聞いてください弊サイト、なんとびっくりよくバズってる&お世話になっている方のブログに「お前のブログ読んでるからな」宣言をいただきました。
正直めちゃくちゃ有名な方だし、特撮も好きだし映画も好きなもんですから「ア~~~その発想はなかった~~~!」とアハ体験みたいな表情をよく繰り出していたわけです。画面の向こうで。
結騎さんはいろんな寄稿もされていて私も書き方をなるほどなあと学ばせてもらってばっかりだったんですが。自分がいざ紹介されるとはさ、思うか?いや思わない。
ということでなんだかもう頭をのめり込ませる勢いでのありがとうございますと、ジオウの考察見てますってのを込めつつ、ブログを更新しています。特撮じゃないのかよとか言っちゃいけない。
先日、見たい見たいと連呼していた映画「プーと大人になった僕」を見てきたので、ざっくりとその感想を書いていきたいと思います。
ちなみに英題はChristopher Robinだそうです。
※いつものことだけどネタバレしていますのでご注意ください。
プーと大人になった僕について
「くまのプーさん」のアニメラストからおとなになったクリストファーロビンとしての続編。
そもそもくまのプーさんとはなんぞやというと、100エーカーの森に住んでいるくまのぬいぐるみです。
原作はA・A・ミルンによる「くまのプーさん(ウィニー・ザ・プー)」。
The House at Pooh Corner: Classic Gift Edition (Winnie-the-Pooh)
- 作者: A. A. Milne,Ernest H. Shepard
- 出版社/メーカー: Dutton Books for Young Readers
- 発売日: 2018/10/16
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログを見る
これを原作に、ディズニーが手がけたものが有名ですね。というか、今作はディズニーが作っているのでディズニーの「アニメ」をベースにその続き、としてみるのがわかりやすいかと。
これがわかりやすくプーさんです。はちみつだぁいすき!!なぬいぐるみのプーさん。「さん」までが日本人的には名前。プーとみんな呼ぶのに(ナレーションも呼ぶのに)何故か我々は”プーさん”と呼んでしまうやつ。
そもそも原作者はクリストファー・ロビン(息子)のために描いたものがたりとされています。息子のぬいぐるみとの一人遊び→奥さんがそれぞれの性格設定をした→それを形に文章にしていった(冒険譚にしていった)とイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
あらすじ
公式サイトみたらほぼネタバレになっていて「ちょ、待てよ」とどこぞの木村拓哉さんのような言い方をしたくなったわけですが(笑)
簡単に大まかなところだけを私なりにアレンジ+説明にしておきます。
いいか、サイトにいくなよ絶対だぞ!!!といっときます。見るなら…知らないほうが…ワクワクあるよね…っていうことで。
100エーカーの森で暮らしていた唯一の人間・少年クリストファー・ロビン。
そんな彼も100エーカーの森から世界に飛び出さなければならなくなった。
「なんにもしないは、最高の何かに結びつく」とプーに教え、惜しみながら彼は森を出ていく。
たくさんの困難に出会い、夢見ることを忘れリアリストになったクリストファー・ロビンは一児の父となり、また、会社でも部下を抱える中間管理職となった。
時代は第一次世界大戦後、不況に陥ったさなかで務める会社の上司から無理難題を押し付けられ四苦八苦。
週末に一緒に行くはずだった昔懐かしいコテージ(※100エーカーの森へと続く場所)に家族と行くはずの約束も反故になり「あなた働きすぎよそのうち倒れるわよ」妻に指摘されるも「働かないと何も得られない。動かなければ」と焦燥を燃やすクリストファー・ロビン。
一方、100エーカーの森は朝から霧に覆われ、目覚めたプーは仲間たちを探すがその姿はなく。どうしたものかと困っていた時、かつてクリストファー・ロビンのいた家の扉を開けるとそこはロンドンの彼の基へと繋がっていて………。
(※個人的にとりあえずここだけ抑えておけばいいよ、なざっくり概要)
キャスト
スターウォーズのオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガー氏が主演。
美女と野獣ではルミエールをつい最近やられていましたね。
ユアン・マクレガーと気づいたときの私の顔は割と口が開いていた。なんてこったい。
ちなみにプーの声は3代目プーと同じくジム・カミングスが起用されています。
日本版だとユアン・マクレガーが堺雅人氏。キャスト発表されてTwitterで回ってきた「おいおい社畜でぐったり壊れそうなクリストファー・ロビンが彼って明らかに会社の問題ある上司土下座させてかつ倍返ししそうじゃないか」って言われていて流石に笑いました。半沢直樹で聞き覚えしかない単語。
ところで私銀翼のイカロスのドラマ待ってるんですけどまだですかね?(笑)
半沢直樹 -ディレクターズカット版- Blu-ray BOX
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (11件) を見る
吹き替えだとティガーはそのまま玄田哲章さんと聞いて「おっそれはちょっとそっちも見たいぞ」ってなるやつ。
感想
プーにイライラしてしまう現代社会の闇
自分が社会人で「疲れてるな」って思うときがあるのですが、プーの言動行動が「おつむが小さいから」とはいえドジっ子が過ぎるでなんてこったい………!と頭を抱える部分も多く、こりゃあ大変だなぁと感じさせる部分も多々。
自分ならキレだしかねないし、またそういった「トラブルが起きてドタバタしている」ところを笑うことも出来ないというのは「あっ自分疲れてるな」という答えにいきつきました。
「寛容になるっていうのは、自分の心に余裕がなければできない」っていうこと。
かつてのクリストファー・ロビンの「プーのおばかさん」と言いながらほっこりできる空気感と、それが許せなくなったクリストファー・ロビン(大人)のピリピリ感というのは、見ている自分に刺さるものがめちゃくちゃありました。
短気は損気だとはわかっていても、「やらなければならない」ということが多すぎる。やらなきゃやらなきゃ、となればなるほど、周りの雑音にイライラしてしまう。
その姿を見てクリストファー・ロビンに自分を重ねながら「余裕持ちたいな…」と感じさせられました。
ディズニーキャラクター プーと大人になった僕 ぬいぐるみ 2S くまのプーさん 高さ17cm
- 出版社/メーカー: タカラトミーアーツ(TAKARATOMY A.R.T.S)
- 発売日: 2018/09/01
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
ズオウとヒイタチ*1に振り回されて「霧」で大切なものも、自分さえも見失ってしまいそうだった彼ですが、最後は霧が晴れて良かったです。
「クリストファー・ロビンが来るときはいつも晴れだ」という言葉が作中にあって、彼の心というものもあの「100エーカーの森」には関わっているのではないかなと解釈を持ちました。彼の”こころ”の中にあるものだからこその世界というか。
終わり方が倍返しだ!!!!って言っていたこともあながち間違いじゃなかったなというか、想像しやすいハッピーエンドなのがディズニーならではの「良い世界」だなと思います。現実というものは苦しいけれど幼い頃に抱いた夢とか希望を彷彿と思い出させてくれる。それが夢の世界。ディズニーならではの描き方として、私は好きですよ。
後ピアノアレンジのウィニー・ザ・プーはずるいなと思いました。好きに決まってるじゃないかそんなの。
ぬいぐるみとして「クオリティ高っ」「めっちゃアニメっぽい」って思ったのはティガーでした。プーも可愛いけどテディベア感が増しているのでそういう意味でもティガーのぴょんぴょんジャンプするところや表情も含めて「彼」らしさがありました。
あ、後森の仲間のラビットさんやオウルやカンガとルーたちも……トンケン…いけたらよかったね……!!出番に格差があったのがちょい残念でした(笑)ルーが「なぜ?」「どうして?」っていう言葉がぬいぐるみたちのなかの「こども」としての意見で、じんときました。美女と野獣のチップみを感じる……。ディズニーの子どもたちはとても…頭がいい…。
ストーリー展開として
正直、私はディズニー映画に対して「うわ~~~どうなっちゃうんだ~~!!?」というものは求めていないというか、めちゃくちゃ極論言うと「最後はハッピーエンド、そう、ディズニーならね!」でいいと思うし、そういう会社だと思っているので、最初の段階で今作については予想がついていました。
大事なブリーフケースビジネスバッグの中にある書類についての重要性を描いているからこその描写なのだろうことと、娘が届けにいくことについて。
娘に関しては同社でいえば「ピーターパン2」や「リトルマーメイド2」に近い気がします。私はこの2作も結構賛否わかれますが嫌いじゃないです。
しかしこう…かつて夢を見ていた者が大人になって、いろんな大切なものを見失うというのは、切ないなあっていうのもありました。
「ヒーローそのものが忘れてしまう」という意味なら「フック」もそうかな。私はフックすっごい好きなんですけれどね!
以前JAM Projectの「Hero」という曲について紹介記事を書きましたが、これに関してもそれがいえることで。
100エーカーの森に住む彼らはクリストファー・ロビンがいつでも「ヒーロー」で。現実の自分はヒーローなんかじゃないというジレンマを描いている部分を見てヒーローに憧れて、憧れられたいと思って(なりたいと思って)現実に打ちのめされて描いていた大きなものがどんどん剥がれ落ちていって、くすんで行くのは海外だろうと日本だろうと、変わらないのではないでしょうか。
キングダムハーツ風に言えば、クリストファー・ロビンはハートレスになりかけていたというわけですよね。しんどい。
私は「なんにもしないで終わるのを待つ」というのは好きじゃないんですが(割と動きたい派)(ジタバタ悪あがきとも言う)、でもこういうふうにプーの「のんびりすることで見えるものがある」っていうのもあっていいなあと思います。
クリストファー・ロビンが帰宅9時とか「全然社畜じゃない」というコメントもありますが時代背景みたら十分だと思うしなあって思うし、最後のシーンでひたすら睨みを利かせる仲間たちもかわいい。
また、娘が「なんとかしよう」「やろう」っていう自立に繋がっていって、仲間たちと出会って「冒険」(トンケン)して、いろんなことを見て、父親と確認しあってというハートフルストーリーは単純にいって心あらわれます。奥さんが一番胃痛しただろうけれど。
ぬいぐるみだっこする娘と、おおきなプーさんと風船をだっこするクリストファー・ロビンがとても好きです。作品に対して総てを物語っているというか。しゃべるクマについて大騒ぎする周囲に関してはその後どうなったんだろうという野暮ったいことを思いますが(笑)
演出面で大本の作品のリスペクトのごとく本をペラペラペラ……とめくる描写があります。まるで自叙伝のようだなとも思うのですが(元々が「クリストファー・ロビンに向けた物語」だとしたら、これは娘からクリストファー・ロビンが語っている本人の物語、といったところですかね)、その描き方が綺麗でした。
クラシカルな雰囲気もあって、どこか切なく、でも温かい。
ぬいぐるみとのシーンももちろん素敵ですし、映像の写し方も「綺麗に」「切なく」「丁寧に」「少し不思議」感があっていいなって感じるのですが(リアル←→100エーカーの対比として)、それも含めて、本のページをめくるところもまた、好きな描写です。
「僕の夢」は何だったか
ちょうどTwitterでプー僕を見た映画感想としてかつての自分に伝えたいことってなんだ?っていうのが企画としてありました。
で、ちょっと自分なりに考えたのですが、私の具体的な夢ってなんだったかな~……ってクリストファー・ロビンと同年代だった頃を思い出して「もうやめてあげてえええ」と黒歴史ほじくり返されたような気持ちになったのですが(おかげで卒業文集とか見直したくない)、それも含めて自分の「人生」は悪くないと今現実に立って思うのです。
まぁそう思えるのは多分ポルノグラフィティの「幸せについて本気出して考えてみた」に至るのですが。
「意外になくはないんだと気がついた」なんですよね。
もちろんやりたいことはたくさんあって、今もやりたいことは山積みなんですけれど。思っていた世界とは世の中そんな簡単に繋がっていないし、叶うことなら私もコーエーテクモゲームスのネオロマンス部に所属して新作ネオロマンスゲームを株主総会で検討していますと言えるくらい清々しくなりたかった(よこしま過ぎる気持ち)っていうのも嘘じゃない。
それこそアンジェラアキの「手紙~拝啓 十五の君へ~」とかね。いやもう15の頃と悩む頻度はあんま変わってないなとかね、中二病は相変わらず続いているような気がしますけれど。あれは何がいいって足立梨花と杏ちゃんが同一人物というMVがとてもいい。曲もいいよね。映画のcolorfulでも使われたことを思い出します。
最終的に「今」こうしていること、何かを伝えようとしていること、ウオオオオ人生は日々ハイテンションで生きてるぞ~~~!という謎ポジティブっぷりをしているので、今はサクラ大戦のジェミニの名曲ボクノユメの気持ちと幸せについて本気出して考えてみたと合わせて生きていきたいところです。
ということで、これからも自分の「やりたいこと」を全力でやって、楽しい日々を送っていきたいと思います。三浦大知くんが「一度きりの人生、派手にやりきって好きなだけ(RE)PLAY」って歌ってたので。もうその心持ちでいこうかなっていう気持ちです。
*1:元々はティガーが「ゾウ」と「イタチ」と言ったのに発音がヘタでそう聞こえてしまった、がベースですがここでは「幸せを食べるズオウ」と「人々から大切なものを盗むヒイタチ」として描かれています。