「オシゴトガタリ書籍化するってよ」といったものの、びっくりするぐらい進捗が進まず(ページ配分かけたらタウンページ×3~4冊ぐらいになりそうで心が挫けている)最終的に無配PDFで分厚く作りつつ別の形でなんか手元に残せる本作るか!とか思っている今日このごろです。
とにかく予定は未定ですが、のんびりと自分の趣味や人の趣味に耳を傾け、話を聞き、突き詰めていけたら……と文字にして、ネットの海に流すことで「有限実行」にしていけるかと。希望的観測なのはわかってます……。
ときに、最近ブログの近々の更新が自分の趣味ばかりになっていたので、改めて人の「推し」の楽しみ方、スタンスを教えていただける機会をいただく「オシゴトガタリ」をもっともっと拡充させていければ。第2シーズンも自分のペースでのんびりと、でも楽しく、真剣に取り組んでいきたいですね。
今回は「ロリィタファッション」というテーマの下、なぴさんからお話をお伺いしました!有難うございます!!
なぴさんは、もう数年以上のお付き合いになるのですが、元々はサッカー(Jリーグ)からでした!現在も、いろんなことをお聞かせいただいています。そんななぴさんが大事にされている「ロリィタ」というジャンルのファッション。2桁年数以上愛好し、共に歩んでいるお姿について以前から「どんな世界なのだろう」という興味があったので教えて欲しい!と懇願致しました。
- オシゴトガタリって何ですか?
- 「ロリィタ」というものの事前認識
- ロリィタファッションの世界へようこそ!
- ロリィタファッションのトレンドについて
- ロリィタでの「暗黙の了解」について
- 「ストーリーを纏う」「自我」を大切にするジャンルとして
- ロリィタファッションでの「日々」
- ロリィタを着る「精神論」として
- 「ロリィタ」という世界へ第一歩を踏み出すあなたへ
- お話を聞いた上で
オシゴトガタリって何ですか?
「オシゴトガタリ」とは、このブログの管理人が、「推し(好き・応援・大切・考察対象等マルチな意味を指す)事」をしているフォロワーだったり、友達だったり、名乗りを上げてくださった方に対して「推し方」や「ここが好き」「自分が考える”推し”について」を教えてもらいながら、その人の”推し”を知っていくための企画です。
「無理しない」「楽しい!を人から教わる」ことを基準に行き当たりばったりで行っています。
1ミリも知らない(ミリしら)のものから、知識として知っているもの、自分(管理人本人)が好きなものまで。
「この人はこういうところが好きなんだな!」と感じながら、ひたすら推しのことを語ってもらう。隙きあらば自分語りをしてもらう。
ひたすら推しのことを語ってもらう場所。
それが「オシゴトガタリ」です。
この企画は、他人に押し付けたり、ファン代表です!って顔をするためのものではなく「聞き手」に「自分なりの考えや思い」をお裾分けしていただくというイメージです。
そのお裾分けをもらって知らない世界を体験したり楽しいね素敵だねって言い合えるような空間づくりを目指して今日も楽しめたら。
あくまでも”みんな違ってみんな良い”精神でやってます。金子みすゞさんリスペクトです。
「ロリィタ」というものの事前認識
前もって「ロリィタ」ってどれだけ知っているのか……という箇所から入るのですが、正直言って「青木美沙子さんが愛好されている世界」というのが一番大きいイメージです。後は深田恭子さんが主演だった下妻物語。
漫画等でロリィタファッションを楽しむ方々のお話は読ませていただいていたのですが(それこそ岡野く仔さんの「ロリータ飯」とか*1「着物ちゃんとロリータちゃん」、佐久間結衣さんの「コンプレックス・エイジ」にも登場していましたね。)実際に着用して楽しんでいるお人を余りお見かけしなかったジャンルでもあります。
なんとなくの前知識はこんな感じです。
- 青木美沙子さんが活動されている(ABChanZooでやっていらっしゃった)ジャンル。青木さんがいろんなテレビ番組でご紹介されている印象。
- 最近中国とか海外でも人気が高い印象。西洋の方が逆輸入(という言い回しでいいのだろうか)しているのを見たことがある
- ローゼンメイデン、ベルばら等「西洋のお洋服」な感じ
- ふわふわ、ひらひらとしているデザイン
- なんとなく淡いパステルカラーのイメージ
- アフタヌーンティーしたり、優雅な雰囲気
- ゴシックロリィタは「ロリィタ」の仲間で合っている……?
- 原宿のイメージ。
- でも新宿マルイ(バルト9があるところ)にロリィタファッションのお店がたくさんあるような……?
- 昔執事喫茶で優雅にお茶されているお方をお見かけして雰囲気が素敵だったのもとても印象に残っています。
- お洋服が一着ごとにこだわりがあってお高い印象。結構敷居が高そう
- コスプレではない。コスプレ=その人の人生を自分の中に吸収、憑依させるようなもの、ロリィタ=特定の”誰か”というよりも、自分がそのファッションを着る、というイメージ。
- 夢かわいいというジャンルはロリィタの中の一つなのだろうか……?(疑問)
本当にざっくりを極めているのですが。だいぶ凝り固まっているイメージですね。
そういう意味でも一つひとつが「ハッ!」となる部分を教えてもらえたらと思って「0知識」なぶん吸収させてもらおうと思います!
ロリィタファッションの世界へようこそ!
―この度はご参加有難うございます! そもそものお話からのスタートになってしまいますが「ロリータ」というものについて“どんなもの?”というところから教えていただけますでしょうか。「定義」的なものってあるんでしょうか。
ロリータファッションとは、小さな女の子のころに憧れた絵本の中のお姫様やお人形さんのドレスが現実に出てきたようなファッションのことです。
ちなみに”ロリータ”と言うと、児童ポルノの印象を持つ人がいるため、ロリィタと書く人が多いです!
特徴としては、フリルとレースたっぷりで、スカートがパニエでふんわりとふくらんでいて、頭にリボンやヘッドドレスという髪飾りをつけるのが特徴です。
(なるほど、たしかに「ロリータ・コンプレックス」という単語があるし、ぱっと言われてイメージするのはそっちも然りかもしれないですね。なので、私も今後は「ロリィタ」と表記するようにします!)
―ロリィタというと、深田恭子さんの「下妻物語」の印象が強いです! 可愛いですよね!
下妻でだいぶ茶化されなくなりましたね~!
下妻前から着てるんですが、下妻前はいつもなにあの格好ってバカにされまくってました…あと電車男のブームの時は散々メイドって言われてましたね…。
(メイドということでブラックラグーンのロベルタ)
―メイドは「職業(仕事着)」なのでどちらかというとコスプレなイメージです。またちょっとロリィタ方向性が違いますよね。
まさにそう!エプロンドレスだからアリススタイルもよく混同されやすいのだけど、職業として着てる服と、ファッションで着ている服とは違うよねっていう…コスプレとの違いはあくまでもロリィタは私服ってところだと思います!
(エプロンドレスは調べたら「子供服」「制服」「仕事服」あたりになることが多いのかな??デザインがこれもこれで可愛いですし、アリスの服もまた可愛いですよね~!お嬢ちゃん、ってかんじでニコニコします)
―ちなみにロリィタというと真っ先に「ゴスロリ」といわれるものが頭を過るのですが、ゴシックではないロリィタももっとあるんでしょうか?
そうですね、ロリィタは種類が複数あって、甘夏さんもおっしゃるとおり、混同されがちなのですが、有名な「ゴスロリ」というファッションは実は「ロリィタファッション全部」とは少し違くて、可愛らしいお姫様のようなロリィタファッションに、ゴシックで退廃的なモチーフでダークにまとめたのがゴスロリ(ゴシックロリィタ)です。ほかにも甘ロリ(甘いモチーフの可愛いロリィタ)、クラロリ(クラシカルなアンティークドールのようなロリィタ)などがあります!
―ロリィタという大きな枠があって、その中にゴスロリ、甘ロリ、クラロリ とそれぞれあるイメージですかね。「プロサッカーリーグ」というステージがあって、そこに「Jリーグ」とか「プレミアリーグ」があるような……?
そうですそうです、ロリィタの中にたくさんのジャンルがあってブランドもあります!
わたしが着ているのは主に甘ロリという、可愛いモチーフを使ったタイプのロリィタです。
―和風ロリィタというものもネットで検索して出てきたのですが、これは部類としてはどこにはいるんでしょう……?クラロリ…?後「夢可愛い」って言葉が過去に話題になりましたが、あれは甘ロリと大きな枠で見たら近いのかな、という印象ですがどうでしょう?
あの辺はロリィタというよりはカテゴリとして着物ジャンルになるかなぁと思います。
わたしもたまに着物とロリィタ組み合わせて着てるけど着物メインなのでそっちの戦場って感じです。
(ベースでどこのブランドがメインとなるものを出されているか、でまた印象が違うかんじですかね……?)
ゆめかわはロリィタとは全く別の道を通ってきたファッションで、きゃりーぱみゅぱみゅさんなどをアイコンとするフェアリー系という原宿ファッションの派生、だったと思います。
ロリィタブランドも色合いを取り入れたりすることは増えていますよ♪
ゆめかわ系でよく見かけるユニコーンの柄物もロリィタファッションには沢山あるので、確かに似ているかもしれませんね!服のデザインももちろんですが、ロリィタとゆめかわで素材が違うことが多いのでそこで違いをわかっておくと良いかと思います!
(なるほど、色使いや取り入れているものは近いけれどよりパーカーやTシャツなどカジュアルさも踏まえているのがゆめかわ、なかんじですかね。)(そして確かにユニコーン柄いっぱい見かける気がします。ユニコーンとピンクと紫とほんのりパステルブルーみたいなのの印象です。)
―ブランドもそれぞれコンセプト(方向性)に合わせてラインがあるんでしょうか? 一つのブランドで甘ロリ、ゴスロリラインがそれぞれあるような感じですか?
そうです!わたしの好きなブランドはAngelic Prettyというのですが甘ロリ中心ですし、クラシカルロリィタのブランドはクラシカルロリィタというジャンルの服にこだわって制作されているところが多いですね。ゴスロリブランドについてもそうで、甘ロリ風などの服を出しているとこは見た事ないです。
(ブランドのお名前が可愛いのもロリィタならではだなぁとニコニコしました。なんとなくやっぱり雰囲気にそったお名前なかんじしますね!)
―それぞれの強みを生かしたブランドがあってデザインしているとなると、各ジャンルのお洋服をミックスして着こなす(いわゆる和服を洋服に取り入れるみたいな)のも面白そうですね。
ゴスロリをクラロリに混ぜたり、クラロリを甘ロリに混ぜる形はあまりきいたことがないかもです…!よっぽどコーデが上手くないと色合いが全く違うので泣
甘ロリの中でもハロウィンモチーフがあったりして、そこにゴスロリブランドを混ぜてみたりはしますね。
(カラーリングもやっぱりそれぞれ方向性に合わせてなんとなくあるかんじなんでしょうか…!)(そして甘ロリにもハロウィンがあるんだ!と驚きました。どちらかというとゴスロリ分野ぽさそう)
見識としては、やっぱりブランドによって、ここは甘ロリブランド(Angelic Pretty、Baby,the stars shine brightなど)とかここはクラロリブランド(Innocent worldなど)やゴスロリブランド(Moi-meme-Moitieなど)って感じでロリィタ界の暗黙の了解があります。
―お店のお名前もなんとなくゴスロリ、甘ロリ、クラロリそれぞれで方向性がありますね!可愛い!
確かにゴスロリのブランドはモワメームモワティエ(意味…フランス語で自分自身と半身)とかかっこいい感じだし、クラロリはヴィクトリアンメイデンとかお嬢様な感じの響きがしますね!自分では意識してませんでしたが言われてみれば確かに!
甘ロリブランドがハロウィンもの出しても甘ロリだと認識されることが多いので、一応十字架や棺柄でゴシックなものも甘ロリブランドで出たりすることはありますが、不思議なことにゴシックなテイストも持ちつつ可愛らしいテイストに仕上がることも多いのです!
(同じ「コウモリ」「十字架」などでも、より甘ロリになるとファンシー感がでるかんじなのでしょうか……デザインのされ方で解釈も変わってくるのが面白いです!)(それぞれに何となく住み分け(という言い回しで合ってるのかな…)されているから、少しのスパイスで入れても揺るがないベースとして構築されてるってイメージです!)
―ミーヤさんがどんなマスコットと並んでも、あくまでもミーヤさん*2は大宮のマスコットの一人でアルディが相棒なのは変わらない、みたいな、そういうかんじですかね?
そんな感じです!揺るがないベースがあるので、例えば東欧外国人を要する大宮アルディージャがJ2に落ちても大宮アルディージャは東欧の外国人を集めつづける…みたいな感覚かも!
(プレーオフ圏内が確定じゃなくなっても、1試合1試合を大切に「サッカーの試合」として受け止めるとか、そういうのもまたしかりなのかもしれないですね。そこにいるのは「プロサッカー選手」としての誇りとか、そういうのもあるというか)
―ちなみに「甘ロリ」というキーワードで、真っ先にパンケーキやスイーツなど、食べ物が(甘いだけに)思いついたんですが、「バリエーションでこんなのもあるよ!」というものを教えていただけますか?
甘ロリ、確かにスイーツモチーフ多いです!あとは動物モチーフも多い!
プードルとか猫とかも多いし、ブランドのマスコットキャラの柄なんかもあります。
カラーは甘ロリはサックスやピンクに白にミントにラベンダーが多いです。
―マスコットの柄というと、サッカーチームのマスコットが会社のアパレルの柄になってるとか……?ポケモンアパレルがポケモンの服着てる的な……?
そうですそうです!マスコット柄とか、そのマスコットがロリィタ服を着てる姿のぬいぐるみポシェットがある感じ!
(芸が細かい!!!そのブランドマスコットだからこその売り方みたいなものありますよね。そして何となくロリィタファッションにはぬいぐるみが一緒にいるイメージがあります)
―なんとなくクラロリとかゴスロリは柄が少ない(無地が多いけれどフリルがしっかり)なイメージですが、柄や色についてはどうでしょう? カラーリングで見る方向性とかはあったりしますか?
そうですね、だいたい甘ロリは近年柄が入ってます。
クラロリが1番柄が少なくて、ゴブラン柄*3とかかな?スモーキーなくすんだ色合いが多くて、ブラウンや生成、スモーキーピンク、黒が多いです。
ゴスロリはだいたい黒だけど、柄が十字架や髑髏や燭台やコウモリや薔薇のようなモチーフで退廃的な感じです。大体黒に黒レースだけど有名なブランドで黒×青レースの組み合わせもありますね。
(燭台ってあの燭台ですか、とちょっとびっくりしました。確かにアンティークっぽくてかっこいいフォルムをしているので、納得もするのですが…!! なんとなく、勝手なイメージで「ゴシックロリィタって黒無地に黒フリル!」という印象でした。柄物もあるの新発見です)(クラロリは当初のイメージに近い、なんというか深窓のお嬢様というか――なかんじに近いのでしょうか。またちょっと印象が変わりそうですね!)
個人的にはロリィタのジャンルって、アイドルもののソシャゲの属性に似てると思っていて、主に分類される3種のロリィタファッションについて
な、イメージです。
クラシカルは元気さからかけ離れた貞淑なお嬢様の服みたいな印象なので!
ゴスロリは退廃的で冷たいイメージが求められるので、クールになる感じ。甘ロリは時々フルーツの柄やおもちゃの柄なんかもあったりするので、パッションとキュートを足して2で割って、元気さも似合うのが甘ロリとイメージしています!
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 07 できたてEvo! Revo! Generation!
- アーティスト:new generations[島村卯月×渋谷凛×本田未央]
- 発売日: 2015/04/22
- メディア: CD
(一番わかりやすくタイプとしてイメージしやすいであろうニュージェネ御三方。確かになるほどなんとなくのタイプわけ!)
(アイマスで見る3つの属性!!!!ですね!!!其々に其々の良さがあって、だからこそのうまく棲み分け(共存ともいえばいいのかな)ができているジャンルというように感じました)(根本のラインである其々に共通しているフリルやパニエ、守らなくてはいけない境界線(上品さとか)そして歴史や考え方がベースにあって其々のジャンルを確立していく、という感じでしょうか。アイドルジャンルで言えば例えば「人々に高揚感をもたらす」というアイドルのお仕事の大前提があって、そこに個々の特徴があったりする、みたいな)(という流れでわかりやすいところでいうと櫻井桃華ちゃんはキュートだけど色合いとかも鑑みてふわっと可愛いお洋服を着ていることもあって立ち絵は「クラロリ」なのかな?とか改めて思ったりしながら確認していると新しい発見がたくさんありますね)
―ゴスロリ、クラロリ、甘ロリがいわゆる「三本柱」としてあって、そこにいろんな形が結びついたりしていくかんじでしょうか。ちなみに白ロリ、黒ロリ、というのもあるんですね!これはどちらかというと「カラーコンセプト」という認識で大丈夫ですか?
白ロリや黒ロリは甘ロリのカラーリングっていうニュアンスですね!ロリィタに触れたばかりの人は黒ロリとゴスロリの見分けがつかないのはロリィタあるあるです!
和ロリとかはサッカーで言うとスリーバックのフォーメーションがあったとして、そのなかでもストリーミング戦術を使うとか、そういう細かいイメージです!
(確かに聞く前だったら多分ひとくくりで「ロリィタ」(もしくはゴスロリ)といっていた気がします…笑)(同じシュートがあったとしてループなのかボレーなのかバイシクルなのかみたいな、「パスとは違うしシュートなのは間違いない」けど小分けされているかんじですね!)
―黒ロリとゴスロリはさっきの話で甘ロリの派生(カラーリング統一)のイメージですかね。あくまでも甘ロリで、色が統一されている=「可愛い」「甘い」がくる、みたいなかんじでしょうか?
そうそう!黒ロリはあくまでも可愛いがきます!
なので、ゴスロリと並んでみても「あっこの人は甘ロリの黒ロリコーデなんだな」ってちゃんとなりますよ!
(アイドルマスターシンデレラガールズの蘭子ちゃんのイメージはどちらかというと「ゴスロリ」寄りなのかなぁと思いました。どちらかというとアイドル衣装なのでまたちょっと違うかもしれませんが…!)
―とてもふわっとな認識なのですが、ローゼンメイデンやカードキャプターさくらはゴスロリ、甘ロリ系なのかなぁ……?とかそんなふうに思いました!
ローゼンはドールのお話なのでジャンルとしてはクラロリですね!
渋い色合いが素敵です。甘ロリだったらもっとピンクやサックスで柄物着てるかも笑!
昔ロリィタブランドとコラボもしました。
そのときもイノセントワールドっていうクラシカルロリィタブランドでした。
ただ、ロリィタファッションって着てる本人の意識に一人称が1番委ねられる側面があるので、例えば水銀燈は退廃的なキャラクターなので、本人はゴスロリの意識で着ているかもですね。見た感じもダークな印象のドレスなので水銀燈はゴスロリと言ってもおかしくはないと思います。
さくらちゃんは、ロリィタというよりは知世ちゃんの作った衣装を着ているのでコスプレといった感じかもしれません。でもテイスト的にはああいう可愛らしいものをたっぷり詰め込んだところが甘ロリと似ていると思います!
ロリィタファッションのトレンドについて
―お洋服としては、「お姫様」や「お人形さん」のイメージが強いのですが、お洋服の種類としてはワンピースが中心なかんじでしょうか?
ワンピースやブラウスにジャンパースカートを合わせたりスカートにブラウスにコルセットなど色々なコーディネートがあるります!ケープやコートも充実してるので見ていても楽しいですよ!
(コートとかもあるんですね! お着物でいう「羽織」とか「外套」みたいに、それぞれのジャンルにあっているものが展開されているんですね)
―カジュアルやモードみたいな服と同じように、冬向きな格好も夏向きの格好もそれぞれシーズンに合わせて展開されてるんでしょうか?それともおしゃれは我慢!っても言うしパニエもあるからシーズンというよりも通年トレンドがしっかりあるのでしょうか?
夏向けの服や冬向けの服もオールシーズンで着れます! 主に最近は柄物が流行っていて、冬は雪の結晶のオリジナルプリントのお洋服やファーのついたケープとか、夏は人魚モチーフで透け感のある涼しい素材のお洋服も出たりします!でもパニエは基本必須なので下半身は夏は暑いですね~…。
(人魚モチーフ素敵ですね!マリン柄とはまた違った、ファンシーな雰囲気と透け感という言葉に「ロリィタのファッションでも透け感ってあるんだ!」ととてもびっくりしました。徹底的にしっかりと日焼け対策をされているような、見た目華やかな一方で重厚さがあるイメージでしたので…)(夏はどうしてもふんわりとスカートがするからこその暑さ対策がマストだろうなと感心するばかりです……それこそおしゃれは我慢!!を体現しててすごい……)
―正におしゃれは我慢ですね、すごい! でも逆に考えると、1.2月のような底冷えする日にはとっても防寒できるのでは…?!!
ご名答!とっても暖かいです。
ロリィタって学生時代にご両親から反対される子多いのですが、わたしは母から冷えなくていいじゃない!って大好評でした笑
(冷え性な人にとって防寒ができるってとても素敵なことだと思います。そしてお母様の寛容さというか理解度の高さにも心温まるエピソードとしてグッときました!)
―ちなみにお洋服はどちらで買われているんでしょうか?個人的に新宿マルイに映画見に行くときによくロリィタファッションのお店が並んでいる印象があるのですが、(よく見たことはないけどマネキンで置いてある)お洋服とかは路面店で試着した上で買う事が多いのかはたまたインターネットでお買い上げのほうが多いのでしょうか?
お洋服は原宿のラフォーレと新宿のマルイが1番賑わっているのですが、ブランドによっては各地のファッションビルにお店があります。
わたしは担当さんがいるAngelic Prettyの特定のお店でしか買わないです。お店がアットホームなので大好きです!
(意識したことがないだけで、たくさん実はお見かけしているのかも…!と今ハッとしました。コロナでなかなか買いにいけない中ではありますが、直に見て、お店の方と話すことで「ここだから」買いたいになるのすてきだなぁと思います)
ロリィタでの「暗黙の了解」について
―現実的な質問になってしまいますが、ロリィタのお洋服って一着一着の手間が段違いなイメージなのもあって、なかなか手が出せない印象なのですが、おおよそで大丈夫なのでいくらぐらいからがスタート地点なのでしょう?すっごい高くて手が出せないハイブランド(一式買うまでが道のりとして遠いのかなあと)なものからファストファッションとしての確立もされているのでしょうか?
だいたいワンピースは3万5000円でジャンパースカートが3万円、ブラウスは1万3000円、スカートを膨らませるパニエが8000円、パニエの下に履くドロワーズというかぼちゃパンツみたいなアンダーウェアが8000円、頭物が4000円くらいですね!
あくまで感覚としての相場でこれよりも高いアイテムもいっぱいあります。
(カジュアルの洋服を見てみるとしまむら/ユニクロといったファストファッションから上まででの価格帯ががっつり開いている印象ですが、ロリィタもだいたいのイメージ価格というのに納得の部分とそれでもやっぱり気軽に学生さんが端から端まで!を一挙に買うのは難しそうだなぁと思いました)
プチプラの店…みたいなものは一応あるといってはあるのですが、頻繁に盗作をしたりお洋服の質が悪くて嫌われているのでロリィタブランドとして認識されるのはロリィタちゃんの中でご法度ですね…わたしもそこはロリィタブランドとして認識してないです。
ただ、ユニクロのハイネックニットにレースやブローチを着けてアレンジしてジャンパースカートに合わせたり、プチプラのカジュアル服を上手く取り入れてるロリィタちゃんも多いですよ♪
ロリィタモデルの青木美沙子さんがYouTubeで紹介してたりするので是非見てみて欲しいです♪
(なるほど、ロリィタとしてのお洋服だとどうしても価格としてはファストファッション、プチプラに比べて高いけれども、カジュアルのお洋服との組み合わせとして取り入れながら作られるのは面白いですね。トラッドファッションにカジュアルさ入れる、みたいなイメージですかね…?)
(ということで、早速青木美沙子さんの動画を見てまいりました!)
(しまむら×ロリィタファッションという展開にすごいびっくりしました……しまむらの企業努力がすごいのももちろんですが、使い方一つでこうもしっくりくるものかと。ベースはあくまでもジャンパースカートだし、あまり違和感がないというか……ファッションの一つとしての取り入れ方、アレンジの一つとして「ロリィタの雰囲気」を壊さない形で寄り添っているのに感心しました。すごい)
ロリィタ服は高いので、手作りしたりで節約するロリィタちゃんもいますね!
わたしや友達は節約のためドロワーズなどのアンダーウェア系は全て自作してます♪パニエというスカートを膨らませるアンダーウェアは、高校時代の友達のお母さんがロリィタちゃんが大好きだけど娘が着てくれないのでなぴちゃんに…と作ってくれたものを今でも大事に使っていますよ♪
3枚重ねでボリュームをだしているパニエのうちの1枚がそれです!ロリィタちゃんはお裁縫が得意な子がカジュアル系の子より多いと思います。
(ミシンも手縫いもめちゃくちゃ苦手なので「た、たしかに~!!!」となりました……自分が着るからこそのお裁縫できるの尊敬します…!!)(そして3枚重ねという言葉をきいて日頃自分が着ているものとはやっぱりどこか違うのだろうな~という興味がわきました。ふわっふわそう…!)
―お値段やっぱりカジュアルのファストファッション等に比べても結構しますよね……!先程3つのロリィタのカテゴライズを教えていただけましたが、お洋服に関してはマルチになぴさんは買われているんでしょうか?
わたしは基本甘ロリしか着なくて、たまに昔買ったクラロリを着るくらいです。
単価が高いのでゴスロリが好きな人はゴスロリしか着ないとか、そういう人が多いかなと思います。
服と服の組み合わせてはカジュアルと同じようにトップスがあって、スカートがあって、とか帽子はどう、とか考えてるという意味では一緒ですね。
着眼点も色々ですが、最近だとピンクと紺の組み合わせをしたこともあります。
ぱっと見て意外なところかな?と思ってたんですけど、セレッソ大阪のユニフォームがこの色で実際に見てみるとしっくりきておしゃれでした!……という着眼点も自分の経験からいかせるものがいっぱいあります。
(使う色がなんとなく区分されてしまっていそう、なイメージだったんですがその上でも自分が着て楽しむお洋服との組み合わせと同じように、色の組み合わせやデザインの組み合わせとして思いつくものがたくさんあるの良いですね! セレッソのカラーリングはぱっと見るとすごいスポーツチームですし華やかですけどたしかにパステルっぽい色とか、淡くて組み合わせてみたらしっくりきそう……!春とか、それこそ初夏ぐらいの柔らかいときに着たら雰囲気もさらに嵌りそうですね!)
―ロリィタのお洋服ってレースもついててしっかり華やかななイメージですが、お洗濯は基本クリーニングなんでしょうか?それとも物によってで分けておしゃれ着…?
その服によってもちろん違いますが、お洗濯は取り外しパーツ外してネットに入れてオシャレ着洗いしているものが多いですね。わたしの着てるやつはこれで十分だったりします。
(全部完全クリーニングだと思ってました……!!!!!!!型崩れがカジュアルなお洋服と比べてやっぱりしやすいのかな?ってイメージだったのですが、そこもいろいろってかんじなのでしょうか……!)
―調べてみたら、ロリィタレンタルとかもあるんですね!買えるのが一番だとは思いますが、やっぱり最初から全部投資って難しいからそういう意味では間口が広がっているのかな~ってイメージがあります。
わたしは使ったことはないんですが、ああいうのはきっかけになるし全身揃えるとなると価格的に手をつけづらいジャンルだからすごくいいサービスだなって思います!
周りにやっている人がいなかったとしても、スタートラインに立てるきっかけだからこその発見もいっぱいあると思います。
(お着物も、ロリィタもとっても敷居が高いイメージだったのですが、レンタルなどで「触り」として楽しむきっかけがあるのってすごく素敵だなぁと思いました。もちろん「誰のものか分からない」というジレンマ等も苦手な方にはあるとは思いますが、一着一着がとても丁寧に作られているからこそ、そうやって「知る」機会が0ではないという事実が美しいなと思います)
―ちなみに、ロリィタというと、ヘッドドレスとツインテールもしくは巻き髪にされていらっしゃる方が多い印象ですが、髪型でこういうのが主流、みたいなものはありますか?
髪型はショートカットはやっぱりボーイッシュなイメージがあるからやる人は少ないし、あまり肯定的ではないイメージです。
どちらかというと、ガーリーさを押し出したファッションなので!
(なるほどショートカットだとどうしても活発なイメージが先行しがちですもんね。騎士や王子様っぽさも含めてまたちょっとベクトルが違うものなのかな?とも思いました。)
―どちらかというと「少女性」とか、「ドール」のような空気感(可愛い、とか)が多いからっていうのもあるんでしょうか。ローゼンメイデンで蒼星石がショートカットだったのでショートな方もいらっしゃるのかな~というイメージでした!
実は王子ロリっていう王子様みたいなジャンルもあったりするので、蒼星石はそちらに該当するのかもしれません。ただ申し訳ないのですが、わたしは専門外なので知らないので「かもしれない」ぐらいしか言えず……。
ロリィタファッションは昔からの暗黙の了解を受け継いで守っていく世界なので、例えばショートカットとかスニーカーとかそういう合わせ方をする人はあまり現れないかもしれません…やっぱり単価が高いので、高いお金を払って新しいことに挑戦したい人はあまりいないかもしれないです。
(王子ロリ、というと文字だけ見ると中性的な雰囲気がしますね。ぱっと思いつくの黒執事のシエルとか……王子ロリもゴスロリ、甘ロリ、クラロリのように3本柱があるんでしょうか。シエルとかはゴスロリの王子ロリなお洋服、とイメージするのが良いのかな……?)
―所謂「メンズ向け」(といっていいんでしょうか。中性的なとかそういうかんじで)のファッションがロリィタにもあることにちょっと驚きました。女性的な柔らかさとか、伝統的なワンピースのデザインなど、古くから伝わっている美しさの部分が雰囲気がベーシックにあるのかなと思っていたので、ちょっと意外です!
異性装(トランスヴェタイトといいます)をする男性も着てる事がありますね!
逆に王子系の男装をする女の子もいるし(モデルのAKIRAさんなど)、わたしの行っているお店にもスカートのロリィタファッションを着てくる可愛らしいメイクの男性の常連さんがいます。
(カジュアルでいうとメンズファッションを女性が着るのと近いイメージでしょうか。よりはっきりと方向性が出ているかとは思いますが…!)(そして男装、女装という言い方ではなく異性装、という言い回しがあるの個人的にすごい好きです。)
―ロリィタファッションとカジュアルファッションの「あっ、ここちょっとロリィタならではかも」という部分って何かありますか?
髪やメイクも派手にしないと服に負けちゃうから派手髪の子も多いです。派手髪が仕事上できない子は、ウィッグを使ったりされています!
巻き下ろしやツインテール、縦ロールが多いです。あとは姫カットっていうサイドの毛をぱっつんにした髪型は昔から人気があります!
わたしも地毛は黒髪姫カットでたまにウィッグもします!また、外してはならないことだと、メイクは必須ですね。
―お洋服が華やかですし、それに合うメイクができるの楽しいですね! オフィスカジュアルや冠婚葬祭系ではできないがっつりのお目目のラインとか、リップの色の組み合わせとかもロリィタだからできるものっていうのもありそうだな~ってワクワクします!髪の色は特に甘ロリ、ゴスロリ、クラロリでも関係ない感じでしょうか?なんとなく落ち着いたカラーリングだからクラロリは金、黒、茶(茶色のレパートリーで変えるイメージ)なのですが……お洋服とのバランスもあるだろうしそういう意味でウィッグという楽しめる方法があるのも素敵ですね!
髪の色は確かに派手なカラーリングはクラロリとゴスロリではあまり見られないですね!
メイクでお洋服の印象も変わるし、普段はできないメイクもロリィタではできるのが楽しいです!
私も甘ロリのときは目の下に星やハートのスパンコールをつけたり、リップにシルバーのラメをつけたり楽しんでます♪
ゴスロリさんはリップを青や黒や紫にしたりしててダークな世界観をメイクでも表現してて見ていて楽しいんです!
(目の下に星!!可愛い!!一気に「日常のなかにキラキラをスパイスする」っていうような印象になりますね!オフィスカジュアルとかでお仕事するときとは違う、ロリィタファッションの中に組み合わせることでより華やかになるっていえばいいのかな、見てて可愛いな~って思います!)
-暗黙の了解を受け継いでいくのは所謂「伝承」とか「文化」の引き継ぎに近いのかもしれないですね。多様性と言われている世の中だからこそ「ロリィタ」の中にある伝統と歴史を持っていくっていう考えの方が多いのも何方かと言うと西洋の歴史にある「フリル」とか、「パニエ」とかを用いていらっしゃる“クラシカル”の空気感みたいなのを楽しまれている部分もあるからこそなのかなって思ってます!
全然違うファッションなんですが、イスラム教の女性のファッションに個人的には1番似ているとおもっています。
肌を出さないとか、できるだけ上品にとか、セクシーさを全面に出さないとかそういう暗黙のルールがあります!
実際にイスラム教の女性にロリィタファッションが融合したムスリマロリィタっていうジャンルがあったりします。
―そのほかに「これは知っておいたほうがいいかも!」という暗黙のルールはございますか?
そうですね、ドロワーズっていうアンダーウェアとかもでしょうか?
ドロワーズ、イメージとしてはアリスが地下に落ちてくる時に履いてるかぼちゃパンツの長いやつみたいなものなのですが、パニエでスカートを釣鐘みたいなかたちに膨らませるので、下から見るとスカートの中丸見えになるので、マストですね…。
あとは極力半袖以下に肌をみせないのは基本ですね。
伝統というか、こういう形、という骨格がしっかりしているからこそ「楽しむ」からこそのラインを守っていったらより楽しめると思います。タッチラインを割ったら相手のボールになるってことを知っておく、みたいなイメージですね。
「ストーリーを纏う」「自我」を大切にするジャンルとして
―ロリィタというジャンルに触れるときに心がけよう、とされていることはありますか?「ご自分なりに気をつけてること」等でぱっと思いつくもの教えていただけると嬉しいです!
ロリィタを着ていると目立つので、サポーターのみんながユニフォームを着てるときの振る舞いに気をつけるのに少し似ている所もありますね。ロリィタのマナーが悪いって言われたら嫌なので電車では極力立ったりとか笑
(うわ~あそこのチームのユニ着てるあの人めっちゃ態度悪い…近寄らないようにしよ…これだからこのジャンルは…みたいなのすごくあるあるで偏見とはわかっていてもぐぬぬってなるのありますよね……! 目立つからこその気をつけなくてはという精神、見習うばかりです)
あと、お上品な言葉遣いを心がけたり(”食う”とか”ねーよ”とか極力言わないように意識しています)、麺をすするなど音を立てて食べ物を食べないとか、笑う時大口をあげないで手で隠すようにするとか、絶対に走らないというのを心がけてます。
私の好きなゲームに魔法使いの約束という作品があるのですが、友達がラスティカというキャラクターのモーションがわたしの所作に似ていると言ってくれて、紳士でエレガントなキャラクターなのですごく嬉しかったということがありました!
(ラスティカ。物腰柔らかく、絵に描いたような「朗らかさ」とスマートさが特徴のキャラクターです)
また、同じ作品に出てくる「クロエ」という人は仕立て屋でもあるのですが、セオリーやストーリーをもっていてお洋服を作ることを愛しているので、すごく共通しているところが多いなと頷いています。わたしのロリィタに対する愛し方と似ていて親近感がありますね!
―着てみたい、その上でこういう雰囲気でありたいという心がけでやっていらっしゃるイメージがなぴさんのお話を聞いていると感じられます!
着てみたいとか、こういう雰囲気でありたいっていうのを目指すジャンルという表現がまさにしっくり来ますね!もちろん全員がそうでないけど、着こなすのに協力な自我を必要とするファッションだとわたしは思っています。
ロリィタファッションは、お洋服を媒介に自分の世界観を表現するツールだと思っていて、例えばわたしは性の対象になるような成熟した女性になることに恐怖感を覚え、永遠の少女でありたいという憧れを持っています。
その世界観をロリィタファッションで表現しているので、ロリィタファッションを纏っているとこれがわたし!という自我の鎧を纏っている気分になります!
―甘ロリでポップなのもあるとお話されていたので気になったのですが、「絶対に走らない」っていうのもお洋服のイメージ(静かさや上品さを求める)からでしょうか?
元気なロリィタちゃんも可愛くて大好きなんですが、あくまでも「優雅なお姫様みたいになりたい」っていうわたし自身の自我が先に来るからロリィタ着てると自然に走らない意識が芽生えてきますね。こんなに自我が先行するファッションはロリィタとユニフォームだけだと思います(笑)
でも、そういう心がけをしていると好奇の目で見られることも減らせるのでロリィタのイメージアップのためにも大事だと思っていて、わたしの大好きなプリンセスプリキュアの代名詞、「強くやさしく美しく」を心がけています!
(「お姫様」ということをコンセプトにしたプリンセスプリキュア)
そういうことを心がけていると小さい子が可愛い〜!とかお姫様だ〜!って言ってくれたり、おばあちゃんがあら可愛いわね〜!って声をかけてくれることがよくあります♪
―こういうふうになりたい、とか「この服を着たときのわたしはこう!」という考えがしっかりあると、自然と所作等に反映されていくかんじがしますね!
わたしの行ってる店にいる常連さんは声のトーンを頑張って上げたり、仕草がすごくチャーミングで 、男の子だけど、うわー!お姫様だー!ってキラキラした目で見ちゃうような方だったりするから、こういうふうになってみたいなっていう憧れでお洋服をまとってる人ってほんとにキラキラしてるなーって思うし 、どんなファッションでも憧れをまとってる人って輝いてるなって思うようになりました!✧︎
(「優雅なお姫様になりたい」から選んだものが「ロリィタ」というファッションで、その上で「私がこの雰囲気を纏いたい/表現したいから、私の目指すお姫様はそういうことをしない」っていうのを徹底しているのすごいなあって思うし見習おうと思います!「着る」ことで「心も磨く」みたいな、そんな印象を受けました!)
―ガーリーもカジュアルもモードもトラディショナルも雰囲気其々お洋服のジャンルとしてあるからこそ、そうやって自分にとって「なりたいもの」の選択肢が広がって「自分はこうなりたい!」がストーリーになっていくのは憧れます!
それこそ、ユニフォーム着てると今日頑張ってくださいって言われる感覚にかなり近いかも!
やっぱり理想の自分になるためのツールの役割だから、着ているときは最強の気分、なんだけど会社とかであんまり好きじゃない服を着ないといけないときにこれは本当のわたしではない…ってやる気が出ない時も多かったりもします(笑)
ロリィタの魅力着る人が服と一緒にストーリーを纏うことが出来やすいことだと思っているんですけど、実際はどんな服でも憧れを持って着るとキラキラするのは同じだと思うんです。
一見珍しくて個性的な見た目でも、きっとロリィタじゃない人とも分かり合えるって思います!
(ユニフォームだとそれこそ地域によって「おっ何試合??」って言ってくれる人もいれば「そんなチームあるの?」っていう人もいるし空気は少し似てるかもしれませんね!)(関係ない話ですが、昔父が車こすっちゃって人と揉めたときにおまわりさんが「試合だったんでしょ?どうだったの?」って第一声言われたし、ヒートアップしたら「エスパルス勝ったんだから二人共落ち着くところからはじめましょう」って言っててすごい和んだ記憶があります。)
(カジュアルでも、ガーリーでも、モードでも。その人が「この服を着たい」になれるきっかけがあって、それを身にまとうことでより自分の中で気持ちが明るくなっていくのってすごい素敵なことですよね。一着買うのにためらうものでも、買ったことによって心が晴れやかになって、着てみて「いつもより素敵な自分」になれるっていうことが素敵だと思います)
―「私なぴ!普段は会社員をしているよ!上司に怒られたり嫌なことあったりもする日々…だけど本当の私はロリィタのお洋服を着ることで、上品なお姫様になるよ!お姫様の私は強く優しく美しいんです!」みたいなかんじでしょうか、アニメの導入部みたいですが…
まさにそれすぎました(笑)しっくりくる!
上司に怒られてもロリィタに着替えるとまあわたしプリンセスだしいいや(適当)ってなるw
(上司に何言われても良いことなくてもロリィタに着替えれば「プリンセスはそんなことでうじうじしない!人の悪口も言わない!」って一気に心が穏やかになれる、「心の鎧」にもなるし、自分が上を向く一つの方法でもあるのかもしれませんね!)(「こういう風に気をつけよう」が最終的に周囲が「其れって良いなあ素敵だなあ」ってちょっとずつでも浸透していくのって素敵なことだなーって思います!!!!!)
土俵は違えど、結果みんなで素敵だと思う自分を目指すのがかっこいいのは同じだと信じています。
(ロリィタも、たとえばお着物もカジュアルな服も「今、自分が憧れてる」ものを、着ている人は何だってキラキラしてるな、って思えるんじゃないかなと!!思います。他の誰かがじゃなくて「あなた」が楽しいと思えることってスーパーポジティヴでいいですよね)
―インスタグラムなどでファンキーな格好をおばあちゃまがチャレンジされているのを見かけますが、どの方々もイキイキと楽しそうにしていらっしゃったのを覚えています。そういうお姿を見ていたら、こっちも元気がもらえますよね!
そうそう!ああいうおばあちゃんが今こそこれを着てみよう!っていうのが素敵なのって、憧れと好きが詰まったキラキラオーラがでてるからだと思います♪
なのでわたしはロリィタを着ている時が1番ハッピーだし、ロリィタじゃなくても好きなものに囲まれた幸せキラキラオーラって周りの人もハッピーにできると感じます。
もちろん全員が理解してくれる訳じゃないけど、そういうのを感じとって素敵ねって声をかけてくれる人も沢山いるから、幸せなオーラって他の人もいい気持ちになるのかなって思って胸を張って着ています♡
冠婚葬祭やTPOはもちろん守るのは前提だけど、ロリィタに人生かけてる私でもイスラム教の人と会う時はイスラム教の教えに乗っ取った服着ます!!(笑)
強く優しくあることや気高くあることは、全部自分の理想とするロリィタ像にふさわしい人間になれるように心がけているから、ロリィタファッションに出会えたおかげで心が少し豊かになれたんじゃないかなって思います。それを考えると私の着ているお洋服を作ってくれた人達のおかげだなって思うし、つくり手さんたちが心を込めて作ってくれたからだなってすごくかけがえがないものに思います♡
(ムスリロリィタというジャンルがあるとはいえ、イスラム教としての集いがある中で堂々とロリィタでは流石にいけないのと同じことですよね。そりゃそうだ…(笑)則った考えであればその則った考えに沿ってやるけれど、好きな格好できるプライベートな時とか、そういうコンセプトで集まろうとしているときなら「暗黙のルール」とはまたちょっと違う押し付けとして悲しいですよね。逆に言えば甘ロリで決めてたのに「私そういう気分じゃないから…」ってパーカージーンズで来られちゃうと「この集まりはこうだから…(´・ω・`)」ってなっちゃうし、そういうのはやっぱり臨機応変だなと)
ロリィタファッションでの「日々」
―ロリィタファッションをされている中で、プリンセスの心でどんなことをしていらっしゃいますか? 晴レノ日など、特別な日の服なイメージが強いので、激しい運動はしているイメージはなくて、でもプリンセスの日常であれば「オフィスカジュアル」などのメリハリとして違うのかな?と…!
プリンセスの心を大事にしながらしていることといえば、さっきの話で出てきた走らないっていうのは自分が運動が苦手で優雅に走れないし、しかも運動が嫌いだからっていうのがあって、嫌いなこと、苦手なことは絶対にしないようにしています。せっかく好きな服を着ているのに嫌なことしたら楽しくないですしね……
(お気に入りのワンピース着てやりたくもない仕事するのとか絶対イヤだ……というあれに近い感じだと思います。せっかくのお洋服を着てウキウキした気持ちが沈んでしまう…!)
逆に特にロリィタを着て特別なことをするということはなくて、みんなと同じでアフタヌーンティーを楽しんだり、好きな服で旅行に行ったりもするから日常の楽しみ方はみんなと同じだと思います!
あとは、自分がお姫様みたいで素敵!って思った趣味は積極的に手をつけています。
―お洋服で気持ちがあがるからこそ、苦手なことはしたくないのもすごくわかります(笑)一方で、苦手だけど頑張りたいものとかだったら「プリンセスはここで諦めなくってよ」でやれそうだなぁと感じました(例えば学生さんだったら勉強苦手だけどプリンセスなら勉強諦めないよな、って思って起爆剤になったりとか)だからそういう意味で「やらない」という選択肢も好きだしあえて「やる」という選択肢も両方プラスな方向に動きそうで素敵ですね!ちなみに、お姫様みたいな趣味、是非どんなことか教えていただいてもいいですか?
ロリィタで精神力が鍛えられて起爆剤になることも結構あります!
趣味だと、タロットカードとか、あとはタティングレースっていう貴族のお姫様の間で流行ったレース編みもするし、フランス語が喋れるロリィタかっこいいんじゃない?って思って、大学はフランス語を学べる学部に入学しました!
(「ロリィタが大好き」な気持ちがスタートで、ロリィタを通して世界が広がったりロリィタを着ることでイメージするものが更に増えていくの、本当にすごい! そして何よりもモチベーションに繋がったり「それをしている自分が大好き」でいられる自己肯定も含めて楽しいだろうなぁと聞いててしみじみします。)
―ロリィタのお洋服のトレンドみたいな変遷ってありますか?カジュアルとかのファッション雑誌とか見ているとすごく色んなものの流行がやって来ては去っていくのが速いイメージですが…!
ファッションの歴史、もちろんほかのファッションと同じようにあるんですが、それこそカジュアルファッションほどハッキリといろいろが変わっている、というものではないと思います。
柄物のバリエーションが増えた、化繊の服が増えた、とかくらいで、劇的な変化はあんまりないかもしれません。しっかりとしたデザインがベースにあってその上でメーカーが新しい商品を出していく、みたいなイメージで良いと思います。
多分みんながカジュアルと同じようにやったらお金が追いつかない(笑)
〇〇シリーズ(柄のなまえ)登場!みたいなのはいつもあるけど、特にいつの服を着ていないとダサいとかはないです!昔の服を着ていてもこのブランドのこの時代の服素敵だったよね、という感じに盛り上がることが圧倒的に多いですね。
(過去のお洋服見て「その頃のあのブランドめっちゃ好きだった!」「それ欲しかったんだよね!」「知らなかった、素敵だね!」って思い出話に花が咲いたり、一方で最新のお洋服で「それ新しいのでしょ、可愛いね」ってなったりとどちらも両立できるの良いですね。一着一着がファストファッションではないからこそ、長く着られることを前提に考えられているのかなぁ……と聞いてて思いました。それぞれの時代に出たものが後世になっても「これはこれでとても素敵なものだ」と言い合えるのすごく素敵で私はいいな~~!!ってなります。ちょっと違うとはわかっていますが、サッカーユニフォームは変わらず「この時代ああだったね」「降格しかけたね!」「優勝ユニじゃん!!」って言い合うようなかんじになるのかな…?)
ロリィタを着る「精神論」として
―なぴさんに以前「ロリィタは精神が必要になってくる」ということで、精神論としての部分をお聞きしましたが、改めて教えてもらえますか?
”ロリィタは精神論”ってわたしはよくあげますが、ロリィタ服とは、ロリィタが着る服のことであるって思っています。
後ろ指さされやすいからこそ「私はこれが好き!これが私!」っていう誇り高さやブレなさ、孤高の精神が必要になってくる。(今は服は服でしょ?オシャレしたいだけで精神論は必要ないっていうロリィタちゃんも増えてきてると聞いていますが、そのうえでの持論ですね)そういったブレなさや、流行が移り変わろうが、自分の好きな服を誇り高い気持ちで纏って、なりたい自分にふさわしい、上品な立ち振る舞いと優しさを忘れない”小さな女の子の憧れ”のような存在になることっていうのがロリィタの精神性かなと思います。
自分に大事にしている軸がないと、世間の目に負けちゃいそうになるっていうのも精神性が重要な理由でもあります!
(どうしても華やかなお衣装である以上、目につきやすいというのもあるんでしょうが、そうやって稀有な目で見られるのは中々どうしても拭えないものがありますよね……。サッカーない日にユニ着てると「なんで?」と言われますが、これが海外リーグだと言われない、ふしぎ!っていうのと同じかんじというか……ファッションではないからと言われたらそれっきりなのかもしれませんが、気持ちで自分がこうありたい、これを着ているときの自分は強いんだと”前を向ける精神を持っていたい”というなぴさんのお気持ちに、ふといつかの試合に「勝ったのにスタジアム出るとき危ないからユニを脱いでくれ」と言われたことを思い出しました。ユニとはまた違うのかもしれませんが「誇り高くありたい」「小さな女の子の見本のようなわたしでいたい」というお話はまさに時代に合わせたプリンセスであるディズニープリンセスたちと類するものを感じます。)
―RPGで盗賊の人がジョブチェンジしないまま学者の服着ても効果出ないのと一緒、なぴさんにとってはロリィタを着るからこその力が出る!みたいな感じでしょうか…?
ロリィタというのはロリィタファッションを着ているひとのことじゃなくて、ロリィタの精神を持っている人っていうのがわたしの考え方です!
カジュアルな服を着ていてもロリィタはロリィタ(ただし完全体じゃない)みたいな感じでしょうか。もちろん、いろんな考えの人がいるけど”わたしにとって”だと、そんな感じです!
例えば、RPGでわたしは盗賊だけど学者の服着ててもいまいちしっくりこない…んだけどジョブは盗賊だから学者の服着ててもわたしはあくまでも盗賊なんですよね。
サッカー選手が私服着てようがサッカー選手であることには変わりないけどクラブのエンブレム入りのユニフォームを着ていた方が力が湧いてくる…みたいな!
(パン屋さんが同じ小麦粉でオープンもあるからケーキ作れないことはないけど、でもやっぱりパン作ったほうが自分の一番だから!みたいな感じでしょうか。もちろん世の中にはお菓子もパンもで得意になる人もいるけど、「ロリィタという心を持っていて、だから制服着てようと上司に怒られようとオフィスカジュアルだろうと、なぴさんはロリィタであることは変わらず、でもロリィタの精神×ロリィタファッションになれば元気100倍!」みたいなかんじでしょうか)
「ロリィタ」という世界へ第一歩を踏み出すあなたへ
―素敵なお話有難うございます! それでは最後に「これからロリィタというファッションを楽しんでみようと思う人」、そして「なぴさんの楽しみ方をもっと知りたい」という方に向けて、なぴさんにとってのロリィタの楽しみ方、考え方を伝えていただけますか?
ロリィタファッションは、とっても可愛くて夢や憧れの詰まった素敵なファッションです。着る人のストーリーを引き出し、自分の考える理想の自分になれる、近づけるところが1番魅力だと思っています。
何か特別なことをしなくても、なりたい自分に近づいて可愛いお洋服を着て素敵な場所にお出かけしたり、大好きなお友達にあったり、とにかく素敵なお洋服を着て、可愛いもの、綺麗なもの、素敵なもの、好きなものに囲まれるひとときは日常に彩りを与えてくれ、日常を生きるための活力が湧いてきます。
とにかくロリィタで好きなことを沢山して大好きなものに囲まれるのがわたしの楽しみ方です!!
今はお店でロリィタ体験も出来ますし、少しでも興味があったら是非体験して欲しいです♪きっと世界が違く見えると思います。
ロリィタちゃんは目立ちたがり屋ではなくただの1人の人間なんだなとか、偏見がなくなった人や、興味が湧いた人が少しでもいてくれたら嬉しいです!
――ありがとうございました!
お話を聞いた上で
ロリィタファッションに関して、「知っているけれど知らない」というか……青木美沙子さんの印象がとても強いことと、前述していた世界のイメージだったのですが其れ一条にもっと寄り添っている人から見ての「大切なもの」としてお話をお伺いできたの光栄な限りです。
ゴスロリ、甘ロリ、クラロリの立ち位置やお洋服としての変遷。そしてそれを楽しまれているなぴさんのスタイルも含めて「概念を着る」ということ、ロリィタファッションだけではなく多くのお洋服それぞれに持つ魅力にも触れられたように感じます。
ロリィタというお洋服はどうしても一つひとつがお値段が高くて、ルールもしっかりある、というイメージでいたのですが、実際「守ったほうがいいポイント」を踏まえて、その上で憧れていたこの模様、あの模様、こんなデザイン。それを「着る」ことで、いつもよりワンステップ楽しい自分を見いだせるというスタンス、非常に素敵でした。
お洋服のジャンルは人によって其々に好みがあって、「見ているだけでも可愛い」と思えるものや「自分が着てみたい」の第一歩になるもの、「モデルさんが着ているからこその憧れ」など、色々な考え方があります。でも、そのなかで「やってみたいことをやり続けよう」として、選んで、楽しんでいる姿は本当に眩しくて、お話を聞いているうちにずっと自分が欲しいと思っていて、それでもやっぱり金銭的都合で手を出せないとためらっていたものを手に入れたいなと考えて手に入れました(ハイブランドを愛好されている方からすりゃ「それぐらいで?!」って言われそうですが/笑)
着てみたときの自分のなんともいえぬ高揚感、この格好をしてでかけたときの自分。その姿を思い浮かべるだけで口端が釣り上がりましたし、なぴさんがお話していた「概念を着る」ってこういうことなのかなあ……なんて噛み締めています。
ロリィタ、というジャンルのお洋服の方々の悩みも色々お伺いしますし、そういうのって本当に悲しくなるばかりですが、跳ね除けられる――というか、「それでも」愛してやまないもの、好きを好きでい続けているところ、ぴんっと背筋が良くなっているお姿。それに「見合おう」とするなぴさんの姿勢。それら全部をひっくるめての「なぴさんの”ロリィタ”」という関係なのだとも思います。
素敵なお話ありがとうございました!!ワンピースのイメージが一番強かっただけに他のトップスとスカートが別のもの(ジャンパースカート)など、じっくりまた見られる機会があったら見てみたいなぁとも思います。おもちゃとかもお洋服の柄にあるのとか夢があっていいですね……!
また、タイトルアイキャッチについてもなぴさんに色々レクチャーしていただき、ふんわり甘ロリっぽく+なぴさんの雰囲気に合わせてみました!!個人的には!!!とても!!!!楽しかったです!!!(笑