柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

日本神話をベースに紡がれる「遙かなる時空の中で4」の魅力

2月1日、A.B.C-Zデビュー7周年おめでとうございます。

友人に「今日デビュー日だよ!!」って言われて「そうでした」というぐらいの記憶力で大変申し訳無い……(笑)自分のファン歴もちょこっとだけ伸びて、見えなかったものが見えるようになって、いろんなものを「知る」ことができそうで良いなと感じる次第。

 

で、そんな話の中、友人から「遙かなる時空の中で4をとりあえずプレゼンしてくれや」という依頼を受けました。調子に乗りやすい私としては「イイヨ~!!!」という一言返事でした。これいつものパターンな気がする。

遙かなる時空の中で4(通常版)

 

ということで、半年に1度ぐらいは更新しているプレゼンタイムです。

多分それなりにネタバレもしていますが、新規の人にも入りやすいように心がけます。

……が、まぁある程度「1ユーザーの声」として良いところも悪いところもツッコミポイントも話しているので、気楽にみてもらえると幸いです。

ただまぁ先に結論づけて言うと「遙かなる時空の中で4は、こうなんじゃないか、という考察の世界の中にある」っていう風に自分は位置づけています。

あと割とキャストシャッフル肯定派です。

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遙かなる時空の中でという世界観

 大体の話については過去の記事2つにも書いてあるとおりです。

「この世界」(我々が生きている世界)とは違った、よく似ているけど異なる「平行世界」的な場所の物語。それが「遙かなる時空の中で」の世界観です。

だから「遙かなる時」じゅあなくて「遙かなる時空」なのです。時空と書いて「とき」と読むけれど、時間軸を飛ばすのではなく、時空が異なるので、登場人物がずいぶん年齢層若かったり「あれっそんなお前キャラなの!?」だったりしても「まぁ時空が違うので」っていう。

 

遙かなる時空の中で

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記念すべき1作め。平安時代をテーマに描かれる「鬼」といわれる外敵から京を救うお話です。和風ファンタジーものながら基本時間の流れが緩やかです。 

 

遙かなる時空の中で2

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 私が大好き「遙かなる時空の中で2」。友人に「甘夏さんこれ乙女ゲーとしてちゃんと見てる?」って言われてそんなことはあるようでないかもしれないって視線をそらしたのはここだけの話。いや勿論乙女ゲーとして大好きですけれども。

こう…なんか…八葉とアクラム様はおとなしく花梨に一回はごめんなさいしような…とかは思うよね…。

遙かなる時空の中で」では割と悠久なる雅な生活っていうのにポイントがあたっていた気がするんですけど(それはそれでとてもいい)、「遙かなる時空の中で2」は民衆がみんな絶望しきった世界のなかでの救済を求められているから土臭さみたいなものがあります。アニメの花梨の優しさが仇となってしまう話がめっちゃ好き。

 

で、それらを繋げて続けられたのが「遙かなる時空の中で3」。源平時代直下に巻き込まれたちょっと馬鹿(※歴史的な意味で)だけどまぁまぁ普通の春日望美が「龍神の神子」になって傷だらけになって誰に非難されても運命を覆してやるという確固たる思いを抱いて切り開いていく未来のお話。

これだけ書くとすごい勢いで週刊少年ジャンプないしはジャンプSQ.で連載していそうなかんじがすごい。

 

で、その3作品の基盤として「原点回帰」という意味合いも込めて「じゃあ龍神の神子って何?」というベースのお話として作られたのがこの「遙かなる時空の中で4」。

 

遙かなる時空の中で4というゲームについて

2008年6月19日にコーエールビー・パーティー)からPS2版とWii版が同時発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲーム

2010年12月22日、PS2版に後日談を追加した『遙かなる時空の中で4 愛蔵版』がPlayStation Portableにて発売されています。

PS2Wii版、10年経っても何が違うのかよくわかってないんですけど私は当時PS2Verを購入しました。

そろそろプレステストアで販売して欲しさがある。頼むよコエテク…

具体的なPV*1は、ネット界隈を介して探していただきたい。

 

ゲームあらすじ

主人公・葦原千尋(名前変換可能/以下千尋)は両親を子供の頃に亡くした高校二年生。現在は教師の風早と同級生で幼馴染の那岐と平穏な日々を送っていた。

平穏な日々の中で夕焼けを見るたび、「自分はなにかやらなくてはいけないことがあったような気がするんだけども」という悶々とした感情を懐きながら生活をしていたところ、学校の帰り道、夕闇が迫る中で急ぎ足で帰っていると底の見えない男「柊」に出会い、自分が「豊葦原(とよあしはら)」という異世界の、「中つ国」という国の姫であることを知らされる。

「中つ国」は龍神の眠る美しい国だが、現在は「常世の国」に滅ぼされており、人々は常世の国の圧迫政治と、抑圧を失ったことによる荒れる神々(八百万の神)によって苦しめられていた。

これは、「中つ国の姫」として豊葦原に帰還し、千尋が「姫」ではなく「王」になるまでの、物語。

ウィキペディアを参考にしながら書きました)

 

 

これだけみると「なるほどわからん」ってなりそうだなって思いました。

日本神話の「古事記」が好きな人とか、後は十二国記をある程度かじったことがある人は「あ~」みたいな感じになると思うんですが(十二国記はもともと陽子があちらの生まれですしね)、さっくり言うとスターウォーズルーク・スカイウォーカーみたいなもんですよね。いやラスボスと違うけど。

 

何も知らず平穏な世界で生きてきた千尋が、《柊》という男と出会うことによって彼女が亜空間の国の姫であることを知った上で護衛してきた二人とともに「元いた場所」に戻り、復帰する。

「なにかしなくてはならない」という気持ちは自分が失ってしまっていた亡国に対する思いとか、いろんなものが重なっている。

そこから波乱万丈の、「なぜ忘れていたのか」となるほどの、「出自は特別でも育ちは普通の子が”王”になるまでの物語」です。

 

登場人物について

出てくる人たちの神話感がつよいのとこじらせているメンズっぷりが相変わらず勢揃いです。 

主人公:葦原千尋の魅力

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千尋

(画像は公式サイト*2から借用してます)

ゲームの設定的にはイメージされた色は「生成色」(無染色無漂白の布地の色を指す、ごく淡い灰色がかった黄褐色。別名エクリュ、エクリュベージュ)だそうです。

■■■■】こんなかんじの色らしい。

異界の生まれでありながらこちらの世界で育っているということも踏まえると、もともと「エクリュ」という色と名前があり、それが渡日したことによって「生成色」という名前を名付けられた(=日本の伝統色ではない)というのが背景としてあるのが非常に面白い。

また、彼女の外見でお気づきな方も居ると思いますが、この作品における「金髪碧眼」は”異なる存在””普通ではないもの”として見られます。正直髪の色他のメンツも大概じゃんって言われそうですけど、一応他の人は色合いとして黒だったり茶色っぽかったり~ぐらいの描写なのだと聞いたことがあります。あれです、レンジャーみんなブラックだとわかりにくいでしょっていう配慮なのかなと。

まぁそんなこんなで彼女が「平穏」で「普通」でいられたのはあくまでも《こちら》の世界の話であって、国が滅亡している《中つ国》ではどうだったかというと…という話です。

イメージとされている花は「笹百合」。CVは川上とも子さんです。

呼ばれ方は「姫」だったり「我が君」だったり「二ノ姫」だったり。

今作において”龍神の神子”という単語は出てきませんが、そのベースとなる存在なので、「龍の声を聴く」というのが重要なのですが、彼女は力が低く「聞き取ること」もできないのが当初です。

 

遙かなる時空の中で4」では龍神の神子という単語が出てこないので「黒龍の神子」「白龍の神子」というものがなく、じゃあ神子ってどれだ?!って話になるのですが、最初ラスボスor一ノ姫どっちだって言われていて面白かった記憶があります。

千尋に関して言えることは清廉潔白完璧ヒロインというよりも、「普通の人が神(王)になる」過程を通して見ているような気分になります。

 

アイドルというのは神様みたいなもので~というのを別の作品(少年ハリウッド)で聞いたことがあります。その神様は「なる」ものではなく「させられる」ものに近い。生贄も「なる」んじゃなくて「させられる」。

これはFate/hollow ataraxiaでアンリ・マユが言っていた言葉に通ずるものがあります。

 

 (これはこれで色々こじれているのでよろしくお願いします)(好きです)

 

千尋の場合は自分の立ち位置も含めて「王にならざるを得ない」「王に”周りの手によって”させられる」部分が最初とても強いです。巻き込まれて変わっていく。

彼女の《強い》は、すべてを失い、またひとつずつ積み上げていくという繋げていくための力なのかなあと思います。

彼女の周りには色んな人がいます。それは種族を超えていたり、常世のものだったり、本当に多種多様です。その「異なるもの」を受け入れることができる強さというのは多分千尋が培ってきた5年前時空を飛び越え異なる世界にいて、そのときに得て、また戻ってきたことで芽生えたものだろうと感じます。

正直ヒロインというのは「アバター」であって、彼女の行動を通して自分の選択肢を見たり、どういう風に関わっていくのかの変化を見守ったりがあるので主人公の性質というのは表に出していいのかどうかっていうのは今も昔も意見が割れます。いわゆる主人公=自分であることと、自分≠主人公との乖離というか。

主人公の顔を出さないでほしいっていう人の意見も私は分からないでもないですしね。1キャラクターとしてみるのか、はたまた「自分」として見るのか。それはその人によって違います。

が、千尋においてはストーリーの都合上、登場人物の1、自分が動かす存在として見たほうがすんなり入りやすいのかなとは思います。

もちろん感じ手それぞれなので、答えは一つじゃない。「私はあなた」で「あなたは私」、そう、ゲームの主人公ならね!

ちなみに武器は弓。この弓のストーリーもあるのでよろしくおねがいします。

 

千尋の側に仕える武官:風早

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「俺がお育てした姫に、間違いはありません」

25歳。本作における「天の青龍」ポジション。CVは井上和彦氏。

主人公・葦原千尋の従者で幼いころから仕えている温厚で朗らかな青年だが現代社会では「従兄」で通している。

祖国「中つ国」が滅びてからは現代社会では教師をしており、那岐と彼女の3人で暮らしていた。

 容姿や髪形は源頼久(『遙か1』における天の青龍)の兄・実久に似ていますが正直それはそれこれはこれで見られるし「別の人」。

基本ベタベタに甘い人かと思わせておいて「いつからそう思っていた」。

千尋には甘い部分は否めないですけれど、彼の「従者」としての立ち位置として武官としての視点はいわゆる《駒》の一つとして見るなら、非常に重要な鍵となっています。

この風早について最後の最後までやると「ま、待って~!!!」っていう部分もまぁあるんですけど(それも含めての彼の順番がそうなのも分かるんですけどね)私はノーマルEDの彼と、「王」としての選択を選ぶ千尋の流れがすごい好きです。いやしんど~~めっちゃしんどい~~ってなるんですけど。それがあるから続いていって、「この選択肢」を選んだどの千尋も間違いではなくて、それもまた「この世界の千尋」の選択だったと思うのですよ。

従者と主として、また共闘する仲間として、世界を渡る人として「彼」の視点で物事を考えるとウッ…と来ます。せめて人らしく。そんな単語をやり終えた時に思って「あ~~も~~!!」ってゴロゴロしています。

 

常世の国のおうじさま:アシュヴィン

 

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「お前は、ただ利用されてるだけじゃないのか?」

23歳 「常世の国」の皇子/石田彰

夕闇に沈む「常世の国」の、「黒雷《くろいかずち》」と呼ばれる皇子。野心家で傲慢な性格の持ち主。

非情な面を見せることもあるが、「常世の国」のために注ぐ情熱は本物で部下からの信頼も篤い。主人公にとって強大な敵となるが……。

ポジション的には地の青龍。それにしたってこの説明文が分かるんだけどそうじゃねえ!!!感が否めない。

彼の話を進めると「えっ…もうなに…強く生きてほしい…いやもう十分強いけど…幸せに…幸せになってくれ(花を投げつける民)」みたいなかんじになります。

基本ロミジュリじゃないんですけど、千尋との立ち位置は「滅ぼされた側」と「滅ぼした側」なんですよね。でも基本的にアシュヴィンは千尋に対して敵として立つこともあれど彼女そのものを「個人」として見てくれる部分が多いです。

誰かを”率いる”という立ち位置を踏まえて彼らがどういう風にあるべきなのか、何を考えてどういう風に動くのかっていうのはすごく考えさせられる。「帝王学」ってそういうのなんだなって。

個人的な話なんですけど、アシュヴィンやってる石田彰さん超好きです。いろんなお芝居石田彰さんで見てきているし、ゼロス(※スレイヤーズ)とかみたいに食えないかんじも大好きなんですけど、八戒(※最遊記)とか申公豹(※封神演義)とか。食えない役どころ=石田彰さんみたいな部分がすっごいあったんですが、こういう粗野というか、ぶっきらぼうというか。こういうね!!こういう役やらせたらやっぱいいなと思うわけです。

淡々と彼が過去のことを話すシーンとか、神話的な部分もあって凄く良かったです。

彼のルートで「分かり合う」「そばに立つ」という意味での千尋の一面が見えるのはよいんだ……こう、王道の少女漫画と少年漫画が組み合わさったような。努力!友情!そして勝利!!みたいな。私の好きが詰まっている。

後彼のルートをクリアしないとサブキャラもクリアできないんですが、最初彼の従者のリブが「もしかして…もしかしてお前…?!」とか違う方向想像していました。人外いっぱいいるから・・つい・・・。

 

海賊だけど山にいる、最年長の男:サザキ

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「オレは役に立つぜ? ……だからこの牢から出してくんない?」

31歳/異民族/関智一

背に一対の翼が生えた「日向《ひむか》の一族」の青年で、山賊のリーダー。

元々、海賊だったが船を失い山賊になったため、いつか自分の船を取り戻そうと思っている。

大らかで男気のある明るい人柄。規律に縛られない自由な性格で、平気でズルをすることも。

 天の朱雀ポジション。からっとした爽やかさと自由さを持ちながらしれっとずるするところも含めて「他のメンバーと違う」「異民族」という立ち位置をうまく使いこなしている人だと思います。

突然歌いだしたときは正直やべぇやつが来たなと思いました(笑)

彼のルートに関しては正直めっっっっっちゃ好きなのでオススメしたさしかない。

”31歳って思ったよりずっとかわいいんだよ””31歳は子供である”というのをネオロマンスで表現してくれた存在だと思います。いやあの、10代からしたら30代って大人に見えるけど、実際そうかって言われたらそうでもないのかな~って思うんですよね。ゲームとかも含めて大人に描かれていても中身は相変わらずはっちゃけてる人とかいるし。

そういう意味でサザキは「大人だけど子供」「子供だけど大人」みたいな二面性があって、後は彼が「異民族」であるからこその立ち位置が好きです。

 

千尋が王としてどういう選択をとるのが最善なのかって考えている横で、大事だから大事という、大切だから大切だよと口にしてくれる「風」のようで「自由」で、っていうのはもう見ててワクワクしました。

カリガネという彼の親友(幼馴染)がいるんですが彼の話も「お前…お前なんでサブキャラやねん…」とびっくりしました。ストーリーしんどいけどカリガネのお話は未来に突き進むという意味で、サザキもカリガネも良い。

また、サザキに関しては彼のキャラクターソングが実にいい。前述したカリガネとのユニット曲「花盗人は千紫万紅」は曲調も!!歌詞も!!そして彼らの歌声も!!!いい具合にマッチ!!ベストマッチか!!!

花盗人の空は千紫万紅

花盗人の空は千紫万紅

  • provided courtesy of iTunes

千紫万紅とは「 色とりどりの花が咲き乱れる情景。また、さまざまの色彩。」という意味です。もうね、なんかこう…やり取りが思い尽くし彼らのストーリーやると単純に「喜んでほしい」「笑ってほしい」って思う気持ちっていうのがにじみ出てていい。

 

近くて遠い存在:那岐

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「面倒くさい」をすっぱり言う人

 

17歳 鬼道使い《きどうつかい》
CV:宮田幸季
「面倒くさい 国がどうとかさ、僕に関係ないだろ?」

主人公とともに、現代の世界で高校生として暮らしていた青年。高い霊力を有する優秀な「鬼道使い」だが、怠惰でものごとに無関心である。口が悪く、仲間に対して冷たい態度をとることもあるが、実は面倒見の良い一面も持つ。

那岐は当初から千尋のそばにいる、いわゆる「幼馴染」的ポジションです。

基本「面倒くさい」という言葉をすっぱりいって昼寝していたりTHEマイペース男に見えるのですが実際はそうでもなくて面倒見がいいです。千尋も「那岐」と呼びかけることが多いです。

彼の名前から察してほしい部分もいっぱいあるのですが、彼自身の出生、彼自身のありかた。「国」がどうとか「王」がどうとか。そういうしらがみも含めての彼がどうして「面倒くさい」といっているのか、でもどうしてじゃあ千尋を守ろうとしているのか。そのへんも含めてやっていて「は~~那岐~~お前そういうところ~!!!そういうところ好きだよ~~!!」っていう気持ちでいっぱいになる。

後これは個人的な話なんですけど、那岐がサボって寝ているところに「那岐!」「那岐!!!」って次から次へとそれこそサザキ(いわゆる相方ポジション)とか、千尋がわーってなついているところが好きというか。賑やかなところに無理やり引っ張り出されてしまうかんじが好きです。

那岐とは、平坦な安定した状態を表す言葉で、古語。

「 なぎ」という発音が先にあり、後から様々に漢字が当てられ、和ぎ・凪・薙ぎとも表記する。 反対語として荒れや波や起伏がある。だから、静かで、凪で、和ぎで、草薙の剣の「なぎ」でもあって。そのへんを鑑みると、そんな「凪」に波紋のように日向のようにやってくる大騒ぎしてくる姿みたいなのが、多分好きなんですよね。さちあれ。

 

どこまでも槍のように真っ直ぐな青年「布都彦」

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布都彦

16歳 「中つ国」の武官 /CV:保志総一朗

「この槍にかけて、必ず姫をお守りいたします」

「中つ国」に仕えていた族《うから》の少年。

国の滅亡後は「常世の国」に抗う叛徒に加わって、国を取り戻そうとしていた。礼儀正しい性格であり、主人公を「中つ国」の姫として深く敬う。まだ若いが努力家で、巨大な槍での攻撃力は飛びぬけている。

布都彦の名前の由来って「布都御魂」かなぁって私は思っているのですが、彼の話に関してはもうあのロマンスが詰まっているとともに同時に運命というものが重なっているので、こう…あの…どこまでも真っ直ぐに、まっすぐに「あろう」って踏ん張る彼の物語として見ていていいなと。

 

布都御魂についてはこちら参考に)

www.isonokami.jp

 

 

王になる千尋を間近で見て、自分が仕えるべく主を見て、「自分はどうありたいか」「どうするべきなのか」という若々しい、青々しいからこその悩みも踏まえているのが実にいいです。こうなんか…譲の系譜がきちんと備わっていて、見ていて「かわいいなあ」「頑張れ頑張れ」といいたくなる存在。

発表当時、戦国BASARAの幸村と同じ武器であったこともあいまり、ミリしらの友人に「お館さまって叫びそう」とネタにされたことがあります。ちょっとまぁわからなくもない。気持ち布都彦のほうが声が若いのが特徴。

 

布都彦の物語はそれぞれ彼らが「妹」「弟」という立ち位置がゆえの「上を尊敬するがゆえの考えること」みたいなのがとってもあります。劣等感尊敬羨望いろんなものを織り交ぜて言いようのない気持ちを抱き、「自分」というものを確立する。

少年が青年になる瞬間みたいなものがありました。清涼感と彼らもまた宿命に絡め捉えた今回の題材である「神」というものをテーマに踏まえたものだと感じました。

 

運命に翻弄される男:柊

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「我が君」っていってくれる稀有な存在

概ね最初この人のせいと言われる千尋が出会うべくして出会う男。

敵か味方か…そんな翻弄してくる様と、彼の物語を進めた結果の「柊お前~~~!!!!」感が否めない。ある意味この「遙かなる時空の中で4」という作品における立ち位置の、一番神と関わりそして「遙かなる時空の中で」における神々の力に触れてどうなるかを体現している人ではないでしょうか。

私がよく「アカシャ…それはアカシャ…」という柊のキャラソンをネタにしているのですが(最初ゲーム発売前に出る曲で「とんでもないのきたな」と思っていたのは懐かしい思い出)

 

「アカシャ、それはアカシャ」の曲↓

或るしもべの華麗なる愉悦

或るしもべの華麗なる愉悦

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あれも話進めていくと「お前~~!!!お前ってやつは~~!!」ってなるよね…分かる…。

 

誰よりも運命を受入れなければならなくて、運命に翻弄されて、そして生き続けるというのはとても苦しくてとても悲しいことでもある。という話。

最初にゲームをやったとき「こいつ…!!」とだったのが進めていくうちに「お前~~お前のそういうとこだよ!!!!」って思って何度も何度もゲーム性を踏まえていくうちに、本質に触れていくうちに「それもまた運命」で、このシリーズにおける「運命の恋」というものがありつつも、その運命を覆していくのはまた「ネオロマンス」または「遙かなる時空の中で」というものの基盤にあるように私は感じているからこそ、このこじらせにこじらせまくっている人を救うのもまた「運命」と「宿命」から千尋とともに解き放っていくものでもあるのかなあと。

 

三木眞一郎さんのこういう「得体の知れない、腹の底がまっっったく見えないキャラ」というのが私は大好きでして。遙かシリーズでは忠実なる従者、爽やか兄貴肌とやってきてここでこういうお芝居をされるというのはやっぱり声優さんとして「やっぱりすごいなー三木さんすごいなー」って思うばかり。

BLACKCATというアニメが(※正しくは少年ジャンプで連載していた漫画)あったんですけど、それのクリードとかね。いい具合にこう、品があるくせにぶっ飛んでるかんじが好きなんです。柊とはまたちょっと違うのですが、ふと思い出したのでご紹介。

BLACK CATに関して言うとCOWBOY BEBOPとの話に結びついちゃうんですが(いろいろありました)それはそれということで。私はCOWBOY BEBOPBLACK CATもそれはそれっていうジャンル違いで見て楽しんだクチです。

BLACK CAT 全12巻セット (BLACK CAT) (集英社文庫(コミック版))

BLACK CAT 全12巻セット (BLACK CAT) (集英社文庫(コミック版))

BLACK CAT 全12巻セット (BLACK CAT) (集英社文庫(コミック版))

 

柊に関して言うと私はとある二次創作サイトさんで見た彼の解釈がすごい「あ~~~うわ~~それ~~!!」ってなったんですよね…。

個人サイトのみオッケーってリンクでいってたんですけどこれここで張るのまずいよなあ…って思って自粛。調べれば一発でわかります…*3

レヴァンタに対する認識も含めて非常に良い解釈で、ゲームやり終えた今だからこそ遙か好きさんと話をして考え込みたいあれでそれ。このへんも含めて二次創作しがいがあるというか「考察」という意味での考えがいろいろあれやこれや出てくるのが遙か4の良さかなっても思います。

そういえば地の白虎という意味で立ち位置的にのらりくらりという意味では1~3の空気感を引きずっていると言えば引きずっているんですよね彼。ちゃんと踏襲した上で、4の世界観での彼の立ち位置を踏まえたら「アー…そりゃそうだよね…そうなるよ…」みたいなところがいっぱいでした。

 

異民族「土蜘蛛」の少年:遠夜

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遠夜

18歳 土蜘蛛《つちぐも》という異民族

CV:高橋直純
「……オレの歌…お前に聞こえる…?」

独特の文化を持つ「土蜘蛛」と呼ばれる異民族の青年。呪術的な歌声を持ち、「妖《あやかし》」たちと意思を交わすことができるため怖れられている。森の奥で人々と関わりを避けて暮らしていた一族のため、人付き合いが上手ではないが純粋な心の持ち主。

古事記で「遠夜」って検索かけたらとある部分が出てきて「青山に」の一部分だったから多分違うんだろうな~って思いつつ。

彼に関しては公式の具体的な!!そういうところ!!そういうところゲームにして!!っていう伏線回収をひたすら待っていた思い出。怯えた子犬のような存在が側に有り続ける安らぎ的な癒やし枠です。

「オレの、ワギモ」と慕ってくれるところがまたかわいい。ワギモとはどういう意味かってググれば出てくるけど全面的にネタバレであ~~~ってならざるを得ない。

ストーリーとしての解釈は正直ネオロマンス公式のものもあれど「あれはどういう意味だったんだ…」と気になってしょうがないので逆に私もプレゼンしといてなんですけど誰か教えていただきたい。

「人(異民族であるという立場、不思議な力を持っている存在である遠夜からして「千尋」や他の人達)ではない存在」である彼自身が、どうやって感情を揺さぶられてどうやって変わっていくのか。千尋がどう変えていくのか。そのへんの神秘的かつ神話的なふんわりとした色彩が「鮮やか」というよりも淡く、それでいて彩られていく世界というのは日本神話独特のものなのかなあと。なんとなくのイメージの説明で非常に申し訳ないですが…こう…かわいいんだ…(語彙力の喪失)

デジモンアドベンチャー02のワームモンだったり丸井ブン太だったりのイメージが強い(ネオロマンスで言えば天の朱雀でおなじみ)高橋直純さんですが、こういうふわーっとした役どころを見るのは初めてで、「おお~…」と個人的にはすごい新鮮だった思い出があります。ワームモンからスティングモンに進化する(※デジモンネタ)あたりでもう全然声違うんだけどね!!よくあるそういうの!!

 

将軍として誇り高く:葛城忍人

 

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「軽率だな」と怒られるよ



21歳 「中つ国」の将軍
CV:中原茂
獣人《けものびと》たちを率いる「中つ国」の将軍。冷たく率直な物言いで、主人公に対しても厳しい態度をとる。

「破魂刀」の使い手で、風早や柊とは古くからの友人である。

最初に彼からやって「うっそやろ…?!!!!」って思った私でした。懐かしい。

ネオロマンスに運命を翻弄されるユーザーの数多くたるや。いろいろ彼のルートに関しては今でもみんながすすり泣いたりするわけですが。

孤影に降る夢 ~Long Version~

孤影に降る夢 ~Long Version~

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この作品に対して最初から主人公を認めたわけではなくて、国を率いている将軍だからこその厳しさを持って己の「守ってきたもの」「守るべきもの」を見据えた軍人です。

だからこそ千尋とは意見があわないし反発するし、それが「主」として認められ段々と表情が柔らかくなるのが見ていてこう…なんか王道の共闘感があるのめっちゃ好きです。

葛城って言われて最初にミサトさんと同じ名字(※新世紀エヴァンゲリオン)だな~って思ったのは懐かしい話なのですが、古事記にも葛城氏は出てくるからここからなのかなーとか。

後あの、愛蔵版の忍人さんやると膝から崩れ落ちましたよね。千尋の選択肢と、彼の思いと、二人でいく先と。いろんなものを見据えながら、彼女が生きる道をひたすら突っ走っていくというのが見えてくるのが。

ノーマルEDの彼とのやり取りも好きなんだけど、あのエンディングだからこそ描けるものもあって、でもそれをわかっている上で!!!ネオロマンス頼む!!!!ってなる。それ同じこと金色のコルダASfeat.天音学園でも思ったぞ私!!(笑)

しかしラスボスが私の千尋の誕生日設定だと忍人さんと属性が一緒でめっっっっちゃくちゃ悪戦苦闘した思い出があります。懐かしい。

 

サブキャラともお話が読めるよ!

今作品においては、遙かなる時空の中で史上一番攻略対象キャラクターが多かったように思います。メインは8人ではありますが、それを彩る周囲の人々、大切なポジションです。彼らが何を見て、何を考えて、どういう風に振る舞い、そして主人公である千尋がどのような決断をしたのか…というのが見もの。

個人的にはもうぜひともナーサティヤの話をやるとウッ……となるので彼を進めて欲しさがある。

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ナーサティヤ

アシュヴィンの兄。
常世の国」の皇子で、「火雷(ほのいかずち)」と呼ばれている。
国を守るためにすべてを切り捨てる、氷のように冷淡な敵将。

CVは置鮎龍太郎氏。なんていうか4から1に戻ると思うとCV置鮎さんとのあり方みたいなものをひしひしと感じる。

彼がどうして「八葉」という立ち位置に入れなかったのか(今作には八葉とはちょっと違うけれど)また、どうして彼を押すのかっていうともうなんだ……やると他のルートいったときに彼はどうあるのかな、とか考え出すというゲームやるとよくある状況に陥ってしまうというあれでそれ。

千尋⇔ナーサティヤとのあり方(同じ王族であり、中つ国と常世の違い)

ナーサティヤ⇔アシュヴィンとの違い(同じ王族、兄弟でありながらの異なりかた)

彼らの立ち位置、方向性を踏まえていくと「サティ(ナーサティヤ)の立ち位置ならそうせざるを得ないよな…彼ならそうだよな…」って思うところもいっぱい出てきて、「誰かを率いるということ」を考えさせられます。今作はみんな「誰かを率いる」「自分の決断で誰かの命がふっとぶ」ということを確かに重要視されているんですけれども。それが結構はっきり出ているなと思ったのがサティでした。

彼の選んだ選択、彼が行ったことでの罪と罰。いろんなものを抱えて、いろんなものを引きずり、それでも見据える先は前なんだなっていうのを感じさせるもの。

 

物語について

前述しましたが日本古事記をベースに作られているので、こう…全体的に神秘!神話!ぽさが感じられます。町並みとか、雰囲気とか。でてくる単語とか。

古事記についてそこまで詳しくなくても「ああ、この話の元はこれかな~?」って思える部分はたくさんありました。有名なものを基準にしている部分もある。

 

後名前に関してうっかり検索していたら今作の常世の国の名前はみんなインド神話からなんだなあと。ナーサティヤとアシュヴィンはおそらく「アシュヴィン双神」からなのかな。

インド神話における医術の神で、美しい、うりふたつの双子の神とされる。名は「馬を持つ者(御者)」の意で、それぞれナーサティヤとダスラという名を持ち、ナーサティヤは二神の別名としても用いられる。

 

ふつうアシュヴィン双神は区別のつかない双子の兄弟の神だが、両親が異なるとも言われ、例えば『リグ・ヴェーダ』の一部の詩篇では一方は天の子で、一方はスマカという人間の子であるとされる。

もうずいぶんと前に設定資料集買っていたのですが手放してしまったため本当のところはどうかわからないんですが、それを思うとウッ…となります。サティとアシュヴィンは末の弟シャニとは年齢が離れているし、シャニに関しても頭に羽つけているのはインド神話のシャニからなのかな~とも思ったり。そこらへん知ってる人教えてください。でもネオロマンスはそういうところの文献引っ張ってくることが多いので、見てて楽しいですね。

ラージャとかスーリヤとかサンスクリット語も結構出てくるし、そういうことなんだろうな…って思うとそちらのほうを掘り下げていって「う、うわ~~!!」ってなってもいいと思う…シャニの話を見たら彼の持つ能力についても「なるほどなあ」ってなるし。

そしてうっかりシャニの能力について「GetBackers…」とふと思い出した人。おとなしく握手しましょうね。

 

 

遙かなる時空の中で4についての賛否

正直、いや本当に正直言うと「もうちょっと掘り下げてもいいんじゃね?!」っていうのがあったのもあります。

というのも「いやそこの悩みについてはもっと教えてくれよ!」とか「ファンディスク有りきで作られているのでは…!?」と思う部分とかもあり。

ここの!!かゆいところに!!もう一声!!っていう部分もちょこまかありました。

それは主人公であったり他のキャラクターであったりね。大事な核の部分だから端折らずに知りたかったというユーザーの声もあったんじゃないかなあ。

いろいろがいろいろに気になるところはそれぞれあるとは思いますが、那岐のストーリーの「おかわりください」感が個人的にめっちゃあって、まぁそのへんは愛蔵版でちょっと増えているのですが。

後救済しっかりしたルートをね…何年もね…待っているんですよ……。

 

発売当時は声優シャッフルについても結構賛否が別れていた記憶があります。

お気づきの方もいるとは思いますが!~3までと声優さんの立ち位置が変わっています。

遙かなる時空の中でシリーズは見かけが基本的に繋がっているというか、大体立ち位置的に「この人がこの場所かな」というものがあります。

まぁそれも3で一気に雰囲気が変わったので一概には言えないのですが…。

例えば風早だったら1・2・3の流れでいけば三木眞一郎さんかな?というイメージがあり、それもあって結構発売当初は賛否両論でした。シリーズもの、声優さんも同じだから仕方ないことだと思いますし、色んな意見があるのもしかりだと思います。

じゃあお前はどうだったかっていうと「違うんだ~そっか~」から初めて、ストーリーやって「サザキはやっぱり関智一さんであってほしいな!!ハマってるから私はいいかな!」というアレでそれでした。

 

ただまぁなんですか。やっていく間に「まぁいっか」ってなったタイプなもんですから。これはこれ、それはそれで楽しめればいいかなと今でも思っています。

システムが3Dになったことでなんかちょっとやりにくいな~って思った人の意見もまぁ分かる。RPG感がちょっと出ましたよね。

 

後は冒頭にもいいましたが、遙かなる時空の中で4はゲームとしてどうかって言われるとシステムが3のくるくるシステムと違うし、割と自分で動かしてという部分も込でRPGというか…シュミレーションゲームとして「読みすすめる」×「自分でその場所にいく」という要素が入ったかなと思います。後3Dになっている、という点ではちょっと過去作品でいうところの「アンジェリークトロワ」ぽさがあるかな。

 

KOEI THE Best 愛蔵版 アンジェリーク トロワ
 

 愛蔵版で2004年という現実にちょっとショックを受けている今日このごろですけど(笑)まぁそれはそれとして。

いろいろなことをコエテクが「ためそう」としているところが伺えるのと同時にもう少し中身を分厚くしていろいろ掘り下げてくれたら…!という風に思う部分もあるといえば否めません。愛蔵版でいろいろ補完されたけどもう一声~っていう意味では「あれはああだったのかな」「これはこうだったのかな」という考察と色んな人の意見が飛びかえる作品でもあるのかなとも思います。

 

そういう意味も込めて、神話というものにもう少し掘り下げて、古事記というものを知っていける作品でした。

賛否両論、いろいろ言われているのも私は一つの意見として「まぁそうだろうな~~」っていうのもありますし(笑)正直ルビパは攻めたなぁという部分も嘘ではないです。ただ、自分の中では「古の世界への掘り下げ」として今までとは違うものを模索した結論として出したものとしては「ここをどう掘り下げるんだろう?」という作品の一つとしては、受け止められたなーって思います。好みですねそのへんは(笑)

 

ということで、以上遙かなる時空の中で4のプレゼンでした。プレゼンになってるのかなこれ…(笑)やるなら圧倒的にPSP(愛蔵版)がおすすめです。

 

遙かなる時空の中で4 愛蔵版(通常版) - PSP

 

遙かなる時空の中で4 愛蔵版(通常版) - PSP

遙かなる時空の中で4 愛蔵版(通常版) - PSP

 

 宝箱(※トレジャーボックス)とかもありますけれども、まぁそのへんは「気になったら」とかそういうのでいいと思います。

 

また、ゲームのプロモーション用にLaLaでキャラクターデザインの水野十子さんがコミックスにした同作もコミックス化されています。

 

遥かなる時空の中で4―はじまりの書 (花とゆめCOMICS)

遥かなる時空の中で4―はじまりの書 (花とゆめCOMICS)

遥かなる時空の中で4―はじまりの書 (花とゆめCOMICS)

 

 圧倒的に現代組(千尋・風早・那岐)がベースになっていますが、ざっくり概要を知るにはちょうどいいと思います。気軽に読めるので「あ~これか~」くらいの世界観触れるっていう意味でぜひ。

 

そんなこんなでもう10年以上たっている現実に驚きを隠せない日々を振り返りながら今日のブログをしめたいと思います。ファンの人に怒られやしないかなと思いつつ、私は遙か4好きだよ~~を伝えられたのなら幸いです。

*1:遙かなる時空の中で4 PV - YouTube

*2:遙かなる時空の中で4 PS2&Wii

*3:「キス唾」を書いた人のサイトです……

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