人生日々ハイテンション

好きなものをビュッフェスタイルに楽しむ人の備忘録

ダニエル・ラドクリフが死体を演じた「スイスアーミーマン」を見てきました

先日三度目の殺人を見てきて「ああ、しんどい」ってなって、更に「ワーニャ伯父さん」を舞台観劇させてもらって「あーしんどい!!」ってなったから開き直ってメッチャクチャ何も考えずに見て笑えるやつが見たいぞ!みたいな気持ちだったんですが。

そんな折、こんなツイートをお見かけしまして。

 

こういう解説を聞いて「何を言っているのか本気でよくわからない」って首を傾げたのですが、ダニエル・ラドクリフは一体どうしたんだと思いつつ、映画館探しがたら丁度やってたので勢いで見てきました。

以下、その感想をつらつらと。考察とか何もあったもんじゃないただの感想です。

映画の概要

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無人島で助けを求める孤独な青年ハンク(ポール・ダノ)。いくら待てども助けが来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたまさにその時、波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着く。ハンクは、その死体からガスが出ており、浮力を持っていることに気付く。まさかと思ったが、その力は次第に強まり、死体が勢いよく沖へと動きだす。ハンクは意を決し、その死体にまたがるとジェットスキーのように発進!様々な便利機能を持つ死体の名前はメニー。苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。

(TOHOシネマズ公式*1より引用)

 ちなみに「Swiss Army Man」はダニエル・ラドクリフの演じた「メニー」の多機能っぷりがアーミーナイフっぽいからってことからだそうです。

 

www.youtube.com

 

予告編がこちら。予告編微塵も見ないで見に行ったから本編見た後に色々考えてこれを見て「おう…おう…?!」ってなりましたとも。

公式サイトはこちらから。

sam-movie.jp

感想

いやもう一言で言うと「真面目に不真面目」と「くだらないを感じながらなんか意味分かんないけどどっかしらで泣いてる」っていう映画でした。何故か、とかよくわからないんですけど。

サンダンス映画祭では、その設定の奇抜さについて行けなかった観客が途中退席した

 って紹介されてて、それに関して「まぁだろうね!!!ですよね!!!」って気持ちにもなります。わかる。本当意味分からなさが半端ない。

後シモネタ駄目な人は本当やめておいたほうがいい。悪いことは言わないからやめたほうがいい。

脚本に関しては割りとニュアンス的な表現が多くて、直接的な説明があんまりない、けれど「ああきっとそういうことなのだろうな」っていうものを感じさせるものが多々ありました。

取り敢えずでもジュラシックパークはじめいろんな映画が「明らかにそれさあ・・・それさあ…!!」ってなったのは見てて楽しかったです。

 

俳優陣に関して主演の二人の演技力に本当にびっくりした。ダニエル・ラドクリフの死体として表情筋が動かないながらもそこからちょっとずつ動くところ、すごい。笑う、怒る、泣く。カタカタ動き出すところは不気味さもあるのにチャーミングだし、真っ直ぐに誰かを好きになってしまって盲目的に傾倒していくところは非常にこう、自己投影というか、重ねていっているのが手に取るようにわかる。

友愛なのか親愛なのか。ハンクが女装しているのにそれを二人して錯覚していくような感覚は興味深いです。

ハンクもだんだん女の子になっていくんですよね、ウィッグを被って、格好を変えて。女装癖じゃない、といいながら、それでも行動言動、さりげない仕草まで含めて女性的になっていく過程みたいなのは映画という切り取られた世界の中で演技するっていう意味で「女の人より女性的」みたいな印象を抱きました。だってかわいいもん。ヒゲモジャだったのに髭をそって動きもガニ股じゃなくてすらりとした女性の動きになって、可愛かったもん。

ダニエル・ラドクリフの印象が「ポッターやってて舞台で尻を出した人」という印象だったんですけど今作でも尻を出されたいたので、もうなんかお尻を出した子一等賞だよ…っていう謎の感覚に陥りました。

ポール・ダノとのラストのシーンが非常に印象的で、彼ら二人が「こころ」を持って、どういう風に接していって、どう変わってというのは不思議と心に訴えかけているような気がしました。

お父さんの爆笑っぷりが印象的。何があっても父さんは父さんなのだろうなあ。

 

まぁその一方でメアリー・エリザベス・ウィンステッドの演じたサラが本当なんか彼らの心の支えにはなったけど彼女の立場から考えたら怖いことこの上ないだろうなって思います。ホラーか。ホラーだった。

 

「何故皆人のおならを嫌がるのだろう」「人と違うことを何故皆嫌がるのだろう」という言葉たちを見ながら、一方で共生というのは妥協と折衷と自己主張のうまいことの折り合いを付けていくしかないのかなあ、とか色んなことを考えました。

メニーは死体だし、ハンクはまぁ言ってしまえば無人島に流されて一人だった時間があるし、「排除の構造」で言ってしまえば排除される人たちでもあるんだよなあとも。

養老孟司だったかな、が、誰かを排除することでそこで安定を得る、ということを言っていた記憶がありますが、そういうことなのかなと。勿論この映画を見て「うわ…」って思う気持ちは間違いじゃないと思うし、それでいいんではないでしょうか。そんなもんですよね。

後配給会社がポニーキャニオンと聞いて「お世話になっています*2」って思いましたよね。ええ。サントラが発売されていてちょっと気になりました。結構作中で色々お歌も出てきました。

 

ということで、うん、なんだ、色々感想伝えたいんだけどうまく伝えられる自信が1ミクロンたりとも無いので、「どういうこっちゃ」という意味で見てきて「ああ、なるほど」ってなってもらいたいです。

 

www.cinematoday.jp

 

ちなみにラドクリフ氏はこの作品をやることに微塵もためらいがなかったことを語っています。

映画を見ていくうちに「メニーww」って笑いの部分から「メニー……お前ってやつはよう…!」って気持ちに変化するのが自分の中で感じられました。

色々とこう、なんか、こう!!「なんか」って言葉でしか伝えられない自分の語彙力たるや…と思いましたが、ジャッキーの「考えるな感じろ」って台詞が出てきた瞬間に「もうこの映画は感じるやつだ」って思いました。

思っている以上に深い話で、考える映画ではあります。

でも一方で、「お、おう……」というトリッキーさを孕みまくった映画でもあります。

どう感じるかは本当に個人差があるだろうし、そういう意味でも前情報なしでいった自分が無鉄砲だったなと思いました(笑)でもふんわり認識でもそれはそれできっとまた、感じるものが違うと思います。

そんな映画でした。

 

 

スイス・アーミー・マン

スイス・アーミー・マン

 

 まさかのサントラ出ていてパンフレット見ながら「どういうこっちゃ……」となったのはつい最近の出来事。さすがポニーキャニオンだ(?)

*1:

https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=014887

*2:最近好きアーティストがポニキャ率が高い