柑橘パッショナート

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「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を見てきました/魔法界のムツゴロウさんがやたらイケメンだった

ハリー・ポッターシリーズの派生作品としてこの度「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」が映画化されました。

wwws.warnerbros.co.jp

前情報で個人的にめっちゃ大好きエッド・レディメイン(レ・ミゼラブルでめっちゃくちゃ好きになりました)が主演ということがすごくすごく嬉しくてですね。いろんな役柄をやられていますが今回のニュート・スキャマンダーなわけですがまず見かけめっちゃ今回好みでして。

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ポスターかっこよすぎ案件。

 

ああいうロングコートにベストっていいよね…いいよね…っていう流れからハリポタの世界観に久しぶりに行ってきました。

www.youtube.com

あらすじ

舞台は「ハリーポッター」シリーズの約70年前1926年のアメリカ・ニューヨーク。

ニュートは、魔法界きっての“魔法動物学者”。

ハリーたちがホグワーツ魔法魔術学校の授業で使用していた教科書「幻の動物とその生息地」を編纂した人物。

人間といるよりも動物たちに囲まれているほうが落ち着ける性格で、世界中を旅する中で発見した魔法動物を記録したり、捕獲したりしているキャラクターとして描かれる。

そんなニュートが持っているスーツケースは、魔法のアイテム。時に危険な魔法動物たちを目いっぱい詰め込んでおり、スイッチを入れると中身が魔法使いにしか見えなくなる仕組み。

スーツケースに入れていた魔法動物が逃げ出したことをきっかけに、ニュートは米国魔法省と衝突し、追われる立場になってしまい、さらには魔法界の壊滅を狙う謎の組織も現れ、窮地に陥る。 

 

あいにくと私はハリー・ポッターはセドリック・ディゴリーが死んだところで脱落してしまったので(シリウスがああだこうだしたりとかダンブルドアがああだこうだしてるところとかは分かっていますが登場人物途中でわからなくなってます)最後らへんのバトルとか細かいところは分かっていなかったりしますが、それでも前日譚として見られそうなので、「知っていたらより楽しめるけど、知らなくても楽しめる」が今回の「ファンタスティックビースト」という作品であるように感じられました。

”魔法使い”というものがこの世界にはいて、彼らは我々の中に潜みながら文化を築いていて、専門学校があったり、いろんな生活をしている。

くらいの感じで、世界観は持っているけど別物として楽しむのには十分だと思いました。

 

感想

「魔法界のムツゴロウさん+シートン動物記」という印象を受けました。

魔法動物は非常にユニークで可愛らしく、躍動している姿も見られます。喜怒哀楽、動物たちが表情豊か。

「こんなやつ」への生態系については分からないことだらけですが後に彼が書いたという教科書(普通に今本屋さんでも並んでいます)を読み直した上で見ると伏線も含めて色々書かれているのだろうなあと思いました。

基本は「ボーイ・ミーツ・ガール」であり「人間」と「魔法使い」の関係がよりはっきりハリー・ポッターシリーズのときより書かれているように思いました。ハリー・ポッターは魔法使いにおける戦いが中心のように私は感じていたからかな。

”何も知らない人間”がいることで視点が見やすくなって、魔法使いという非現実・非日常を受け入れていきやすくなったと思います。

ただファンタジーというよりも、一族だとかいろいろなことを考えていたり、「良い奴」もいれば「悪いヤツ」もいるということは魔法使いだろうと人間だろうといるんだよということは明確に書かれています。

 

シナリオについて

「あっこいつ絶対悪いヤツだ」っていうのが明確になっている印象です。どう見ても悪いやつがどうみても悪くてどうみてもやられると思ったけどなんか謎を残していったぞー!!みたいな(笑)

魔法動物捕まえたり、まちなかの騒動をなんとかしたり、とか、いろいろなことが起きる中でいろいろなことをひとつひとつ解消していくのがわかって、物事がシンプルに、かつ分かりやすくなっていたと思います。

世界観が「アメリカ」という近代的な場所に移ったのも大きいのでしょうが、ニューヨークが舞台だからそこまでおっきい「ファンタジー!」感が強く感じなくて溶け込んでじわじわ染み込んでいく印象でした。

 

ニュート・スキャマンダーという男

魔法生物を見つけて記録を取るために世界中を旅する魔法動物学者。魔法生物がなぜ重要で、どうして保護されるべきか、その理由について魔法界で教えたいと願っている。

旅行中に、あらゆる種類のビーストたちを救い、それを動物園並みの広さの不思議な空間をもつトランクの中に保管し、面倒をみながら、保護している。

少し不器用で、仲間の魔法使いや魔女たちと一緒にいるよりも、魔法生物たちといるほうが気楽なアウトサイダー的存在。

イギリス出身で、一度はホグワーツ魔法魔術学校の生徒だったが、ビーストのせいで人間の命を危険にさらしたため、追放された。

だが、ひとりだけ、ニュートをかばって反対した教授がいた。それが、かのアルバス・ダンブルドアである。

その時点では、ニュートがホグワーツで最も重要な教科書のひとつ:「幻の動物とその生息地」の著者になるとは、誰も思っていなかったのである。

(公式ホームページから)

 

後にハリー・ポッターシリーズでホグワーツの教科書にもなるものを書き上げる男ですが、実際の姿は完全に「がっかりイケメン」だなと思いました。良い奴ですが周りが見えなかったり、非魔法族に対して魔法かけそびれたり。

魔法動物という追求するものがあるからこそ輝いて見える人だと思います。この人元々所属はどこだったのだろう。ハッフルパフとレイブンクローぽいなっていう印象ですが。それでも頼もしさはきちんともっているのが良いですね。柔らかな英国紳士のような雰囲気もあって、他のアメリカ人3人との組み合わせはテンポのズレ含めて可愛らしさが溢れ出ています。エディかっこいいからそのギャップもより感じるというか。

ということで調べてみた。

 スキャマンダーは1908年ごろにホグワーツ魔法魔術学校に入学し、ハッフルパフ寮に所属した。

ニュートン・スキャマンダー | Harry Potter Wiki | Fandom powered by Wikia

でしょうね!!!(笑)デスヨネー!!!

 

恋愛描写<仲間意識が良い

個人的に恋愛が恋愛して恋愛だぞ!という強調をしていないのが好きなので、今作における主人公―ヒロインの関係が非常に「友愛」「仲間意識」が強く、またスキャマンダーにとっての「大事」がなにかのコンセプトがぶれていないのがいいなと思いました。

「魔法動物」たちが最初は大事で大事で、魔法界のムツゴロウさんだなっていう部分と、そこから出会う人々で少しずつ人とも触れ合っていくところがいいですね。元々そんなに人間嫌いな感じはなかったですが「動物バカ」みたいな部分が強かったのが変わるのがいいなあと思います。

特にその象徴がヒロインという立ち位置のティナなわけですが、ガミガミ系初期のプライド高いハーマイオニータイプですが二人共いい年した大人なので追求の仕方とか、踏み込みすぎないところがドライで良いですね。

だけど決して「何も思わないわけではない」。おっちょこちょいの男としっかり者の女というコンビはセオリーといえばセオリーですが、スキャマンダーの過去も含めて(彼女のこととか、兄貴のこととか、そこらへんハリポタ詳しくないのでわからないのですが、今後明かされるのかな)ほの暗さも含めて、最後の「直接渡しにくるよ」という台詞、とても好きです。

ある意味でティナとニュートの関係は言えない言わない微妙な距離ではありますが、クイーニー(妹)と人間であるジェイコブの交流はとても朗らかな形で対比的だなと思います。

”言葉にしなくても分かる”クイーニーと、”言葉にしたところで魔法使いじゃないから分からない人間”のジェイコブは興味深く、またジェイコブは今作における完全にヒロインというか愛されポジションでした。

彼が記憶を失ったかどうか、という考えですが、私は覚えているのではないだろうか、と思います。ニュートに薬塗られたときに「耐性が~」ということを言っていたわけで、あの時に薬つけている=魔法に対しての耐性がある程度ある=あれっつまり魔法きかなくね…?と思ったわけですがどうでしょうね。

というか個人的にジェイコブがキャラクター的にとても魅力的だったので、是非次回作にもいてくれたらなあと思うわけですが。ボンドガールみたいに毎回違う人と絡むのかもしれないけれどもったいないなあって思いました。いいキャラだった。ニュートを理解してくれる「友人」として、魔法使いがどう、ではなく人として彼らと接する関係として、「人間」のキャラクターってやっぱりいいなと思いました。世界が広がった気がします。

 

後の”夫人”になるティナとの馴れ初めとして

スキャマンダー氏の設定については下記の通り。

『幻の動物とその生息地』の著者。

1897年生まれ。ホグワーツ卒業後、魔法省に入省。

「魔法生物規制管理部」「屋敷しもべ妖精転勤室」「ドラゴンの研究および制御室」などで働く。1947年「狼人間登録簿」、1965年「実験的飼育禁止令」を作成。1979年、マーリン勲章勲二等を授与される。現在はポーペンチナ夫人とペットのニーズル(ホッピー、ミリー、モーラー)と共に暮らしている。孫のロルフはルーナ・ラブグッドと結婚する。

 ティナは「ポーペンチナ」という名前であり、将来の夫人なわけですが……それを知らなくても「ああこの二人は最終的にいい感じになるのだろうな」というのを匂わせる程度であった今作。非常に可愛い関係でした。初々しいというか、いろんなステップの第一段階で仲間意識・信頼関係というか。

そういう恋愛概念で「ひゅー!くっついちゃえよヒュー!」ってまではいかなかったとしても自分にとってのきっかけになった青年というのは愛しいですね。

 

 

1925年付近という時代背景

冒頭部分で新聞がばーーっと出てくるんですが、この時点での世界観・時代背景・魔法界と人間界における変遷みたいなものがはっきりと出ます。

イギリスの新聞のようなので「人間界のクディッチ=サッカー」という表現でしたね。そういう意味でサッカーってやっぱイギリスでは国技なだけあるなあとか思ったり。アメリカだったらアメフト、ラグビー、バスケあたりだもんなあとか。

また世界恐慌の前であることを踏まえたりすると色々思うところがあり、5部作という作品であることを感じました。

 

背景にあるポスターや音楽がかっこいい

楽曲は時代の流れかおしゃれキャットのような、ピアノジャズが多くてかっこいい。この辺はアメリカが舞台ということもあるのだろうけれど、聞いててリズムにのれる楽曲が多く個人的にはお気に入りです。

また、ポスターも含めてあの時代・あの空気感が好きな人にとってはアートムービーとして見るものもいいなと思います。

 

気になった所

ティナの過去だとか、ニュートの過去だとか、細かい所はわからないままだったこと。

基本ハリポタの世界観なのでベースは「わかっている」こと前提で進むのですが、それでも「ジェイコブ」がいるから説明してくれて助かりました…が、ニュートの婚約者?元彼女?の一族って何やった人だろうとか。兄貴のこととか。そのへんは「何だろう?」って気になったところでした。

後殺された男の子とティナのやりとりで結局助かるのかな~と思いつつも助けられなかった後悔はずっと彼女の足元にあるだろう中で「あれっあの女の子結局どうするんだろ」とか思わなくもなかったです。

 

映画として好きか嫌いかって言われると、私は明るく見られる1作めだったこともあり「これはこれでありだな」と思いました。

また、いつも大体「字幕」みて、それで好きだったら「吹き替え」を見る派なのですが、今回は逆で吹き替えから言ったのですがCV:宮野真守 の「あっ一発でわかる」感。とても良かったです。柔和で完全に変わってるけれど、自分なりにいろんなこと考えてモヤモヤしながらも魔法動物に愛を注ぐ役柄は愛しく。

ティナの伊藤静さんも可愛らしく、クイーニーの遠藤綾ちゃんは醸し出す色気があり。

津田健次郎氏の「あっこの人絶対悪役だ」って分かるところ(褒めてます)もすごい好きだし。吹き替えは吹き替え、字幕は字幕でそれぞれ楽しめるし、今度は字幕いってみたいところです。

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