柑橘パッショナート

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「名探偵コナン ゼロの執行人」について雑感

名探偵コナンの新作映画が先日より封切りになりました。

これに対して主としてTwitter上では大変話題になっておりまして、周りの人間が軒並み「安室さんマジかっこいい」「安室さんの女になった」「安室さん半端ない」など、大体感想が安室透まみれになっていました。

で、私は残念ながら安室透という人間についての認識が広告でやっている「トリプルフェイス」で「赤井秀一を許さないマン」という認識しかないので(ついでに二次創作でよく見る「コナンくんのことめちゃくちゃ評価している人」)、昨年の「から紅のラブレター」見終わった後の予告で周りに居た女性陣が息を飲む音を聞いて「わ~~~ほんとに人気なのか~~」っていう当たり障りのない気持ちを抱いたわけです。

 

そんな中、友人の梓さんから「コナン行こうよ」と言われまして。周りの評価に対し自分があまり見ていなかったこともあってか「じゃあ見るだけ見てみるか」という理由で共通の友人と三人で足を運んできました。

これはそんなこんなで「名探偵コナン」に対する感想です。

ネタバレもあるし結構好みとしてプラスではないかもしれないのでご了承ください。

映画概要

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公式のポスター

今作のタイトルにあるように「ゼロ」という単語が重要なキーワードだったと思います。

今作の監督は、モブサイコ100 (2016年)、デス・パレード (2015年)の監督をしている立川譲氏(Twitter@usagi_rakuda)。

脚本は、「相棒」「科捜研の女」のエピソードをよく執筆している櫻井武晴氏。映画だと成宮寛貴氏主演の「逆転裁判」を手がけています。

コナン映画は「絶海の探偵」(2013年)、「業火の向日葵」(2015年)、「純黒の悪夢」(2016年)で2年ぶりの4作目。

 

なお、今作のキャッチコピーは以下の二つ。

  • 「それが、お前の真実か──」
  • 「真実を暴く者VS正義を貫く者 魂がぶつかり合う極秘任務(シークレットミッション)ミステリー」

 

あらすじ

東京サミットが開催される東京湾の新施設、エッジ・オブ・オーシャンで爆破事件が起こる。

サミット前に爆破事件が起きたことと、全国の公安警察をコントロールする警察庁の秘密組織“ゼロ”に所属する安室透の不可解な動きに、コナンは違和感を抱く。

そして、毛利小五郎が事件の容疑者として逮捕され……。

 (シネマ・トゥデイより引用)

予告編

www.youtube.com

予告編で受けた印象が、コナン君の声がいつもよりちょっと高いような気がしました。

対比としてなのか、それとも本編を通してなのか、とも思ったのですが、最初に自分が見て「あれ?」と思った違和感があったわけで。

じゃあ実際どうだったのかなということで見守ってきて、その感想をつらつらと語っていこうと思います。

 

感想

「作品」として好きか?

正直「業火の向日葵」「から紅の恋歌」がここ近年見たコナン映画だったのですが、それらを経て、自分の中での「コナンという映画のターゲット層から外れているのだろうな」と思っており、今年行くこともためらっていたわけですが。

今作に於ける部分は「コナンの割に頭を使っている」「公安警察の動きがよく出ている」ということがポイントと事前調査で見た人のコメントを聞いて判断。

コナンの「割に」って何やねんって話なのですが、コナン映画って基本的にドーン!バーン!ガガガーン!(※アクション)らぁぁぁぁあぁぁぁぁあん!新一~~~!!!っていう要素が強いように受けるわけです。良くも悪くも「コナンのセオリー」。

で、今作の好みについて「お前はどうだった?」と聞かれると前述した「自分はコナンのターゲット層に引っかかっていない」という自覚を持って言ったので「好きとは言い難い」部類でした。ちょっと期待しすぎた部分もあるので難しいんですけれど。

 

私は「推理」「サスペンス」というものを求めていたので、警察ものという組織部分を取り入れても尚「サスペンス要素」として楽しめたかと聞かれるとちょっとむずかしかったです。

キャラクターとして「安室透(降谷零)」という人物が縁取られて、普段の設定が3つ(組織のバーボン/探偵・安室/公安警察の降谷)という箇所を鑑みるにその個性的な部分と、国に対する思いや、思考回路は理解できるのですが一方として「いや…え…でもそもそも論巻き込まれた側の視点からすりゃ許せるわけないよな」とは思うわけです。そのへんは弁護士先生側の視点としてどちらかといえば私は共感しました。キャラクターは魅力的ですが、公安警察検察庁への話の切り込み方は脚本家の方が普段いかに「警察作品」というものを題材に書いているかがよく分かります。

が、一方で説明が多すぎて「この作品において伝えたかったポイントが伝わりにくいな」と自分の中では疑問が生じていく。確かにトリプルフェイス、確かに人気キャラクター。でも、推理作品としては自分は「ああ、こうなるんだろうn……だろうね!」の連発になってしまって、「コナンのセオリー」を覆すというわけでもなく、かといってじゃあ「振り切れて楽しみきれるか」と聞かれたらそうとも言い切れなかったので、多分「安室透」という人間を好きである、コナンという作品に対して好きであるというポイントを羅列していった上での評価と、そうじゃないかでの意見は分かれてしまうのではないかな、と。

 

ただ一方で、これだけ社会現象になっているのは凄いですし、片っ端から「安室の女」になっているのは純粋に安室透ってすごいな~と思いました。

プラスの面でいえばアクションシーンは圧巻でしたし、描写として「無理ゲーな部分もアニメーションならではの有利なポイントを有効活用し、躍動感を持っている。安室さん銃ぶっ放すの熱いし、車ぶん回すところのブチギレた表情も良かった」というかんじ。

登場人物がどんどんとんでもになっていく《非現実》の中で、どこまでリアルに沿うのか、またどこまで《ぶっとび設定》を違和感なく交えていくのかっていうのは非常に難しいポイントの中だと思います。トリプルフェイスの盛り込み方は特に。今回「バーボン」の描写って最初の説明の他に皆無だったのに予告で「トリプルフェイス」って言いまくってたから何かあるんじゃないかと思ってました。思ったより少なかった。

 

全然関係ない余談ですけれど

私うっかり見ている途中でスマホを落としまして。

そのまま見終わってから拾おうとしていたところ、電気が付き、どこに落としたか確認していたところ。ない。見当たらない。

割と全力で「えっ」ってなったんですが、その時の友人たちとの会話が「公安に拾われたのでは」「見えないアプリ入れられたんじゃね?」「やばいアホな会話してるの安室さんに聞かれるぞ」というどうしようもない話でした。グダグダすぎる。

ちなみに帰ろうとしたら「お客様!!!!!!!!!」と見つけてもらうという。すぐ近くにあったらしい。おかしい、そこ4回は見たんですけど。おかしい。やっぱり盗聴器仕掛けられているのでは(ない)

 

さらに、今作に於いて「梓さん」という人物が出てくるわけですが、一緒に行った友人が「梓さん」だったので、見ながら笑っていました。案の定彼女は安室の女になっていましたおめでとうございます。USJにいってくると終わってからひたすら調べ始めているのを一緒に居た友人とゲラゲラ笑いながら「ぶれないぞ…」とツッコミいれてました。

 

映画として「なんでだよ!!!!」というツッコミを心の中で入れながら、終わってから友人たちと「おいおい無茶苦茶かよ…ってお前が言うなよ!!」「コナン君みたいなぶっ飛びに言われたら安室さん”君が言うなよ”って絶対言うわ!」とか「警察も公安もべらべら小学生に話しすぎだろ!!機密情報!」「守秘義務とは?!」とか言うという楽しさがありました。

そのへんの《ぶっとび》を楽しむという意味では、それはそれでいいのかもしれません。なので私は今作については特に複数人で見に行くことを推奨します(笑)

 

今作は、映画のランキングでアベンジャーズが2位になり、コナンが1位になったわけです。快挙だと思いますし、純粋に「おおお…」とびっくり。

eiga.com

今回「安室さんを主人公/フューチャーした映画」として作った上で、今後のコナンがどういう映画を作っていうのかな、っていうちょっとした興味を持ちました。

業火の向日葵(キッド)→純黒の悪夢(安室・赤井)→から紅の恋歌(平次)→ゼロの執行人(安室)という流れが組まれているので、今後もメインになるのは「工藤新一/江戸川コナン」ではなくサブである彼らになるのかな、という印象。人気キャラクターだから仕方ないのですが、ちょっとさみしくもあったりする(笑)各位バランス良いといいんですけどね。

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