オシゴトガタリも気づけばもう20回目となりました。あっという間ですね!沢山の人に助けていただいてますます色んなジャンルを知りうる機会を貰えていると思うばかりです。
「このブログでは話をしてくれる人をお待ちしております」という気持ちでツイートをしてみたところ、沢山の人にRTしていただきまして(有難うございます)さらに沢山の方々にふぁぼもしてくださって助かるばかりです。本当に皆さんのおかげです…。
ということで、今回は及さん (@gVa8CDPGwNyM75w)から南米音楽のマルチプレーヤー「ペドロ・アスナール」さんについてお話をお伺いすることとなりました!
不勉強で申し訳ないクラスで全然存じ上げていなくて、そもそも「ラテン音楽とは…?」と首を傾げていたのでそこから色々掘り下げて教えていただくという形になりました。
筆者の前知識は「南米音楽=レゲエ、ボサノヴァ、サンバ」でした。雑がすぎる…。本当にすいません…!!全然知らない世界を教えてもらいながら音楽の楽しさを改めて痛感するばかりでした。
というわけで、今回もオシゴトガタリはじめていきます!
オシゴトガタリとは
- 「推し事」をテーマに色んな人にあなたの推しって何でしょう、とお伺いする企画です。
- このブログの管理人が、「推し(好き・応援・大切・考察対象等マルチな意味を指す)事」をしているフォロワーだったり名乗りを上げてくださった方に対してインタビューしています。
- 「無理しない」「楽しい!を人から教わる」ことを基準に行き当たりばったりで行っています。
- 1ミリも知らない(ミリしら)のものなら「そのもの」を教えてもらって知っているものなら「この人はこういうところが好きなんだな!」と感じる。
- それができる場所。それが「オシゴトガタリ」です。
- オシゴトガタリとは
- ペドロ・アスナールってどんな人?
- ペドロ・アスナールによる音楽の世界:自作・共作編
- ペドロ・アスナールによる音楽の世界:カバー編
- ペドロ・アスナールによる音楽の世界:企画アルバム編
- 「ペドロ・アスナール」を日本で触れたい!
- お話を聞いた上での感想
ペドロ・アスナールってどんな人?
―この度はご快諾誠にありがとうございました!まずは最初に、アスナールさんってどんなお方ですか?
Pedro Aznar(ペドロ・アスナール)は、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のマルチプレイヤーです!
(ブエノスアイレスはアルゼンチンの首都。世界地理について疎すぎて「合ってるよね…?!」という感じが出ていたのはここだけの秘密。ブエノスアイレス、森田剛さんがパルコステージでやってた記憶があります。アスナールさん、とてもシュッとしたお方ですね!)*1
ーブエノスアイレスというと「マチネの終わりに」の福山雅治氏もギタリストで やっていた記憶がありますが…あれも南米音楽で大丈夫ですか?
(映画を見て音楽シーンが沢山あったのでつい…)
「マチネの終わりに」はクラシックギターですね。福田進一という世界的クラギ奏者が噛んでます。
いわゆるパッと思い浮かぶようなクラシック音楽、をナイロン弦のクラシックギターで(低音弦は金属製だが)弾くやつ、禁じられた遊びとかアルハンブラとかアッチ系です。
―なるほど、大変失礼いたしました!南米音楽についてあまり詳しくないのですが、レゲエやサンバなど幅広くジャンルがあると思いますが、アスナールさんはどこに該当するお方なのでしょう?
ジャンルとしてはロック、フュージョン(昔クロスオーバーとかいってたかな?)、ジャズ、ラテン、ポップスとかですかね。
ライブでビートルズのカバーしたり、もともとセルヒランというロックバンドを本国で組んでます。
彼を一躍有名にしたのはパット・メセニー・グループへの参加です。
(南米音楽ロックあるの…!?というめちゃくちゃ多分失礼なことを思ったのをここで告白します…いやそりゃ…そりゃあってしかるべきなんですが…日本が演歌しかないわけじゃないのと同じかんじですね)
ーセルヒラン!調べてみたらドラゴンボールが出てきました…突然の週刊少年ジャンプ…!(笑)
セルヒラン、DBのアレが出ましたか。スペイン語なのでまあラテン音楽に強い店でないと扱ってないですね。私もペドロはパット・メセニー・グループで知りました。
綴りはコレらしいです。
★参考文献★
(うっかりセルヒランという響きを聞いて「セルヒオ・ラモスみたいだなぁ…とかぼんやり思ったのは内緒です。サッカー選手です。よくある響きなのでしょうか?)
―有難うございます!ちなみに「パット・メセニー・グループ」はどんなグループなんでしょう?
1977年に結成されたジャズ・フュージョン・バンドです!
ペドロについて話す前にまずはこちらを見てほしいです!
「FIRST CIRCLE(1984)」という曲です!
1985年にグラミー賞を取っています。
美しいスキャット(これをペドロが歌ってる)で有名な曲。(長い。9:16!)
イントロの変則的な手拍子も有名。元ネタはスティーブ・ライヒ(前衛音楽のビッグネーム)との説もある。
来日公演ではファンがこの手拍子をしていたそうな(!)
★参考文献
(歌が!!歌がうまい!!!!!!(当たり前なのかもしれないけど大事なこと)また、すごく透明感の有るきれいな声をされていますね…)(そして手拍子が鬼難しい。エスパルスサポとしてクラップは覚えたい謎の意地もあったんですが「わっからん。これはわからん」と首かしげていました。こう、あんまり詳しくなくて申し訳ないのですが、印象的なシーンでBGMで流れていそうというか…夜に聞くよりもMVのように明るくも優しい日差しの中で聞きたいというか車で聞いたら最高な感じがします。)
ー声がこんなに綺麗に出るのすごくないですか?!!手拍子の独特さについついクラップしたくなるのめっちゃわかる……とついついなったんですが真似しても真似しても出来ませんでした…(笑)
イェーイ有難う御座います。手拍子打てません。ライブでアレできた当時のファンはよく訓練されていたw
光っぽいというか、結構独特の明るい感じ、これパット・メセニー(Pat Metheny)のお家芸なのかもですね。因みにこの人もとても有名かつ面白い。ギターのストラップを止めるピンが壊れて歯ブラシ挟んだりしてます。
(パット・メセニー・グループだからリーダーの方ですね!!しかしエピソードが気になりすぎる。何…えっ…何だって…?)
ーなるほど、別の方の特徴として取り入れられてられているのですね…!楽曲ってJ-popとかだと一曲あたり3-4分くらいがスタンダードな印象なのですが、他の曲もこれくらいな感覚でしょうか?それにしたってMVの鳥の動きとクラップのシンクロとお歌のスキャットの美しさと、あんまり聞いたことのないリズムとでもどこかノスタルジックさもあるのめちゃくちゃいいですね……!
割と楽曲の尺が長いのはジャズ系だと各人のソロとかあったりしますからね。
アルバム「ファースト・サークル」の収録曲ですが他も結構長いです。
(想像していたより普通に長かった!(笑))
ペドロのグループ脱退後もこの曲演奏してるんですが、コンサートの動画とか見ると女性コーラス起用してたり、男性コーラス二人入れたりアレコレしてますがペドロのボーカルを再現するのは困難だったのかなと。
当時ペドロは「天使の歌声」とか評されてたらしいです。
(元々居た人が居なくなっちゃったらそりゃ穴埋めは当然難しいわけで、どうやっても「違う人」なのは当然なわけで…どうしたら一番いいのかすごく試行錯誤しているの伝わってきます。そしてアスナールさん天使の歌声って言われるの分かる……綺麗な声していらっしゃる)(そしてこのCDのアスナールさんめっちゃイケメン…というかハンサムといえばいいんですかね。きれいな顔立ちしていらっしゃる…)
ージャズはやはりしっかり聴かせる感じなのですね!アルバムの曲名見てて七番が気になったんですがこれは…スペイン語なんですかね?少し立ち位置が独特な印象を受けました。
スペイン語ぽいですね。
Más(もっと)、Allá(あそこ)で(Beyond)的意味なのか?読みは「マス・アリャ」辺りかと思います(スペ語は割と単語見たまま発音できるが、llの発音はスペイン、南米などで多少異なる)アヤ、アジャとか読む所もあるかもです。
まあメセニーはアメリカ人ジャズギタリストなので、FC含めた数作ブラジル音楽に影響されたっぽい作品を作ってた時期にペドロ他ブラジルのパーカッション奏者とかも収録やツアー帯同させてます。(アルマンド・マルサルとか)
ブラジル音楽も結構ジャズに片足突っ込んでた所あるので。
(色んな人に影響を受けてやってみよう精神とても良い…そしてハマったものの影響をモロ受けるのめっちゃあるあるすぎて突然の親近感を覚えました)
ーちなみにこの「ファースト・サークル」はどの立ち位置にになりますか?(後アスナールさんめっちゃイケメンですね…!)影響受けていくの面白いですね…!
アルバム「ファースト・サークル」は米JazzミュージシャンのP.メセニーがブラジル(〜南米)音楽の影響を受けてた時期の作品で、メセニーのキャリアとしては傾向の一つではあるが、人気の作品ではある。でそれを支えた立役者の一人がペドロ。
そして確かにイケメンなんですよね…
影響の受け方は何せ1980〜90年代とかの話なので、今みたいなストレスないネット環境とは違うかもですね。記録媒体フロッピーディスクとかMO,DATとかの時代じゃないかなと。ダイヤルアップ接続とか!ピーヒョロロロロ!
多分日本の一般家庭はワープロ専用機を使ってたと思う。一家に一台パソコンの前、マイコンって言われてた頃。
メセニーはバークリー音楽院ってJAZZ系ミュージシャン御用達の学校出。(日本人、日本人卒業生としては上原ひろみ等)
メセニーはトニーニョ・オルタ(Toninho Horta)というブラジルのギタリストに影響を受けたらしく、そのトニーニョは世界的なJazzミュージシャンと親交がありました。
ウェイン・ショーターとかハービー・ハンコック(東京JAZZの総合プロデューサー)。
因みにメセニーはトニーニョのアルバムに参加したことがあります。
(なんか突然の日本で聞き覚えがある人達の名前が!!!!知ってる!!)(ダイヤルアップ接続とかもう今のティーンズ絶対わからないあれですね…ビコンビコン!って鳴って接続されるインターネット老人会御用達のあれ)(わかる)
ペドロ・アスナールによる音楽の世界:自作・共作編
ーアスナールさんはどんな音楽を作っていらっしゃるんですか?
ペドロは歌っても弾いても誰かのサポートしても抜群です!!
ということで、ペドロのおすすめ曲いきますね!まずは【自作・共作】から!
(1)Oración(オラシオン/祈り)
日本人サンポーニャ奏者、瀬木貴将との共作。最近最も有名なサンポーニャはポルノ「アゲハ蝶」イントロ。
ポーっとしたあの笛がサンポーニャ、実際吹いてるのも瀬木さん。
オラシオンはネイチャー系番組に使われそう系の曲。どシンプルだがその分ペドロの声が堪能できる。
(アゲハ蝶の人と聞いて「あなたか~~!!!」ってめっちゃくちゃなりました。知ってる、それ知ってる…!)(そして歌声がやっぱり綺麗。壮大感がすごい。草原駆け抜けてドローンで上から撮影して欲しさがある)
ーこの独特な音がサンポーニャっていうの初めて知りました。最初に教えてもらった曲とは違う感じで、なんというかNHKのグレートネイチャーとかで本当に流れていそうな壮大感ありますね?!
少し前日本で一番有名なフォルクローレフレイバーの曲といえばアゲハ蝶と思われますが、KinKi Kidsの「ボクの背中には羽がある」とか、たまに民族音楽テイストが出てきますね。最近はもうちょい巧妙かもです。世代的にボカロがルーツになり始めてるでしょうし。
(ずっと君と生きていくんだね!!!!!!世代なのでめちゃくちゃ「わ、わかる~!!!!」ってなりました。あのイントロとかで流れているあれ!!めちゃくちゃ聞いていた曲だったので「ああ~!」って顔しています…!民族音楽というとZABADAKとかなかんじですかね。有坂美香さんの月迷風影とかもかな…?民族音楽系だと志方あきこさんとか、後はアニメソングは多そうだな!と思ったり。ファンタジー系で使いやすいっていうのもあるんでしょうね。)
それでは次のおすすめ曲いきますね!
(2)Mientes
アルゼンチンのシンガーソングライター、ミュージシャン、音楽プロデューサーであるチャーリー・ガルシアとの共作。シンプルポップ。
(想像していた3倍はポップな感じでびっくりしました。想像していたものとえらい違う…!体が横に揺れる感じの心地よさがありますね。そして間奏で「どうしたどうした」と言いたくなる感じ…!聞き取りやすい音楽で今まで聞いた中では一番口ずさみやすい印象をうけました)
(3)Un solo Jazmín
うつくしい。聞いてください(笑)
(イントロが絶妙に久石譲とかそっち系の雰囲気がして、それでいて方向が違うのが面白い。とても美しい曲でした。なんで公式Youtubeないの????)
ー特に2:06からの高音が美しい!!浮遊するかんじというよりも揺蕩うような感じの楽曲だと思いました。なお言語についてはあまり詳しくないので歌詞とかわからないんですが・・!!
Un Solo Jazmínねーめっちゃ美しい曲ですよね!
確か歌詞は一本の木のジャスミン(植物の)だか花が一輪なのかよく分からないです。言語分かったらもっと楽しいんでしょうが…
(ここで生じる言語の壁…!!)
ペドロ・アスナールによる音楽の世界:カバー編
ーアスナールさん、先程Beatlesのカバーもされていると聞きましたが他にもカバーをやってらっしゃるんですか?
やっていますね!ペドロ、誰かの曲を演奏する事にも秀でています。真骨頂はライブ盤です。では、カバーのおすすめ曲を…!
(1)アルバム「Mil Noches y un Instante」内ビートルズカバー
このアルバムだと「Blackbird」「Lady Madonna」など演奏しています。
2013年6月28日ブエノス・アイレスでのコンサート収録盤もあります!
★原曲
(同じメロディラインなのに演奏している人が変わると雰囲気も全然違う…!気持ち、アスナールさんのほうが「柔らかめ」なかんじなのかな、とか思いました。ビートルズの原曲もとても美しいからこその「この曲を自分ならここをこうして作るよ」が伝わってくるというか…アレンジ、カバーだからこその原曲リスペクトが強い印象です)
ーアルバムに複数曲入れてるんですか?!ビートルズのことめっちゃ好きじゃないですか!ブラックバード、個人的にとても素敵だなと感じました。良い…。
どうもこの方かなりビートルズ好きみたいで、レコーディングの休憩中か何かで、飲み物飲んでたマグカップがビートルズの絵がついてた、ってのを何かのmvだかメイキングで見た気がします。
英語ノンネイティブの方の英語曲ってなんか味わい深いですよね。
(日本人が英語を話す時に「日本語英語」になってしまうのと同じかんじなのかもしれませんね。それぞれの国で、それぞれが母国語があって、イントネーションや唇の動かし方が違うからこそ出てくる良さみたいな…!)
(3)Septiembre
「9月」です。ブラジルの大御所Ivan Lins(イヴァン・リンス)の曲。元々歌詞がないのが特徴です。
(原曲探し回ったけどitunesにもしかして…もしかしてだけどない落ちですか…?!どちらも初見だったんですが0:26あたりからちょっと力強くなる感じと、その上で透き通った歌声とても美しいですね?!!!びっくらこきました。そこから下がってまた上がってのキーが変わっているのにとてもなだらかに感じるかのような、なんというかゆるゆると変わっていく感じめちゃくちゃ好きです!!!原曲はこう、どこか子守唄的な優しさみたいなのがあって、アスナールさんのカバー元の方は賛美歌とかどちらかというとそういった類の(うまくいえないんですけど)落ち着きかたみたいなのがあって、透き通っている、神聖的なものでもまたこんな違うんだ?!とびっくりしました…。どっちも違ってどっちもいい…。)
(4)フォルクローレ辺りの名曲カヴァー「Manifiesto」(マニフェスト)
ビクトル・ハラ(Víctor Jara)チリのシンガーソングライターの曲。1973年軍のクーデターで虐殺されてます。政治的メッセージソング多め。
”歌が上手いから歌うのではない、良い声をしてる訳でもない、ギターの為に歌うのだ。”
ハラ作品の熱感がペドロのボーカルと相性良いと個人的に思います。
このカテゴリも挙げ出したらキリがないです(笑)
(冒頭まさかのリコーダーからで小中学生おなじみの…!と驚きました笑)
ーこの4曲目、他の楽曲のどれとも違って「ギターのため」とおっしゃられたように、どこか声がギターに寄り添うような、歌声ってどちらかというと主役になりやすいなかでギターが主役な印象を受けました。言語が分からなくてあれなんですが、鎮魂歌にも近いような、それでいて誰かに聞いてくれと叫ぶような、とにかく何となく流れていたら顔を上げて見てしまいそうな印象でした…ライブで歌われたらふっとどこか緊張感がありそうな感じもするのがピン、と張り詰めた空気になりそう!って印象です。
ビクトル・ハラのマニフェストはメッセージ色強いですからね。ペドロみたいな訴求力のある歌手が歌うとさもありなん、です。
歌詞の訳されている方のブログがありました。結構重いです。
(ハラ氏のエピソードが重たい…サッカースタジアムで連行、監禁とか洒落にならない…つらい…そしてその上でのギタリストとしてつらすぎる仕打ちに胃痛マッハでした。つらすぎる。そのうえでこの歌を歌ったのだとしたらそりゃあ心に響いて至極当然な感じがしますよね…)(そして歌詞が突き刺さる…)
(5)「Shape of my heart」
Stingの名曲!映画「レオン」の曲で、これもペドロカバーしてます。
しかもアップライトベース…よき
★原曲
(私でも知っている曲が!!こんなところで!!!すごい!歌がうまい(いつもいってる)通る声で、そして優しい歌声で、こんなふうに表現できるんだあすごいなあ…と聞き入ってしまいました。歌がうまい(2回目))
(6)El Árbol Que Tu Olvidaste(君が忘れた木)
アタウアルパ・ユパンキ作。この方も有名です!
これね、歌詞がいいんです!このブログに訳が載ってます。泣くから読んでほしいです!
★参考文献
(El Árbol Que Tu Olvidaste聞きました!歌詞が!!!歌詞が辛い!!!おきないでほしかった知らないままでいたかったという葛藤が辛い…!絶妙な悲壮感と絶望感と色んなものが降り混ざった感情つらい…!)
ペドロ・アスナールによる音楽の世界:企画アルバム編
ーアスナールさんの楽曲、どれもこれもいいですね。聞いててとても楽しいです…新世界!
ありがとうございます、続いては企画アルバム(というより企画コンサートの収録盤という方が適当か)についていきたいと思います!
(コンサート収録音源が有るのいいですよね!!!世の中もっと生音源みたいなの率先して出してほしい。需要はある。ソースは私)
(1)Caja de Musica
音楽の箱=オルゴールを意味します。
アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれの詩人J.L.ボルヘス生誕100周年で1999.8.24に行ったコンサートの収録盤。
ボルヘス(幻想小説や詩で世界的に有名)の詩に曲を付けて歌っています。(この人の詩に曲をつけるのは結構色んな人がやってる。孫だかが余り好まないみたいな事をインタビューで言ってたような)
冒頭の「Al horizonte de un suburbio(町外れの地平線を眺めながら)」*2からして最高。
ボルヘスの翻訳で有名な鼓直の詩集も合わせてどうぞ。最近逝去されまして…。
ボルヘスの幻想的な作風と、プログレを経てちょっと変わったペドロのメロディセンスとマッチして他にはない作品群になってます。
(オルゴールと言われてもっとこう…音が少ないイメージなんですけど(市販のやつ)そうじゃなくてちゃんと一つひとつその「詩」を理解して曲を作っていったっていうかんじがします。個人的に2・3曲めが好き)
(2)puentes amarillos
ルイス・アルベルト・スピネッタというミュージシャンが亡くなった時の追悼コンサートらしい。
この方を良く存じないのでなんなのですが、Barro tal vezという曲がとても気に入り何バージョンか買いました。ペドロもちょこちょこ演奏してます。
デュエットしてるRoxana Amedという女性歌手もいい。
(このご一緒に歌ってる女性の声質とアスナールさんと波長があっているかんじがしてとてもいい!女性とのかけあいになることで今までとは印象が違うのが面白いと言うか…。じように誰かの企画に対してのアプローチであっても、表現したいものが全く違うからか温度が違う雰囲気が違うっていうのが!!良い!)
企画アルバムはカバーの所でも少し出したので、手元に盤があって話せるところは結構出し切りました。
個別の曲(特にビクトル・ハラ「マニフェスト」みたいな南米音楽先達のカバー)はまだまだ良い曲あるのですが、取り敢えずこんな所です!
「ペドロ・アスナール」を日本で触れたい!
ーアスナールさんは基本海外公演がベースだと思うんですけど日本でも公演は最近されているんですか?
ペドロはPMG以外の来日公演を(少なくとも本人名義では。サポートとかならさらにわからないがこのキャリアで誰かの公演の演奏メンバーのみでついてくのもそれはそれで考えにくい)聞かないですね。
アルゼンチンはじめブラジル、ウルグアイなど南米諸国のミュージシャンと交流はあるようなのですが。
(やっぱりアルゼンチン行くしかないのか!!!!(ポジティブ))
ーそうなると中々日本で見る機会は少ないんですね…公演してたら行ってみたかったんですが…!及さんはアスナールさんどこから知っていったんですか?
自分もきっかけはメセニーグループなので、ソロアルバムをディスクユニオンとかで試しに買ってみましたが結構放置してたんですよ。
Sting好きだったので「shape of my heart」や、ビクトル・ハラ、ユパンキなどの南米ラテン音楽大御所のカバーとかから入りました。
きっかけはPMG、諸々カバー曲ではまって自作曲の良さがわかってきてスルメ、みたいな感じですかね!
(知っている/好きなバンド→活動内容見始める(カバー)→本人そのものへ!ってすごい歌番組で推しが歌ってた曲どんな曲だろうってどんどんハマっていくかんじに似ている気がする…!(どっちかっていうと逆パターンですが))
ー元々ラテン音楽がお好きだったんですね!なるほど新ジャンル開拓としてすごく興味深いです!
自分はラテンパーカッションからブラジル音楽のバンドやったり暫く歌ったりしてたんですが、ほんとに魅力的な曲や奏者が多いですね。まあ周りに話す機会がないんですが!!
ー元々やっていらっしゃたんですか!!すごい!!中々表で話しても「そうなんだー」って聞いてはくれるけど全力で!!っていうこと少ないですもんね……!
一時期邦楽とか全く聞いてなかったんですが今はそれなりにw
ラテン音楽はファンはいるが隠れ村みたいな感じなので。まあ良い曲ありまっせみたいのか程よく伝われば!
ーまさかの隠れ村!!(笑)でもラテン音楽=サンバとかレゲエっていう先入観が自分の中でめちゃくちゃあったので、それが今回で、邦楽やクラシックと変わらず本当に多種多様なんだなあとつくづく感動しました…予想外が詰まってました…
まあそれも間違いでない上に日本だけの問題ではないw
ジンギスカンのサムライとかアジア一緒くた感がすごい。
(思えば色んな意味でネタにされることが多いジンギスカンのモスカウも大概多分そういうかんじと違いそう…ってツッコミいれたくなるから分かる…このSamuraiも中国色めっちゃ強い)
ー向こうからしたらこちらが、此方からしたら向こうが、あやふや、ってとてもある話ですよね…ちなみにアスナールさんの楽曲はサブスクもやってたりします???
サブスクどうなんだろう…そもそもAmazonとかでどこまで買えるかって感があり。
(洋楽好きとか裏技的に北米のアマゾンだかAppleだかの曲買えるアカウント作るってのがあるらしいんですが。
私は割とCDで揃えちゃってて。ディスクユニオンのラテン・ブラジル館ってところに通いました。
(新宿にもあるんですね!!強い!!ありがたい!!)
ー音源そのもの円盤でゲットできるの嬉しいですね!タワレコとかでももうちょっと意識して今度探してみます。
iTunesストアだと多少手に入れやすいかな?良い曲は地域世代超えて入り乱れると楽しいですね!
(TOP100とかで探せたりしますもんね!!ありがたい世の中ですね…!)
ー素敵なきっかけになりました!!ありがとうございました!
お話を聞いた上での感想
南米音楽奥が深い!!
itunesとかでTOP100とか聞けたりするじゃないですか(Apple Music)その中で洋楽はなんとなくランキングで見るんですが、そういえばスペインをはじめとした南米はあまり聞くことがないなと思いました。
冒頭でも話していたと思いますが私の中での「南米音楽」っていうとレゲエとサンバとボサノヴァと…みたいな、こう、「明るいかんじ」のものの印象がとても大きくて、その世界観の大きさに改めて触れて「こういうのもあるんだなあ」のびっくりがありました。日本が演歌だけじゃない、アメリカがヒップホップだけではないようにまた、南米音楽も様々なジャンルがあった上で存在しているというのが分かると言うか。
え、そのうえでアスナールさんの音楽を聞いていると「落ち着く」のと思わず口ずさんだり、後はすっごく集中したい時とかに聞いているとめちゃくちゃ捗るんですよね。それだけ聞きやすくて、触れやすい音楽なんだなと痛感。
意識して「ラテン」「ブラジル」他「南米音楽」を大きな枠組みでも見に行ったことがなくて(ブラジルのサンバは応援でいつも歌っているのにこれである)。そのうえでほぼほぼ「はじめまして!」の中で触れていくとこういうのもすき、こっちも好き、ってどんどん奥まっていってアスナールさんの間口の広さに感動を覚えます。それこそカバーもたくさんしていて、ビートルズの曲ならわかる・・からの触れていったらBeatlesの表現とはまた違った良さもたくさん詰まっていて。
こういう「わくわく」に出会えたのでせっかくだからitunesでもっと聞いてみよう、もっとこの世界に触れてみよう~!と思える機会になりました!!
及さん、お忙しい中にも関わらず丁寧に色々お話してくださりまして誠にありがとうございました!!