柑橘パッショナート

インプットとアウトプットを繰り返すごちゃまぜスタイル

「昼顔」を見てきました/誰かを蹴落としてもほしい幸せがある

最近記事がジャニーズのことしか書いていなくて自分でも正直ドン引きしていたのですが、突発的映画見に行きたい病にかかり、それじゃあ何をみたものかなと考えた結果、「昼顔」を見に行ってきました。

ところで来週のABChanzooがまさかの岩田光央氏による義務じゃない教育のせいで声優ファンも兼ねているし何だったら二次元という扉をあけて声優さんのファンになったきっかけ乙女ゲーの老舗ネオロマンスの私の初恋鋼の守護聖ゼフェル様の声やってる人なせいで私はひたすら頭を抱えています。おいおいまじかよリアタイするしかないじゃん…でも大丈夫あの人シモネタ四天王だよ????だいじょうぶ??しか言えない今日このごろです。

正直ジャニファン、えびファンの皆さんごめんなごめんな!覚悟しておいてな!!みたいなそんな気持ちになっているわけですが。

どの辺の頃がひどいかっていうと00年~05年ぐらいが特に酷かった。フリーダムだった。 

VERSUS 2 -conte again-

VERSUS 2 -conte again-

 
VERSUS-conte-

VERSUS-conte-

 

 

この辺とか。もし興味ある人がいらっしゃったらぜひ聞いてみていただきたい。

なおネオロマンスのゼフェル様のイメージがめちゃくちゃあった私はこのCDを聞いて夢を壊されて割りとへこんだくせにCDをそのまま買いました(友達から借りてた)

そして声優沼に突き落とされました。世の中何があるかわからないもんですね。

ということで6月24日、A.B.C-Zのやっている「 ABChanZoo 」テレビ東京系で深夜に放送です。

ぶれないテレビ東京のアニオタに優しいところ大好きです。いつもありがとうございます。でも遊戯王時間ずらしたの本当許さないからな!!(笑)

 

ってことで、昼顔を見てきたのでその感想です。

 

なお私は大本のドラマシリーズをちゃんと見てなかったのでまとめて映画を見る前に時間をかけまとめて見た組です。

さらにぶっちゃけると斎藤工は何万回も言うけど池崎とかのテンションを「テニミュの頃からあの人ああだから」ってなったしゲゲゲの女房でまともな静かな役とか嘘やろって言われてた印象だったわけですが。

そんなこんなで、のんびりと。誰だ、前フリが長いって思った人。正直本当そのとおりだよごめんな。

 

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昼顔について

昼顔は2014年に放送されたテレビドラマです。フジテレビ系列の中では最近の中では珍しいヒットだったと思います。いやあんまりフジテレビドラマの話題作って言われて思いつくのがこのあとあんまなかったという私の記憶違いかもしれませんけど。

前作では吉瀬美智子が出ていたりとするなかで道ならぬ恋をしてしまった上戸彩斎藤工のアンバランスなキスをして愛に近づけよ*1なわけで。

昼顔とは、と調べてみたらWikipediaによると

昼顔とは、同局の番組『ノンストップ!』が「社会現象になりつつある」として特集した女性の行動に対する造語「平日昼顔妻」が由来になっており、カトリーヌ・ドヌーヴ主演映画『昼顔』の、貞淑な妻である影で昼間に売春をするヒロインのように、夫がいない平日昼間に不倫をする主婦のことを言う*2

だそうです。

カトリーヌ・ドヌーヴというと「ロシュフォールの恋人たち」「シェルブールの雨傘」とか「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とかが私は好きです。フランスを代表する女優さんですね。昼顔については「昼顔」と名乗って売春をするわけなのであれなんですが、それを大きなカテゴリで「夫がいるのに昼間不倫をする主婦」をこのドラマで指しています。

 

映画版の煽り文句は「決して、もう二度と せめてもう一度」*3

 

hirugao-movie.jp

 

www.youtube.com

 

あらすじ

 お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった笹本紗和と北野裕一郎。その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに二人は別れざるを得なくなってしまった。そして、紗和は夫とも別れ一人になった。

あれから3年―
紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。オーナーの杉崎尚人が営むレストランでの見習いと狭いアパートの往復が日課で、北野の夢を見る事さえ既に無くなっていた。海岸沿いの小さな町には、彼女の過去を知る者は誰もいない。
一方、大学の非常勤講師となっていた北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。
講演中、客席に目を向けたとき、彼は言葉を失ってしまう。そこには、紗和の姿があった。
「神様は、私を試していたのでしょうか」
運命のいたずらか、再びめぐり会う二人。あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。清流ながれる蛍の住処が“約束の場所”。
そんな中、二人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子だった……。

 公式サイトより引用。

ドラマでは完全に「この人と一生涯もう二度と関わり合いません」という書面手続きして、周りを巻き込んで、旦那と別れて「うわー後味悪いなあ」といういいようのない気持ちになったわけですが、そこから3年という月日を経てもなお、運命的に再会してしまった二人がまた焼けぼっくいに火がつくごとくズルズルと戻ってきてしまう話です。

こうやって書くとだいぶどうしようもない話だな!!(笑)いやどうしようもないんだけども!!

 

キャスト・スタッフ

監督は西谷弘、脚本は井上由美子が担当。ドラマシリーズとそのまま引き継いでやるスタイルですね。

キャストも前回と同様主演に上戸彩斎藤工、そして斎藤工の妻に伊藤歩を据えて、プラス今回の新しい登場人物として平山浩行が登場。

 

感想

まぁ何というか、「エンターテインメント」っていうのが適している映画だなと思いました。

”不倫という行為はいけないことだ” ”人のものはダメだ”という根本的モラルの部分で一度決めたのに結局揺さぶられて揺さぶられる二人が結局崩れていく様。

触れてはいけない、喋ってはいけない、けれど感情のセーブができなくなるというのが非常にどうしようもない。やるせない。

ただ映画見ていて「じゃあ行かなきゃいいのでは?」というふと理性的になる部分があって、まぁそれでも抑えきれないから恋愛というものなんだろうとは分かるんですが。見ていて紗和の感情の行き場のなさと、北野のなんともいえないぐるぐるループ加減に「優柔不断か!!!」って言いたくなるのと、彼らは彼らで「幸せ」を噛み締めているけれど、じゃあその幸せから弾かれた奥さんのことを考えるとしんど!!めっちゃしんど!!みたいなぐるぐるをしている。

どこに答えがあるって、この二人とっくに答えが出ているのにループ・ザ・ループなんですよね。わかってるくせにダラダラと繰り返してそれでも、って言いつながっている。

終わり方はまぁ、終止符を打つならそうするしかないよなっていうのと同時に「この展開!知ってる!」っていうなんていうか昼ドラあるあるを進研ゼミで習った感じで見た気分でした。

描写としては関ジャニの番組でも言ってたけど「手」の動き。近づいたり離れたり。具体的なシーンよりも、触れようとして触れられなくてという細々とした二人の例えば肩に手を置くとき、例えば手をつなぐシーン。それらが結構特徴的で手フェチにはホイホイされますよね。

かさぶたを自分で剥がしてえぐるような自虐的な部分を持ちながら、それでもどうしてもほしいと渇望して、相手もそう応えるのにうまくいかないっていうのは「まぁそうだろうね」っていうのがなあありました。

ただ、今回せっかくの新キャラである平山さんの登場人物(上司の男)が、寝取られて奪われた夫側の目線な割に立ち位置があんまりにも薄いなていうのが残念。

これ以上じゃあどうどん底に下げるのって言われると難しいんですけど。結局引っ掻き回すにしてはパンチが弱い。奥さんのほうが強いだけにね。もったいないな~って思いました。

映像の描写としてはCMでもやっているバスのシーンは美しいし、二人で自転車に乗っているシーンも奥さんとの車のシーンの対比的だなあって思いました(ドラマでもやってましたけど)基本的に主演の二人は漕ぎ続けなければならない自転車なんだよなあっていう。そういうのって「安定感のある車」ではなくて「走り続ける、こぎつづける自転車」であることの暗喩みたいなものをちょっと感じました。

 

芝居面に関しては主要三人のお芝居力が明らかに前よりはあがっていて、上戸彩ちゃんの女の顔感がすごいし、色気がはんぱないなと。半沢直樹の若奥様も可愛かったですが、昼顔で温度差があるし、斎藤工でいうところの優柔不断さは「あれっ…たくみ…おお…?!」っていうかんじ。

ただ終わり方がなあ、終わり方が…なんだろう80年台ドラマっぽい感じがすごいして、個人的にはもうちょいひねってほしかったかなというか、「きれいな顔してるだろ…こいつ…死んでるんだぜ…」みたいなタッチに「なんでだよ!!!!」って納得いかないっていうか そ こ で 死 ん で ど う す る 。ってかんじもして。なんというか、ここから彼らが社会から後ろ指をさされてでも選ぶのなら、その業を背負いながらどう歩くのかと言うかを見たかっただけに解せませんでした。

面白くないわけじゃないですし、不倫という背徳感を感じながら楽しむという意味ではドラマが好きな人もゾワゾワするんじゃないかなあ。うん。見ながらふと豊饒の海の第一章「春の雪」を思い出しました。妻夫木聡竹内結子の映画版*4を思い出しました。W不倫とかとはまた違うけれど。

誰かの願いが叶う頃って宇多田ヒカルが歌ってますが(キャシャーンはあれはあれで、と割り切ればそれなりに楽しめたしPVが好きです)そういうことなんだよなあっていう。うん、ぐるぐるしながらみおわたときの「っだーーー!!!!」みたいないいようのない気持ちを抱いたのでとりあえず、そういうほの暗さと背徳感を抱きたい方にはいいと思いました(笑)ドラマ展開の映画化作品を見るのは久しぶりだったので何だか新鮮でした。

 

伊藤歩上戸彩斎藤工の演技が光っていてそれぞれティファだったり、金八先生だったりテニミュだったりを見ていたからこそ感慨深い今日このごろです。

でもほんと何回も言いますが「あーきれいな描写」と思える部分がいっぱいあって。色合いも鮮やかで、雨のシーンから線路のシーンまで含めて見ていて「美しい」っていうのがありました。危うい美しさ、みたいなものかな。そういうものを感じる映画でした。

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