柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

トリップ漫画の金字塔「王家の紋章」がミュージカルになったぞ!

王家の紋章」を見に行ってきました。

王家の紋章についての知識は本当に申し訳ないのですが「天は赤い河のほとり」とそんな変わらないと思っていました。ごめん。本当にごめん。

かくいうそちらもあまり詳しくないので、「昔からある少女漫画の一つ」「トリップ漫画の金字塔」などなど、という大分ふわっとした知識です。

そんな私がなんでこの舞台を見に行くことになったかというとメンツが「なんだこれは……」となるぐらい見に行きたい人たち(自分が好きな人達)がぎっしり詰まっていたからです。

f:id:amanatsu0312:20160818120459j:plain

 

www.tohostage.com

後ミュージカルや舞台において「原作を知らなくても楽しめる」というのはとても重要なことだと思うのですが、2.5次元の舞台って結構「原作を知った人が楽しむため」に作られることが多いので、帝劇クラスのおっきい舞台になったらどういう風につくり上げるのだろうという気持ちからでした。

ということで、そんなめっちゃくちゃ詳しい!王族(王家の紋章ファンの人をこう呼ぶらしい)でもない私が見た感想をつらつらと。

 

 

王家の紋章ってどんな作品?

秋田書店発行『月刊プリンセス』1976年10月号より連載が開始された歴史の長い漫画です。

「エジプトに留学に来た女の子がファラオの墓を見つけ、考古学として調べようとした結果エジプトの呪いを受けて古代エジプトに!」な作品。

 

ざっくり概要を見た時の私の最初の感想「古代エジプト、時空を超えて… あっ 遊☆戯☆王だ…!

遊戯王古代エジプトの名も無きファラオと、古代エジプトにまつわる神器「千年アイテム」を鍵とした物語です)

(もし王家の紋章ファンの方でエジプトでネタで興味ある方は是非遊戯王もよろしくお願いします)

まぁ遊戯王の連載開始は90年台に入ってからのことなのでアレなんですが。

時空跳躍ものというと「ふしぎ遊戯」とか「十二国記」とかも思い出すわけで、今思うとこの辺のお話(十二国記はわからないですが)は影響を受けたのかなあと思いました。

 

あらすじについて

エジプトに留学中の主人公―キャロル・リードは、考古学が大好きな16歳の金髪なアメリカ人の少女。

ある日、リード家の貢献している事業でファラオについての調査を行うということで、エジプト・考古学大好きの彼女もついていくことに。

そこで若くして亡くなったファラオの棺を見つける。

考古学の一環として彼は誰か、どこから来たのか、どうして死んだのかを含めて調査しようとする周囲に対して「でもこれは死者への冒涜なのでは?」と一瞬考えが頭によぎるキャロル。それでも調査を進めていくと、キャロルはその「ファラオを守る神殿」を守っていた彼の姉・アイシスの呪術により、古代エジプトにタイムスリップする。

 

そこで沢山の人に出会い、また、彼女自身が見つけた「ファラオ」である若き王・メンフィスと出会い、己の「異国の人間」である(黒髪でも色黒でもない、金髪な彼女の外見は非常に物珍しがられ)ことから拾い上げられ、ぶつかり恋に落ち、己の持っている知識をフル活動してエジプトで生き抜く…みたいな物語。

 

後半一瞬「神官セトとキサラや……」とか思ってすいませんでした。遊戯王影響受けてたらそれはそれでとても面白いなと思うんですがどうですか。どうですか。ただの戯れ言です。すいません。

 

登場人物について

キャロル……「まだ子どもじゃないか」とか言われたりしているから(原作読んでないですが)「可愛い」「幼い」が強い女の子という印象があります。奔放で真っ直ぐで好奇心旺盛、でも好きなことにめっちゃ冒頭するから知識量は多いのかなあとか。

メンフィス…昔も今も素直じゃない不器用な男というのは少女漫画における相手役にはもってこいなわけで、彼もまたしかりですね。幼い頃から他人に狙われ続けた人。その分不器用でめんどくs……独占欲が強いのかなと。でも政治家の一面、王としての一面もあるので姉ちゃんのアイシスとの結婚について最初は別に「それが国家の反映なら」って思ってる部分があるように見えました。

アイシス…メンフィスの姉さん。キャロルに呪いをかけた人。原作だと現代と古代を行き来できる人。エジプトが二つに分かれていてそのうちの「下エジプト」の女王でもあるらしい。嫉妬深いけれど大人の部分もあって、メンフィスに対する慈愛を見ていると正直ほんと辛い。幸せになってほしい。でもやらかしてること大分怖い。逃げてー隣国の王女逃げてー。

 

役者さん

主人公のメンフィスをやっているのはStarSでもおなじみ最近人気がぐんぐん伸びていますね、浦井健治さん。ところでコンサートのチケット取れません泣いてない。

キャロルをやっているのは新妻聖子さんと宮澤佐江さん。私が見に行ったのは新妻聖子さん回です。

で、隣国の王子様を平方元基さんと宮野真守さん。平方さんはホリプロ所属らしい。生田斗真出演の「魔女裁判」にも出ていらっしゃったそうな(見てたはずなんだけどな!!)アリス・イン・ワンダーランドにも出ていらっしゃるなど舞台を中心に活躍されているお方です。

宮野真守さんに関しては声優業界おなじみマモさん。テニミュに出ていらっしゃいましたね。因みに遊戯王ではファラオ役やってました。GXですけど。なんか縁を感じます。マモちゃんの舞台についてはスマスパとかなイメージですが……そういえば前にノブナガ・ザ・フールでやっていらっしゃいましたね。あちらは友人が好評していたので気になっていました。

で、今回見に行ったイズミル宮野真守さん回です。

 

で、アイシスに濱田めぐみさん。私が拝見するのはジキル&ハイドの再演ぶり。

 

感想

 

 

 

キャロルの立ち位置・行動って大分やり方によって大分イライラしてしまう役柄なのに新妻聖子さんがやると嫌味がないなあと思いました。そしてやっぱりお歌が上手。はきはきした歌い方と最初の現代においての白いシャツに黄色のスカート、金髪でウキウキしている動作はひたすら「少女」のようで可愛らしかったです。

メンフィスの浦井さんも伸びのある声で、かつ威圧感があるときのギャップがとてもいい。どしん、と胃にくるかんじ。

イズミルの宮野さんについてはなにげに生歌を聞くのがネオロマンスのイベントぶりとかそういう類なんですが(星奏学院祭以来……?)ミュージカルで歌うとなるとまた歌い方が変わると思うのですが、その中で彼らに食いつき印象をつかせるのすごいなあと思いました。銀髪とても似合っていました。

しかしそれを凌駕する濱田めぐみさんの声量。威圧感。存在感。

いや何度でもいうけど 濱田めぐみ 半端ねえって。知ってたけど。ホント半端ねえ!!

 

脚本についてはキャロルがトリップ→出会う→喧嘩する→助ける→現代にかえる→戻ってきちゃう→また喧嘩する→なんかいろいろあって戦争がおきちゃう→メンフィスとエジプト助ける→結婚するよ までなので 非常に ハイライト感がしました。怒涛というか、なんというか、多分原作はそうでもないんでしょうが気持ちが見えないというか、もっと「どこ」で惹かれていくのかなあというのが見たいというか。

キャロルのことを皆が大好きなのはわかるし、それはそれでいいんですけど、キャロルが知識を持っているから好きってだけにも見えちゃう部分が多々あったのでそれじゃあ利用価値あるだけじゃん…と残念な心持ちに。どちらかというとアイシス姉さんのどうやっても勝てない思いが届かない部分のほうが同情してしまったよ……。

 

お歌については頭に残っている楽曲というとオシリスとイシスのように、とか、キャロルとアイシスのデュエット、アイシスのソロ、そして4人の曲が印象的。あっ全部濱田めぐみさん居た。イズミルのソロのロックっぽいのも好きです。

 

演出はせっかくあれだけパーツがそろっていたのに「これはなんだろう」とかキーとなる部分が何なのだろう?っていうのがあったもののそれについては「そんな物があったような気がするが気のせいだ」で終わってしまっていたのでちょっと!!ちょっと!!それ何!?ってなりました。

原作を読んでない人間なので大分進みがはやく動揺しましたが、役者さん一人ひとりの声がよく、何より圧倒的濱田めぐみさんがすごすぎて。マジで。

シナリオ的には原作がまだ続いているからかもしれないんですが 俺たちの冒険はこれからだ! みたいな感じで 根本的に姉ちゃんの問題とかイズミルの問題とか解決してなくね……?( ゚д゚)と思わなくもないけど まぁなんか幸せならいっか!! 感。

 

取り敢えず見終わった感想としてはざっくりそんなかんじ。あんまり原作詳しくないけど再演するのも決まっているので、完全に(個人的に)持って行かれた濱田めぐみさんに対して周りが追いつけ追い越せでどこまでいくのだろうというワクワク感があります。

見に行けたら再演いってみたいな~。平方さんイズミルも見てみたい。

 

 

TOP