割りとなんか受け止める側にとってみれば「そういうもんなのか」と耐性が出来始めている昨今です。

宇宙規模なら仕方ない。

 

そういえば、惑星≒遊星の派生からなんですが、長谷川くんは遊星歯車機構*6として三人を結びつける存在でもあるのかなあとか。大きな基盤として彼が編み出した世界があって、そこに「覚えていない自分」と二人を結びつけている。

遊星粒子…人々と人々をつなげるような存在…とか色々考えて色々あああ…と。遊戯王5D'sかな?!(趣味です)不動遊星かな?!あの人も自己犠牲の塊の結果腹パンされてなそういえば。

「自分とは何でどこへ向かうのか、問いかければ見えてくる*7」…っていうわけではないけれど、ひたすら積み重ねて積み重ねていたはずなのにそこで失われた「自分自身」は「自尊」とか「自我」「自分を卑下すること」さえもなくなるから「虚無」になってしまうのかなあ、とか。

それってすなわちFate/haのアンリ・マユ*8なわけで。ちなみに私はFateのアンリマユ大好きです。お願いだからhollowやってもらいたい。

Fate/hollow ataraxia PlayStation Vita the Best

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バゼットさんはいいぞ。アンリもいいぞ。

アンリマユとはこの世のすべての悪をただ1人の村の青年に無理やり押し付けて突然祭り上げられて、読んで字のごとく、身体も、心も、なにもかも、すべてを失う存在なわけですが。とてもなんかこう色々感じ入るものがありまして。

 

まぁそんな理不尽を強いられたアンリとは違って「辞めることも出来た」けれどそれでも選んでしまったのは彼の弱さであり温かみなのだろうなあ。

「いつか自分の手紙を自分で書けるまで」の「いつか」が結局現実世界では成り立たなかったのかなあとか思うと寂しさもありますね。

なんというか惑星の中にいたけれど惑星の隅っこから弾かれてしまった冥王星をふと思い出しました。そこに「い」るのに、続いているのに、「お前は惑星ではない」と扱われているとかなあ、とか。セーラームーン世代にとっては冥王星結構重要枠なんだけどなあ…!(笑)

 

また、銀河、宇宙といえば私は銀河鉄道の夜」「銀河鉄道999」あたりも思い出すわけですがそうやっていろんなものを結びつけていくと、銀河鉄道の夜の終わり方と戸惑いの惑星ってまたちょっと感じる部分が似ていると思います。

「どうしてあいつは生き残るんだ」の不条理さとやるせなさと、それでもそこに「彼はいた」というジェバンニは一説によるとこの後自分ももう一度銀河鉄道に乗る説とかもあるらしいですが(そこらへん詳しくないのであれなんですけど)宮沢賢治氏のイーハトーヴ*9って、ちょっとした長谷川くんにとっての文字の世界の中に似たものがあったのではないかなあとか。

何より宮沢賢治って死して評価された人ですしね。存命の頃は本当に生活が苦しいから雨にも負けずっていうか「うるせえ!!!!!」ってならずにはいられないっていうかそりゃあ雨に負けてらんねえわ…ってバックグラウンドを聞くとなるほどなって思います。宮沢賢治の生き様を聞いているとBGMが中島みゆき地上の星待ったなしな今日です。

楽園はもっと眩しくて暖かなはず…とちょっとサモンナイト4というゲームの主題歌になった「NEVERLAND」*10を思い出すわけですが今の心持ちで聞いているとうっかり泣いたりもするわけです。4は賛否分かれますが私は好きです。

お父ちゃんはだがしかし許さない。話がそれているので戻しますね。すいません脱線すいません。

 

演出の感想

冒頭に出て来る女性の手紙のシーンや、アンサンブルの使い方が私は好きでした。

後は螺旋階段の使い方がいいですね。引いた状態で舞台を見るときっともっと見やすくて全体でみたら楽しいのだろうなと思います。

また、ステージでの箱を活用してその中身を使ったり、音との相性もいいなあと思います。この作品は「星」もだけど「メロディ」もとてもポイントに上げられていて冒頭のピアノやピアニカの演奏BGMも一緒にあることで意味があったのだなと思ったりとか。

階段上でのピアノ、そしてクライマックスでの扉の開け閉めの流れで見えた演出は私、とても好きです。

ガンガンと鳴り響く音と扉目いっぱいの光。赤、青、目がチカチカするかんじと、もう一度開いたときの扉の印象が違う深い深い海のような光。金というより銀、とかね。見ていて銀河というよりも海のようだったなあという印象です。

扉の向こうは見知らぬ世界ってどこでもドアだなあっていうのと惑星つながりでドラえもんの「アニマル惑星」だなってふと思いました。ピンクのもや!あれは夢の浮橋ですよね。不安定に渡り歩いたら違う惑星に付いていた物語。うん、未だにニムゲはトラウマですが名作だと思います。 見てくれ。今年舞台になるそうですよ。こっちも気になりますね。

演出上の展開としてはグローブ座という大きくない舞台でカーテンを用いたり様々な形をして表現しているというのは非常に印象深かったです。三人の立ち位置を正三角形にしようとしているのも見えましたし、意図して意識して作られているのだろうなあと感じました。

 

俳優の感想

もともと自分はトニセン、ひいては井ノ原さんのファンなので、どうやっても贔屓目に見てしまうわけですが、できれば贔屓目ではない形でブログを書きたいなあと思っているのでつらつら書いてみたいと思います。

 

まず坂本さんから。お歌の伸びやかさがやっぱり印象的でした。

加えて、一番役柄なのか「夢をあきらめたくない」という縋り方が顕著だったと思いますし、酒飲んだくれているシーンと、キャッキャしているところの温度差が印象的でしたミケランジェロ。みいけらんじぇろのミケランジェロ。そういえば結局「らんじろー」という名前を使ったのはそれ以外になかったな、残念。

 

次、長野君。

由利という男は、今回おそらくいちばん大変だったろうなと思う台詞の面倒臭さがあると思います。というか言っていることは「難しいことを難しいように言う」登場人物ってやるの大変だよなと思いました。「何言ってるか割りと本気で意味不明」な役柄で引っ張らなきゃいけないしなあ。

由利という夢を追いかけ探求し続け「この世での非現実」を証明しようしている人間は、この作品において一番崩れなさそうだった人なわけですが、教授とのやり取りで崩れる様は「悲劇」だけど「喜劇」で笑わせようとしているのだなあという風に受け取りました。

教授とのコミカルなシーンは悲劇であり喜劇であり。夢中になると周りのことが見られなくなるタイプなのだろうと感じつつ、そういう意味でもがむしゃらな人だなと思いました。 理路整然とパラドックスが起こること、どういう状況なのかの判断、説明をしていくわけですがぐるぐる考えている描写が特に多いイメージでした。

最後に、井ノ原さんについて。この3人の中では突出して「普通」で、でも「異質」な立ち位置をしなくてはならないわけですが、嬉々としながら小説家を目指す目指しどころが分からず右往左往している姿は印象的でした。ネットもない時代だもんなあ。

また、私は前もって見ていた友人から「井ノ原担なら崩れ落ちるほど可愛い」と言われていたのですが、私は「可愛い」とは長谷川に対しては思いませんでした。

彼の芝居から感じる長谷川には「可愛い」とはちょっと違うものを感じていたためです。これは長谷川という人の部分に書いたほうがいいのか悩んだのですが、ちょっとデジタル大辞泉で「可愛い」を引いてみました。*11

可愛い

[形]《「かわゆい」の音変化。「可愛い」は当て字》

 

1 小さいもの、弱いものなどに心引かれる気持ちをいだくさま。

 (1)愛情をもって大事にしてやりたい気持ちを覚えるさま。愛すべきである。「可愛い孫たち」「出来の悪い子ほど可愛い」

 (2)いかにも幼く、邪気のないようすで、人の心をひきつけるさま。あどけなく愛らしい。「えくぼが可愛い」「可愛い声」

2 物が小さくできていて、愛らしく見えるさま。「腰を掛けたら壊れてしまいそうな可愛い椅子 (いす) 」

3 無邪気で、憎めない。すれてなく、子供っぽい。「生意気だが可愛いところがある」

4 かわいそうだ。ふびんである。

 

友人がどの類で「可愛い」といったのかはわかりませんが、私はかわいそうとか不憫とかそういう生き方とはまた違うような印象です。うまくいえないんですけど。

 

楽器演奏について

坂本さんはピアノに引き続きですね。金管楽器って肺活量とか腹筋とかが物を言うので非常に大変だろうなあと思いました。

音のブレとかどうこうというのは私は楽器面について詳しい人間ではありませんが、それこそ先日のジャニーズWEST神山智洋さんが吹いていたりとジャニーズ色々挑戦するなあという気持ちが強かったです。

トランペットを昔学校の授業のために吹奏楽部の連中に教わって3ヶ月ほど吹いていましたけれど、楽器を毎回毎回台詞と併せて、動きと合わせて躍動させて台詞も覚えて吹いて、ってきっと大変だろうなあとしみじみしてました。聞きかじり程度の人間があれなんできっと音楽やってた人は色んな意見が出るんだろうなーとも。

ファン目線から見ると「わーすごーい」かもしれないし、ファンじゃない目線からすると「もっとさあ…もっとさあ…!」ってなる感じなのかもしれません。

実際多分「プロフェッショナルの芝居と演奏」って思って足を運んだら「お、お、おう…?」ってなったかもしれませんね。

今現在東京公演折り返しの段階で聞いた印象としては、きっと前回よりもっともっと良くなっていて、回数を重ねていきどんどんブラッシュアップを更に重ねていかれるのだろうなあという印象でした。ただ、「もっと良くなっている」というのはベースラインのところである程度出来ていてほしかったかなというのがほんとのことろ。マイナスからゼロではなく、ゼロからプラスにいってくれたほうが当たり前ながら嬉しいんですよね。前を知らないから希望的観測ですが(笑)

 

作品の中なのか「リアル」なのか

この作中で不明瞭になっていく境界線ですが、こういった作品は結構見かけていて、自分の知っているものだと「Are you Alice?」とか。「リアル 首長竜の日*12」とか。

ゲームで行ったら「スターオーシャン3」が代表例かな。うん、懐かしい。

どこまでが現実でどこまでが夢と気づくのか、物語の中で物語である違和感に気付けるのか……っていうのは結構なポイントだなと思います。

作中彼らは「長谷川」という同級生と久しぶりにあう男として存在していますが、そもそもじゃあどこからどこまでがリアルでどこからどこまでがイマジネーションの中なのか。夢から覚めた夢じゃないけれど、見えないわけです。

はっきりとした「目覚め」なのだろうか。それとも「見えない」のだろうか。

例えばラストシーン、絵を描いてもらうわけですが、その絵には何も描かれていませんでした。

立ち位置的に私が偶然見えてしまっただけかもしれません。一方で、その描写としては「おいお前それ…」「黙ってろ」と返しています。その絵は言葉にしたら意味がなくなるとも。

この時点で視聴者はどう見るのだろうと考えました。見ている側もイメージが膨らみますし、貰った側の長谷川は受け取って「これはぼくだ」と返しています。

真っ白=虚無 なのかもしれないし 真っ白=見えないけれど見えるもの なのかもしれません。それを描いたのは「長谷川が作った存在」の二人なら、長谷川自身が分からないものを彼らが見出すというのは難しいわけで、例えば作家が自分以上の天才を描くことが出来ない、って言われているのと同じことなのかなと。

一方で長谷川は自分を失っているからこそ、空っぽのコップに何度も何度も知識とか、見解とか、認知を注ぎ込んでいけば、一瞬だけでも「ああそうだ」とつながるんですよね。だから「どっちにも見える」。

キングダム・ハーツ*13の考え方で見てみるとこれもまたユニークで面白いです。

この作品では「自分という概念、記憶、自分というつながりというのは、鎖状になっていて人と人との結びつきに寄って確立されている」というものがありました。

あれは世界観が独特ですが、TTTで置き換えてみると、長谷川は三池、由利とつながることでまだかろうじて「世界に存在できている」というようにも見えなくはないなと思います。

「自分」とは何なのか。人は一人ではいきていけないという言葉があります。 そういう意味で彼らとの結びつきにより長谷川が「帰って来た」というようにも捉えることはできるのではないかな?と。

 

”運命”は誰の手によって決められているのか

そういえば、トニセン一人ひとりの冒頭シーンのどんなことに戸惑うか、に至る前に立っていた状態から各位お願いをはじめ、アンサンブルの方が椅子を運んでいくまでの茶番劇…もとい小ネタからはじまるわけですが。

坂本君が振り回されている顔芸が非常に印象的でした。そこから椅子に座り、それぞれがメインに話す時センターに座るわけです。

 

「運命を切り開いたと思ったらそれはまた別の運命によって決まっているのではないだろうか」ということに戸惑うという坂本さん(この時点ではまだ三池ではなく坂本さんでした)に、私は今まとめながらこう思ったわけです。

 

「く、クロニカ様…!!」

 

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こちら幻想楽団 Sound Horizonという音楽ユニットが同人時代に自費制作された1st Story Renewal CD 「Chronicle 2nd」です。ちなみに出たのは2004年3月19日。

同人時代最後のCDですね。ちなみにもう生産されていませんが、私がハマった当時はまだサンホラさんはエリ前出すぐらいだったので、うっかり持ってます

それから数年後まさかタンスとセットで売り出したりするとか思わなかったわけですが。それはそれとして。薔薇の騎士団が好きです。はじまりのくろにくるも好きです。

そんな私の話はさておくとして。是非一度歌詞を聞いてもらいたい所存です。

 

昔々ある所に一人の男がいました

彼は破滅の運命に囚われていましたが

苦難の末…その運命から逃れる道を見つけ出しました…

しかし…彼がその運命から逃れることは 別の運命によって定められていました

その別の運命から逃れられたとしても 更にまた別の運命に囚われてしまいます

 

(中略)

 

結局彼は運命の手から逃がれられませんでした

…されど憐れむ必要はないのです

ワタシもアナタも誰ひとり逃がれられないのですから…

 

このクロニカ様の黒の預言書については福音と取るか、それとも破滅への警告と取るか、といった色々な物語が絡め取られているいわゆる雑誌ムーが飛びつきそうな世界観の話なのですが(好きです)。何にせよ、最初に聞いていて「運命から逃れてもまた新しい運命を選ぶ」というのに最初にこちらを思い出しました。

「運命を選ぶ!」という展開についてですが、こちらについてはあの、うん、明るいオタクなのでうっかり「遙かなる時空の中で3」を思い出しました。

 

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もうすぐ発売ですねよろしくおねがいします。

ちなみに私はこちらもどっぷりどっぷりハマっていた思い出があるので、こう、しみじみと楽しませていただきました。

 

何故この運命を選んだ……(CV石田彰

 

それはさておくとして。脱線に定評しかなさすぎて本当に申し訳ないです。

でも遙か3面白いからもし興味あったらVitaで発売ですよろしくお願いします。売り上げ貢献すれば遙か2もリメイクされるかもしれないという淡い期待と学生時代本当学校休んでやった思い出があります。ちなみに私の推しメンは九郎さんと泰衡様でした。

わかりやすい好みですね。でも月日を経てやった今なら誰に落ちるのだろうとか思うのですがうっかり梶原景時について歳を重ねて思う所。多分今見たらこの人めっちゃ好きになってそうな予感しかしない。やばい沼の予感を察知している……。

 

物語の中に入ってこの世界そのものは「お前」によって作られているのだという意味なら以前ミュージカルで観劇した「アリス・イン・ワンダーランド」もその部類だなとか。

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あれとはまた全くベクトルがTTTは違っていて、どう取るのかという楽しみがあったと思います。ちなみにこっちのアリスインワンダーランドも面白かったです。イカレ帽子屋男前案件。めっちゃかっこいい。

 

まとめ

どう見るのか、どう取るのかで違うと思う作品だと思います。

音楽劇、ではないし、ミュージカルでもないなって印象。

作品のあり方としてはディストピアとは思いませんけどハッピーエンドとも思えない。

更に言えばこの終わり方をハッピーエンドと取るのか、それともバッドエンドとも取れるわけで。いわゆるメリーバッドエンドにも取れるなあと思います。

長谷川くんは思い出すとは確証があるわけではなく、夢の中で見た二人のことを覚えている。絵を渡されて「これがぼくだ」という風に言うけれどそれが明確なわけではない。

彼らが愛した”彼女”は生き返るわけでもないし、彼らも又生きていかなきゃならないわけですが、その上で、彼らの未来が暗いわけでもなく明るいわけでもなく、また示唆される「どう生きていくのか」の流れは印象的でした。

そもそもこれが夢なのか、はたまた現実なのか、自分たちは何者なのか。自我の認識をしているけれど実際は長谷川の手に編み出された「人物」なのかもしれないし、下手したら長谷川という存在すらも実は「作り出した」というものにすぎず、上を見れば神とも言える創造主がいるのではないか、とかすべては運命に手繰り寄せられたものにすぎないのか、とか。色々な見解が出来ますね。

なんにしても、長谷川の作った”シビュラの託宣”はもうないわけですしね。

まだ夢なのか、まだ小説の中なのかの明記もないです。勝手に場面展開する作品でもあったので、下手すると最初から最後まで、ラストのやり取りすら長谷川君の頭の中の可能性もあります。「夢オチかよ」という言葉があったようにただのアリスが見た夢なのかもしれないし、そこは見る人によってどうにでもなりそうですね。

 

せっかくの曲アレンジなので、是非聞いてみたいですし、見たからこそ確認で見たい部分もいっぱいありますしね。音源化したやつでちゃんと聞いてみたいなあ。

 

外伝:グッズのお話

今回のグッズは坂本君…付箋 長野君…ミラー 井ノ原さん…カップ と、プログラムでした。

プログラムは手に持ちやすいサイズです。赤がベースですがトライアングルのモチーフが可愛いですね。星も散りばめられています。トライアングルと聞いてマクロスなのかな?とか思って本当すまなかった。君は誰とキスをする私それともあの子

まぁあながち間違っていなかったですが!

 

ミラーは思いの外ずっしり。手のひらサイズに収まりつつ黒ベースにNHの文字。初見すると全くわからなかったお洒落さでした。シャネルさんとかあのへんぽい感じで意識しないと見落としてます。誰がって私が。少々ずしりと重みこそあれど日常使いがしやすいタイプだと思います。ポーチで現在現役バリバリレギュラーはってくれています。

 

ふせんについてはまさかの本人、予想外すぎる。まさかの本人(二度目)。

購入したはいいものの一体これをどこに使ったらいいのだろうと頭を抱えています。ふせん使う仕事をしていますが本当どうしたらいいの…!(笑)

でも表情はとても明るいもので「あー楽しそうだー!」ということで記念も兼ねてお買上げ。

 

井ノ原さんのカップは前回のOTTとペアマグになるピンクベースのもの。セットで使うご夫婦カップルの皆さんいかがですか!と某友人に聞いてみた所写真で送られてきました。リア充め!!(笑)オタクはどうしてこうもマグカップを集めてしまうのか……多分オタクだからです……。

我が家にうえすとさんのマグと一緒に再び並ぶわけですがシュール過ぎてちょっと落ち着けと自分でも思っています。でも相変わらずこう、さらっと書いている感じがとても好きです。

 

ということで舞台のグッズってあんまり買わないのですが今回のはトニセン好きさんなら記念に買ってもいいかもですね~!長野くんのミラーが個人的に実用性があって助かっています。

個人的に発売してほしかったなというグッズはあの!劇中で使われていた!便箋と封筒!!ほしいんですけど!

流れ星のような形をしていてとても可愛らしかったですね。オルゴールなんてワガママ言わないのでぜひとも再演したらグッズ展開してもらいたいところです。

 

外伝2:本日のフリートーク

この日のフリートークは「新大久保」という場所についてでした。

ジャニーズ事務所がこの「東京グローブ座」を買い取ってもう何年になるかはわかりませんが(元々は違う会社さんが運営されてました)、それでももう長いことになると思います。お陰で3人共めっちゃ行き慣れていると。

お陰で 行きつけの店も増えた ということで。今回は3人でこの舞台やってる間で始めてご飯に行ったとかで。

松岡昌宏氏が一緒にいったそうです。

井ノ原<松岡がきたからしょうがないんだよ と言っていました。

松岡さん、同級生の井ノ原さんはともかく年上先輩の二人に対しても「先輩!アーッス!シャーす!」みたいなノリだったそうで。流石体育会系。流石まぼ。流石!と思っていました。

しかも同級生だからってんで井ノ原さんのお母さんの話とかの昔話を聞かされるという上二人。完全にそれ「こいつのカーチャンいい人なんすよ~!!」みたいなそんなあれそれじゃないですか。めっちゃ面白い。

どこでご飯食べたのか気になるんですが新大久保という場所もちょっと散策してみればお店色々あるから羨ましいなと思います(笑)そしてそんなふわっとゆるっとした会話でふわっとゆるっと終わっても許されるのが「新大久保(東京グローブ座)」だからだと仰っていました。それぐらい長い付き合いでそれぐらい親しみがあるのでしょうね。

井ノ原さんだったか長野さんが「もしかしたらこれ(フリートーク)もまだ小説の中かもしれませんしね」といっていて、どこかお客さんも戸惑ったままでした。流石戸惑いの惑星。戸惑い続けていくしか無い。帰り道も戸惑いながら還りましょう(笑)

後はちょうど中断日を挟んで、東京は折り返し、ということでお話されていましたが、全40公演もあるとか、この過密日程はプレゾン以来だとか、少年隊さんのあの超過密日程!というお話をされていました。

40公演って何だそれ…と思いますがよくよく考えれば井ノ原さんあさイチあってアド街あってその合間に舞台やってると思ったらすごいことだよなあとしみじみと。ワンディッシュもファームもあるから坂本さんも長野さんも大変だ。

 

また、カーテンコールに併せてのご挨拶の時に「気をつけて帰ってね~またね~」という手の振り方は本当に学校の先生のようなお三方だなと思いました(笑)マナーよく皆さんスタスタと帰られているのを見ながら、はあすごいなあとしみじみ。ちなみに私はアンケート書くのが遅くなってしまいバタバタしていました本当申し訳ない。

 

何にしても皆さんお疲れ様です……お疲れ様です……!最後まで頑張ってもらいたいし、走り抜けてほしいですね。

このブログのタイトルは「人生日々ハイテンション」と名乗っておりますが、結局のところ馬鹿みたいに明るい話をしているように見せかけて何も考えてないわけですが。少しでも思ったことをちょっとでも綴っておこうと考え、書いたわけです。

何かしら見た人が「あーそういう見方もありじゃん!」とか「いやそれはねえよ!」とか思うところがあったら幸いです。

私の考察なんてこじつけ甚だしいところいっぱいですんで!(笑)こう思ったこう感じた、と思ったことを言い合うことで自分の感性もまた新しい発見があるので私は色んな意見を聞くのが好きなタイプです。こう思ったっていうのがあったら是非Twitterでも何でも教えてください。答えのない答えを探す冒険大好きです。

 

後日談

え?円盤になるの??????

 

 流石に動揺せずには居られなかった。ぜったいしないと思ってました(笑)

特典もつくのうれしいですね。購入して当時書いたことを振り返りながら考えていきたいと思います。

*1:坂本昌行長野博、井ノ原快彦のTTT「戸惑いの惑星」公式 https://www.20th-ttt.com/1

*2:ミュージカル「スコット&ゼルダ」 | 天王洲 銀河劇場

*3:シビュラの託宣新約聖書外典の1つ。「シビュラ」というのは古代のギリシアおよびローマなどの伝説的な巫女の名。恍惚状態で未来を語る女性予言者である。

*4:松たか子主演のドラマ。

*5:わくせい【惑星】の意味 - goo国語辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/jn/237937/meaning/m0u/

*6:歯車同士がくっついてるやつです。遊星歯車機構 - Google 検索

*7:アンジェラ・アキ「手紙」参照

*8:Fateにおける最弱の英霊。アンリマユ - TYPE-MOON Wiki

*9:宮沢賢治曰くの”理想郷”

*10:NEVERLAND/松澤由美 - 歌詞検索サービス 歌詞GET

*11:かわいい【可愛い】の意味 - goo国語辞書

*12:綾瀬はるか佐藤健による映画

*13:スクエアエニックスとディズニーの作品。

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