先日マシュマロで下記のようなリクエストを頂戴しました。
ルビーパーティーのネオロマンスシリーズ作品の中でも人気が特に高い「遙かなる時空の中で3」のレポート。
そういえば過去にちらっと「新作でるよ~~~~~アルティメットだって~!!!!!!」と書いてから満足してしまい、そのままでしたね。
元々友人に「遙か記事書いたら?」って言われたことがきっかけだったのですが、気に入っていただけているならチョロチョロのチョロで書かせていただきます。
皆………是非………遙かなる時空の中で3やってください…!
- 「遙かなる時空の中で」シリーズとは?
- 遙かなる時空の中で3ってどんな話ですか?
- 他シリーズ全部追わないとできないのか?
- システムが大幅に変わりました!
- 「運命上書きシステム」というシステム
- この世界を”生きる”人たち
- 遙か3の舞台について
- 遙かなる時空の中で3の魅力について
「遙かなる時空の中で」シリーズとは?
コーエーテクモゲームスが展開する女性向けゲーム・ルビーパーティーの「ネオロマンスシリーズ」。
その中での和風ファンタジー作品が「遙かなる時空の中で3」です。
時系列でいうと
4(日本神話)→→1(平安中期)→2(平安末期)→3(源平)→→7(戦国)→→5(幕末)→6(大正時代)
こんなかんじで、「遙かなる時空の中で3」は源平合戦がテーマ。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす……と平家物語でもおなじみですね。
【これまでの当サイトでの遙か紹介記事】
【1】”原点にして頂点”ともいいますが、すべての始まりとなった物語。女子高生元宮あかねがクラスメイトと後輩の3人で突然異世界にトリップする羽目になり、結果として「この場所を救ってくれ」と言われてしまう物語。アニメ化もしています。言いたいことは「舞一夜同梱版はよ」。私の推しは森村天真(地の青龍)とイノリ(天の朱雀)
【2】1から100年後の末法思想真っ只中の”院政時代”に主人公が行ってしまう作品。2つの勢力で分断されていることもあり、八葉がぶっちぎりで仲が悪い。後神子が連作1メンタル的な意味で強い(1人で異世界にきて、力もない中乗り切る部分が強い)。言いたいことは「とりあえず2のUltimateはよだしてくれ」推しキャラは平勝真(地の青龍)、イサト(天の朱雀)、高倉花梨(主人公)
【4】1よりもさらに前、古事記や日本書紀の時代をモデルにした作品。システムは3によりつつも独自路線を行った作品でもあります。攻略キャラクターが最多。主人公が「異世界生まれ、現代育ち」というタイプ。RPG要素が強いイメージ。コエテクに言いたいことは「伏線回収もっといっぱい出してくれてもええんやで」
書いていないですが5・6も好きでして…6は有馬賞をありがたくも頂戴しまして(大事にとってあります)5はキャラ的にチナミくんの風花記が好きなんですけど取り敢えず風花記最初からセットだったらもっと評価変わったんだろうなぁとか色々思うところもあります(笑)
遙かなる時空の中で3ってどんな話ですか?
女子高生である主人公(デフォルト名:春日望美)は、ある日不思議な少年との出会いによって「白龍の神子」に選ばれる。
少年に導かれ時空を越えた先は、源氏と平家が激しい戦を続ける異世界。
そこで主人公は仲間の八葉たちや白龍と協力し怨霊を操る平家と戦うことになる。
ともに戦い危機を乗り越えるうちに、深まっていく主人公と彼らの絆。
しかし、やがて戦乱がふたりの仲を引き裂いて、時に彼の命さえ奪っていくことも……。
あるできごとがきっかけで「時空を越える力」を手に入れた主人公は決意する。
過去へとさかのぼり、悲劇の運命を変えて大切な人を助けようと──。
ここから、時空を越える主人公の本当の戦いが始まる。
(公式ホームページ「物語」より引用)
すごい!!1・2のときに私が「公式~!!!!公式頼むよ~!!!!!自分で書くしかないじゃんか~!!!」と涙涙しながら打ち込んでいたけれど3はしなくていい!!(笑)
最新作であるリメイクの「遙かなる時空の中で3Ultimate」はこんなかんじ。
(だいぶネタバレしてる気がする)(10年以上前のゲームなのでしょうがない……)
もう上の説明のとおりなんですけれど…遙かシリーズ特有の「女子高生が突然異世界に」「神子という扱いでこの世界を救う」ということは前提となっております。
【共通項】
- 主人公は高校生
- ある日「いつもと違う」出来事にあって、結果として「異世界に」行く羽目になる
- 「この世界を救う」ことが目的
- 神子を支える「星の一族」が存在する
大体こんなかんじです。4はちょっと特殊なのですが。まぁ大体こんなかんじ。
また、本作はぶっちぎりで「いろんな展開」をした作品でもあります。数年前コエテクがCAPCOMに訴えられたミックスジョイシステムを早々に取り入れた(そういえばあれどうなったんだろう)作品でもあります。3の作品はこんなかんじ。
- 「遙かなる時空の中で3」(PS2、PSP)
- 「遙かなる時空の中で3 十六夜記」(PS2、PSP)※ファンディスク
- 「遙かなる時空の中で3 運命の迷宮」(PS2、PSP)※ファンディスク
- 「遙かなる時空の中で3 Ultimate」(PSVita) ←NEW!
4のUltimateは「3+十六夜記」が入った組み合わせの円盤です。
また、PSPは「遙かなる時空の中で3with十六夜記 愛蔵版」として販売されているので「両方合わせてやれちゃうよ!」が売り。
アニメも2回ほど展開しています。えっ……終わりなき運命(壇ノ浦編)10年前なの……?!!!!!
また、近年は舞台化もしています。この辺については後述しますが、当時発表されたときに「ついに…」「ついに…」とめちゃくちゃざわつきました。
2017年には漫画もリメイクで出ましたが…これ…単行本のなかに入っていたっけかな…っていうあれそれ。ちょっと曖昧で申し訳ない。
他シリーズ全部追わないとできないのか?
いいえ、そんなことはありません。
1・2をやっていないけれど3から始めたという方も大瀬いらっしゃいます。
時代はつながっているし、根本的なもので「八葉」「神子」という設定などで重なっている部分はありますがあくまでも、「その時代に生きている人たち」による物語なので、同じ平安時代である1・2、神話の時代にまで遡る4、幕末の5、大正浪漫の6、そして最新作であるコエテクお得意時代であろう7。それぞれはそれぞれに独立しているので「知っていればニヤっとする部分はある」けれど、知らなくても良いよみたいな感じ。
興味を持ったらそこから買ってみてくれれば!!私としては嬉しい!!
ただ、じゃあ「運命の迷宮から遙か3やってみようかな!!」という人には「待って待って~!!!!!」とフォローを入れたいと思います。なぜかというと「運命の迷宮」は、3の大団円があってからの派生作品なので、「3を知らない人には優しくない」からです。
おすすめしたいのは「3→十六夜記→運命の迷宮」という発売順のプレイ。なのでUltimateやって「面白かったな」という人に運命の迷宮をやってもらえたら幸い。
基本的に遙かの八葉の声優さんは同じ枠に同じ人達がやっているのが1~3、声優シャッフルをしたのが4、新たな声優さんたちによって作られているのが5~なので、大まかに分けられると3は1・2・3としての集大成的な要素も踏まえています。もちろん1・2もいいよ!!!!1・2もおすすめです。
でも、1・2と大きく変わったのは「戦乱の中」という部分があり(1・2は”京”という平安時代によく似た世界であり、廃れてきてはいるけれども「貴族」に匿われていることもあり、何かと主人公の立ち位置は平和です。大きな戦火に巻き込まれるところは比較的少なめ)、一方で3は「自ら切り込んでいかざるを得ない」状態になっています。
システムが大幅に変わりました!
まず、大きく変わったところとして、システムがすごく変わりました。
日頃のマップの使い方は
【1・2】1日3回で日数とともに動いていく。
【3】マップがあって主人公たちは実際に動きながら活動が可能。(ミッションで戻らなければならないこともあるけれど、あまり「制限」がない)
という形になり、これが後の4以降にもとても重宝されるようになりました。
また、戦闘フォーメーションが組めるようになったのも画期的だと思います。
「恋愛アドベンチャーゲーム」であることもしかりですが、1・2だと「2人を選んで出かける」というスリーマンセルスタイルだったんですが、今作は「皆で動く」ことがベースなので、自分たちで布陣を組むことができます。戦闘に誰を置くかで相性などもでてきます。このへん完全にアドベンチャーゲームです。RPG要素めっちゃありました。
ちなみに信頼度が高まっていると主人公とキャラクターとの技を出すことができます。また、キャラクターとキャラクターによる技も出せるのがポイント。そのときにセリフが各キャラよって違ったり(イメージすると「この属性とこの属性で組み合わせると新しい技が出せるよ!」みたいな感じです。(幻想水滸伝でいうところの協力技に近い)
「運命上書きシステム」というシステム
遙か3の一番の特徴は「運命上書きシステム」にあります。似た感じのことは他の作品(後発作品)でもあるのですが、3は展開上どうやっても拭いきれない「絶望」を味わわされ、地面に手をつく羽目になった中での「力」として「運命を上書きすることができる」こととなります。
良くも悪くも、これは「現在」から「過去」に飛ぶことで、「現在」の知識を持った主人公(どういう未来を歩むことになるのか)を知っているからこその回避していう、ということです。もとの運命は覆せないし元々その世界に居た人たちは「助けられなかった」なかで(そして「その次元での彼らの人生は続いていく)、どう「変えていくか」がコンセプトになっていきます。
”運命を変える”
正に遙か3のコンセプトにはこれが入ると思います。
この世界を”生きる”人たち
この「京」と呼ばれる世界では「金髪碧眼」という所謂日本人的な様相と外れた存在は「鬼」として扱われることが多く(1・2では「鬼の一族」として出てきます)、忌み嫌われています。その理由として「人ならざる力を持つ」っていう部分があるんですけれども。
今作においてはそれ以外に「敵味方」という立ち位置が非常に重要視されています。
平家か源氏か。その立ち位置によりキャラの考え方っていうのも違います。
史実として源平合戦ではどうだったのかを知っていると更に面白い部分もたくさんあるので、ちょっと学生時代の教科書などを引っ張ってきても新たな出会いがたくさんあるかと。ちなみに私が好きなのは遙かなる時空の中で3のドラマCDに出てくる巴(木曽義仲の嫁)の話です。
白龍の神子”春日望美”の強さ、脆さ、人臭さ
まずは本作の主人公「白龍の神子」から。
CV:川上とも子さん
デフォルト名は「春日 望美(かすがのぞみ)」。ちなみにUltimateではフルボイスになっていてそのままにしておくと名前を呼ばれます。
遙かなる時空の中でシリーズの主人公どころか乙女ゲームのなかでも屈指の「男前」として名を馳せることが多い主人公です。
これについてはPSPの遙か3のパッケージでもご覧いただけるかと思います。
こちらが遙か3PSPのパッケージ。抱かれているのは地の青龍(相手キャラの一人)です。逆じゃないのとか色々言われてめちゃくちゃツッコミ倒されていたのは言うまでもない。
ここで望美のかんたんなプロフィールをひとつ。
- 鎌倉に住んでいる女子高生
- 白龍の神子(白龍に選ばれた神子)であり、源氏に属していることから「源氏の神子」とも言われる。
- 性格は比較的サバサバ系だと感じる選択肢が多め
- 頭はそんなに良くない(地元の英雄を知らないのもあることから)
- どっちかっていうと「作る」っていうより「食べる」派(後述します)
- 武器は刀
- 師はリズヴァーン、兄弟子は源九郎判官義経
- 後々に「あいつ放っといたら無双しちゃう」と仲間内ですら言われてしまう部分も出てくる
- オフィシャルに「獣神子」と言わしめた
1・2に比べて「ダイレクトでの戦闘」が多く、結果として「対:人」との戦闘も出てきます。それは源平合戦という中で生きていく上で仕方ないのですが…正直いって、彼女の負担もとても大きいです。
だって冷静に考えて平家とはいえ「人」である人も当然いるわけですよ。その人達に矛先を向けていかなくてはならないという状況ってしんどいオブ・ザ・イヤーじゃないですか。で、よく比較に上げられるんですけど、「しんどい」の方向性が1・2の神子たちとは違うという認識です。皆違ってみんなしんどい。
望美は”運命を覆す”というタイムトリップする力を持っているがゆえに、何度も何度も運命を変えていくことができますが、その「喪ってしまうこと」への恐怖感と固執感はとても人間くさく、それがゆえの彼女の魅力も盛りだくさんだと思います。
1・2が時系列にそって「戻る」ことができない(ユーザーだけが分かっている状態)なかで3の主人公である春日望美は「ユーザーと一緒に経験し、屈し、その上で”救う”」という有る種無条件にBAD ENDを突きつけられながらの進んでいくことが義務付けられている立場になります。
だから「捉え方がそれぞれに違ってそれぞれにいい」っていうふうに私が称しているのには彼女たち一人ひとりの魅力があり、状況があり、立ち位置が違うから故です。皆違って皆良い。(過去のトラウマ2桁年数引きずってる)
そしてそれぞれの神子がしんどいな…頑張ってるな…皆それぞれの八葉や仲間たちと頑張って生きているんだな…となるので「夢浮橋」も是非よろしくお願いします。
(左:1、中央3、右2の天地の青龍)
望美は自分が大切な人を「助ける」運命を選ぶために、他の死ぬべき運命になかった人を陥ってしまう可能性もあることを把握しているわけですが…それを誰かに分けることはないです。
その痛みとか悲しみとか、全部ひっくるめて「運命をひっくり返す」ことができるのが望美しかいないから、という部分もあり、すごく「人に囲まれた人」であるのに時折「それすっごい彼女しんどくない!?」ってなる部分でもあります。
このへん他キャラクターに指摘されているのが遙か3の面白いところ。「戦いの中で自分の存在意義を見出している」とさえ言われる(大変失礼な話だけど、「源氏の神子」と言われ戦い続ける彼女の「運命を変える」がゆえのことかもしれない)始末。つらい。
「メンタルケア」と言われる部分が乙女ゲーには多くあり、この作品にももちろんそういった部分もありますが、それ以上に「このキャラクターと望美が生きていく上で、選択していく運命」っていうのが魅力の一つだと思います。
「運命の迷宮」では彼女自身についての内容もあります。運命の迷宮は所謂「遙か3を終えたあと、現代にやってきてしまったけれどどうしたもんかな~~」っていうところからストーリーが進むので、現代組である望美は”京”組をアテンドする役回りでもあります。Switchでもう同梱版だそうぜコエテク
また、思うところは最初の遙か祭で川上とも子さんが「ここに居る一人ひとりが私」っていってくれたこと。あれは元宮あかね(1の主人公)としてのコメントであったと思いますが(なにせ「遼遠の旅路を行け」とか歌ってた時代だから…)このへんも含めて、川上とも子さんにとって「女性向けゲーム(乙女ゲーム)」であったとして、ユーザー(神子)がいるからこそ「白龍の神子(主人公)」は成り立つ、っていうお考えをもっていらっしゃったのかなぁ…なんて今もふと思い出すばかりです。
【ここを見てほしいポイント】
- 普通の”女の子”だった人が”選ばれ””失う”ことを経験する過程
- 誰かを倒すということ
- 自分のなかの”願い””望み”を向き合っていくのと同時にその背景にある”時空”を飛ぶことへの恐怖感を考えてみると非常につらい(このへんは想像しながらやると「この子きつすぎる…」ってなる)
- キャラクターに「救われる」し、同時に「救う」。自分の感情に直結しているので良い意味で「自分勝手」なのを自覚しているところ。
- 男前として描かれるところも多いけれど、女子高生特有の泣いて笑って楽しんで、のところもあるところ
- 取り敢えず倒せばいいんだね!という若干脳筋なところもあるギャップ
- 公式で「獣のよう」だの「あいつが一人で倒してしまう」だの言われてるところもあるけれど、相手に寄り添う考えもしようとするところ。目指すところは「平和」「元の世界に戻ること」。
- ドラマCDで苦悩しているところも出てくるからゲームだけではなくドラマCD聞く機会があったらそっちも合わせて聞いてほしい
- 「この人物モデルにしてるな」っていう人がルートによっては出てくるので、そのへんの歴史見てるとちょっとにまっとするところがある。
天の青龍”有川将臣”の「誰のための選択」 か
CV:三木眞一郎氏
立ち位置:主人公の幼馴染かつ……?
主人公からは「将臣君」と呼ばれています。
「りあこ」という言葉を見かけるよりも前(ジャンルの都合だと思いますが)色んな人が有川将臣に恋していた印象があります。
乙女ゲー=主人公の名前を変換できる(≒自分のアバター)として見る方も多いので、そういう意味で「リア恋」していく方が続出していたのもめちゃくちゃ納得できます。
有川将臣は元々主人公の幼馴染です。
同級生で一緒に接していて、至極当たり前…みたいなかんじで高校も同じクラスになって、という「一番主人公を近くで見てきた」という精神的支柱要素も大いに持っていることが特徴。
ネオロマンス、とくに遙かなる時空の中でというシリーズは「天の青龍」が所謂メインヒーローになりやすいんですが、そのメインヒーロー枠。
性格は「おっっまえそりゃリアルに居たらモテるに決まってんだろ!!!!!!!」と頭を抱えたくなり、おおらかでサバサバしているタイプの男子。男子からも女子からもモテるタイプです。
彼のキャラソンで「OK」と突然英語が出てきたときに「なん…だと…」となったのは懐かしい思い出。
ちなみにアニメOPではもはや完全に相手役ですね知ってたっていう状態でした(笑)
将臣は望美や弟の譲と一緒に運命の濁流に巻き込まれて「京」という異世界に飛ばされます。
が、彼は望美・譲と「同じ時間帯」に飛ぶことはできませんでした。
だからこそ不安になったり心配している望美を他所に「夢で会う」ことができる存在です。むしろ当初は”夢でしか会えない”というジレンマを抱えています。
で、再会したときは望美よりも年上になり、随分馴染んだ姿でやってきています。
彼らよりも数年前にたどり着き、そこで出会った人々との経験を胸に「どうしたらいいのか」を彼なりに考えて動いているのがポイント。
また、現代的な人間だからこそ「現実の、自分たちがいた世界の”過去”と類しているこの世界で”これから起きそうなこと”」を考えて、自身の目的のために動ける、頭が回る人です。
"白龍の神子"という重々しい立ち位置に立ち、やることを見据えている望美を「春日望美」という幼馴染で接してくれている部分も含めて非常に情に厚く、良いやつです。
同い年だったのに年の差ができた幼馴染。少し離れてしまったがゆえにイメージとしては「あんなに一緒だったのに」みたいなかんじ*1です。
個人的には運命の迷宮であったカップラーメン食べてる話がめちゃくちゃ現代っ子感があって好きですね!!(笑)
また、彼はフランクな人間であっちにきたりこっちにきたりと色々あるわけですが、その上で腹のさぐりあいもちょっとあったりなかったりするところが興味深いです。
九郎との友情も、所謂「天と地」の青龍であるがゆえの立ち位置や、他の人々との距離も、全部ひっくるめて「相手のこと」を見て「その上で守りたいもの」を考えている、
ジョジョ5部で言うところの「あなた…覚悟してきてる人ですよね…」な感じがあるので、彼のルートは正直後半に残しておいてほしい。十六夜記のルートの彼自身の決断、言葉の重さもおすすめ。
【覚えておいたら良いワード&おすすめポイント】
- 還内府
- 春日望美の幼馴染
- 有川譲の兄
- 兄貴分、幼馴染としての「距離感」
- 他のキャラに対しても変わらぬ態度
- その上で背負っている宿命、使命
- バッドルートも見てほしい
- 夢で制服姿なのに現実ではというギャップ
地の青龍"源九郎義経"が守りたいもの
CV:関智一氏
立ち位置:源氏の将
その名前の通り。作品によっては滝沢秀明さんだったり*2、神木隆之介くんだったり*3する日本ではチンギス・ハーンになってるんじゃないかっていう説もあるお人です。
この作品における私の推しの一人です。初めてやったときから「くろのぞ*4尊いか~~~~~!!!!!!!!!!」ってゴロゴロしていたわけですが(笑)
性格は実直で大真面目。
世の中こんなクソ真面目な朴訥キャラそうそうおらんだろうってぐらいに真面目一直線。
その一方で恋愛の「れ」の字すら興味なさそうな感じがすごいする。
歴史上の人物でもありますが「こちらの歴史」と「あちらの世界」とは違うものなので、「顔がめっちゃイケメンじゃないか」とかそういうのはツッコミとしてナンセンスです。なぜか、別の世界だから。
兄上(=鎌倉殿、源頼朝)に対して絶対の信頼をおき、彼の力になるべく尽力しています。何なら兄上のためなら死んでもいい気質。そういうところだぞ九郎義経公。
総大将的要素も持っているので彼のことを慕う兵の数も多いです。わかり易い例でいうと弁慶や景時との交友関係。
また、十六夜記で出てくる泰衡様(推しその2)との関係も注視していくと、彼らが「なぜ、九郎を好きなのか」「なぜ、九郎に信頼していくのか」っていうのが出てきます。九郎の真っ直ぐさで人が動く。そこがとてもまぶしくて美しい。
でもそこにある「彼自身」の願いなのか、はたまた「鎌倉殿の本願」なのかというジレンマも良い。
望美にとっては兄弟子にもあたり(リズヴァーンを師として仰ぐという意味でも)結構な頻度で「恋愛要素<信愛」に近い部分がこの二人には出てきます。
望美のことを「許嫁」として接しますが(そうしないと切り抜けられない部分があった)、その上でも望美の意見を聞いて、でも違うことは違うっていうところが好きです。素直にごめんなさいが言える。とても素敵なところですね!!
お互いに「譲らないところは譲らない」けれど、互いを大事にしている描写があるのが非常によくて、「源氏の神子」「源氏の大将」という重責を持った中でもお互いをお互いとしてフォローしあえるのが非常にいいです。彼らの恋愛模様はなんというか、少女漫画+少年漫画感で私は大好きです。いいぞもっとやれ。
九郎のおすすめポイントはこれまた史実で出てくる「あの人物」はどうするの?っていう描写にもなります。知っていると楽しいし、知らなくても「キーワード」として用語集で教えてくれるので是非見てほしい。
十六夜記の私服衣装はとんだフェアリーっぷりで当時発表されたときに「どうしたの!?」「妖精じゃん!」とかめっっっちゃ言われてました。私も言ってた(本当にすまないと思っている)
運命の迷宮のときは「ユニクロで見た気がするぞ?!」とも言われていました。つらい。なので個人的におすすめの衣装は通常のお衣装です。EDのお衣装も好き。
後キャラソンについてですが、「瑠璃稲妻の決意」はもうぶっちぎりの名曲だと思うので、是非聞いてほしい。2020年現在でも関智一さんが「俺の持ち歌」として歌ってくれるぐらいには気に入ってくれていることに頭が下がります。
個人的には梶原景時とのデュエットしてた「満月は夜空の真珠」もおすすめ。こう、同じ相手(望美)に対してどのように思うのか。それがとてもしっかりと出ているのが良い。素直に側にいれるか、遠くか、の流れも良い。
【おすすめポイント】
- 無印は「義経」「将」としての生き方が描かれている。
- 十六夜記は「彼が平泉に逃げていく」という歴史に続く物語でも有るのでそちらもしっかり見てほしい。ノーマルルートと彼のルートで見たときの両方からの角度で見た「追われる身」になる九郎の苦悩、決断がすごく良い。
- 「源氏」という肩書を持った彼が「判官贔屓」という言葉が生まれるほどの運命の中、何を守りたくて、どうありたいのかというルートは必見
- カタカナ用語に弱いところもかわいいから見てほしい。推せる。
天の朱雀”ヒノエ”が俯瞰する世界
CV:高橋直純氏
立ち位置:主人公をナビゲートしてくれるが…?
こちらは天の朱雀となるヒノエくん。
1作めのイノリくん、2作めのイサトくんとはだいぶ方向性が異なる、いわゆる”女たらし”枠。
その結果「今まで天の朱雀には落ちなかったのに……!!!」と陥落していく女子、数しれず。
彼については話を進めていくとどんな登場人物なのかっていう描写がしっかり出てくるんですけれど、基本「飄々」としています。寄せては返す漣のように、自分というものを余り表に出しません。
ただ、一方で個人的な感情と、一方での「源平」の戦いに対してを分けているというか、ドライな要素が垣間見れます。冷静というか、にこにこしてるのに腹の底が見えないというか…。
だからこそ望美とのやり取りには「別の立ち位置のヒノエ」と「八葉と白龍の神子」、そして「ヒノエと春日望美」という三つのやり取りが出てくる。一人に対して三つっていうのがまたなんとも言えませんね。やることが多い。
が、そんな彼との関係でいうと、武蔵坊弁慶が出てきます。弁慶とは縁ある立場でもあるのでヒノエが動いていると弁慶がさらっと笑顔で毒を吐く。だがそれがいい。
また、ヒノエと付き合いが元々ある敦盛との距離感や、年齢が近くて仲間になった幼馴染の譲との掛け合いも「男子~~~」ってかんじで楽しいです。
少なからず間に望美がいないことで見えるものや、一方で望美が入ることで関係が変わるのも楽しい。譲とやいのやいのやってるかんじが個人的にすごい好きです。ずっとわちゃわちゃしててほしい。
後、十六夜記の衣装がめっちゃかわいい。めっちゃ好きです(真顔)いいオレンジ。
キャラソンについてですが、ダイレクトにセクシー系です。ダイレクトにああ~~そういうやつ~~~ってなる。彼のせいでカモメになった人続出。わかる、わかるよ……
武器がちょっと変わっているのが特徴。
後個人的には「月を抱く天秤」も人気が高い印象。ダイレクト!!!本当そういうとこダイレクト!!!青さのせいか?!!(笑)
神子との関係は軟派で女性に優しい所謂ちょっとホスト感があるちゃらっとした雰囲気があるヒノエがだんだんと望美のまっすぐに生きる生き方に対して興味を持ったり、共感したりしていきます。
彼にとって「守りたいもの」「一番優先すべきこと」がなにか、がとても重要なキーワードになっていて、だからこその十六夜記エンディングは「ま、マジか~!!!!!!!」ってめっちゃ笑いました。強い。是非十六夜記もプレイしてほしいですね!ずっと「望美」が「ヒノエ」を振り回しているように見えて、実際はお互いがお互いを振り回しているかんじが「駆け引き~~!!」ってかんじです。
また、運命の迷宮では一番「この世界に馴染んでる…」ってなります。携帯使いこなしたりするので本当そういうところの適応力の高さたるや……としみじみする。
【おすすめポイント】
- 飄々としている彼が求めるものってなんだろう
- 他の八葉との女子いないときにやいのやいのしてる感じ
- それぞれの「顔」。トリプルフェイスを是非見てほしい
地の朱雀”武蔵坊弁慶”の微笑
CV:宮田幸季氏
立ち位置:薬師。九郎とともに戦う参謀。
歴史苦手でも知らない人いないだろ…ってぐらい有名人。
有るときは松平健さんだったり、またあるときは佐藤浩市さんだったり、青木崇高さんだったり、時任三郎さんだったり。
その性格は豪胆というよりもだいぶ柔和で穏やかです。
「君はいけない人ですね」と望美に言うわけですが「お前がいけない人だろ!!!!!!!!」とめちゃくちゃやりながらひええ…となった思い出(笑)
穏やかそうに見えて策士なのが特徴。腕を組んで考えている表情にっびりました。
また、彼の中でも後ろめたいことやずっと考えていることがあります。「望んでいるのは平和なのにどうして」となる気持ちになるのが特徴。
彼とのやり取りは九郎、景時はもちろんのことヒノエとの関係も面白いですね。また、敦盛に対して礼節を忘れないところも好きなポイントです。また、景時の妹である梶原朔とのやりとりは全部終わった後にやるとぐうう……ってならざるを得ないあの感情。つらい。誰に対してもきちんとしていて、穏やかで、だからこその策士としての色がはっきり出る。
また、おすすめのルートは「どっちが好きか」なら全力で十六夜記が私は好きです。
弁慶でいうと歌舞伎では欠かせない「勧進帳」がありますが、それも踏まえての「ううっ…」となる要所がたくさんあって、そのへんがめちゃくちゃ少年漫画~~!!!ってなります。ネオロマンスそういうことすぐする。推せる。
色んな曲が弁慶にもありますが、個人的におすすめは「紫陽花の残夢で逢いましょう」。
もう色んなものがつまりすぎてて「あああ…」とならざるを得ない。どのルートのどのときのどの心情なのか。このへんは出たタイミングをゲームやった後に調べてもらうと分かると思います。そうだね!!弁慶はそういう人だね!!ってなるやつです。
運命の迷宮に関して言うと格好がめっちゃくちゃホストっぽい白い服にスーツで似合っているという。フードだからかもしれません。リボン似合うな~って思います。後弁慶さん運命の迷宮だと「弁慶~~!!!!」ってなるあれそれ。盗んだバイクで走り出しちゃう…!(ニュアンス)
【弁慶ルートおすすめ話】
天の白虎”有川譲”の恋い焦がれる道は
CV:中原茂
立ち位置:春日望美の幼馴染、有川将臣の弟
望美と将臣の一つ年下の後輩くん。
もうまさに「できる男」「この人2年になったら生徒会選挙に駆り出されるの不可避な人だ」っていう典型。
弓道部でこつこつ頑張っている人です。幼馴染である望美に対しても「先輩」といい、きちんと線引できる地に足がしっかりついたタイプ。
一方でお料理上手で、この作品におけるオカン。まさかのスチル差分で食べ物3種類だったことがあって当初めっちゃ笑った。
基本あまり勉強ができない望美の横で「普通の人」の反応をしています。望美と一緒にこの世界にやってきた人で、そして自分の先輩である望美を守らなくては!という気持ちもすごく強い。
当初より望美に懸想を抱いている一方で、絶対的にかなわないぐらいの距離を持つ「兄」の存在があったり、劣等感に苛まれたり、本当に「人」らしい人です。
その上で誰のために生きていたいのか。自分が見つめたいのは誰か。望美に振り返ってほしいのか、それとも…?というのが重要。
ネタキャラ扱いされやすい人でもあるんですが、彼の本筋でいうと「努力していくこと」が実を結んでいくこと。
また、平家物語では欠かせない「弓の名手」といえば那須与一なわけですが、サブキャラとしての彼の描写がしっかりと出てくるのがポイント。
高校1年生、ついこの前まで中学生だった男の子が兄を失い、好きな人とともに戦場に立つことを余儀なくされてキャパオーバーになるなっていうほうが無理な話で、そういう意味でも彼は実に朔(景時の妹)や、白龍に対して優しい一面を見せてくれます。
譲に関しは十六夜記のルートと衣装が!!!!!非常にいい!!!!!もう全力やってほしい気持ちでいっぱいです。
遙かなる時空の中で3は、キャラクターによって無印で「帰還エンド(現代エンディング)」だったなら十六夜記で「残留エンディング」という形で両方の形があります。
そのキャラによってもちろん「どっちのほうがいいのか」は人によって感じ方それぞれですが、譲は私は十六夜記がすごい好きで好きで……。
彼自身、当初から好意を寄せているからこそルートを終わらせた後だと「ごめん…ごめんな…!!」という罪悪感が生まれるので(笑)個人的には後々のほうがおすすめです。
運命の迷宮では、「現代人」として、こちらにいるからこその日常を動いているのがいいなあと思います。もちろん八葉としての役目もあって…みたいなジレンマもあります。弓道の話ピックアップされてるから是非。
おすすめキャラソンは「憧憬のプリズムは七色」。
コンプレックスが…コンプレックスがしんどい…!!!ってなりつつ、彼が見る世界をすこし垣間見れます。
しかしながら譲って仮にどんなルートにいったとしても「彼女が幸せなら」って自分から手を下ろすことができる人でもあるので、そういう意味でも…そういう意味でもつらい……お前高校生だろう……!?もっとわがままに生きていいんだよ…という気持ちに今やり直すと余計に思います。幸せになってくれ(n回目)
【有川譲のここをみて欲しい】
- 好意を抱く故のジレンマ
- 兄に対してのコンプレックスと信頼
- 同年代の人々との和気藹々感
- 白龍、朔のちょっとしたコミュニケーション
- 身を削ってでも守りたいものへの信念
- 那須与一という登場人物をどう扱うか
地の白虎”梶原景時”の表裏
CV:井上和彦氏
立ち位置:源氏の御家人
頼む~~~2022年大河ドラマで誰がやるのか教えてくれ~~~!!!!!!!!*5って思わずには居られない。
景時に関して言うともう…この…!!!笑顔で飄々として、へら~っと脱力系陰陽師で、「御意~ってね」といったりする同じ軍にいる九郎とは対比的な雰囲気を持っています。
人当たりもとってもいい人なんですが、このギャップが激しい。景時お前ってやつは。
もうどこをカットしてもネタバレにしかならない。景時に関しては「景時~~!!!!!景時ってやつはよ~~!!!」みたいな気持ちにしかならないんですがそこも含めてめちゃくちゃ好きです。
「人くさい人」というか、歴史上の梶原景時の立ち位置的に仕方ない部分もあるんですが景時の「仕事」モードと「景時自身」の望み、願いのギャップがつらい(つらい)
本編で笑顔の裏にたくさんのものを隠して生きてきた彼が望美という存在に出会い、動く中で自分の心を向き合いつつ苦悩するシーンは「景時〜!!!!!!!」とやはり叫びたくなります。つらい。
景時自身もまた他のキャラ同様に抱えてるものがたくさんあって、取り捨て選択せざるを得ない。つらい(n回目)
寝起きの髪の毛下ろしてる景時のスチルは言わずともがな必見。いつもにこにこーっとしているからこそのギャップ激し目。
また、十六夜記については源義経や梶原景時の歴史を知っている方なら心が………心が辛い……「八葉」として選ばれた彼が八葉としてではない立ち位置として仲間同士でのあれそれになるのはもうやりながら景時…景時もう落ち着いてくれ……と咽び泣いてました。つらいがすぎる。あと十六夜記ルート登場シーン的な意味でも色々思うところはあるんですが、無印やった後にこのエンディングだと滲み入る感情があります。感慨深い。
運命の迷宮に関していうと景時って自分に対して自信があまりない(自己評価が低い)人で、また現代ではヒノエに次ぐレベルで馴染んでるのに流れきれない悩みの種もあってのジレンマをいかにして向き合っていくかが焦点になるわけです。エンディングスチルとその流れめちゃくちゃ好き。
キャラソンに関しては九郎とのデュエットを十六夜記ルートやった後にまた聞くと感慨深い。景時ィ…!!
というか説明しようとすると全部が全部ネタバレなのが本当に…本当に「そういうとこだぞ」ってならざるを得ない。夏という光の泡沫も好きです。名前だけだとこれが一番ぱっと見てネタバレじゃないと思うから聞いてください。
10代の頃やった時の印象と、年月を経てやった景時の印象がだいぶ変わっていて、彼の苦悩や彼の決断に対して「そうだよねえ……」と思う部分がとても増えた印象です。社会人になった今、刺さるものがたくさんありました。
多分多くのネオロマンサー(ネオロマユーザーのことをこう言う人もいる)の人生を狂わせた男の一人。
【梶原景時そういうとこだぞポイント】
- 妹の方がしっかりしてる
- へらっとしている陰陽師
- 他人に対して優しいが、自信が薄い
- 面倒なこと嫌い(わかる)
- 中間管理職辛い(わかる)
- それでも選ぶときは感情を捨てようとするところ(ルートやるとつっら…となる)
- 譲や年下組と飄々とやり取りするところも良い
- 実は腹の探り合い描写こころえぐる
- いろんな意味で「救われろ」ってなる
- 声優さんの「温度差」がダイレクトで伝わってくる。オン・オフが激しいのでそこにぞわっとする。井上和彦氏すごい。
天の玄武”平敦盛”が冀うこと
CV:保志総一朗氏
立ち位置:平家の公達。
平敦盛に関しては、平家物語でも切ない話でおなじみですね。熊谷直実のエピソードは非常に旨を打つ盛りがあります。
本作ではこのエピソードをベースに作りイメージされています。
ちなみにこのエピソードでめちゃくちゃ有名になった結果、いろんな形で表現されて、そのうちの一つが信長が愛した能の「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け滅せぬもののあるべきか」でもあるわけです。
「下天の華」という作品が後にネオロマンスシリーズから発売されていることを考えていくと何だか因果めいたものを感じますね。
思えば遙か7の主人公は「信長の娘」という設定だし、「下天の華」では主人公が信長のしのびになっていく物語です。コエテクは信長、そして真田幸村に関して言えばゲーム会社としてとても貢献しているもので(題材にしている作品めちゃくちゃある)そこを紐付いていくなかで「敦盛」をキャラクターで起用したこと何だか縁だったのかもしれないなあと今でこそ思います。
口数の少ない、品の良さそうな少年、と公式に紹介があるとおりですが敦盛は「平家」側の人間です。
その上で何故「源氏の神子」である望美たちと行動をともにするのか。もちろん理由があるわけで……。
この話がどこを切り取っても切ない&しんどい。
彼自身の彼が生きている、生きようとしている姿がただただルートを進めていくと「この…このひと幸せになってくれよ…!」といいたくなる。
敦盛に関しては平家の人なのに源氏と?となる流れながら九郎や弁慶にも礼節をもって、しっかりと喋り方をしています。彼自身は「遙かなる時空の中で」という作品で外せないコンセプト「怨霊」というものを平家が使役していることについても深く掘り下げられていることもあり、物語において知っているとすごく「ああ…ああああ…」ってなる部分がめっちゃ多い。
運命の迷宮ではなぜ髪の毛を切ったとは思いますが(ロングが似合う)(おかっぱもでもかわいい)、現代の服装がとても似合います。
彼とのコミュニケーションで私が好きなのは神子とのやり取りもそうですが、譲、リズ先生、そして将臣ですかね。
また、彼は平家側だからこそ「あちら」に肉親もいるわけで、そんな彼らと対峙することっていうことはどういうことなのか…を感じさせられます。
なお、彼自身の物語だと「幸せに!!!!!!!!するわ!!!!!!!!!!」ってめっちゃ思います。自己評価が低い、距離をとりがちだからこそ神子との距離感が変わる瞬間というか、秘めたものを沢山抱えてそれでもどうにかこうにか「目指す先」を見て「生きること」について考えさせられます。無印、十六夜どちらのエンディングを見ても彼自身の「運命」について、どう神子が、仲間が寄り添っていくのか……みたいなのが見えるのが切なくてまたとてもいい。
おすすめは「花篝のささやかな恋よ」。切ないそしてかわいい。
なんかもう言えることは「幸せになってほしい…」っていうのと「彼自身の幸せってなんだろう」ってなるんですよね…こっちの勝手な願望かもしれないけれどでもこの選択をしたいし、っていう。ジレンマ~~!!!ジレンマの極み~!!!ってなるので…あの…是非…彼のルートやってください…。
【敦盛のここがおすすめ】
- 薄幸の美少年。
- あまり自分に対して評価が高くない
- 平家ながら源氏にいる
- 「平敦盛」の逸話を知ってると胸にくる
- 誰に対しても喋り方が穏やかな公達だからこその雰囲気
- 肉親、身内との対峙がつらい。
- 命燃やして恋せよ乙女、と言いたくなるこのかんじ
- ヒノエに対しての呆れたやり取りも良い。
- 照れた顔がめっっっっっちゃくちゃ可愛い
- 彼のルートでいうと望美がグイグイ行く。良い意味で引っ張っていく
- 運命の迷宮冒頭で早々に私は「それ手にとったらいけない!!!!」と頭をかかえた
- 彼のルートの時は他のキャラとの掛け合いが特に「お前だって!!ちゃんと仲間だからな!!」っていう要素が強い。乙女ゲーっていうかRPGとか少年漫画後半にあるやつ……!好き……!
地の玄武”リズヴァーン”の懇篤
CV:石田彰氏
立ち位置:九郎・望美の剣術の師、鬼の一族
愛称は「リズ先生」「先生」
リズ先生は当初より望美のことを知っている様子で…という「春日望美」と「遙かなる時空の中で3」というシステムを非常に結びつけている存在でもあります。
正直彼のクリアは後半がおすすめ。譲とは別の意味で重たいが極まっている……。玄武組はいつもそうだ…!作品の厚みをより出している人だとも思います。
最初は望美に剣術を教え、もともと九郎の師でもあったことから同行してくれる、頼もしい師。そのうえでの第一段階での行き場のない悲しみをより具現化してしまっている部分もあります。私は最初やったときに「えっ……え!?!」とめちゃくちゃ気が動転しました。嘘だろう先生……!?
また、先生に対して皆が「先生」と言っているのがすごい好きなんですよ。作品が血なまぐさい中で、そこでのやり取りが一瞬ふわっとしているというか。
先生に対して「はい、先生」と望美や九郎がいうところもそうですが、譲たちが言うのも好きです。先生はみんなにとって先生なんだよ……。
彼は「鬼の一族」であり、その「鬼の一族」とはどんな運命をたどったのか。
そう、1,2がここにつながってくるわけです。
もちろんやっていなくても楽しめるけれど1,2での「敵対する立ち位置に居た彼ら」がどのような運命をたどってどういう流れでリズ先生に行き着いたのか。
その物語について本編で触れているのを見ると、「憎むべき相手」で、「京を退廃させた」という考えを持つイノリたちの気持ちもわかる一方で「我々はただ平穏に生きていたかった」という気持ちが出てくるのもすごく…すごくそのとおりだよなあ…ってなります。
リズ先生のルートはもう全部ひっくるめて大好きなのですが、基本師弟関係であったり、戦場に立つ神子をフォローしてくれるんですが、九郎・望美が彼を待つシーンが有る流れでの彼女の感情を考えたら「しんっっっっど」っていいたい極み。
「運命」という言葉がとても似合う人でした。それがお前の選ぶ運命なら。まさにこれ。
基本、望美の選んだことについて「運命」として受け止める。そしてその背景には彼の人生がある。それが「彼の運命」だから。
だから向き合える流れはもうなんか「やって!!!!」に尽きる。
ちなみに運命の迷宮ではリスのスチルが私は好きです(笑)
石田彰さんの「~だ」「~である」という口調は泰明・泰継でも経験してきましたが、このふたりともまたちょっと違った修羅場をくぐり抜けてきたからこその先生の喋り方、重みもあって「声優さんってすごいなあ」とつくづく思うばかりです。
石田彰氏(あー様)はあまりお歌を歌わない方なので(昔は歌ってたんですけどね…)、リズ先生のお歌はない一方で朗読(語り)があります。
本編の朗読もあるのですが、個人的に好きなのは”神子がいない世界”にいってしまったスピンオフ。これ神子である川上とも子さんが亡くなったこととかけているのかなぁ…と未だに思うのですが、その上でのリズ先生の感情「時空の彼方へ」はとても刺さるものがあります。名前でいうと「彼方へ…」は泰継も実は語りであって「地の玄武~~!!!!!!!!」って顔にならざるを得ない。
ゲームが終わってからでもいいのでそのシリーズ「花の名残」は聞いてみてほしいなあと思います。
黒龍の神子"梶原朔"の祈り
CV:桑島法子さん
今回の黒龍の神子です。
「望美」が「満月」であるなら「朔」は「新月」。当初から「私の対」として非常に友好的、かつ親切です。
望美が最初に出会った「こちらの世界の人」でもあります。
ショートカット美人イエー!!!!!!といいたいところですが(ショートカット好きなので…)、時代背景的なものも含めて彼女は未亡人であり、すでに尼寺に入っているために現在のこの外見であることも示唆されています。
“黒龍がもういない”ということや、黒龍の力(留める力、停滞する力=怨霊を生み出すこと)を平家がしていることに対して心を痛めてもいます。
また、非常にしっかりしているのがポイント。景時に対して「兄上!」と言っていることも多いですが、同時に妹らしく下がっていなさい、と言われたりちゃんと彼を頼るところもあるので、梶原兄妹すごく見てて心休まります。日常パート本当にかわいい。
朔に関して言うと「白龍と黒龍が揃うことでの”応龍”」というこの「遙かなる時空の中で」というシリーズにおけるコンセプトの重要な役割を担っています。
何故平家が怨霊を生み出すのか。
何故彼女が黒龍を喪ったのか。
何故彼女が未亡人なのか。
正直朔に関しては白龍ルートと合わせてやるともう心が…心がしんどい…。
龍神の神子が龍神の神子としてどうやって生きて、どうやってこの「京」そして「世界」を救うのか(1・2では「京」になっていたけれど3では「国」に変わっているのは2のエンディングで花梨が望んだことでもある、っていう考察を見かけてウウっ…となりました。高倉花梨好き…)
また、彼女はいつでも望美の親友で、望美のことを思っているのが伝わります。恋愛面についてだけではなく友愛、信頼として「友情」を最優先して彼女のエンディング見たくなってルートがあるの本当に嬉しかったです。さすがコエテクありがとうコエテク。
後日談も込みで朔にとっての「しあわせ」は何だろうと考えながら進めていくとほっとする部分がたくさんあります。
十六夜記は彼女のエンディングがないのが解せない……という気持ちでも有るんですが、彼女と望美のありかたを考えたらそれはそうなのかもなあ…っていう部分でもあったり。
良い意味で対であり、お互いがお互いを「大切」に思う気持ちがにじみ出るのが良い。
ちなみに朔のおすすめの関係はやっぱり兄である景時、そして白龍、後白龍挟んだ書紀メンバーの譲とのやり取りも好きです。ヒノエが朔に対して深くいかないあたりも含めて線引が上手なのも面白いですね。
キャラソンは「馬酔木の花幻想」をまず聞いていただきたいのですが、この歌詞がね……もうね…あの…つらい…幸せになって…。
ゲームやったあとにぜひとも「逝春の心は黒曜石に」を聞いていただきたい。歌っているのは違うかたで盛大にネタバレするわけですが、でもあの……歌詞と歌みたら頭抱える。対比になりすぎててしんどい…つらい…。だからこそのエンディングにぼろぼろ泣くあれそれ。
【おすすめポイント】
- しっかりした妹
- 女の子同士の「友愛」「信頼」「対」としての関係が美しい
- 神子という使命と宿命を抱いた彼女たちの悩み
- 悲しみを持ちながらそれでも「生きる」こと
- 望美に対して「姉」のように優しさを持っている所
- 男キャラとのやり取りも恋愛とかそういうのを抜いても彼女の中での思いが明確だからこそとても素敵なものが満ち溢れている
- 幸せになってほしい(n回目)
- ミニキャラで察してほしい「幸せになってほしい」
白龍が求める”わたしのみこ”
立ち位置:神
幼少の姿が大谷さんで、大きくなると置鮎さんです。見かけが変わっても中身は同じ、がポイント。
最初は力を失っているので小さな姿ですが、大きくもなれます。そのへんはネタバレになるので話進めてください(笑)私は小さい姿も大きな姿も白龍なので好きです。
力を失った龍神の「陽」の側面だといわれている。けなげで可愛らしい。
と、公式説明にこれしか書かれていないのめちゃくちゃ笑いました。そうだね…うんまぁそうだね…?
神様として力が弱体化しているのが特徴。
「彼」は過去の星の一族と同様に主人公・望美のことが大好きです。彼女を選んだのは彼で、彼が一緒にこの世界を救ってほしいという気持ちと「彼女が大好き!大切!」っていうのが出てきます。
神子のどこが好き、というポイントについて白龍はダイレクトに「魂」が美しいというんですね。そこが心を震わせるというか。
つよくて、かっこいい!という褒め言葉が(正直乙女ゲーだぞ!?とは思う反面、だよね~!っていう同意感もある)あったりと、本当に素直です。実直。
神子を彼が選んだからこそ、それに望みが応える。この関係があるなかで、彼が「神様」としてあることがゆえに他の神様(白龍がいて、四神がいて、という世界観)のちからを得てという物語だからこそ、「彼が納得させていかないといけない」なかで人と神という関係がゆえの流れが出てきます。
神様だけど譲の作った「はちみつプリン」を素直に美味しいといったり、喜怒哀楽をくるくると回しながら表現してくれる素直なところに癒やされっぱなしです。その上で
「神子」の願いを叶えようとする姿が愛しくて愛しくて。
先程朔の項目でも話しましたが、朔のストーリーをやったあとに白龍のストーリーをやると「神様」との関係についてとても考えさせられます。この「神様との距離感」が4につながっていく部分も大いにあのかなと。
また、白龍に関しては「対:神様」であるなかでも彼らは「仲間」として接しているので、キャラクター同士の交流も余り神様神様~!!ってかんじはしません。譲とか完全に最初「弟である子が自分より下の子を面倒みている様子」みたいなかんじでめちゃくちゃ和む。
白龍に関してはEDが無印にしかなくて、十六夜記にはないのですが、プラスしてある運命の迷宮のエンディングが!!!とても!!!好きです!!Switch同梱版はよ!!!!はよ!!!!!!!!エンディング後日談も含めて是非!!!
また、Ultimateの後日談も「かわいいだけじゃないぞ神様」が詰まっているのでそこも是非。
「この世界を見守る神様」が、「この世界を救ってくれ」と選んだ神子とともにどう戦って、どう神が変わっていくのか、もポイント。
声優さんが二人いてチェンジするからこそのギャップも含めて非常に面白いキャラクターなので「なん…だと…」が詰まっていると思います。
おすすめのキャラソンは作品主題歌でもある「運命の鼓動よ」
白龍が歌っているからこその厚みがあります。
サビ部分の大人/子どもの白龍がハモっているのが非常に美しい。
神子を思うだけではなくて「この世界」を大切に思う彼の慈愛にも類したその歌が本当に美しくて、エンディングにスチルがわーっと(そのキャラルートだと流れる)出るのがうっ…って思いを振り返られるのが良いのでぜひしみじみしてもらえたら…。
平泉の従者”銀”と十六夜の君
CV:浜田賢二氏
立ち位置:奥州平泉藤原家の従者
ファンディスクである「十六夜記」にて初登場となる銀。
その見かけはどこか嘗て敵対した平清盛に似ています、が彼自身は記憶を失っており、あくまでも「奥州藤原家の郎党」として彼女たちをサポートします。
過去の記憶をすべて失っているものの、どこかで、なぜか望美のことを知っている様子です。
穏やかで優しい雰囲気を持ち、その一方で「儚い」が熱盛とは別の方向に全振りしているような人間です。
彼自身は藤原家、とくに泰衡の従者なので黙々と仕事をこなしています。一方で自分の記憶について望美と話したり、一緒にいる人々と会話をするなかでいろんなことを考えていきます。
銀とは誰なのか。平清盛なのか。はたして他人の空似なのか。そこらへんは本編やるとちゃんと語られています。
半信半疑の中で、「別人」として接しなくてはと思うものの、雰囲気が似ていることもあって望美はじめ将臣なども動揺は当初隠しきれません。
銀は銀として、泰衡に対しての忠誠が有るからこその流れがね…もうね…しか言えなくなります。また、遙かなる時空の中でシリーズに欠かせない単語「呪詛」というものについても取り扱っているキャラだからやりながら「しんど~~~~~~~~」って今やり直したら頭抱える。
個人的に好きなのは「銀」と名付けられた理由が「金(くがね)」という犬がいて、そこから…っていう。金銀の奥州藤原だからなんでしょうけれどもふふってなる一幕です。
ちなみに運命の迷宮に関しては「遙かなる時空の中で3」の大団円エンディングの派生作品にあたるので登場機会はほぼなしに近いです。が、まぁなんやかんやはなんやかんやで取り敢えずやってみてほしいかなってかんじです。
【ここがいいよ銀ポイント】
- 十六夜記追加キャラクターならではの厚み
- どこか人形のような、それでいて「心」を持っているからこその儚さ
- 自分とは何でどこへ向かうべきなのか、従者としての立ち位置のジレンマ
- 平家でもなく、源氏でもなく「奥州藤原」という新たなステージのキーとしての振る舞い
- 「平知盛」との関係はいかに…!!
- ふっと笑ったときの表情が非常におすすめ。優しげな目元がとてもいいのです。
平家の将"平知盛"が与える影響
CV:浜田賢二氏
立ち位置:平家の将
知盛に関してはかつてインターネット上で「チモ」と呼ばれ、ネタとして「ファインディング・チモ」とも言われたことがあり(時期的にファインディング・ニモとかぶってたのもある)、当初攻略できない人物として「やだ~~~~攻略したい~~!!!」となる神子の数々しれず。私もです。
けだるく退廃的な雰囲気で、喋り方もゆっくりなのが特徴。
また、戦いの中で生きていることを感じるタイプの人で「こいつ…!」となる部分も多くあります。
なので、必然的に望美との対峙は戦場で、かつ戦っている姿をみて彼女に執着を起こすように成るタイプです。なお、「獣神子」と主人公に対してそんなこと言うやついる~~!?と思うじゃないですか。この人です。
ちなみにこの人のエンディング本当に面倒に面倒に面倒を重ねて運命を何回も経験したことで得ることができる人です。だからこそのストーリーが本当にユーザーとしても神子の気持ちになるというか「つべこべ言わず剣を交えれば分かる」という所謂剣術脳みたいなことになります。遊戯王ぐらいでしか見たことなかったけど乙女ゲーで居たって落ちは中々強烈だった。
知盛に関しては十六夜ルートの中で普段の彼がどういうやり取りをしているのか…とか、どういうことを考えているのか…にふれることができます。本当に蝶のようというか、食えないというか、望美に彼が執着するように、動かし続けている我々もまた彼に執着をしているのです…みたいな気持ちになります。
Ultimateで銀(平泉・十六夜記)と知盛(壇ノ浦)という意味で神子を間に挟んでいるのもある意味納得だな―ってなるばかりです。
知盛に関しては全部やりきってから「やりきった…」というなんかもうなんともいえない気持ちになります(笑)個人的に将臣に対してや敦盛に対してのやり取りが好きです。好きなのは平家3人で歌ってる曲。これめっちゃ楽しそうで!!!!いいですよね!!!語りなあたり「でっすよねえ!」みたいなかんじもあっていい。
4代目奥州藤原家”藤原泰衡”の歩く修羅の道
CV:鳥海浩輔氏
立ち位置:奥州藤原家
PSP版出したときに「攻略でき…できんのかい!!!!」と言わしめた人。ちなみに十六夜記やって推し2になった人なんですけれど何年も攻略できなくて「ルビパ~~~~~~~!!!!」ってずっと叫んでました。ありがとうルビーパーティー。
奥州藤原家が滅亡に至ってしまうときの当主です。
ちなみに遙か3十六夜記が発表された頃合いにコーエーテクモゲームスで出している人気爽快一騎当千型ゲーム真三國無双4にて新キャラとして曹丕様が出てきまして。
当時私はどっちが先だったか覚えていないんですが「ビジュアル似てるな~~」ってめっちゃ楽しんだ思い出があります。
- 真・三國無双4 オフィシャルサイト(ホームページ展開がFLASHなのすごい時代感)
まぁそれはさておくとして、先行ダウンロードでは彼が攻略できます。
今はもうそのダウンロードもできないんですが、(コエテク…コエテクなら…やってくれるって信じてる……!Switchではちゃんと入れてくれ…!)やった感想として。
泰衡様は奥州藤原に生きる人です。その立ち位置は九郎の嘗ての旧友で、かつ銀の主人です。
終わり方が終わり方で「おいいいいいそういうことする~~!!!!?」と後の葛城忍人(遙か4)よろしくなトラウマメーカーでもあるんですが、彼は彼自身の生き方、あり方の上で成り立っている人です。父親のこと、友人のこと、奥州のこと、諸々を見た上での決断をしているので神子に対しても容赦ないあたりをぶちかましていきます。
九郎のことを友人として大切にしているからこその発言の諸々ですが神子として「このやろう…」と思うこともまぁなきにしろあらず(笑)銀のルートをやると色々思う所あります。ただそれでも嫌いになりきれないのは、彼自身が「誰のために」「何のために」「生きているのか」を考えるからなのかもしれません。キャラソンの「黒き氷塊の楼閣」が結果として「お前ってやつは~~~!!!」って頭抱えます。
彼のルートとして考えるのは「奥州藤原」の物語として「炎立つ」を猛烈に思い出すわけです。修羅の道すぎる。私が見たのは片岡愛之助氏と三宅健氏の「炎立つ」だったんですが…。 *6
まぁなんかそれを踏まえた上で神子と泰衡様が歩む道を考えると全く、いや全力楽じゃなくて、その上でも選ぶ過程が良かったのと「先行じゃないとやれない」っていうのもわかります。王道か邪道かでいえば邪道であってもしかりでしょう。コンセプトからすると「そりゃねえぜ」かもしれない。でも、彼自身の報われたというか、救済措置としてその道か~~ってなるのめちゃくちゃ顔覆ってました。そして神子男前。
なんで、泰衡様に関しては「徹した悪役だからこその美しさがある」「彼は彼の道をいったのだ」と思いながらやるといいと思います。人気声優だから人気が出たというよりも、その生き様がゆえに評価されて人気出て最終的にPSVitaの現在でやっとルートが出た、みたいなかんじですかね。でもやっぱり次の移植では色んな人にもやってほしさある…。
【藤原泰衡はここがいいぞ】
- 「友人として」「当主として」どうあるか、どう考えるか
- 「炎立つ」を知っていると彼のルートでアーーーーッってなるところもある。アラハバキィ……。
- 意思を持った人というのはやっぱりかっこいい。
- 何やかんや理路整然としているので、ぐぬぬ…となる部分も多い
- 金のエピソードかわいい
- 父とのあれそれしんどい(しんどい)
その他のキャラクターの魅力
この作品、登場人物がそれなりにいるので何ともいえないのですが、例えば鎌倉殿こと源頼朝とか、尼将軍北条政子も当然出てきますし(個人的に北条政子が歴史上人物として好きなので色々面白い)、清盛についてもエピソードがいっぱいでてきます。
平家物語を知っていたり、逆に知らないから「ここからきっと派生していったんだな」っていう文献を調べていく機会もすごく出てくると思います。少なからず学生の時分、そういうことをして「そうなんだ~~」ってなっていきました(笑)
人一人とっても、どんなことを考えてどんなふうに生きて、「その生きている」ということの価値を生み出していく作品かなと感じます。
3は1・2に比べると血腥いです。怨霊と戦ってきた神子たちも腐臭やしんどい思いを沢山してきているに違いないなかで、対人というのはまた違った形でメンタルが削られていくことでしょう。まとめて神子幸せになってくれよ……と感慨深くなる作品でもあります(幸せになってくれ)
遙か3の舞台について
遙か3の舞台化はずっと期待を寄せられていたのですが、実際に舞台化され、6月には再演を予定しています。
私はお伺いしていませんが、吉川友さんが望美を演じるにあたって友人のハロヲタがすこぶる喜んでいたのが記憶に残っています(笑)殺陣の多い作品だからこそ見栄えもきっとするだろうし、良い作品になっているといいな~と願うばかりです。
遙かなる時空の中で3の魅力について
キャラ紹介でほぼ使い尽くしているかんじがするんですが、「生きてる」「生き様」を感じる作品だと思います。
今までのものを踏襲し、その上で「新しい遙か」として作ろうとした一つの区切りでもあるというか。
一人ひとりが使命を持ち、譲れない感情を持ち、願いを持ち、そして生きようともがいている。誰もが幸せを願い平穏を望むのにその願いが叶うにはどうしたらいいのかの葛藤の物語でもあったのではないでしょうか。
だからこそエンディングの「運命の鼓動よ」がめちゃくちゃはえるし、人間くさくあり続けようとする(もちろん乙女ゲームである以上有る一定「きれいな部分」があってしかるべきではありますが)彼らを私は愛しいと思うし、物語としてよくできていたなぁと思います。
「時空跳躍」という力というとどうやっても「強い状態での2周め」とか(いわゆる転生系)と同類にされがちなんですけれども、それはそれで「強くてかっこいい」上でのズレが生じてくるのと同様に「直せば直すほどなにか違うことが生まれてくる」わけです。
その生まれたことについてどう立ち向かっていくか――そんな、戦いのクロニクルでもあるのがこの「遙かなる時空の中で3」というシリーズ作品なのではないかな、と感じます。
PSVitaで出ていますし、Vitaがもう廃盤になっている今「やって~~!!!」とコール出すのはすごい心苦しいというか「Vita持ってないわ」って言われたらそれっきりになっちゃうんですが6DXもSwitchで出たし……今年7でSwitchも出るし……いろんな形で「もっと楽しめる!」の機会が増えていってくれたらいいなあと思います。
(左からリズヴァーン、武蔵坊弁慶、有川譲、源九郎義経、有川将臣、平敦盛、梶原景時(下)、ヒノエ)
「不朽の名作」と3については言われますが、同時に私は「不屈の名作」とも言いたくなります(笑)朽ちることなく、そして屈することない。そんな遙か3の魅力が少しでも届いたら……というかただのオタクのひたすら「楽しいぞ!!!」の感想なんですけど。伝わったら幸いです(笑)
ちなみに限定ボックスの名前が「その手で運命を変えるBOX」っていう名前なんですよ!!!
かっこよくないですか?!!(笑)そういうこだわりも好きです!!値段?!高くて言えない!手始めに始める方は通常版で、でもやっぱりほしいな~って思う方がプラスで買っていけばいいかなって考えなのでそこはほら、ご縁ということで。
語り続けてたら2万8000字という久しぶりに長過ぎる内容になってしまいましたがこのへんで!!お読みいただきましてありがとうございました!