一ヶ月に一度の「オシゴトガタリ」ももうすぐ20回になりますね。色んなジャンルのいろんな人の「好き」を聞いて少しずつ自分の中でも新しい好きに出会えてきている気がします。
そんなこんなで、今回の「オシゴトガタリ」は友達の友達だったはずが気づいたら友達になったユキさん(@yuki_nmcc)から「将国のアルタイル」について教えてもらいました!
将国のアルタイル、作品名も雰囲気も全く知らない状態なのでユキさんに教えていただきながら調べながら見ているかんじになります。
結論的に言うと「めっっっちゃ楽しかった」です。これに尽きる。普段知らない世界を教えてもらうってやっぱり楽しいですね!!
オシゴトガタリとは
- 「推し事」をテーマに色んな人にあなたの推しって何でしょう、とお伺いする企画です。
- このブログの管理人が、「推し(好き・応援・大切・考察対象等マルチな意味を指す)事」をしているフォロワーだったり名乗りを上げてくださった方に対してインタビューしています。
- 「無理しない」「楽しい!を人から教わる」ことを基準に行き当たりばったりで行っています。
- 1ミリも知らない(ミリしら)のものなら「そのもの」を教えてもらって知っているものなら「この人はこういうところが好きなんだな!」と感じる。
- それができる場所。それが「オシゴトガタリ」です。
- オシゴトガタリとは
- 「将国のアルタイル」という世界へようこそ!
- 主人公の成長と、国を背負う物語
- キャラクターの生き様を感じる
- アニメーションの世界で彩られる「将国のアルタイル」
- ユキさんと「将国のアルタイル」の出会いについて
- 外伝たちについて
- みんな、将国のアルタイル読んでくれ!
- お話を聞いた上で
「将国のアルタイル」という世界へようこそ!
―この度はインタビュー快諾ありがとうございます!将国のアルタイル、はじめて聞いた作品なので概要ほぼ知らないんですが是非教えて下さい。よろしくお願いします!
「将国のアルタイル」はカトウコトノさんが描いている漫画原作でございます!
(1巻の表紙。帽子がめっちゃおしゃれ…細部にこだわっている…)
―立ち絵(表紙)のお洋服の細さに震えてます。なにこれ凄い…お話はどんな物語なんですか?
そう、作画の美麗さ、背景の細かさが尋常でないです…!
時代背景的にはオスマン帝国あたり。トルキエ将国で史上最年少で将軍になった犬鷲のマフムート(絵の主人公)が、周辺諸国で情報や仲間を得て、戦を避けるため奔走し、成長していく物語になります。
天才軍師としての才を発揮しながら、敵国バルトライン帝国を追い詰め、ついに最終局面を向かえるーー?!みたいなのがちょうど最新刊の内容です。
こちらが最新刊です!読んで!(笑)
ちなみに公式サイトの説明はこんなかんじです。
第41回講談社漫画賞受賞作品。
ここではない世界、いまではない時代。
将軍(パシャ)と呼ばれる為政者たちの治める草原と砂漠の国・トルキエ将国。 隣国・バルトライン帝国との戦争から12年、 交易で得た巨万の富をもって復興を遂げたトルキエに再び帝国の魔の手が迫る・・・。
就任10日目の新米将軍・マフムートは国家間に渦巻く陰謀と策略を切り裂く! 話題の戦術戦略(タクティクス)ストーリー!
ちなみに公式サイトで試し読みも出来ます。読んでください!(笑)
―1巻の表紙見て最新刊見たんですけど、もしかして局面や大事なところで持ってるものが変わっていく、みたいなかんじですか?というか画力の進化やばくないです??めっちゃ細かい…シリウス月刊ってさっき言ってたと思うんですけどこの細さ維持とかなるほどわからんですね????
さすがお目が高い!!
コミックスの内容にあわせて衣装、小物、背景が全部違うし、モチーフが含まれてるんですよ!
(芸が細かい…というか見ていて表紙見直して「ああ~~~!!」ってオタク頭抱えるのでは…?)
主人公の成長と、国を背負う物語
―主人公のマフムートくんは最初から早々に将軍就任から始まるんです?彼自身の背景は就任してからこんな人間でーみたいに振り返っていくかんじでしょうか?
物語は将軍に就任したあとから始まるんだけど、先の帝国との戦で鷲使いの一族がみんな死んでしまって、別の将軍に拾われて育てられたって設定です。
後ここからネタバレするので気になる方は反転してください。
そんな中、トルキエ将国の砦のひとつが狙われて、そこにいる友人を助けたいと動いて見事解決したにもかかわらず、私情で動くのは将軍失格だと言われ、降格されてしまうんですね。
え、これから将軍活躍ストーリーはじまるんじゃなかったの!?ってなるじゃないですか…でももっと外の世界を知ってこい、ってエールを受けて国を追い出されます。ここまでが2巻の概要。
ここまで!
マフムートの背負ってるものとしては、「ふたたび国を巻き込む戦をしたくない、だから将軍になって政治に関わりたい」って感じです。
(2巻の表紙もめっちゃ細かい。ブルー基準なのがおしゃれ…なんだかぱっと見たらエスニックな雰囲気もあるのが面白いですね)(そして2巻にして早々に降格になるのしんどいオブしんどい)
―将軍に成るには覚悟いって、その覚悟のために友達を見捨てても良かったのだろうかという泣いて馬謖を斬るみたいなそんな展開しんどすぎる…ちなみにキャラクターの名前は何かしら由来があったりするんですか?あまり言い慣れないお名前だったので…。
マフムートという名前自体はオスマンではよくある名前で、将王(スルタン)の名前にもあります。スレイマンとかも出てきますし。犬鷲の、は2つ名なのでハガレンをイメージしてください!笑
(突然の「@@の錬金術師」ってつくやつ!!!!!!!なるほどわかりやすい)
―早々に中々シビアな状況に追いやられつつ、世界を知るという意味や彼の若さゆえの苦悩もでるよいいですね…政治に関わりたいということは戦略とかも勿論ですが人付き合いとかも出てくるんですかね?!彼の国のことがベースになると思うんですが国としては「トルキエ将国」は小国な感じなんですか?
国内政治もありますが進むにつれて各国の代表者との折衝などが多く、外交問題、同盟、世界経済を動かす流れなどが描かれれます。
種を撒いて座して待つ場合もあれば、自ら前線で指揮をとることもあってハラハラの連続です。
(つまりお互いにお互いを牽制したり、仲間内だけど全面的協力を得られないケースもあるというかそういう…?リアルすぎて辛い)
TVアニメ「将国のアルタイル」公式サイトからなんですけど、地図参照で。
赤枠がトルキエ将国、青が敵対する帝国、その他の色枠が主人公がからむ国になります。ルメリアナ大陸(この地図のエリア)、の一大経済圏を築いているので小国ではないです!
(基本は赤vs青、そしてそれ以外も関わっていくっていうかんじかな?)
―地図見ると青がぶっちぎりでかくて赤はいろんなところと面してるかんじですね。各国の状況としては帝国が強くなってきてそこからどう守るか、みたいな感じのイメージで良いですか?それとも俺が天下取ってやるな三国志みたいに群雄割拠の時代…?
ネタバレになっちゃうからこのへんは伏せておきつつ(笑)
各国で考えが違っていて、「バルトライン帝国」(赤)は他国への侵略こそが生き残る道、みたいな考え方で成長し続けて肥大化してるイメージ。
トルキエ将国(主人公の国)は、●●将国と兄弟みたいなもので、国や国主は別れてはいても有事の際には「大トルキエ体制」に移行して、トルキエ将国が指揮をとって一致団結するのが対外姿勢。この体制からだんだんと変わっていく部分も面白いですね。
トルキエは他国と「大トルキエ体制(=同盟)」を結んでいるけど、あくまでも”対バルトライン帝国”における軍事同盟なので、それ以外は互いにわれ関せずな感じ。
トルキエ将国と、クルチュ将国、ムズラク将国、ブチャク将国、バルタ将国の通称”四将国”がくっつくのが大トルキエ体制。関係性は中国と台湾みたいなものかも…一国家だけど同一視されるレベル。
(周りから見たら「一緒じゃない?」って言われるけど本人たちは一緒じゃないっていう感覚ですね。それはそれでうまく噛み合えばいいけど噛み合わなかった時ピリピリしてそう)
もともと遊牧民族はじまりだから文化はたぶん近いけど国ごとに産業は違っていますね。その結果、まぁ色々こじれたりこじれなかったり。
―国によって違いがあると思いますが、各国それぞれに特徴はあります?
遊牧民族からうまれた小国家群というか多民族国家というか…!詳しくはオスマン帝国Wikipedia!(笑)
作中のトルキエ将国は、商業的に発達してて、金貨、宝飾品ざくざくあるお金持ち国家です!
(「村」っていうより「街」があるのがトルキエっていうイメージになりました)
キャラクターの生き様を感じる
―マフムートくん、代表者として(将軍として)そこに立つときもあるし戦いにも出るしってめっちゃ忙しいじゃないですか……やだ胃痛待った無し…胃薬あげたい…
主人公だけでも胃が痛いんだけど周りのキャラクターみんな可愛くて…私の場合、推しはむしろそっちにいて、誰が死ぬのが早いか、死なないのは誰か、みたいなキリキリ感を味わいます。
(推しが死ぬやつ)(つらい)
私のすきなのはムズラク将国のひとです。トルキエとカウントできる人です。
ムズラク将国の将王の弟、が推しのひと=バヤジットになります。
(見た目が穏やかそうなのに業を背負って生まれた人な予感めっちゃするのなんなんですかね…。そしてCV内山昂輝氏ということですごい穏やかそうでよさそう)
―軽率に調べた結果ネタバレ踏んだんですけど、心がしんどすぎません????検索かけた瞬間に兄ちゃんの顔出てきて「ああ~~尊敬している兄ちゃんがよりにもよってそれ~~~~」って頭抱える予感がするんですが??
バヤジットさんのしんどさにもうお気づきですか?お目が高い!二人で国を支えていこうと幼い頃から誓いあった兄弟です。とりあえず7巻読んでください!
彼らはトルキエ将国とはちがい、四将国は君主制で、王子であれば将王の座をかけて争いあってもおかしくないのに、ふたりで!となりで!強い国をつくろうと!ここからはネタバレだからまぁ読んでください!!
(もうなんか醸し出す心持ちにどうしたらいいのか!!!!!!!読むわ!!!国によってスタンス違うからトップの有りかたが違うというの辛い…彩雲国物語の紅兄弟的な…)(ユキさんは彩雲国物語読んでるので例えで出しました)
―バヤジットさん青ですが、キャラクターのモチーフカラーは国に関係したりしていますか?
色と国は関係なくてパーソナルカラーです。
バヤジットは青で、兄は赤とか黒。服の色がそのままイメージカラーになるやつ。
―この流れだとマフムートは金?ですかね?商業国家なのもあってなのか黄金が多い印象です!
マフムートのイメージカラーは赤と金ですね!髪も金髪で碧眼だしかなりド派手。
平時は女性が苦手な可愛くてちっちゃい少年なんですが、戦場では鬼神のようです。
(初見の印象は「刀剣乱舞にいる獅子王みたいな子かな」でした。マフムートくん、目が三白眼よりでとても好みな顔です)(画集の細かさに目を奪われたのは言うまでもない)
―登場人物は男性がやっぱり多いかんじでしょうか?女性陣はどんな人達がいますか?
女性陣もめちゃめちゃ魅力的です!
踊り子、暗殺者、敵将、参謀、協力者、商人、傭兵、大統領などなど。さすが少年誌、主人公の周りには敵にも味方にも華やかさ女性がひっきりなしです!!ただ主人公はウブなので色っぽい会話には顔を赤くしてしまうという…!
―なるほど、マフムートくんはあまりそういった面にはなれていないのですね!どんな子なのでしょう?
性格は真面目でウブでまっすぐで、知も財力もあって、鷲が側にいます。真面目な子です!マフ君の見た目を裏切る策略家な面に惹かれます!圧倒的人気の主人公かと!!
(見た目すごく「きれいな男の子」ってかんじなのに将軍になっていくのすごい物語では…)
―見た目は細くてもちゃんと自分を持った雰囲気、とてもいいと思います!女性陣も華やかさだけではなく知略にも長けたひとも沢山いそうですね…!魅力に溢れた登場人物なのが特徴なのかな、と今お伺いしていて思いました。
そうなんです、女性大統領もいますが、知性も色気もある判断力もある素敵な大統領なんですよー!
将国のアルタイルは敵も味方も嫌いになれないのが魅力で何かしら胸に刺さるものがありますね…どっちかが圧倒的に悪という構図ではないんです。
国と国の正義の戦いがちゃんと描かれてるというか。
(正義の反対は別のまた正義ってやつですね……!!)
―「絶対みんなで倒そうな!」みたいな魔王みたいな存在がいないことで、描き方一つでこの人はこの人の生き方で国をよくしていきたいんだね、が伝わるのファンタジー世界の中にリアルがあるのすごい辛いけどとてもわかる、だからこそ美しいというやつでは…。
すごいつらいけどわかるの塊…!そのとおり!ファンタジーなのにリアルなんですよぉぉ奇抜なキャラクターがうまいことバランス取ってるんですが、入れ込んだら最後…って気がする。(推しが死んだら最後…ともいう)
(ここで来る「推しが死ぬ」という恐怖。死ぬなよいいな絶対死ぬなよ)
登場キャラクターが執政者が多いこともあるけど、国のために個を殺すようなところがありますね。心を殺して国を生かすことを選ぶ人たちの生き様に胸を引き絞られるんですよ…。そして深みにはまっていく。だからこそ、ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬファンタジーです。
―ある意味「生き様を読む」ような作品ですね…。お前はお前の生き方をしていい、それが美しい、でも生きていてほしかったという「個」を見たときのジレンマめっちゃ生まれちゃう…!
選択って残酷でどちらかを切り落とさなきゃいけないし、決めたことに責任を取らなきゃいけない。いきることって選択の連続で、その連なりが歴史なんだなって思い知らされます。善悪も敵味方も黒白つけられない!それが将国のアルタイルです!!
アニメーションの世界で彩られる「将国のアルタイル」
―ところでユキさんは「将国のアルタイル」、アニメになったと思いますがどうでしたか?
(アマゾンプライムで配信していた。さすがのアマプラ)
見てましたよ~!アニメは15巻の内容まで!
超スピードで展開してて、原作と違うところもあるのでぐぬぬってすることもありますが、アニメでファン増えたのでめちゃめちゃ嬉しいです!!
カタカナいっぱい、話むずかしそうって言われますが噛めば噛むほど旨味ばかりなのでぜひ一度お試ししてほしいです!!
(将国のアルタイル15感。表紙が全身図になってきているの漫画家さんの描き方が変わっていってるのが面白い。そして綺麗)
―アニメは何クールでこのお話をやったんでしょう?後アニメの展開はオリジナルではなく話を合わせつつ交えてる感じですか?
アニメ2クールですね!15巻くらいまでは、だいぶぶっ飛ばし気味に進みました。ちなみに私の好きなキャラの過去ははしょられました(笑)
(辛い!!!原作で補完するっきゃない!!!!!!!)
でも入り口として動きがある、声がある、っていうのはとっても大きなことだと思うし、是非触れてみてほしい気持ちもあります。
ユキさんと「将国のアルタイル」の出会いについて
―ユキさんはどうやってこの作品に出会ったのでしょうか?
原作は2巻出たくらいだったと思います、偶然友達の家で読みまして、絵きれいだねーから入りまして…。
で、あ、続き出たんだ読ませてーみたいなことを4巻くらいやってたんですが、5巻出たくらいからやっぱり気になるから既刊買っちゃえーみたいな。
(友達経由あるあるすぎて頭うなずきました…それヒカルの碁で私も経験した…)
単行本から入ってたんですが、いまはもうずっと雑誌派!待てない!単行本じゃ待てない!ってなってます(笑)
―じゃあ本屋にダッシュですか?(笑)
雑誌は電子で買うようになりました。0時に読めるからです!!(笑)
少年シリウスそのものは転スラとはたらく細胞とヒプマイでだいぶ知名度上がったのですがね……そこから是非将国のアルタイルもよろしくお願いします!
(ここで出てくる「ヒプノシスマイク」「転生したらスライムだった件」「はたらく細胞」と売れっ子作品の名前の数々。一つ好きなものがあると全部私は流れで読む派なのでいいな~!!って思います)
外伝たちについて
―ユキさんの表紙が一番好きなのはどれなんですか?
えっどれだろう!!7巻が推し関係しているので好きですが甘夏さんはどれがぱっと見て気になります?
(言われて見てみた結果あまりに装飾品が美しすぎて全然決められない状態になりました。とりあえず13巻細かくて四回くらい見直した)
―決められない…決められない…細かすぎて決められません…!
表紙はその巻で登場する国の衣装がモチーフになることとが多いので、後半は欧州とかのデザインになってるかんじですね!
(それにしたって装飾が細かい…)
―なるほどなるほど…ところで将国のアルタイル、調べてみたら外伝もあるみたいですが此方は?
今2つ外伝ありますけどどっちでしょう?両方描いている人が違うマンガですね!
スバルのほうは、いわゆる「別の国での出来事」ですね。地続きで他国で起こっている物語を描いています。
で、「小国のアルタイルさん」は小さくなったアルタイルキャラクターがあそんでるゆふわスピンオフですね!
(一気にふわふわに…!)
イメージとしては前者は「スピンオフ」ってかんじです。本編に対して「この出来事の横でどういう出来事がおきたか」ってイメージですね。もう一つに関してはキャラクターが皆かわいい好き!!って人におすすめです。
みんな、将国のアルタイル読んでくれ!
―では最後に、ユキさんから「これから将国のアルタイルを知りたい」という人に向けてメッセージをお願いします!PRしてください!
いつも将国のアルタイルを薦めると、カタカナ覚えられないとか長いとか2巻でやめちゃったとか言われるんですよ!もうすんごくもったいない!!笑
掴みが大事だとわかってますが、申し訳ない、2巻はまだ何も始まってないんです!!3巻、4巻で外の世界を知り、過去を省みて、さあ5巻から巻き返すぞ!!って展開なんですよーそこからが熱いんですよーー!
なのでもし無料公開するなら5巻まではセットで推したい。もしくは世界を掌で転がす(!?)8巻まで。笑
アニメだとだいたい1クールで7巻までいくので(展開めちゃ早)アニメから世界観つかんでもらうのもオススメです!
なんと!アマプラも見放題なのです!
アニメから原作漫画読みましたって方の評判めちゃめちゃいいので!ぜひ!安心して!読んでいただきたい!ぜひ!(しつこい)
お話を聞いた上で
「絵柄がめっちゃ綺麗」な第一印象でした。1巻と最新刊の絵のスキルももちろんですが、細やかさは変わることなく良い方向に進展していっていて、表紙のマフムートくんがどんどん精悍な表情になっていくというのも印象的でした。これはアニメーションのアイキャッチを見る限りでもとても感じられていて、才覚ももちろんですが「経験」という絶対的に必要になってくるものを積み重ねていった結果なのかなあとも感じます。
戦争、国がテーマになった作品は沢山ありますし、親を失った主人公の作品もこれまた多くあります。それぞれの国、それぞれの世界で悩み苦しみ苦悩していく子たちのなかでマフムートくんは果たしてどう輝くのか。
将軍といういただきに立つということはなかなか出来ないことで、同じように乱世の中に身を投じた作品というと「キングダム」を思い出しますが、描き方というか「ポイント」とする場所がどこかで違うように印象を受けます。将軍に「なる」ための冒険譚であり成長記であるのと、「将軍として既にいかなければならない」という、大本と成るコンセプトの違いみたいなものがあって、そのへんの世界観の違いもさることながら同じ主人公の彼らの見る世界の違いも読み解いていくとどちらも違って良いものだろうと感じます。
将国のアルタイル、ここではない世界のここではない時代の上でのファンタジーである部分とともに、「地続きの世界」として或る種登場人物一人ひとりの心を「見る」「感じる」作品でもあるのかなと思います。
悪は貫いてこそ悪であると私は常思っていますが、ユキさんのお話を聞いた上での「将国のアルタイル」は悪ではなく「自身にとっての正義」を貫いている結果だったので、ある意味「それは正義」であるんですよね。自分にとっての正義だからこそ曲げない、そう「ある」ことが彼らの正義なんじゃないかなと。描き方一つでどんなふうにも描けるし、逆にいえば主人公も【悪】に見えないこともないわけで、そのへんが戦乱動乱の物語だからこその良さでしょう。
この世界で、マフムート、そして彼の周りの人々がどうやって「生きていく」のか、その生きていく姿を描いた作品、「その時歴史が動いた」として見れる作品が将国のアルタイルなのかなと感じます。
とりあえずアマプラ民なのでアマプラみつつ満喫いってまとめて読もう…そう思う次第です。
調べたら主題歌がシドだったりCHEMISTRYだったりして「めっちゃ!!!聞き覚え有る人たち!!」ってびっくりしました。良い。とても良い。
素敵なお話ありがとうございました。
ということで試し読みだけ先にした結果報告だけ……。
最初の印象は「動きのある絵」というよりも「きれいな絵」という印象でした。最初っていうのも多分あると思うのですが、それと同時にすごい細やかな装飾品に目がいって、この線なに??この装飾何?ってずっといってました。
最初の第一話でいうとマフムートくんが早々に突きつけられた「やらなければならないこと」「将軍として向き合うこと」を考えさせられるっていうところからなのでここからどう進むのか…という興味がわきます。帝国にある意味で喧嘩売っている部分にも繋がっていくわけですから、これが収束すればいいけど火種にもなりかねない。後イスカンダルという犬鷲の目がギラっとするのが強いぞかっこいいぞで素敵でした。肉食というのもあって頭が冴えている主人公と、それに使役される猛禽類という関係が非常に好きなセットを楽しめました……冒険譚というよりもサクセスストーリーなのかなっていう印象です。
「タクティクスストーリー(戦略物語)」っていうキーワードを挙げられているのもあって、「どう動く?どうする?戦況は?」っていうちょっと三国志の諸葛亮孔明を俯瞰して見るような感覚で見られるかな?っていう気持ちでもあります。
素敵な作品のご紹介、ありがとうございました!!