柑橘パッショナート

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「予告犯」を見てきました

「予告犯」を見てきました。

ジャンプ改」で連載していたという情報だけで前知識皆無です。

 

yokoku-han.jp

 

映画の試写会のチケットが当たりまして(完成披露試写会じゃなかったけど)友達と行って来ました。

 

 

概要

 

あらすじ

インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。

警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。

それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。

やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。

シネマトゥデイ*1から)

 

 キャスト・スタッフ

監督に「ゴールデンスランバー」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋

脚本がアニメ「YAT安心!宇宙旅行」シリーズ構成・脚本、「永遠の0」で脚本を手がけた林民夫。

出演者は主演に「人間失格」「脳男」な生田斗真

生田斗真を追いかける警察官の役を『デスノート』、『LIAR GAME』の戸田恵梨香

この他、鈴木亮平濱田岳荒川良々等。

 

オリジナルストーリーのスピンオフ

東山紀之さんが主演でドラマオリジナルストーリーのスピンオフをWOWOWでやってたりとか、コミックスの方もまた別のスピンオフをしたりとメディアミックスを率先してやっているイメージ。

 

感想

ニコニコ生放送っぽい

2ちゃんねるっていうかニコ生で文字がだーーっと流れていくようなシーンがいっぱい出てきます。

「炎上を続けている」ということからやっぱりニコ生がベース?っぽい。よく実況主が炎上しているイメージがあるので(もちろんそうじゃない人もいますけど)、世間のYoutuberとかそういう単語よりニコ生実況主(顔を出さないのもここからかな)って思いました。

 

簡単に言うと復讐劇だけど、それだけじゃない

もともとシンブンシとは何者か、どういうものかと考えると本質的にワーキングプア、さらに下の底辺労働者の成れの果てなわけで。

IT関連の会社いじめみたいなのが生田斗真ゲイツ)がそんな悪くないのにな~っていうやつ。でも、IT関係の会社って結構内部いじめっぽいの有るんですよね。

それこそ「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない*2*3」みたいなね。

排除の構造なのか何なのか分からないんですが、そういう会社結構あるらしくて。もちろんそれがすべてだとは思いませんが。

 

会社で上司にいびられる→追い詰められる(社内いじめ)→底辺労働者へ…→こんな仕事今時あんのかよという仕事につく(つくといっていいのかこれ) という過去が後々紐解かれていく感じですね。

だから、最初から正義だとは思っていない。

だから最初からひたすら貫いていく。社会に対して。

 

「敵を騙すには味方から」じゃないですが、最終的にゲイツはああ…という終わり方で、他の仲間たちは彼が死ぬ前にあったことを守って口をつぐむわけです。

だから、重要なキャラとして出てくる窪田正孝君の役柄が彼らを庇うわけですよ。

 

警察官について

惜しいのは彼女が「どういう人間であるか」の説明がほとんど説明されていない。

彼女は彼女で過去にいじめにあって(学校内?)でも抗って今の立ち位置にいるから、そんなの弱者のいいわけだと切り捨てるわけですが。

でも、見ていて全然分からないから「ん?」となるわけです。

生田斗真vs戸田恵梨香の戦いについてゲイツが「あなたにはわからないでしょうね」と言う。窪田正孝くんも同じように戸田恵梨香に「あなたにはわからないでしょうね」という。

多分強者にいるお前になんか底辺這いずってる俺らになんかわかんねーよって言いたかったのかなとか。でも彼女だって同じように傷を持って生きてるんだよ!と言いたかったんだろうけれども、私にはそこが分からなくってちょっと残念。

最後ゲイツとのシーンもいきなり過ぎて「え、え、え、」と個人的には置いてけぼりだったのが…(´・ω・`)

シンブンシにも警察側にも感情移入・共感が出来ないままだったから、ちょっと俯瞰しすぎてて入り込めないまま物事が進んでしまったのがなあ。ちょっと残念だ。

 

シリアスがコミカルに一気に変わる

 荒川良々の芝居が、宮藤官九郎氏の「あるある」じゃないんですが、一気に彼のものに変わるのが印象的。彼が喋って動く度に「ふふっw」と笑いが起きていました。

 全体的に重苦しい内容なのに緩和されるシーンが多かったのもあるし、何より一番最後に繋がっていくんだな~と。

 

見終わってみて

最近メリバ*4が流行っているなーという印象です。

ほら、ウロボロスとかね。まああれも最後はそうなるしかないよな、と。

この映画もしかり。言いようのない落ちどころの悪さというか納得なんだけど、そりゃそうなるんだろうけど、ああ、でも…みたいな。清涼感とは真逆のどす黒い沼のような心地になります。それがメリバの多分良いところなんでしょうが。

原作とか、WOWOWのドラマがこれの後日談?になるようなのでそちらも併せて見たら見方が変わるのかもしれないです。

*1:映画『予告犯』 - シネマトゥデイ

*2:ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない : 2chまとめ・読み物・長編・名作 なお、映画化もしている

*3:Amazon.co.jp | ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD] DVD・ブルーレイ

*4:「周囲からはバッドエンドに見えるが、当人たちにとってはハッピーエンド」であったり、逆に「周囲からはハッピーエンドに見えるが、当人たちにとってはバッドエンド」であったりするような物語の結末やジャンル。今回で言えばゲイツ(ないしはゲイツの仲間たち)が満足する

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