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「劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」の自分なり解釈・感想

仮面ライダーゼロワンが公開されました。世間が色々バタバタしている中ではありますが十分に気をつけた上での上映を見に行ってきたのでその感想になります。

 

同時上映である仮面ライダーセイバーについては、あんまり熱心に見ていない手前あまり大きく言えないのですが、「いろんなライダーが出てきてドンパチするぞ!」というシンプルな作りを徹底している感じがして見ていて「なんやかんやはなんやかんやです」という感じが面白かったです。

敵を担当されている人が完全にアマゾンズでおなじみな方だったのでこの辺伏線として続くの?という興味がでました。そして安定のエクレア食べたい案件に和みました。かわいい。タイトルが絶妙にハリーポッターぽくてソワソワしました(笑)

 

しかしやっぱり概要と少ししか見てこなかったことをちょっと後悔しつつ、今回はゼロワンの感想をつらつらと綴っていきます。

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今回のキービジュめっちゃいいですよね…全部詰まってる

 

※なお、本作についてはひたすらネタバレ含んでいますのでご注意ください。

 

 

 

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仮面ライダーゼロワンという作品

ゼロワンは「人工知能」と「人間」の間に立つ若き青年飛電或人が自分の夢と、やりたいことと、そして人と人工知能(ヒューマギア)に向かって進んでいく物語でした。

TVシリーズが終了し、セイバーに代替わりしてしばらく、こうして冬映画として作られたゼロワンは「その後」の彼らの物語として己の道を進む姿が描かれています。

今回のメインキャラクターである伊藤英明氏に関しては主役である飛電或人を演じている高橋文哉君の事務所の先輩*1なわけですが、TVシリーズのラストでバーンと出てきたときに「おお!!強そうな人だ!」とワクワクしました。

こう、どちらかというと「良い人」というイメージが付きやすい伊藤英明氏ですがものによってどのようなお芝居もできるのが特徴だな、という印象です。

 

また、タイトルが「REAL TIME」で響きもふくめて主題歌のREAL×EYESの韻を踏んでいるかんじがすごく好きです。

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2019年9月から20年8月まで放送され、令和仮面ライダーシリーズ1作目となった「仮面ライダーゼロワン」の劇場版。

テレビシリーズ最終回に突如登場して反響を呼んだ謎の男エスが、最強の敵として飛電或人/仮面ライダーゼロワンらの前に立ちふさがり、世界滅亡までの60分間のタイムリミットの中で戦う或人たちの姿が描かれる。

世界滅亡を企み、信者を集めて「楽園ガーディア」の創造主と名乗るエス仮面ライダーエデン。「神が6日で世界を創造したのなら、私は60分でそれを破壊し、楽園を創造する」と宣言するエスは、数千人の信者とともに世界同時多発テロを引き起こす。

多くの人が倒れ、世界中が大混乱に陥る中、エスを止めるべく或人が立ち上がり、不破諫/仮面ライダーバルカン、刃唯阿/仮面ライダーバルキリー、天津垓/仮面ライダーサウザー、そして「滅亡迅雷.net」の仮面ライダーたちも、それぞれが真相を究明し、世界を救おうと奮闘する。

 

悪意と善意という「やりたいこと」

いわゆる「性善説」「性悪説」と人間の素質について指摘が有るとおりですが、AIテクノロジーも何でもそうで「使う人によって良いようにも悪いようにも使われる」というのがすごく注視されていたように感じます。

古くは鉄人28号とかもしかりで、ベイマックス等でも描かれるものですが表裏でくっついている「救うこと」「殺めること」の救世と破壊がより濃かったように感じます。

今回「仮面ライダーエデン」という形で描かれているのも含めて新興宗教じみている部分も含めて末法思想ぽくて非常に見ててワクワクしました(笑)インターネットの匿名性だからこそのアバターの使い方なども含めて、「データ」と「テクノロジー」そして、実際の「思い」との使い方でした。

メタルクラスターホッパーが「或人を思うヒューマギアたちの思い」の形だったことを考えると、まさに「烏合の衆」として人がデータ(ナノマシンを駆使したアバター)として襲いかかってくるというのは対比的で良いですよね。

人間は滅びるべきか否かという本編から、より具体的になったというか人の敵は人という根本的な部分も残しつつの部分もあったように見えます。

 

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エスと或人、朱音とイズという対比

同じように「失った」ものを踏まえた主人公と敵という対比だと思いましたが、間違いを間違いとして踏みとどまれる力があったことがより印象的でした。

朱音という婚約者が「何」を望んでいたのかというのはデータの中に組み込まれた脳から発信していた言葉ですぎず本体の”彼女”が望んでいたのかどうかはどうやってもわかることはできません。それはロストしたTV版のイズ(以下、イズ1)にも言えることなのかもしれないですよね。

仮面ライダーエデンという言葉の通り本作は非常に宗教色が強くて、それこそ冒頭の「神は6日間で世界を作った」を筆頭にキリスト教がめちゃくちゃ盛りだくさん。

朱音(の脳)がラボの奥から出てくる姿はキリストの磔の状態……とも見えるんですが、「エヴァリリス……」と諸々思い出しました(笑)

ということを考えていくとちょっとエスの行動って何だか碇ゲンドウっぽさもあって「そういうところだぞ」って言いたくもなるんですが……。宗教色があるので自然とエヴァを思い出す部分もいっぱいありました。まぁ元々イズと綾波という意味でもちょっとした類似点というかもあったので全体を通して自分は楽しめました。

 

「AI」からの「心」として描かれる滅・イズ

本作めちゃくちゃ滅とイズが実質主人公ぽい部分がたくさんあって、それは本編を総括したがゆえの結果なのかなぁと思いました。

本編シリーズで滅は選択肢を「これしかない」と抱きながら歩き、イズ1は途中で倒れてしまいます。憎しみは憎しみでしか生まれないと言いながら或人が受け止めて、その上で続けていきましたが――じゃあ或人にとって「相棒」であったイズを喪失して、新たなイズ(以下、イズ2)がいたとしてもそれは「前のイズとは違う」わけでそれをTVバージョンのラストで「教えていく」といっていましたが、その上で”前のイズとは違う”ということを明確に描かれているのが嬉しかったです。

前述した綾波レイの印象的なセリフ「私はたぶん3人目だと思うから」でもそうなのですが、そこにいるのが「姿かたち」「データ」が同じであってもそれは”同じ”にはなれないわけで、そのジレンマをモヤモヤと抱えてこの終わり方で本当にいいのか~~!!!?!と或人・イズの二人が築き上げてきた関係の中だったからこそのゼロワンを見てきた人として思っていたのですが、それを「ゼア」というものを通じた上でのイズ1の残り香みたいなものでリンクしあって、「イズ1+2」になっていくのがほっとしたというか、そうだよねえ!!!!!!!ってなったというか。

 

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エヴァのどうしようもない突き落とされ方を見て「辛い」「しんどい」ってなっていたのを思い出したのですが、イズがイズとして、1としての記憶を引き継ぎながらも2として生きていくというのが好きです。

ベイマックスの旧型ベイマックスとKH3で相まみえることがありましたが、そういう展開にならなくて(アズがイズ1のデータ全部ぶんどって”同じ”であったら私は多分頭を抱えていた)本当に良かった。

 

滅に関しては「この世界も悪くない」というように言えたというのが非常に大きいのと彼自身が後悔と業を背負いながらそれでも生き続けている覚悟を持っているからこそのイズへの言葉が非常に刺さりました。飛び降りながらの変身は始まって「FF7で!!!!!みたことある!!」って猛烈に思ってたらあのひっくい声で変身ボイス。めちゃくちゃ熱い。大好きですああいうの。

大切な家族(=迅)がいることでの父性を認めて、自分自身の個性を向き合ってシンギュラリティを受け止めた彼が進む先でのジレンマや、それを他の誰もない「不破」に止められるという下りは他の誰かではない「不破」だったからこその良さだったんじゃないかと思います。ぶっ潰すとあれだけ豪語してた忌むべき対象だったあのヒューマギアの仲裁になったのいいなぁと。

また、その上で「敵は誰か?」と見定めて戦うところも良かったですし、全てを終わったときの彼からの言葉は「良いなぁ」とぐっときました。あのシーン、非常にコンパクトだけれどキャラクター同士の個性として「見たかったよ~そういうの好きだよ~!」が詰まっていました。

その上での「あれ?もしかして滅亡迅雷に入りたいの?」ってニコニコ言う迅の子供でもなく大人でも中の真ん中感が好きです。

 

或人とイズの「持ちつ持たれつ」

或人は「みんなごめん、これしか思いつかなかった」とエデンのプログライズキーを自らに発動させて、その上で破壊を試みます。そのうえで死ぬかもしれないことを承知の上で。その中に恐怖心もあるでしょうが、戦いの中で「みんなの笑顔を守るためなら」という選択ですね。

これってTVシリーズの「守れるなら」のイズと本当に対比的というか一緒で、だからこそのイズ2が止めて、その上で抱きかかえるところも意図的にフラッシュバックできるようにカットができていました(実際映像でも流れましたし)

イズが1+2になっているからこそ言える言葉と、同時に「自分が今度は残す側になるところだった」というのが彼の中の痛みというか、その吐露描写がぐっときます……独りよがりだったけれど、「みんな」のなかに「自分」がいないと誰かが絶対笑えないということに気づけたっていうのが彼が主人公として向き合えた描写ではないかなあ。

また、ゼロワンではなく”ゼロツー”にイズが変身するのもすごく良かったです。

先代社長から受け継ぎ、其雄がつくり、そして繋いできたゼロワンから、またさらに作られたゼロツー。あのBGMと変身シーンはバッチバッチにかっこよかったしぐっときました。良い。

変身!ゼロワン&ゼロツー

変身!ゼロワン&ゼロツー

  • provided courtesy of iTunes

 ゼロワンが青と黄色の中で、ゼロツーが黄色と赤というのもそうなんですが、根本が同じデザインでありながら諸々が異なっている、またアクション特有の面白さもあるというか――そこに全部ぎゅぎゅっと詰まっていていいですよね。ゼロツーが「二人目のイズ」っていうのもまたいい。元のイズ(イズ1)に戻るんじゃなくて、二人目のイズが引き継ぎ、そのうえで、また更に進むべきイズになっていったというか。これもまた「受け継がれるもの」にかけているから私はもうぐっときすぎて嬉しかったです。いいぞもっとやれ。

 

ライダー同士の掛け合い

OP回収として全員が戦う向かうシーンもめちゃくちゃ熱かったです。あれが見たかった!!みたいな顔してニッコニコでした。

天津垓は5番勝負の流れのせいでどうやってもヘイトが溜まりやすく正直見ていて「お前そんな簡単な理由で!!!仲間入りか?!どの口が言ってんだ!このやろう!!」とか思っていた部分も無きにしろあらずなのですが、正直映画を見て「こういうキャラクター方向性でやりたいのかな」っていうのがよりもっと明確になった感じがしました。

”友達いないキャラ””有能なのに絶妙に一言一言が余計”というか。ただそのうえで、今までしてきたことをきちんと背負った上で彼が生きようとしている姿は見られているので(反動が全員に断られるとかになっているので)個人的には天津に対して好感をどんどん今作で増しました。

A.I.M.S.もとい、バルキリーとバルカンに出来るのはサウザーだけで、その上で彼ら二人が共闘をバチバチに戦った上でがっつりとどめを刺す下りはひたすらかっこよかったです。ふてぶてしい芝居が似合う。

また、カメラ位置をきちんと把握して「これから仲良くなればいい」っていう明らかに悔し紛れの見栄っ張りがひくひくしている感じが良かったです。バルカンと迅、バルキリーと滅、そしてサウザーとの共闘の噛み合ってなさも含めて其々が「一番誰とあうか」っていうのが見えるのも良かったです。

滅とバルキリーが背中合わせでバン!とぶつかってしまう下りからのバルキリーとバルカンの連携プレイは見ていて熱く、美味しいところをサウザーが持っていくのも「でしょうね!」ですし、「一緒に戦う時間の違い」がはっきり出ていました。滅と迅が相互に見合う関係も積み上げていたからこそのものでしょう。それにしたってバルキリーは今回バチバチにバイク乗り回しているしめちゃくちゃかっこよかった。バイクアクションに遊戯王5D'sの不動遊星やらFF7クラウド・ストライフを思い出させるワクワク感がありました。

迅と不破の戦いに関しては完全にネタ要素も含みつつ(ゴリラ~~!!!!!!と言ったの普通に気づかなくて2度めで「本当だ公式ゴリラになった」と頷いた)、一方で大人と子供を行き来しているような迅の行動に一貫性がないからこその「中間」ぽいなぁって印象です。どちらにもなれるけれどどちらでもない、みたいな。喋り方で変化をつけていますよね。「仕方ないなぁ」の一言って台本だけ見たらどちらにも取れるけれど、明らかに中川くんの言い回しが大人っぽかった。

 

ラストシーンで全員が道が重ならずまっすぐに自分の道を歩いていく姿も良かったです。私はA.I.M.S.の二人の「共闘~!!!!!!ありがとう~!!!!!」が大好きなんですけれど、それはそれとして彼らが彼ら自身で選択した道を歩いてく姿が颯爽としていて見ていてニコニコしました。「全員で不破をいじりながら、それでも天津でしめつつ、ちゃんと進んでいく」、自分の道は変えないっていうのがいいなと。

そういう意味では亡、雷が出てきたことも嬉しかったです。出番自体はどうしても仕方ないのでしょうけれども「生きている」「戦っている」っていう意味でDr.オミゴトも含めて其々が其々の世界で必死こいてるっていうのがいいです。福添副社長の魂の熱さがよくて、それは令ジェネでも通ずるところだな、ともしみじみします。

 

アズに関しての謎、或人がどうして実の両親の描写がないのかなどなど気になるところはまだまだたくさんありますが、ここに関してはきっとノベライズやVシネ、何かしらの形で昇華されるのかな、と思っています。

また、今回の敵キャラで福士誠治くんやっぱり芝居うまいな~~~~~~~~~~~~!!!!!!とつくづく感じました。彼のお芝居好きなんですよ……いたはずなのに見終わって「アレッどれだっけ」ってなるかんじの憑依タイプでもう一度見て「あーー!!本当だー!!」ってなったのが印象的でした。Oslo*2で見られたらいいんですけど…どうなることやら…。

 

根本的な問題のクリアに対して映画を考えると「色々ツッコミどころはある」っちゃあるんですが……治験で研究職についている人を起用することはないだろうとか(これは友人の指摘にそりゃそうだと思った) 、エスがいない今幹部に全部罪がいくのだろうか?とか(やってることやってるけど、そもそもじゃあ教祖は罪0かといえばそうではないわけで)世界中のトラブルに対してのケア・責任はどこが取るのか?とか色々言い出せば諸々あるんですが、そのへんを差し引いたとしても個人的には「面白かったな~」「改めてやっぱゼロワン好きだわ!」ってなった作品でした。

 

リアルタイムという時間

前情報一切見ない(CMしか見てない)中だったので、「体感時間が、現実時間で見ると同じ」ということを知りませんでした。

なので、各位ブログや感想をSNSで綴られている方々を巡ってみて「そうだったの!?」とめちゃくちゃ驚きました。

現実だけではなく時間を行き来していたり、それこそゼアが見せた世界もあったので自分は60分という時間に対してあまり感じなかったのですがこれっていわゆる24の作りとして意識したのかな?って感じました。

12:00 P.M. - 1:00 P.M.

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24はこの1話につき1時間であわせているのでそういうふうに1時間でまとめたほうが臨場感があるだろうというご指摘ももっともだなあと思うのですがそもそも気づけなかったので(映画館で見てると時間忘れがち)なんというか一つ「なるほどなあ」と学びました。

 

ロケ地について

Twitterで清水関連の人フォローしているのですが、「ドリプラ出てる~」と言っていて意識してみてたら「めっちゃ見覚え有るオレンジ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!」って食い入るように見てました。知ってるその場所。すしミュージアムとかあるところだ。

www.dream-plaza.co.jp

結構「いつもの場所」と言われるところで戦われているのはよく特撮関連で見かけますが、ドリプラが出てくるとついつい「出た出た~!!」とニコニコしますね。船がっつり映ってるのなんか嬉しかったです。遊園地化計画あるって聞いたんですけどどうなんですかね?MOVIX清水ではゼロワン映画もやっているのでちょっとした撮影地巡りできるな、とか思いました。静岡久しくいけてないけど…(笑)

 

 

ということで、ざっくりブログはこのへんで。

ところでVシネで「これは聖戦だ」って滅が言っているのを聞いてTVシリーズの雰囲気を思い出しながらも全く意味合いが違うっていうのに楽しみがましています。どうなるんだゼロワンVシネ。

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めちゃくちゃ楽しみです!

あと全然関係ないですけど井桁弘恵ちゃんと高橋文哉くんの写真集気づいたら買ってました。ふと写真集買ったのを振り返ったら男性・女性ドライブの主役である竹内涼真くんとヒロインの内田理央ちゃんぶりで自分で言うのもなんですが笑った。なお推しアイドルは除く。

高橋文哉 ファースト写真集 『 架け橋 』

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  • 発売日: 2020/12/26
  • メディア: 大型本
 

 

高橋文哉くんは今度大西流星くんとドラマですね。こっちも見れるの楽しみにしています。

*1:正式にはグループ繋がり?

*2:坂本昌行さん主演舞台

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