「こだわりで何を使っているの?」という問いかけに対して「これめっちゃ愛用している~」というものがそれぞれあります。
その中でも最近ひときわお気に入りになったのが「香水」です。
実は私、香水の売り場がめちゃくちゃ元々苦手でして。もう地雷も地雷大地雷だったんですよ。百貨店の香水とコスメが殴り合っている香りが特に本当にだめで、すぐ気持ち悪くなるような典型的タイプでした。犬かと友達に言われたのは良い思い出。でも実際は化粧品とかも大好きなので「おいおい…おい…だめだここ…酔う…」ってすぐる倒れそうになるばかり。
だけどコスメも大好きで、香水も見るのは好き。ボトルもかわいい。すごい楽しい。自分がかける分の香水もずっと使っているブランドもまぁなきにしろあらずだったんですが(イタリアでお土産で買ったはずのものが気づいたら自分のになった&そのへんのお店でぽいっと買ったからどこのブランドなのか未だにわからないままだった)、意識して買おうと思ったことはほぼなかったんですね。
今でも百貨店いくと「oh…」と顔を歪めることはまぁ0ではないんですが(場所にもよるけど)それでも、この「フレデリック・マル」の香水に出会って印象が変わって、おかげさまでだいぶ楽になった&買って楽しい、少し意識が変わったな、となった話を今回はさせていただきます。
自分と香水のお話
前述したとおり、当初、練り香水とか色々買ったりしてみたんですけど後それまでなんとなく香りも使っていたのですが、それでもやっぱり「あまり常に使うことはないな」っていう感じで香水というものがあまり得意ではなかったんですね。
「寝間着はシャネルの5番」なんていうことを言っている人もいますが、私は柔軟剤とかの香りもほどほどでいい。
タバコが苦手なのもまた香りが苦手なのと煙たいということと、目に入ったり、呼吸がしにくくなって体調を崩してしまう(隣にヘビーな人が吸っていなくても電車とかで並ばれると秒で体調を崩す)のでおそらく三半規管が強い・弱いでいったら「弱い」からなんだと思いますが。
まぁその割にジェットコースター大好きとかいっているので矛盾してるんですがね。
で、まぁ友人に香水が好きな人がいまして。その人はムスクの香りが好きなタイプのユニセックスタイプのものをよく愛用しています。意識したことはなかったんですけど(というか人の香りでマイナスなもの以外あまり頓着がない)、いざ近くでふりかけているのを嗅いでみたら「ああ、いい匂いだな」って思ったのが始まりです。
「香水苦手なんだけどな~~匂いきっついのだめなんだよな~」とか、そんなこんなで、ふらりと三越へ。
「FREDERIC MALLE」
立ち寄ったお店がこちら。
お店の雰囲気がめちゃくちゃおしゃれで、朱色?オレンジと赤を足して割ったかのようなベーシックな色をしています。
こちらにいらっしゃったスタッフさんからお話を聞いていたら「香りの出版社」としてできるだけボトルやパッケージングに関してはシンプルなものを貫き製品にこだわったタイプのお店だということでした
お店のコンセプトとして「永遠のクラシカルPerfume」「あなたのシグネチャーパルファムを探して&出会ってみませんか?」ということで、自分にあっている香りを探せるというのが特徴でした。
調香師さんたちによって築き上げられた香水を探しました。
世界最高峰のパルファム デザイナー
名だたるブランドで数々の名香を創り上げ、その卓越した技術と類稀なる才能で世界的に知られる調香師たち。彼らとフレデリック・マルは、互いに、パルファムのエキスパートとしての敬意と、友人としての深い信頼の基に、共にパルファムという芸術を紡ぎ出します。
それぞれのブランドでそれぞれの世界を作り上げた方々とともに作っている香水、というそのエピソードがすごく楽しくて、聞いてて世界に引き込まれるという意味でも楽しく見させてもらいました。
私の好きな香りを探す
さて、前述したとおり「香りが苦手」「香水のあの空間だとめまいを起こす」タイプの私がここに入ったときに不思議とお話を聞いてて、色々香りをかがせていただいたのですが。
いろんな匂いが交じるはずなのに、存外なほどけろりとしてられていました。香りの漬け過ぎとかが問題になっているのではないだろうか、とも思ったのですがスタッフさんいわくそういう匂いにインプットされてしまっている可能性もあるとのこと。
そうじゃなくて一個一個で、ちゃんと自分の好きな香りを見出していけるのならそれに越したことはないし、自分の好みの香りを探して、あわせて、「上品な付け方」に慣れていけばいい、ということも教わりました。
ということで、自分たちにあう香りを探してみました。
本当に色々拝見させていただいて、これでもないああでもないと言いながら香りをかぎました。
その中で我々いいな~と思ったのは「ビガラード・コンサントレ」
ジャン=クロード・エレナが創りあげた、このオーデコロン特有の軽やかさ、透明感、フレッシュ感をもつオリジナルの製法は、分子蒸留で実現した新しいビターオレンジのエッセンスを加えることでなし得たものです。
特徴的な苦みの効いたフレッシュさに、過剰ともいえるシトラスノート、そして微かなローズと、干し草、シダーのウッディーベースが、この気取らない構成の非常にユニークな側面を際立たせています。「ビガラード コンサントレ」は、「コロン ビガラード」よりも拡散性が強く、その心地よいフレッシュ感を長く保ちます。
説明読んでもなるほどわからんな~~って感じなのですが、スタッフさんの説明によると「苦オレンジの調べ」で、ビターオレンジを55%配合していて、柑橘の予感、もするということでした。IFF最高級ビターオレンジを使い、フレッシュな香りとビターさを兼ね揃えた、そんな香水です。
私は名前に柑橘類が入っている通り柑橘が好きなので最初に「え~~~めっちゃいいにおい~~」って思ったものでした。品が良い。フレッシュだけどビターで、香りがいい。
続けて気になったのは「アンジェリーク・スー・ラプリュイ」
細やかに音を奏でる室内楽のような、このジャン=クロード・エレナの作品は、雨上がりに摘まれたアンジェリカの花束が放つ、つかの間の薫りにインスパイアされて創られました。
一見するとシンプルな「アンジェリーク スー ラ プリュイ」は、纏う者の肌に見事に融合してみせます。スパイシーで活気に満ちたアンジェリカルーツ、ジュニパーベリー、ピンクペッパー、コリアンダーのコンポジションが、ムスクとシダーウッドのベッドに寝そべり、柔らかく抱きしめるように香り立ちます。
最初につけたときはふわーっと優しい香りだったのに、だんだん匂いがしっかりしてくる。そんなかんじの香りでした。説明文にある通り「雨上がりのアンジェリア」というのをテーマになっているといいます。
直につけたときは梅雨のときの庭みたいな、草っぽいようなお花っぽいような、少し独特な香りがしていて、ふんわりと、雨が上がっていくかのように香りが立ち込めていくのも良くて私はすごくこの香りが気に入りました。爽やかだけどどこかスパイシーで、「いい匂い」でした。
で、お店の方に「自分に合う香りというのがあまりイメージがつかないので、選んでほしい」と選んでもらいました。世間では「推しの香り」を作れるところもあるし、じゃあ自分自身はどんな香りが似合うのだろうとか考えた結果です。
お話していた段階で「どういう人間になりたいですか?」「これの印象はどんなかんじでしたか?」とか色々お話させてもらって、語彙力がないから「すごいなんかお花屋さんの匂い」「これはすごいサングリアっぽい」とかそんな雑な感想をあげていたのですが…。
挙げていただいたのは以下の3つ。
全然香りが3つとも違いました。
それぞれのコンセプトで「メリハリのある人」「美味しい香り(爽やかさ)」「どこか大人っぽい」が3つでした。
優しかったり爽やかだったり颯爽としていたりの温度差が激しく、TPOに合わせての香りをまとったらきっといいだろうなと思う反面財布事情的に全く優しくない自分の極寒地帯だったので選べるのは1本だけでした。
友人に「つけてほしいのはこれ、つけていそうなのはこっち」と夫々意見をもらい(すごいフルーツポンチみたいな香りがしたものもあった)、今回はメインに購入したのは「アンジェリークスーラプリュイ」でした。
その上でテスターも一本いただけるということでありがたくノワールエピスをいただき、それぞれを使わせてもらっています。
また、友人はコロン インデレビルをチョイス。「尽きさせないコロン」という意味があるらしく、とても清潔感があり嗅いでいると良い香りとシャンとしている感じが伝わってきます。人柄が出る。ベチベル エクストラオーディネールをサンプルで頂戴しこちらも良い香りとして楽しませていただいております。
克服した上で思うこと
香水っていい匂いだけれどやっぱり適切な容量じゃないと酔う。
だけど、自分が「こうありたい」「こういう人になりたい」のテーマ付していく上でとっても有効であると感じました。颯爽としていたいから、優しい人でありたいから、清潔感を持っているように感じてほしいから。それをベースに組み立てていく。もちろん緊張感を自分で解くためのキーでもある。
プルースト効果でも「香り」はとても重要なもので、その香りごとにイメージしたものがあって、思い出になって蘇ってくるキーにもなります。*4
そうなったとき、自分が【この香りでいたいな】っていうのがあるのっていいな~~ってなりました。そして何より自分で酔わない(笑)気持ち悪くならなかったというのが非常にポジティブに受け取っています。
以前推しとイベントの流れで至近距離だったときがあって、終わってから友人に「すっごいタバコくさかった」と言われてたんですけど、当時自分はパニックになって「いや本当そういうの無理無理、えっどうしようごめんなさい申し訳ない」みたいなオロオロ具合でほぼそこで埋め尽くされて香りなんて思い出せないくらいだったんですが(笑)そういうのも含めて「香り」って覚えておくとふとした瞬間に思い出せるんだろうな~なんて思います。その時の香り、なぜ意識できなかったのか今でも悔やんでいるばかりです。
ということで、今週のはてなブログのお題である「匂う話」としてちょうどタイムリーだったので書かせてもらいました。定期的にこういうPR話があるのって面白いですね。
「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」
*1:「ノワール エピス」は、抑えたバニラをスパイシーなノートで包み込み、エキゾチックで謎めいた旅を示唆します。ナツメグ、シナモン、クローブ、そしてペッパーがふんだんに詰まった、ミッシェル・ルドニツカの、このフレグランスは、ゼラニウムと共に、サンダルウッド、パチュリのウッディノートで仕上げられています。この、シプレにも近しいウッディ オリエンタルの「ノワール エピス」は、エレガントなセンシュアリティーを体現し、決していやらしさを感じさせません。
*2:マグノリアの花は、フローラルというよりも柑橘を感じる爽やかな香りが印象的です。カルロス・ベナイムは、そのオープニングに、このマグノリアが持つユニークなフレッシュさをベルガモット、グレープフルーツ、レモンのシトラスノートで印象的に表現しました。そして、それはやがて微かなアプリコットと共に、落ち着いたセンシュアルなノートへと移ろい、ベチバー、パチュリ、ツリーモスの巧みなカクテルが加わることで、纏った肌と交わりながら、長時間に渡りその余韻を深く残します。「オー ドゥ マグノリア」は一見すると非常にシンプルなアコードですが、タイムレスな魅力に溢れています。
*3:とても短い、春の美しい季節をホワイトライラックで表現した、極めてシンプルな香りです。春の清々しい庭、深呼吸をした鼻孔に届くのは、そよ風が運ぶライラックの芳香。それが、この「アン パッサン」です。このパルファムは、ホワイトライラックというシンプルなノートで、一瞬の情景を見事に描いています。この自然を賛美するようなコンポジションは、ウォータリーノート、オレンジツリーリーフ、キューカンバー、そしてウィートのマリアージュ。まさしく、輝きと静けさの香りです。