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「顔目当て上等!金目当て上等!」/映画「未成年だけどコドモじゃない」感想録

暇さえあれば映画を見に行く人生を送りたいというほど映画フリークでもなく、ただなんかすることなかったらどうするかって聞かれて「暇なら映画見に行く」というゆるーいテンションで映画を見に行くタイプなんですが、12月から公開している「未成年だけどコドモじゃない」を知識0の状態で見に行ってきました。

恋愛映画をあまり自分ではいかないのですが、青空エール*1ぶりとかそんなふわふわ感。ちはやふるはあれは青春かける作品なので…。

と思ったけど「DESTINY 鎌倉ものがたり」はどうなのかとふと自分で気づいた。だがしかしあれはどっちかっていうとファンタジー要素があるSF(すこし・ふしぎ)だと思うので……ということで、何やかんや恋愛、それも少女漫画に突っ走ってきました。

 

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予告編で映画の「坂道のアポロン*2」や「ちはやふる-結び-*3」があって気になる映画が続くなあと真顔になっています。しばらくまた映画館に通う日々が続きそうです。なお、坂道のアポロンに関してはアニメがとんでもなく良かっただけに主演の知念侑李君はプレッシャーだろうな、とも。そんな周りの下馬評を気にせずいい作品になったらいいなとアニメから入ったファンとしては思う次第です。

 

取り敢えず映画の感想を書いていきます。

とりあえず、「今作における誰のファンでもない」っていうこと、さらにいえば「原作を微塵も知らない上で見た」ということ。まったく何も知らない0で見るとどうなったかっていう一意見でご覧いただければと思います。

あわないなと思ったらそっと別のページなりいろんなところに飛んでいただけると幸いです。

未成年だけどコドモじゃないという作品

映画概要

未成年だけどコドモじゃない   DVD 通常版

 

出演は中島健人Sexy Zone)、平祐奈、知念侑李(Hey! Say! JUMP)。

監督は「高校デビュー*4」「貞子3D」、ドラマだと「こちら葛飾区亀有公園前派出所*5」の英勉

チケット購入してから調べて監督の名前を拝見した時点で「あっ……ああ…うん…」とあまり私と相性がよくないのを察知していました。

しかももともと恋愛映画そこまで見ないしな…とも…(笑)

 

 

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配給会社は東宝です。

原作について

原作は「今日、恋をはじめます」を描いた水波風南によるもの。

小学館の『Sho-Comi』で2013年1号から2016年5号まで連載されていました。全5巻。

通称「みせコド」。

 

books.rakuten.co.jp

ちなみに「今日、恋をはじめます(通称今日恋)」は武井咲松坂桃李のコンビで映画にもなりました。テーマ曲がめちゃくちゃ多かった印象。「みせコド」の第1巻に今日恋本編終了後の彼らが見られるそうです。

 

ムービーコミックでは東山奈央松岡禎丞のコンビで演じています。dTVにてこちらは配信。

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あらすじ

超ワガママお嬢様の香琳。父親からの16歳の誕生日プレゼントは、突然の結婚、その相手が憧れの尚先輩だった!?

だけど、金という目的のための愛のない結婚だった!

結婚しているのに片想いの香琳。先輩のため、慣れない家事・勉強に挑戦。そんな香琳に尚も少しずつ心を開いていく。

しかし、秘密の結婚が香琳に思いを寄せる幼馴染の海老名五十鈴にばれてしまい、離婚を迫られる。

尚と香琳、五十鈴の関係が徐々に変化していく、波乱万丈の結婚ラブコメディー。

ところでムービーコミックを見たら最初の誕生日会の段階で「このヒロイン究極合わねえ……」って開始数秒のわがまま&親への甘え方に挫折したので、ご飯好きとして悲しい気持ちになったので窓を閉じました。それぐらいに正直心象は悪い状態からのスタートです。

そもそも「コドモ」とはなんぞや

《「ども」は接尾語で、本来は複数であるが、今では多く単数に用いる》

  • 年のいかない幼い者。児童。小児。わらべ。わらんべ。また、多くの子。子ら。「幼稚園の子供」⇔大人。」

  • 行動などが幼く、思慮が足りない者。「からだは一人前だが、考えることは子供だ」⇔大人。

(ーーデジタル大辞林「子供*6」より) 

すごく簡潔にいってこんなかんじ。

未成年=行動が幼い わけじゃない、っていうことの主張なのかなあっていう意味なのかいわゆる性的な意味での「子供」と「大人」のバランスなのかなとも勝手に思ってました。最近の少女漫画過激だから…とも。そんなことなかった。ごめん。

 

映画の感想

ということで前情報をおいて、映画は映画、と別物として(と言っても元々原作を知らないのでほぼ0のまっさらな状態で見ているわけですが)の感想。

全体を通して

まず印象として、作品に共感または作品の世界観に入り込めないと難しいのだなとしみじみと感じました(笑)

ターゲット層が10代、特に中学生をメイン層に据えているので、その層にあたらない自分にはこうなんか…「少女漫画」がどうこうっていう以前に合わなかったです。

ストーリーの好みもあるのですが、私としては「ああこの監督とは相性があまりやっぱり良くないのかな」という部分が強く感じてしまったのがちょっと残念です。もうちょっと、もうちょっとだけ「謝罪シーン」とかそんな軽く扱わないで欲しいというか、「駄目なこと」に対してのヒロインが「何故駄目なのか」ということを感じた部分は描写してくれないと「??」ってなってしまうのが惜しいなと。

ただ一方で、尚先輩がどうやって彼女に惹かれたのかという部分は結構重きをおいていたので、男の子が女の子に心を許すという空気感は良かったと思います。

元カノvsヒロインのシーンはヒロインがド級にバカというか、世間知らずというか、人の悪意をまっっったく気にしないで生きていけるポジティブ思考がゆえに乗り越えられたと思います。まぁでも「あげようか?」っていってるのは聞き方によっては「こいつ嫌なやつだな……」って思えなくもないですけれど(笑)

元カノのマウンティングを取ろうとしているのにそういうのを完全に途中でスルーできる、というか「顔が好き」という「お前中身全然結局見てないんでしょ」という内側に孕んだものを文字・言葉だけを捉えて「そうだよ!」って言えるというのは「KY(空気読めない)」という部分を長所と短所は紙一重、という言葉のとおり、ポジティブに表現しているように感じられました。

FF8のリノアに対してよく「なんでスコールはリノアなんだ…」っていう話を友人としますが「いやリノアじゃなきゃスコールみたいな男は相手しきれないし、逆にリノアみたいにぶっとんでるやつはスコールじゃなきゃ駄目なんだよ」って指摘をもらって、「ああー…そうだわー…」ってなったので、彼らもそれはいえるのではないかと。

「顔が好き」は「人は見た目が100%」という別の名前のドラマがあるぐらいですが、顔が好みというのはそれだけでアドバンテージがあってそこから掘り下げて「この人顔も中身も好きだわ」っていうふうになるポジティブ要素もありますよね。

顔ファンが嫌」っていう人の主張は「その人の中身を微塵も見られないのは表面しか見られていないみたいで嫌だ」という主張になるのかな、と思います。「顔も中身も好きだよ、だめな部分もいっぱいあるけど痘痕(あばた)も笑窪(えくぼ)!」になれるのは結構難しいなあと考えています。

でもゲームでいうとキャラデザなんとなく見て「見かけならこいつが好みかも」って思うけど、中身やってみたら「あっ違うわ!私の推しこっちだわ」ってなるって結構ありますよね。乙女ゲーにしろRPGにしても何にしてもあるあるです(笑)

その理論で言うと、「見かけと中身も好き!」ってなったのが今作のヒロインなんではないかな~と。ちゃんと説明になってるかな……笑

 

また、私がめっちゃ懸念していた「ヒロインが食べ物や作り手に対して大切にすることを気づくのか」ということ。

これに関しては正直”先輩に言われたから”っていう要素が強く感じすぎて、食べ物に対しての「お金なくても頑張ります!」っていう流れも全部含めて自分の”当事者意識”がどこか遠いように感じられて、ちょっともやもやしました。

原作からそうだったからなのかもしれませんが、料理人の人たちのことを考えると「ごめんなさーい★」っていう謝らせ方はいくらコメディでも個人的には「もうちょっと……さあ……」と思わなくもないです。私自身が食べ物が大好きなので余計に思うのかもしれませんが、 心のこもってない謝罪で、「この子は物に対して謝れるようになったぞ!お祝いだ!」って言われても、その前の段階での扱いがあまりにもアレだったなと思います。

 

そもそも両親に問題有りなのに両親が「甘やかしすぎた」といいつつ何もそこに対して甘やかしモードのままだったのは個人的にはちょっと……。猛省していただきたい。良い親御さんじゃないよバカ親だよそれ…毒親*7とも言うんだぞ…

未成年だけどコドモじゃない」というタイトルに反しているというか、ダブルミーニングとして「自立している一人のレディになる」物語にするのであれば、せめて食べ物に対する謝罪シーンも、軽々しくするのではなく、きちんと反省も踏まえての描写が欲しかったです。しっかりとした「ごめんなさい」、シリアスからの一気に両親のうわーいってハッピーにすればこんなにもやもやしないで済んだのではないだろうか。とも。

 

「ラブコメだから」といってしまえばそうかもしれませんが、作品としてお料理や皿がぐちゃぐちゃになっていくシーンは見ていて良いものとは到底思えませんでした。

好感度は本当に申し訳ありませんが、主人公に対しての印象は漫画版と同じく結婚相手の話の癇癪から一気に急降下して低空飛行でした。

ただ、まぁ見ていくうちに、そこからじんわり上昇はしていきましたが、表現・演出の問題なので、もっとコメディでも、「人として」の部分はパキッとメリハリを持ってほしかったです。原作よりマイルドに「ワガママ」感をアレンジしたなら、そういうのもできたんじゃないかな、と思います。

 

後は尚先輩の家庭環境の問題が「割れない皿買ってくる」で終わって5年後~っていうのは33分探偵*8の「なんやかんやはなんやかんやです!」すぎて「ちょっと待って……」って頭を抱えました。え、なんかその流れで和解してなんやかんやあったけどソー・ハッピー!でいいの?え?その過程は?いや恋愛ものだとは分かるし尺の都合上もあるけれど、そこまで描くならちゃんと描いて欲しかったです。

彼自身のトラウマが克服されたからこそ、お母さんとの対話のシーンもちゃんとしっかりと描いてほしかったなあ…残念。

コメディ映画として

基本的に香琳がぶっ飛んでる描写が多い印象でした。ボールぶつけられて大きく一回転するぐらい吹っ飛ぶとか。後は尚が食べ物のシーンでの描写であるとかかな。

笑えないコメディシーンもいくつかある(食べ物のシーンは完全に彼女の性格上仕方ないとは言え、やっぱり食べ物を大切にしない人間という当初の描写は不快感の塊でした。反省しなかったら途中で帰ろう…って即座に思ったぐらいには。反省してくれるシーンがあってよかった……。)

後は両親のシーンが全体におけるコメディを補っている印象です。何やっても「素晴らしいわパパ!」っていってる母親が印象的。

原作コメディ(?)である少女漫画の実写化というと「のだめカンタービレ」とか、「ラブ☆コン*9」とかが挙げられると思います。

今作はそこまでは振り切っていはいないかな。原作がそうなのかもしれないですね。二人の精神面の成長が強いかんじを受けました。

だから「コメディだよ!!」っていうにはちょっとむずかしいかも。「恋愛にスパイスとしてコメディがはいっているかんじ」ぐらいがちょうどいいのかもしれませんね。

ティーンズ向け少女漫画映画として

とても「ときめき」に満ちていたと思います。夢が詰め込まれている部分が大きく描かれています。

また、漫画の初見の印象である「あっこのヒロイン超合わない無理」っていう見かけよりも、だいぶ平祐奈の香琳は所見の段階でマイルドな雰囲気になっています。といっても原作数秒のお誕生日シーンの印象なのですが。

 

それでも、シーンごとにすごく力をここは入れているんだな、というところがはっきりと見ていて分かる部分が多く、髪の毛を乾かしているときの「日常」的表情とかはとてもいいと思いましたし、ラストシーンの”壁”が取り払われるところの夕焼けが差し込んでの逆光混じりでの二人の横顔は「あ、キレイだな」「ああ、漫画みたいだ」っていう印象を受けました。

 

個人的に「少女漫画映画」として良いシーンだなと思ったのは五十鈴とのダンスシーンですかね。

見てて思ったのは「美女と野獣のアニメシーン*10」を再現するようなフロアでのダンスシーンだったので意識して撮ったのかな、と。個人的にはもっと引いた、足元を見せるシーンも見たかったのですが、くるくる踊るダンスシーンとしてアップだけじゃなくて、上から見下ろすような形で撮っているの、とても素敵だと思いました。夢があって、また、「五十鈴にとっても」夢、泡沫的なものであったのだろうなと感じたらしんどいな…と立場を変えてみた途端不憫になりました。

 

後は原作と色々と相違点があるんだな、とあとになってわかりました。元カノが同じ学校になっていたりとか。 

サッカースキルを発揮する中島健人

後は尚先輩(中島健人)のヒールリフト超うめえ!!ってびっくりしました。しかもそこから相手を翻弄する技術に「うっわ何この一人経験者混じってチンチンにする*11かんじ……」ってなりました。股抜き決めてキレイにドリブルとかやばい。そんなん見たら確かに惚れるわ。後練習着hummelなのもいいですね。似合ってました。(hummelかなって思ったけど違ったらどうしよう)

マルセイユターンがめちゃくちゃキレイでそこがめちゃくちゃ嬉しかったです。試合中にマルセイユターンしちゃう先輩ハイスペック過ぎない?というか「やってみよう」という判断をしたところすごいなと思いました。

相手引き連れてのマルセイユターン(マルセイユルーレットのほうが言い方としては主流かな)は見ているこっちもワクワクしますね。

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中島健人くんはサッカー経験者ということでしたがインタビュー聞いてたら「すごいな~」って素直に思いました。

Q.役を演じる上で大変だったことや、意識したことは?

中島:「サッカーのシーンがめちゃくちゃ大変でした。サッカー経験はありますが、ヒールリフトからの股抜きからのマルセイユ・ターンが難しくて。ジダンの動画をずっと観ていたんですが、ジダンのレベルにはやっぱりなれないし(笑)

どうしようかなって考えながら、いろいろな有名なサッカープレイヤーの動画を観て研究をして、下を向かないように何度も練習したり、元Jリーガーの講師の方に教わりながら、なんとか本番では成功することができました」

(ーー映画『未成年だけどコドモじゃない』 中島健人&知念侑李 Wインタビュー 詳細記事 | SGS109 より)

動画で見ても出来ないことあるよね分かる……ジダンといえば昔カップヌードルのCMで「ジダンが地団駄」ってCMがあったんですが覚えてる人いますか。

マルセイユルーレット、最後に見たのはFC東京所属の高校生Jリーガー久保くんのものでしょうか。Jリーグ番組で見て「なにこの2001年生まれ…」とおののいた思い出があります。

 そんな久保くん、今年は長谷川健太指揮下になるわけですがどうなるか楽しみですね。

 

ちょっと話が逸れたので戻しますけれど「元Jリーガーの人に教えてもらった」ということを中島健人くんが挙げているので調べてみたら元柏レイソルに所属していた長谷川太郎さんであることがわかりました。

 柏からの生え抜き選手ということは当然注目度も高く、何かとプレッシャーだったと思いますが、現役引退しながら、東京ユナイテッド*12に復帰されたというのを聞いて「中山雅史選手みたいな方だなあ」と驚きました。岩政先生こと岩政大樹選手がいるところですね。びっくりです。林健太郎選手とかもいて「うっわ知ってる知ってる」と一人でテンションがアがりました。

世の中どことどこが結びつくのかわかりませんね。

 

芝居においての彼の「ああ、いい表情、いい芝居だな」と思ったのはちょっと惹かれているけれど、距離を置こうとしている微妙な位置のシーン。

また、執事である人に絵本を渡され「要返却」と言われたときのきょと、とした表情は「高校生の少年」としてすっと入ってこれるぐらい自然であったと思います。

絵本をめくるときの夕焼けによる逆光で表情が見えないなかの最後のページを見るところは個人的にはもう顔映さなくても伝わるんじゃない?というぐらいの「どんな顔をしているのか」というのを伝えてくる印象があったので、あのカット割りとお芝居のマッチ感が非常に好きです。

髪の毛乾かしているときの香琳とのかけあいの「本当に何気ないときの二人の表情」というので距離が此方にも伝わる、というのはいいなと感じました。

 

「友達に欲しくない」を演じる平祐奈の上手さ

見てて個人的に相性があわないなと思ったヒロインですが、無知がゆえにスポンジのように吸収するという意味でポジティブ要素も孕んでいます。

平祐奈さんのお芝居は「青空エール」のあかね(マネージャー)で見たことがあったのですが*13、それよりももっと弾けているというか、あかねはどちらかというと地に足の着いた、きっぱり「何のために」「どうするのか」「悪役を自分から買って出る(邪な気持ちがないとは言っていない)」みたいなタイプなので、ある意味反対の位置に座している人でした。

イラッとくる部分と可愛いと思える部分が同居しており、自分が同世代のタイプでいたら嫌だな~っていうかんじの女の子を演じていました。

見ている側がそう思うように作っているのだとしたら、「演者として」平祐奈という人はすごいと思います。

また、彼女の「この人一体どこからこんなたっかい声出てるんだろう」っていう泣きわめく・わがままを言っているヒステリックなシーンは見ていて、自分はそういうのが苦手な分だけ回り回って「これだけこう思わせるってこの人すごいな」って思いました。

本当にあの甲高い声が苦手だなと思ったんですが逆手に取って【尚】という存在がイライラしんどくなるという意味で彼にシンクロ出来たので、補助として良い演技でした。 

不憫だけど何気に美味しいところを持っていく知念侑李

立ち位置的に非常に「あっこの子可哀想」って言われる少女漫画の王道当て馬ポジション・ついでに髪の色も絶対茶色か白抜き系だなって思わせるリンリンこと五十鈴を知念くんが演じていました。

そもそも「カーリー」って呼んでいるのが大変申し訳無い、わからなかった。「かりん」って呼んでるのかと…。

前述もしましたが彼のいいシーンは「ダンスシーン」に至るまでの過程なんですけど、そこの扉をノックするところからがいいなあと思いました。紳士というか、あけてるのに入り込んで「おい」と言わないところがいいなと。

作品についてですけど「超金持ち」という設定が五十鈴にも多分通用していると思うのですが、作品を見た時「やばい家*14坊っちゃん?」って思ってしまいました、ごめん…ごくせんみたいなかんじかと……黒服の人たちの雰囲気も含めて…。

そういうところで、どういう家なのかっていう説明がちょっと欲しかったなあと思います。これは知念くんがっていうよりも作品に対して、原作知らない人に優しくなくない?リンリン極道なの?え?だからドス利かせるの?先輩向こう見ずすぎない?指詰められない??(アウトレイジみすぎ)とかね。

知念くんのお芝居としては全体的に「この人お芝居こういうのだったっけ?」ってちょっと首を傾げました。「よろず占い処 陰陽屋へようこそ」のときはもっと自然体だったような気がしたのですけれども。勿論これが「少女漫画だから」の役作りなのだとしたらある意味で正しいのかもしれませんが、個人的にはもっとナチュラルでもいいのにな、と思ったり。

彼の芝居の中でいいなと思ったのは対峙して最後のときの「其の言葉が聞きたかった~」のくだりの後の「親か」っていう自分なりのツッコミのところですかね。くしゃっと笑ったような苦しそうな「当て馬」としての男の姿が非常に良かったです。

自分で引き際を見極めての、わかっているからこその引くという表情がとてもよく、そのシーンだけでも「ああ知念くんのお芝居だったらこのシーンがとても良かったね」って終わってから話せるという意味で良かったんじゃないでしょうか。

それにしたって1番ラストの彼は幼馴染としてバームクーヘンエンド*15を受け入れて結婚式に参列するのだから、とても器が大きい人だと思います。彼に幸あれ。

 

その他の点

両親の高嶋政宏さん・シルビア・グラブさんの実際の夫婦によるシーンが非常に印象的でした。まぁなにかにつけてコメディ色がつよく、原作とはまったく違う雰囲気(原作だと眼鏡のお父さんでした)だったんですけれど、完全に冒頭のミュージカルのために起用したな……というかんじがはっきり明確に出ている分だけに彼らのお歌は言わずともがなハイクオリティでした。

ぶっちゃけラストシーンでまたハッピーエンド要素満載で歌い出すのではないかと冒頭思ったのは内緒です(笑)

鏑木の村上新悟さんについては「あっ真田丸で直江やってた人」っていうのが一番反応してました。ちょいちょい彼はいいシーンで出てくるので作品における大切な要素なのでしょうね。まぁヒロインである彼女がわがまま放題の人物になった要素は彼にも問題性があると思うのですが。お芝居に関しては言わずともがな良いものでした。機敏な、一つ一つがメカニックな、無駄のない動きで「あくまで執事ですから」を徹底しているキャラ付けに基づいたお芝居だったように感じます。

中島くんの所でも言いましたが二人の絵本の過程が良かったように思います。

 

音楽については 映画「ちはやふる」、 アニメ「四月は君の嘘」などを手掛けた横山克氏によるもの。使い方がちょっとくどくてかわいそうだなって思いましたが、コメディシーンの音楽が好きです。

映画「未成年だけどコドモじゃない」 オリジナル・サウンドトラック

映画「未成年だけどコドモじゃない」 オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

総括としては、英監督と相性がやっぱりよくないのかなあ。という印象。

ただ一方でティーンズの、とくに中学生をターゲットに据えたらわくわくとときめきがある作品だったかな、ってかんじでした。そりゃー中島健人くんに「嫌いじゃない」って言われたいよね。私ちなみに好きって言われるより嫌いじゃない、ぐらいの不器用な言い方が好きです。

 

ということで、しばらく毎日映画更新してましたがやっと一息つけそうです(笑)次回はまた気楽にいつも通りのんびり更新していきます~。

(ここ数日は予約投稿にしてあるので毎日更新になっていますが、書いているのは一括まとめです・笑)

*1:土屋太鳳・竹内涼真による作品

*2:今作で当て馬であるリンリンを演じる知念侑李が主演。原作は漫画。アニメはノイタミナでやっている。アニメ版の主役は木村良平。→アニメ「坂道のアポロン」公式サイト アニメのBGMは菅野よう子が手がけており、「ジャズっていいなあ」と思えた作品の一つ。見てくれ。

*3:広瀬すず主演。前作「ちはやふる」の後編にて続編制作発表がされました。主題歌はPerfume。原作は末次由紀による漫画。ちなみに今終盤にかかっている。映画についての私の評価は前編がとてもよかった派。とりあえず若宮詩暢に松岡茉優という配役がとても素晴らしかったのと、結びではオリジナルキャラクターが登場するということで「終わり方が原作と異なる」という展開になりそうという意味でも興味があります。ちなみに私はいわゆる「原作派」ですが、アニメ「ちはやふる」のオリジナルな補正も含めてとても良くできていたと思うし、何ならアニメから入っても遜色ないイメージの共有ができると思うのでアニメを見て欲しい。直近でやるよ→ちはやふる 秀歌撰|日本テレビ ちなみに主役の綾瀬千早を瀬戸麻沙美が演じています。

*4:河原和音の少女漫画。映画の脚本は福田雄一が手がけている。主演溝端淳平

*5:2009年TBSで作られたもの。主演は元SMAP香取慎吾

*6:子供(こども)の意味

*7:毒親とは、過干渉やネグレクトなどによる児童虐待によって、一種の毒のような影響を子供に与える親のこと。

*8:堂本剛主演、フジテレビのドラマ。最終回うっかり「じっちゃんの名にかけて」っていった(金田一少年の事件簿で主演を彼がしていたから)り、割りと何かとネタに尽きないドラマでした。個人的には深夜ドラマとして非常に好きです。→33分探偵 - フジテレビ

*9:藤澤恵麻 小池徹平による映画。2006年松竹系で公開。 石川北二監督

*10:Beauty and the Beast - Tale As Old As Time 実写版でエマ・ワトソンがくるくる踊っているのもとても美しくて見ながら「ほう…」と息をつきたくなったのは言うまでもない

*11:「チンチンにする」はサッカー用語で「ボッコボコにする」「こてんぱんにする」という意味です

*12:社会人サッカーチーム。ホームタウンは「東京23区」です。

tokyo-united-fc.jp

*13:平祐奈、土屋太鳳の恋敵役に抜てき 映画『青空エール』追加キャスト発表 |

*14:いわゆる極道系

*15:自他共に認める仲のいい2人組の片割れが、物語の中で他の相手と結ばれることを指す。バウムクーヘンエンドというネーミングは 「非常に仲がよく、周囲からも『あいつら仲いいよな』『付き合ってんじゃねぇの?』などと言われているような2人組の片割れが結婚し、もうひとりが披露宴でのスピーチを頼まれ、笑いまで取ったりして如才なくこなした後に、家に帰って1人で引き出物のバウムクーヘンを食べる」というエピソードに由来している。

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