ちょっと映画をみたいなと思っていたんですが、たまたまTSUTAYAにいったら「TAG」があって、説明見たら面白そうだなというノリと勢いで借りてみました。
で、せっかくなのでその感想をつらつらと。
※いつものことだけど映画感想なので、ネタバレ考慮はしていません。
TAGについて
アベンジャーズでおなじみのジェレミー・レナーが出ていることで話題になっていた映画です。
前情報ほぼなしの状態で調べたら実話がモデルになっている作品とのこと。
日本では映画公開はしていないですがitunesで公開したようです。
全く知らなかったです。
9歳の少年たち(ホーギー、ジェリー、ボブ、チリ、ケヴィン)は5月を丸々使って鬼ごっこを楽しんだ。あまりに楽しかったので、翌年も同じことをすることにした。
それから30年が経過した後も、5人は毎年5月に鬼ごっこに興じていた。
仕事や家庭生活の合間を縫って、5人は本気で鬼ごっこを満喫していたのである。
そんな中、ジェリーは29年間の鬼ごっこの中で一度も捕まったことがないという偉業を成し遂げていた。ジェリーは今年も記録の更新を狙っていたが、他の4人はそうさせまいと熟慮に熟慮を重ねた作戦を繰出してくるのだった。
もう説明読んだ段階で「ずっと鬼ごっこしてるの?」っていう。毎年5月はひたすら鬼ごっこデー。すごい毎月1日は映画の日みたいなかんじでずっと持続しているのってすごいことだなあ。
でもって、うっかり興味を持ったので大本のお話(新聞記事)もインターネットに転がっていないか検索してきました。
大本の「鬼ごっこを続ける大人」の話
私は英語が苦手です。 I can't read English!!!!!!
まぁそのへんはGoogle翻訳が役立ってくれているわけですが。そう、iPhoneならね。
ということで、TOEICとか英検とかアーアー聞こえないーしてきたタイプの人間ながらなんとかかんとか記事を読んでみて(ほとんどGoogle翻訳様様だけど)予想以上に登場人物がしっかりしていてなるほどそりゃ映画にもなるわってかんじでした。世の中には自分とは違う人しかいないわけですが、面白いことを発案し実際に行動し続けている人がいるんだなと舌を巻く。
やれ奥さんは相手側(ゲームの対象)のスパイという認識になってたりとか、職場のスタッフには「いいか!うちの会社には絶対こいつは入れるなよ!!絶対だぞ!!!」っていう風に命じられていたり。
実際映画にもいろんなシーンがありましたが「想像以上に想像以上だった」としか言えないこの状況下。
映画としての感想
今作では実話は9人であるのを5人に減らしていました。後は職業について結構みんなどう仕様もない感じになっていましたが、調べてみたら実際はやれ神父になった方がいたりとか、いろんな人達がいます。
ストーリーとしては概ね上記にあったお話がベースになっていますがよりドラマティックにするために登場人物を絞り、かつ「一度も鬼になったことがない」人物がいてその人物をターゲットにみんなで協定を結び倒しにいこうぜ!!!っていう話。
内容的には「ジェリー」(ぶっちぎり勝ち抜いた男)とその嫁ちょっとひどすぎない?おいおいこれはアウトでは…っていう要素もはらみつつ、割と全員「鬼ごっこでそこまでやるこたぁない」っていうオーバーな戦いっぷりをしているのですが(実話の方は流石にそこまでやってないと思う)そのへんは「コメディ映画」だからこそだとは思いつつブラックユーモアだなあ…と思いながら見ていました。
とても大きなアクションというよりはスローモーションをベースに色々している形なのですが、私がちょうど直前のミッション・イン・ポッシブルのファールアウトを見ていたので「なんだろう…なんだろうこの…鬼ごっこのためにバリーン!ドカーン!!ってなる感じ…鬼ごっこなのに…!」というツッコミをいれながら見ていました。
勿論予算的なものやそこまでド派手にアクロバットにと聞かれるとそこまででもない(比較対象がアクション映画として)のですが、それでもコメディの要素を踏まえてジェリーが無敵の、他のメンバーより一線を引いてとても体格が良かったり(引き締まっているとも言う)、動きが機敏であったり「そりゃ捕まらないよな~」っていう部分もあったり。
基本鬼ごっこの良さっていうのは「お互いが大体同じぐらい」っていうのもあると思うんですよね。だからこそ、彼が他のメンバーと比べてちょっと孤立してしまうのも分かるわけで。同列だとそこ同士で騙し合いとかいろいろしつつ鬼ごっこをするわけですが、ジェリーぐらい無敵になっちゃうとあいつは無理!!!他からいこう!!みたいな感じになってしまいそうな気がする。でもそれがなかったのは多分ホーギーはじめほかメンバーが「うるっせえ!!!勝つ!!!」っていう意気込みを持ち続けているからなのかなと。
そのへんの彼の孤独と、卑劣な手を使ってでもくぐり抜ける手法と、見ていて考えさせられました。
展開としては「まぁそうだろうな」という冒頭部分の描写との照らし合わせで自分の中ではそんな気はしていたってかんじだったんですが…やっぱり~~!!ってかんじでした。そんな気はしていた(二度目)
生きているうちに人間いろいろあるだろうし、彼らはも同じ道をずっとたどるわけではないから自然と誰がどうなるかっていうのはままある話で。
作品における重要なポイントは「鬼ごっこは友達から逃げるゲームであり、友達との再会をするためのゲームでもある」っていうのが刺さりました。
学生時代の友達と会う機会ってどのぐらいあるかな、と考えたのですが多分私はオンラインのいわゆるSNSの友人たちのほうがよっぽど会っているし(※ジャニーズ現場、二次元現場、そしてサッカースタジアムなど)学生時代の友達がどうしているのかなんてFacebookとかInstagramでやれ結婚した、やれ子供が生まれた、やれ子供が大きくなった、などなどで。
それが「自分とは住む世界が違う」というつもりは1ミクロンもないですが、あちらはあちら、こちらはこちらでそれぞれの世界があって、それぞれの見方があるわけで。
ただこの作品、ないしは実話の彼らは「毎年この月だけはこういうことをしよう」っていうことで童心に帰るというよりも知略策略を練ってお金をめっちゃくちゃかけて(だってわざわざ海外にいるであろう鬼ごっこの相手に会いに行くくらいだし)、会いに行くっていうのは面白いなって思います。
作中で「正義が流産した」「お前は子供を殺した。お前の子供じゃない、俺の中にある子供の俺だ」というシーン。
これで真っ先に思い出したのは「子供らしさが死んだとき、その死体を大人と呼ぶ*1」という名言(でいいのかな)。
この名言、多分漫画とか名言集とかそのへんで読んで覚えた気がするのですが、すごい心に残っていて、ブライアン・オールディス(イギリスの小説家・SF作家・評論家、1925~)によるものなのですがこう…大人の対応してやるからな!!!!!としてバッサリ向き合って結婚式のさなかにそういうことを言うのはモラル的にどうなのかという部分があったとしても訴えるっていうのは結構刺さりました。
まぁ最終的に見て、その「子供らしさ」ではなく「大人の本気の遊び」なのかって考えていたなかで、ラスト最終的にはもう単純にほっこりする流れとしての「TAG」本来の遊び方をしているのが印象的でした。まぁでも場所は選んでほしい。病院は流石にアウトだと思う。
映画の評価としてはB+ということをWikipediaにかかれていましたが、気軽にのんびり見る分には十分だったなと。ちょっと長く感じられるシーンもあったといえばありましたが、気軽に見て、気軽に「あっなんかちょっといい話かも」って思うのには十分楽しめました。
監督がこの作品が初らしいので、今後どういった作品を作るのか気になるところ。
後エンディングで彼らのドキュメンタリーというか、実際にTAGをしているシーンが(実話の方)流れていて、非常に面白かったからこのへんちょっとドキュメンタリーとして追った番組ないのかな~みたいな~って思いました(笑)事実は小説よりも奇なりとはよくいいますが、こういう発案して、友達と会いに行って、タッチしたあとハグしあいながら「久しぶり」「ちくしょうやられた」っていいあうの、とても和みましたし素敵な関係だなと感じたので、ぜひ何かの機会で触れられたらいいな。
そういう意味で、彼らは「子供らしさ」が残った、実話では2月、映画では5月の頃は「キッズ」な部分がひょっこり顔を出しているのだろうなっていう結論で。
鬼ごっこって体力がないTHEインドア派だったので「ちょっとここで動かないでおこう」ってなってた派なのですが、そういう意味でもいろんな人がいろんな考えで知略を練ったらどうなるんだろうなっていう風に思いました。……逃走中*2じゃんそれ。
ちょっとベクトル変わるけど昔DABAがドロケイやってたなっていうことも思い出しました。
ウッ2011年…時代である…。何にしても大人が本気で楽しむ姿は楽しいぞ~~!!っていうのが垣間見れた作品でした。自分もそういう本気で楽しむ大人でありたいところ。
真面目に!!!不真面目!!!!!!