好きな女優は誰、と聞かれたら何人かあげるのですが、「こういう人になりたいなあ」と思う人間の一人として私は女優の杏さんをあげます。
モデルさんとして、俳優さんとして、いろんな形でご自身の活躍の場を広げ続けながら現在はお子さんを持つ「お母さん」としても頑張っていらっしゃいます。そんな杏さんの出している「杏のふむふむ」というエッセイもとっても面白いし興味深いんですよね。
杏さんという人が好きなんだ!
パリコレモデルとしても有名な彼女。リアル「ランウェイで笑って」みたいな生き様だなぁとは思うのですが(彼女自身は背丈が恵まれているものがあるのであの作品でいうと立ち位置がちょっと変わるわけですが、人生として)とにかく颯爽としているイメージがあり、私は好きな作品がいくつもあります。
【歴女】という言葉が話題になったときも彼女が代表として受賞されていましたね。あっけらかんとした、サバサバした女性であると同時に「好きなものをちゃんと好き」と言える人なのかなと思います。
過去にリンホラこと「Linked Horizon」が紅蓮の弓矢で紅白に出場されたことがありました。
このときに審査員として参加(確か)されていた杏さんが心臓を捧げていたのをテレビで見て「この人本当に作品好きなんだんろうなあ」って印象を持ちました。心臓を捧げるていうのは紅蓮の弓矢が主題歌となった「進撃の巨人」でのポーズです。
「紅蓮の弓矢 紅白 杏」で検索するとそれが出てくると思うから是非見てほしい。ただの好きな人だそれ。
ラジオやバラエティ番組などにも顔を出されているのを見て「楽しそうに物事を話されるお人だな」っていう印象で、「FC入っています!」「追っかけています!」ってほどじゃないかもしれませんが「見かけるたびに頑張って欲しいなあ」っていう気持ちで、ドラマがはじまるとなんかついつい見ちゃって…というお人だったりします。
「オタク」という肩書を俳優さんやタレントさんがいうことに「そんなことも知らないくせに」っていうふうになってしまいがちなこと、大いにあると思います。
私自身も「この人とのオタクとしての考えはあわないなあ」というお人は芸能人の方でもいらっしゃいます。それはでも正直「オタクとして」の考え方、いわば「解釈の不一致」なのであって、根本に有る「好き」っていう気持ちは誰かに批判されるものやバッシングされるものでもないので、率先して「楽しい」を言ってくれるといいなぁとつくづく思います。
以前鬼武者すごい黙々とやってると話していた番組があって「無双とか好きそう」ってほんのり思ってたのもここだけの話(笑)
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「杏のふむふむ」という本
これは杏さんの「感じたこと」「見たこと」「知ったこと」「思う所」をしきつめられたエッセイになっています。
「大切な思い出」「仕事での出会い」「出会いは広がる」でまず構築されていて、その一つひとつの細やかな内容は非常に読んでいて「優しい」気持ちになるものばかりです。
「杏っていう人はどういう人なの?」ということを知らなくても、読み物としてとてもおもしろいです。
文体はシンプルなんですが、全方位に温かみがある。そして、杏さんがとても「聞き上手」な人なんだろうなあと感じました。知識というか「知りたい!」「教えてもらう!」ということをためらわないというか、色んな経験を持って進み続けられる方なのかな、と。
なので、私にとっての愛読書の一つとして「杏のふむふむ」は電子書籍になった今もとても大切に入っています。
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基本どれもこれも杏さんが当時感じたこと、今感じることとして書かれているのですが、パリでお仕事をされていた時代の頃を描かれている「セ・パリ」は感覚の違いももちろんのこと、ユニークな人たちがたくさん出てきます。そんな人本当にいるの????って思う気持ちもありますが、本当にいるんだろうなあと(笑)
ページの端っこに時折出てくるイラストもとてもキュートで、可愛らしくほっこり癒やされます。イラストが上手なのもこの本を読んで知りました。
お仕事関連でいうと、杏さんは「妖怪人間ベム」でベラを演じていました。個人的にあれ最初聞いたときには「亀梨くんか~~~~~~そうか~~~~イケメンか~!!!」ってちょっと複雑な心境だったんですが、現代に寄せた、現代的だから描ける部分がたくさんあって「オリジナリティ」を持った、「今だからできるもの」だったんだろうなとドラマを追っていて思いました。そして出ていた風間俊介さんisとってもよかった。
杏さんの本を読んで思うのは、読んでいて「楽しい」が詰まっていて、けれどそれだけじゃなくてご自身の”経験”となるものがたくさんたくさん文字の中から飛び出してきていること。
ベラを演じた中で通ずるものたちもそうだし、堺雅人さんとの共演から感じたことも自分自身の中で「どう思ったか」「どうだったのか」っていうのを一つでも多くインプットとアウトプットをバランス良くされているところ。
正直杏さんの「杏のふむふむ」を購入し、そのままの勢いで堺雅人さんの本も購入しました。そういう”本と本が結びつけるご縁”もこの本では感じられることがたくさんです。それは杏さんがラジオでBOOK BARをやっていたからなのかもしれません。だからこそ、堺さんの「文 堺雅人」と合わせて是非読んでほしい。
個人的には2も好きなんですけれど1が特に読みやすくて好き。2のほうが写真が多いかなって印象です。
なんというか、ニュアンスがとっても柔らかくて、色でいうと本当に「目に優しくて、でも決して地味でもなく、かといって奇抜でもない」程よいかんじなんですよね。季節で言うと柔らかな春の香りというか、そんなかんじの一冊です。
読みながら、杏さん自身のことを聞いているはずなのに「フムフム…」と思わず頷いてしまうような、まさに”ふむふむ”な本です。
どこか杏さんとカフェでお茶しながらお話を聞いている気分になれるような……優しくて、楽しくて、ウキウキとしたり「へえ」「なるほど」ってなったり、いろんな反応をしたくなるばかりでした。
好きな言葉として以下の一文をご紹介。
価値というのは、それが生み出された敬意と、それに対する人の思い入れで十分変わり得るものでもある。
これが杏さんという人をぎゅっと詰め込んだ言葉ではないかな、と感じました。
いろんなことを感じていろんなことを見て、いろんなことを知った彼女だから築けた本の価値でもあるんじゃないかなあという印象で。もちろんこれは私が彼女のことを尊敬しているからというのもあるかもしれないんですけれど……すごく、すとん、と落ちた部分でした。
是非手にとって、是非触れて、是非読んでみてほしい一書です。