サッカーがつなぐ、といってもそれが「奇跡」なのか「軌跡」なのかは別問題でして。
美談で終わらせるにはまだ震災の一件って根深くて、今なお「見るのがつらい」という人もいるわけで。
以前イギリス人監督によって作られた「“ベガルタ”~サッカー、震災、そして希望~」。こちらがNHKで放送されました。
カラーリングがちゃんと仙台だ!ってことでのんびり見た感想なんぞを。
ドキュメンタリー映画として
私そもそも「ドキュメンタリー映画」というものをいくつ見たことがあるだろうかと考えるとそんなになくてですね。基本映画はストーリーが面白いものとかワクワクするもののほうが好きで、だから何となく避けることが多かったわけですが。
特に今作における内容については決して「明るい」ものといっていいのかどうかと聞かれると東日本大震災をきっかけにしたものなだけにね。
ただ、それも含めて「海外の人」「自国ではない人」が、自分たち「日本人」がどういうふうに生きていて、どういうふうにサッカーを見ているのか、どういうふうに歩いているのか、を「映画」という作品を通して見てくれるのって面白いなって思いました。私は仙台サポじゃないけれど、こういうクラウドファンディングで作られている映画というのは良い試みだと思いました。
映画の感想として
超ビビット。
語りを中村雅俊氏がやっているのですが、声のトーンと中身(バス囲み始め色々結構あれでそれなところも撮っている)のギャップが激しい。
ドキュメンタリーなので「ベガルタ」を知るためというよりも知っている人に向けられているようにも思えました。
震災の頃どんなふうに人は見て、どんなふうにお互いを助け合おうとしていたのかという描写は胸を打つものがあります。
震災から5年になります。
それでもまだ復興は終わってないし、風化されてはいけないものであるし、勿論それは仙台だけじゃなくて全ての被災地の人たちに言えることだし。
その上で、何ができるかを考えなければならないのではないかなあと微力ながら考えます。
いろんなきっかけがあって、いろんなことがあって、当たり前なんだけどこういうところから触れていろんな形で広がって、というのが自分の中であまりに印象的だったので上記ブログをご紹介。
当時の国内全体での「じゃあこの状況でサッカーなんかできないよ」っていう中でも、色んな形で、サッカーを通して変わったもの、変えていったものってあったんだろうなあと、まぁサッカーファンだから思うのかもしれませんけれど。
話は変わりますけれど、鈴木師匠の移籍のときの話とかもぐっとくるものがありますよね。
仙台だけじゃなくて、鹿島も、水戸もそうなんだよな…と思うと本当に色んなことを考えてしまいます。
東海地震もいつおきてもおかしくないと言われ続けている中で生きているわけですが…そのへんも、他人事じゃないと思いながら、振り返りながら噛み締めて見ました。
実際この映像は15分ほどカットされているらしいんですが……どうやったらフルで見られるんだろうなあ。
ED前にその後の彼らの話が取り上げられていて取り敢えずコールリーダーさん?が出禁になっているのは流石にoh…となったりしましたが。
サッカーを好きじゃない人でも、「サッカーっていう文化が何かを繋げていくんだな」と思える、その「何か」の片鱗を感じることができる作品ではないかなと思います。
機会があったらまたみたいな。多分月日を経て見ることで見える何かは違うのだろう、とそう思います。