こんにちは、2月1日は映画の日ということで、何か映画をみたいなあと友人と話、今一番見たいものを照らし合わせたら「ララランド」で一致して2月終わりからなので揃って頭を抱えたのですが、今回は「せっかくだから見てみたいねー」と考え、関ジャニ∞の黒担当・横山くんが出ているという映画「破門」見てきました。
松竹映画というと最近だと「超高速参勤交代」とか「殿、利息でござる!」とか、なにかと時代劇映画が面白いイメージです。
ということでネタバレしてますのでご注意を。
「破門」について
黒川博行氏による原作小説。こちらは「疫病神」シリーズの第五弾ということで刊行されました。
2014年2月、角川書店から刊行されており、第151回直木三十五賞を受賞しています。
こちらが原作。
ちなみに疫病神シリーズはスカパーで連ドラにもなっており、そちらは「ジョジョをやらせたらこの人に頼むしかないだろう」と言われている北村一輝さんと、普通をやらされたら右に出る人はいないだろうと思わせるギャルゲー主人公かな?ってレベルで「普通」さがとてもハマる濱田岳さんのW主演。
ちなみにこのドラマシリーズはとても人気だったらしく、2016年2月からまた新シリーズが始まるそうです。こっちも見たいところ。
っていうかうっかり見てたら佐藤寿人がコメントしていて、それが名古屋じゃなくて広島明記されててちょっと泣きました。
「破門(疫病神シリーズ)」にはハマった。
なかなかない設定のドラマであり、
アンダーグラウンドの世界が見えて主sりお買った。
W主演の二人のキャラクターが濃く、お互いがお互いを利用しているけれど、
信頼関係を築き上げているのは見ていて感じる部分が多かった。
ずっとシリーズとして続けてほしいドラマ。
2月からの続編も楽しみにしています。(公式サイトより)
いやーでもなんか褒められてるの見ると見たくなるのとCM見ていると非常にテンポが良くて楽しそう。小説を読んだら又違うのでしょうけれど、任侠作品をあまり見る機会が少ないので、ちょっとDVD借りたい。
ちなみにドラマシリーズは最初「破門」からスタートしているので、今回の映画と比較しても面白そうですね。
これみるだけもわかる、とてもテンポがいいのと、スカパーのよくある「好きなやつは好き」と「わかるやつにはわかる」で作っている感じとてもいいと思います。
…ってことで、途中まで見てみました。見た感想としては映画より与えられている時間が長いのでより丁寧に描かれていて、コミカル要素もありつつもあくまでも二人の距離感は一定、こんなやつ!って感じがにじみ出ていました。
なぜこれ前もって見なかったんだろう超悔しい。ということで疫病神シリーズの「破門」、おすすめです。最終話まで見る楽しみが増えました!
で、見た上で言うと「同じ題材を扱っているけれど、完全に別物」としてみたほうがいいなと思います。ドラマのほうがよりほの暗さというかがあり、こっちは「エンタメ性」といっていたので、そのへんの違いかな。
破門 ふたりのヤクビョーガミ
今回の映画については何故見に行こうかと思ったのかというと「沈黙―サイレンス―」が特集で載っているキネマ旬報で批評家の方々がそこまで悪い評価をつけていなかったというのがあります。
いつも大体お世話になっている映画友達が未だ誰も見に行っていない中だったんですが、割りとキネマ旬報を読む身としては「星そこまでいっぱいじゃないけど、悪くはないってやつな感じがする」って思ったので、というかんじのゆるっとふわっとです。
ジャニーズWESTの濱田崇裕さんが脇で出ているのは殿、利息でござる!の重岡くんが出ているときとは違って「あっ出るんだ」っていう認識があったので、ほほーっとなりました。
だから、俳優目的というより作品として見に行っている要素が強い感じです。
キャスト・スタッフ
宇崎竜童
木下ほうか
濱田崇裕(ジャニーズWEST)
他
びっくりするぐらいに関西出身者祭り。先日vs嵐だったか何かでたまたま見ていたら宣伝でいらっしゃって挑戦者の5人が「9割関西人で、愛人役の人だけ山形出身」ってネタにされていました。私はあいにく関西の人間ではないし関西弁のイントネーションの違いとかも完全に「なんちゃって関西人」になってしまうので、「そういうものなのかー」って思うんですがやっぱり大阪人と大阪人ならテンポは自然と早くなるんでしょうかね。
スタッフは「深夜食堂2」でメガホンを取った小林聖太郎が監督として参加。
マエストロ!もやっていらっしゃいましたね。
でも個人的に彼の情報を見て一番反応したのは
完全に春華堂がばりっと協賛してるドラマだー!!(笑)
うっかり見た覚えはあるんですが、びっくりするぐらいローカルだったドラマですよねこれ。見た覚えがあります。そして春風亭昇太師匠が出ててめっちゃくちゃ笑った記憶があります。懐かしい。
脚本は真辺克彦(「ソロモンの偽証」)、小嶋健作(「深夜食堂」)、小林監督が共同で執筆しています。
あらすじ
凶のヤクザと貧乏建設コンサルタントがもうけ話にだまされ、持ち逃げされた映画製作の出資金を回収すべく、奔走する内容。
超サックリいうと「詐欺師に振り回されてヤクザとそのヤクザとビジネスライクのお兄ちゃんが振り回される話」です。
専門用語がバンバン飛び交うのでぜひともそこらへんはプログラムを読んでおいてもらいたいかもしれません。見慣れていないと「?」ってなるかもしれません。
感想
ストーリーとしては“ぐーたら貧乏”でダメンズを具現化したようなだめな人・二宮と、ゴリゴリバリバリヤクザの桑原のコンビ物と言っていいのか何なのか微妙なラインの関係としては興味深いなと思いました。
友達ではなく、いわゆる「腐れ縁」という関係なわけですが、それでもやることなすことがお互いがお互いにとって「疫病神」なわけですが、二宮は彼のお陰で食い扶持を繋いでいる部分があって、その点は感謝しなくてはならないのに内心「うわあヤクザ」とか思っているわけで、冒頭、二宮の従姉妹である渡辺悠紀(北川景子)にも「なんだかんだいって好きでしょ」って言われてるわけですよ。
出会いから全部突っ込むと「2時間」という枠の中に収まりきらないから既に関係として“腐れ縁””疫病神”として認識している上での関係です。だから、見ている側では「ロクなことにはならねえ」と言っているけど「へーそうなんだー」ってなるぐらいで。できればそこに台詞で一個二個こんなんがあったあんなんがあった、みたいなこと言ってもらえたら良かったかなとは思います。最初「あっもう知り合いなんだ」ってなりつつ。
非日常と隣合わせのほっとする”日常”
任侠の世界というのは二宮にとって日常生活の中の延長線上の中にあるというのが如実に浮き彫りになっていて、そこが個人的に非常に好きなポイントです。
横山くんとキムラ緑子の親子関係と「親代わり」となっている彼の父親に世話になっていた嶋田さん(國村隼)のすき焼きを食べるシーンが興味深かったです。あくまでも和やかに、たしかに極道の男の妻であったキムラ緑子さんと、現役の若頭である嶋田さん。でも、彼らの間に流れている距離感というかやり取りは「普通」でした。
うだつの上がらないダメダメな二宮君とお母さん、そしてたまにやってきてくれるおじさんの「仕事はどうだ?」「ダメダメ」「なんでおかんがいうねん」みたいな本当にありそうな、“平和”と“普通”さがドンパチするパートや、ヤクザに振り回されている距離感との対比として良いと感じています。
どちらの「破門」にも出ている木下さん
また、木下ほうかさんはドラマ版の「破門」にも出ています。
ちなみにドラマ版では小清水役なのですがこれもまた今見ている限りではいい具合に小憎たらしい(笑)
映画版では滝沢組の幹部の初見を演じていらっしゃいます。まったく違う役をやっているのですごい俳優さんですよね。下町ロケットも好きなんですが、そっちもよかったなあとしみじみと。
それぞれの主役に見る所
横山くんの二宮さんは本当に割りと全力で「どうしようもねえな!!」と言いたくなるようなタイプです。ほんとなんなんお前!そこはチャキチャキしろよ!!っていいたくなるし従姉を止めることもできずフーン…っていうもやもやグダグダ。
そのくせ賭博大好き(設定らしい)+タバコガンガン吸うっていうのが人間のダメさめっちゃくちゃ出てるなって思いました。よれたシャツにパンツ、ちゃんとした格好しても醸し出るダメさ、橋爪さんに対して振り回されているかんじも含めて興味深い。根っこは悪いヤツじゃないんでしょうけどいかんせん見る目がない。色んな人に大事にされているけれどそれを返せない、そしてそのジレンマを抱えている。っていうのを感じました。
どちらかというと任侠としてのあれそれに巻き込まれるよりも日常のちょっとしたパートの方が輝いていた印象です。
もう一人の主役の佐々木蔵之介さんはパンフレットで「互いに関西人で台詞も軽妙なのでテンポが良すぎてしまう。二人の関係性を考えて間が良くなりすぎないことを意識した」とコメントしていましたが、私は関西人ではないので「へえ」ってぐらいだったものの、関西圏に住んでいらっしゃる友人に「あそこまでのったりするかなあもっとポンポン喋るよ」と指摘されていたので、このへんは難しいところだなあと思いました。
ただ、やっぱり距離感が複雑というか、「お前なんやなんいけすかねえ」っていうのを相互に思っているということを前提にしていると考えるとまぁ「相棒」でも「コンビ」でもない「ギクシャク」感が出ていたかなあとは思います。
話のストーリーとして大きな波が或るはずなんですがあまり自分では感じきらなかった、テンポと歯切れが余り良くないかなと感じました。捕縛拷問の流れは流石にマイルドでした。
「沈黙ーサイレンスー」などと比較するのはあまりにもあれなんで(向けている層やポイントが違うので)まぁ「エンタメもの」として見たらこんな感じなのかなーと。
ただ、「爽快な映画」かと言われればNoかなと思います。基本的に男二人がああでもないこうでもないとか言い合っていたり、噛み合わないのがだんだんと噛み合うというか。バディものだけどバディとは言えないような関係ですね。コメディとシリアスと任侠ものとしての組み合わせなのでどう伝えたらいいのかなあ。シリアスな笑いも結構あったので、真面目にやってるからこそクスッとなる部分があるのでゲラゲラ笑うよっていうものとはまた違うというか。
二宮が逃げて呆れられて、もう一度同じ流れになるわけですが、そこで周りと関わって考え込むシーンがあります。個人的には呆れられての「なんやねん」みたいな気持ちは丁寧に見たかったかな~と思いつつ人数が多い群像劇だから仕方ないのだろうか……ってなりつつ、人が多すぎて分散するのと専門用語が飛び交いすぎて「それは何だろう」っていうのがちょっとあったかなあ。なのでパンフレットは読んでしまってもいいと思います。後のページに紹介もあるので。
個人的に好きなシーン
好きなシーンは先程もいいましたように「日常」パートのシーンは大体好きかなと思いました。
従兄妹の二人の関係で二宮が好意を抱いているのに言い出せないし”いとこじゃなければな~”とか言うくせに明らかにお前意識してんじゃねーか!っていうところとか見ていて楽しかったです。悠紀が一体普段何をしているのか映画だけ見ると「レッスンが~」って言ってるからモデル志望でバイトしてるタイプなのかなって思ったんですが、ダンススタジオでインストラクターしつつアルバイトもしてるよっていう登場人物で「ああそうなんだ」っていう設定が後々になってわかるかんじなのが設定もったいないかな~とは思わなくもない。レッスンっていうからてっきりてっきり。
後は母親にお金を借りに行くところもいいなと思いました。親にとって子どもは子どもで、お母さんはあくまで「普通」を貫いているというか。
もぐもぐと食べている息子を嬉しく思ったり(コロッケ作ったのに~っていうやり取りとかほのぼのしました)食べていく、って言った時の弾んだ声、そしてそんな親に対して後ろめたさと申し訳無さで葛藤してる二宮の関係はひねくれまくっているこの作品の登場人物たちの世界の中でアットホームな世界で好きです。
嶋田さんとの電話のシーンもいいなあと思いました。彼に対して叔父さんのような人なのにヤクザだからのぐるぐるしている感じとか。電話で「ありがとう」「迷惑かけてすみません」も言えない形もヘタレとしてもいいなと思いました。映画で会話をするシーンがなかったけれど、彼が手にしたお金の内きちんとバイト代や、親への返金、そして嶋田さんに対して安くてもいいからご飯をおごったり何かしらしてあげてたらいいのになあと思いました。「カタギだ」といってもやっぱりね、そこらへんはね、筋を通している良心があったらいいな、とかそんなかんじ。國村隼さんとキムラ緑子さんの芝居力に引き込まれ、横山くんが罪悪感に苛む感じがとても良いなあと感じます。
セツオ君・ケン(濱田崇裕)との羽毛布団だなんだのわちゃわちゃ男子高校生かよっていうやりとりも日常パートとして可愛いなあと思いました。それでも彼ら二人は貫きたい気持ち(桑原への忠誠心)があって、それがない(基本否定的)な二宮との温度差がいいなと。
後はセツオ君に「ハウスしてて」っていうちょっとしたやり取りは和みました。後は15人はいたな!何人かはやった!っていうセツオ君(矢本悠馬)はとてもいい。彼は「ちはやふる」で肉まんくんやってましたね。ごめんね青春!にも出ていたりと個人的に好きな俳優さんだなと思います。三枚目としては非常に良いポジションの役どころだと思うので彼の扱いいいな~って思いました。これからも是非色んな作品でみたいなあ。
濱田崇裕さんの感想
濱田さんについては出番あんまり多くないです。後半に殺陣+前述した男子のお泊まり会(語弊)があるかんじからのいくつかってかんじです。
「あれ貸せ」という言葉に応じてモデルガンをささっと渡すところだとか、基本二宮にも敬語を使っている「慕っている先輩とコンビの相手(若頭が気にかけている相手でもある)」としてちゃんとしなきゃとしている舎弟感がありました。彫り物を頼んでいて腕に入れているよという話をしているところのアドリブ感もいいですね。矢本くんとの先輩後輩感好きです。機会があったらもっと芝居を見てみたい。
佐々木蔵之介の演じる「桑原」という男の立ち位置
任侠シーンとしては桑原のお洋服のオシャレさが目立ちました。インテリヤクザ感がとても出ていて、いけいけヤクザっていうか、うん、まぁ、たしかに「見かけ怖いね」ってかんじ。めっちゃ歌を熱唱しているところも愛嬌があって好きです。ヤクザといえどカラオケだってするよ!(笑)
同じインテリヤクザって言われるとウロボロスの小栗旬の演ってたたっちゃんとか思い出しますが、ノンフレーム眼鏡で眉間に皺を寄せるとあーやっぱ怖いなーすごいな~て思いました。後四課の人間が出てくるときに個人的にドラマで四課ものやってほしいなあと常々思っている私としてはそわそわしてました。踊る大捜査線でもちょこっとだけ出てきますよね。
ストーリーとしてはそこまで大きな波があるはずなのに感じきれないというか、もっと大きな展開があるのかなとか思っていたのですが、極道者同士のバトルで持って行かれつつ、最後また小清水を追いかける……にしても、少し肩透かしを食らってしまうというか、更に続いていく、疫病神のコンビはつながっていくという意味では面白いだけにちょっと気になりました。
殺陣については何でもありの羽交い締め、殴る、蹴る、ものに頼るも大いにありなものなのですが、そこまで派手!過激!とまではならなかったです。痛い痛い痛い!ってはならなかったです。むしろ殺陣より小清水の膝にブスーッ!ってときのほうが「うっわああ」って気持ちになったかもしれません。
濱田さんが「殺陣をもともとやりたかった」というコメントをされていましたが2人vs大人数というゲームではよくある無双展開はリアルでやろうとするとやっぱり難しいよなあしかも皆極道だもんなあ体格いいもんなあ、と見ながらストーリーを見ていました。
全体的な感想
多分絶対的に映画とBSドラマとで比較されると思いますし、今丁度ドラマもやっているから仕方ないことだとは思うんですが、多分それに関しては好みの問題なのでしょうがないかなとも思います。2時間の映画としてコンパクトにまとめているなと感じました。
多分横山くんのファンの方とか、佐々木蔵之介さんのファンの方は見て楽しいのではないかなと思います。怒ったり、笑ったり、怪我したり、叫んだり、アクションしたり、色々しているのとお洋服がちょこまか変わっていますし横山くんに関しては泡風呂はいったりしていますしね。佐々木蔵之介さんのインテリヤクザぽいけど血気盛んで意外と仁義を通しすぎて(若頭のことを考えてて)譲れないあたりはギャップとしても桑原という男の魅力なのかな、とも。
個人的にはもうちょっとヤクザ同士の探り合いとして滝沢組があっさりやられるのはちょっと残念だったかな。もうちょい見てみたかった気もします。組長の存在感がなかったのでもう少しそこも見たかったかな。
後個人的に冒頭と最後の水の演出もうちょっとなんかこう…なんか!とも思いつつ。うまいこと言葉にできないですがせっかく心境が変わってる、彼らの変化の表現なのにチープに見えてもったいないな~とは思いました。
ちなみにエンドロールが私は好きです。
家紋のアレンジをしているのでデザインを見るのが好きな人は見ててほしいかな。バクマン。もそうですけど細かいスタッフロールにアレンジが入っていたりするとうれしいですよね。私はスタッフロール最後まで見るのが好きなのでより楽しかったです。
本当何度も書いていますがキムラ緑子さん・國村隼さん・横山くんの三人の対話が凄く良かったのと、桑原の内縁の妻とのやり取りとかが好きです。そういえば桑原夫妻のシーンがまったくなかったのはわざとなのでしょうかね。内縁とはいえ妻がいる桑原と、悠紀に想いを伝えられもしない二宮の対比も面白かったです。ブ男までは言わないけれどイケメンではないっていうのも大分皮肉ってて面白いなと。
横山さん顔おきれいなだけに、じゃあ誰ならいいんだよ桑原さん!!!(笑)
そんなこんなでグダグダ感想でしたが、せっかく映画に出会えたのでこれを機会に原作を読んでみたりドラマをちゃんと完走してみたいなーと思いました。小説読むことで、また印象が変わりそうで気になるところです。