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「フォルトゥナの瞳」を見る運命を選ぶこと

ちょっと用事があって2時間30分ぐらい時間潰さなきゃいけないことがあったんですけれど、カフェで2時間30分ってぶっちゃけTwitterするかソシャゲするか記事のんびり書くかあたりぐらいしか思い浮かばないわけで。

そういうときに「程よく時間が潰せて非現実として世界に飛び込む、浸れる」という選択肢に「映画を見る」が該当するわけです。幸いなことに映画館が私の現在住んでいる東京という町には比較的数があり、見に行くのにはちょうどいい。

そして私はまぁまぁ雑食な性格であることを自覚しているので、「っしゃ~映画みるぞ~」ってなってから時間がベストだったものを探したのですね。で、見に行ってきました。「フォルトゥナの瞳」。

fortuna-movie.com

神木隆之介くん主演映画ということで、色んな所でバンバン番宣をしているのだけは知識にあったのでほんじゃあまぁとほぼ0知識でいくことにしました。

ということで、THEネタバレしっぱなしなので大丈夫な人だけREAD MOREでお願いします。

「フォルトゥナの瞳」概要について

原作は百田尚樹の同じ名前の小説。

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

 

 今作については原作をまっったく知らない状態で行ったんですが、百田尚樹氏が著書なのを知ってああ、永遠の0の人かってなりました。

監督は『アオハライド』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』などを手掛けた三木孝浩氏。私は彼の映画の撮り方好きなほうなので、ああ、三木さんなのかとちょっとうれしくなりました。

 

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映画館入ってから「あ、そうなんだ」となった類

 

あらすじは以下の通り。

幼少期に飛行機事故で家族を失った【木山慎一郎】(神木隆之介)は、友人も恋人も作らず仕事のみに生きてきた。しかしある日、「死を目前にした人間が透けて見える能力」―フォルトゥナの瞳―を持っていることに気づき、生活が一変してしまう。自分の力に苦悩する日々の中、偶然入った携帯ショップで【桐生葵】(有村架純)に出会う。明るく、自分に夢や自信を与えてくれる彼女に心惹かれていき、孤独だった慎一郎の人生に初めて彩りが生まれる。互いに惹かれ合った2人は幸せな日々を過ごしていくが、それもつかの間、突然街ゆく人々が次々と透け始めてしまう。そして、ついには葵までもが― 


「人は朝起きてから夜寝るまで9000回何かを選択している―」(劇中より)

 

愛する人の“死の運命”が見えた時、慎一郎は何を選択するのか。心震えるラストが待ち受ける―

(公式ホームページより引用)

youtu.be

公式サイトは「サスペンス」と「ラブストーリー」と2つの形で打ち出しているのが特徴ですね。

 

出演者には神木隆之介有村架純、志尊淳、DAIGO、松井愛莉、北村有起哉斉藤由貴時任三郎が並びます。

 

ざっくり感想

慎ちゃん(主人公)が不思議な能力「フォルトゥナの瞳」に目覚めてしまってから次々自分の周りの人が危ないフラグがたつというまず状態が大変すぎてしんどいなっていうやつ。そして回避したら自分の身を削るという状況に気づくまでが思いの外はやかったかなと。

葵がひたすらに優しくて純粋無垢で、どこにでもいるような柔らかな雰囲気を持っていて、多分それは有村架純さんの持っている「ほわ~」っとした空気感みたいなのがあったなぁという印象。

一方で慎ちゃん(神木隆之介君)は闇を抱えている感じの人なのがだんだん朗らかに笑うようになっていくのを見て「神木くんやっぱいいなぁ」となりました。

三木監督の映像のなかで光と影というか、優しい、清涼感のある光のとき(穏やかなかんじ)と、くらいところでのどんより感がちょうどよいというか。

神木くんのお芝居が好きなので、前半と後半の明暗というか諦めていた世界に色がついて、そしてまたどうしていきたいのかっていうのを考えようとする表情が好きだなと思いました。

志尊淳くんについては「えっ?!出てたの!?!」っていうクラスで全く気づかなくて、黒髪になって登場した時に「し、志尊淳だ~~!!!!!」っていう…あの本当全く気づかずストーリー見てたもんだからびっくりしました。

金田くん、良くも悪くもこう…少年漫画とかに出てくる最初嫌な奴だけど途中仲間になる系だなって思ってました。

 

後はDAIGOさんについてですがDAIGOさんの芝居最近のヴァンガードのCMが記憶の中の最後なので(申し訳ない)「あっDAIGOさんの喋り方じゃない」っていうのが普通に見てて良かったです。で、出た~~成金の嫌な奴~~!!!

どうする、どうする、どう選ぶ慎ちゃん!!ってなりつつですね、正直真理子ちゃんに会いに行くかと思いました。その辺ないのか・・・ってなったり。仕事をやめた経緯についても結局よくわからないというか、そのへんまぁ掘り下げちゃうと話が広がりすぎてしまうのだろうな~…って思いつつ…。

後馬鹿みたいに遊び呆けている人間にも悲しむ人間がいるという時点でうついさん(DAIGOの役)人間としてまだまっとうな部分があったのかなあとも思うのですが、一方で奥さんが泣くのは喪失感とこれからについての部分もあるだろうなっていうのになったらスン…となるというか。そのへん原作読んでないからわからないですけれども。

なんというか、結構スピード感があって、人の感情と作品展開に見ている側である私が追いつけないっていう部分がいくつかありました。

 

作中で出てきた「一日に9000回人間は物事を選ぶ」ということはとてもおもしろいなと思ったし、じゃあ今こうしてブログを書いている、この表現をしていることを「選んでいる」のだと思うとそれは運命ではなく必然でもなく自分の「決断」なのかなあと思ったり。

後展開については大体自分のなんとなくの予想通りだったので「まぁそうだよね」って感じでした。推理しながらというよりも物事を着々と見ながら進めていくタイプの方のほうが多分この作品は見やすいかと。

後、主演二人なおかげで「絶対auだろ?!絶対勤めているところauでしょ!?!」ってなったら安定のauだったので「でしょうね!!!!!!!」とメッチャクチャ笑いました。そりゃ意識高杉君とかぐちゃんだったらそうなるよね…。

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意識高いよ高杉くん(auのCMキャラクター)

だからauで最近高杉くん三太郎に出てたのかなあとか今更すぎること思ったり(笑)

 

全然関係ないけど、フォルトゥナの瞳って言われて「フォルトゥナ…!!」ってなったのは多分テイルズ・オブ・デスティニー2のせい。

テイルズ オブ デスティニー2 - PSP

テイルズ オブ デスティニー2 - PSP

テイルズ オブ デスティニー2 - PSP

 

 フォルトゥナとは運命を決める女神であり、こう・・神の是非についてちょっと考えさせられる作品だったので名前を聞いた時に展開がそういう感じかなぁって思ったのは誤算でした。自分の中で。

TOD2のエルレインの考え方とリアラの考え方の対比とても良かった…。

 

今回の「フォルトゥナの瞳」は人間というものは選択を繰り返していかなきゃいけないわけですけれども、まぁそれを良いととるのか、その選択をしたことでまた別の運命に絡め取られて運命から逃れられないままなのか…っていうのについて触れた作品だったので、見ながら「あっ…黒の預言書…」とSoundHorizonのクロセカを思い出しました。

 

運命を選ぶことでまた別の運命になり、それを誰かの手によって改ざんして別の形を選んでもまたそれも運命の一つの選択肢にすぎないというか。

私の好きな作品で「遙かなる時空の中で3」というものがありますが、作中で「天の原 踏み轟かし 鳴る神も 思ふ仲をば 裂くるものかは」っていうものがありまして。

これは古今集に入っている詠み人知らずの詩ですが、聞いた時「格好いいかよ~!!!!!」って頭抱えました。めちゃくちゃ威勢がいい。「神様だろうが運命だろうがなんだろうが関係ないぜぇ!!!!」っていうあれそれ(大雑把すぎる訳である)。

これは正直遙かなる時空の中で3における作品に対しての「あの人を守るためなら、運命だって変えてみせる」っていう重要な部分と一緒なんですよね。そう思うと慎ちゃんの持っているスキルは遙か5におけるゆきちゃん(作品ヒロイン)と一緒で、命を削ることで運命を変えることができるわけで…という。こう、自分の知っている知識と知識が結びついて「あ~~~」ってなりました。

 

この「フォルトゥナの瞳」という作品で言うなら「暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月」という和泉式部の和歌が似合うなって印象です。私は和歌に詳しくありませんが、こう、聞いていて、いろいろ調べていたらこの和歌は慎ちゃんにとっても葵にとっても当てはまるなあと。

彼らは運命に惑わされた存在でもありますが、その運命に感謝するべきところもあって、運命を覆すためにいろいろなことをしていくわけですが……。

「運命」を必然、ととるのか。はたまた「運命」は「自らの手での選択のはて」と取るのか。解釈一つでどうにでもなるキーワードだなと思います。

 

映画としては少々急ぎ足で物事が進むという点で自分の中では「おう…おう…」とジェットコースター感がありました。が、見に行って「有村架純ちゃん髪の毛ツルッツルきれいだな~」とか「神木くんの表情がだんだん変わっていくお芝居いいなぁ」とか「DAIGOさんひたすら嫌な役だな~」とか、ニュアンス的に感じる部分もいろいろあったのと、時任三郎さんのお芝居が個人的にすごい好きだなーと改めて感じました。

 

感想になってるのかなあこれ…(笑)

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