柑橘パッショナート

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「DESTINY 鎌倉ものがたり」を見てきました

世間が浮かれきるクリスマスというのは私にとっては普通に仕事日だったので、ついカッとなって「いいわもう映画いくわ…」とよくわからないテンションを振り切って見たい映画を探したんですが、スター・ウォーズはまた友達といくからそのときまでに取っておきたいしな…ってなったわけで、其の中でちょうど時間帯的にドンピシャだった堺雅人主演の鎌倉を舞台にして「DESTINY~鎌倉ものがたり~」を見に行ってきました。

猫も走るほど忙しいこんな年末に!*1っていうことで、年末進行真っ只中です。家の掃除?終わってない。やらなきゃいけないこと?終わってない…(しろめ)

本当はブログで多分好きなグループの結婚の話とか、色々書きたいものもあったはずなんですけどね!それはまぁちょっと落ち着いたときに書きます。

 

 

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堺雅人高畑充希による和風ファンタジー映画

あらすじ

鎌倉に住むミステリー作家・一色正和(堺雅人)のもとに、年若い亜紀子(高畑充希)が嫁いでくる。

しかし、この鎌倉という土地、何やらおかしい。そこここに人ならざる者がいるようなのだ。

道を歩く正和と亜紀子の前を狢か河童か通り過ぎて心底驚く亜紀子に、正和は、「鎌倉は何千年も昔から妖気が溜りに溜っていろいろな怪奇現象が起こるけれどもここでは普通のこと、すぐに慣れる」と言ってのけるのだが・・・。

一色先生は犯罪研究の腕を買われ、迷宮入りしそうな事件の折には鎌倉警察に協力している。何しろ魔物や幽霊も事件に関係するものだから、鎌倉の事件解決は一筋縄ではいかない。心霊捜査にも精通する一色先生は名探偵でもあった。(TOHOシネマズ公式より)

 

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公式Twitterは此方。SNSを色々活用されて訴求を続けている様子。

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キャスト/スタッフ

監督 山崎貴
出演 堺雅人高畑充希堤真一安藤サクラ田中泯中村玉緒

永遠の0」「ALWAYS 三丁目の夕日」「SPACE BATTLESHIP ヤマト」などを手がけた山崎監督の新作。

主演は「真田丸」「半沢直樹」はじめ様々な作品に出てその作品ごとに臨機応変にキャラクターを変えられる俳優堺雅人。ヒロインには「とと姉ちゃん」や「植物図鑑」で一気にその名前の認知度を挙げている高畑充希です。

 

原作は『まんがタウン』(双葉社発行)で連載されている西岸良平氏の漫画。連載は30年以上続いている様子。 

鎌倉ものがたり (1) (アクション・コミックス)

鎌倉ものがたり (1) (アクション・コミックス)

 

 

主題歌は宇多田ヒカルによる「あなた」です。そういえば高畑充希さんとはとと姉ちゃんの「花束を君に」から続いていますね。

各所で配信もしているしYoutubeでPVも見れるのが特徴。

 

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感想

人と”魔物”と”神”の話

原作が未読なのでなんとも言えないのですが「前世」で結ばれた二人が引き裂かれて何度も何度もそれでも巡り合うよっていう物語でもあったかなと思います。

山崎監督は群像劇と「人ってあったけえ」っていうのを描くのが好きな印象があるのですが、今作でもしかりで、堤真一の家族の話に結構な時間を割いています。

いわゆる京都と同じく鎌倉も魑魅魍魎がはびこる場所でも有り、鶴岡八幡宮の大銀杏*2の話とかも含めてロマンが詰まっています。魑魅魍魎といえばゲゲゲの鬼太郎を私は真っ先に思い浮かばせるわけで、そういう意味でも、今作は「妖怪」「魔物」「丑三つ時」とかいろいろな単語が出てきます。水木しげるってすごいなって当たり前のことを当たり前に思っていました。

 

高畑充希の妻・亜紀子は究極おっちょこちょいの朗らかなお人好しで作品が作品なら女に嫌われる女のタイプだと思うのですが、そこらへんも含めて「可愛らしい」で作り上げられるのは彼女の手腕なのかなと思いました。

大きな瞳がきょろきょろと動き回る姿が非常に可愛らしかったです。また、後半のアジア系の礼服はとてもかわいらしいしお顔ににあっていると思います。かぐや姫かと思った。赤が似合う方ですね。

また、堺雅人の飄々のらくら、でもテンパるようなミステリアスながらもチャーミングさを孕んだ「先生」は可愛らしいなと思いました。バカップルなおしどり夫婦も和みましたしね。

 

ただ、あの、根本的に作品として、 それって解決になってなくない ? っていう部分がストーリーには強く感じました。え、だってそれってまた同じように連れ去られる可能性あるやんけ…とか。

死神とか本当結局「側にいるだけ」で何もしないんかい…安藤サクラのお芝居がとてもとても良かっただけにもったいないな!死神局役所とはもうちょい頑張って!と思いました。あちらにいったらあちらの法律があるのだと思ったんですが、そんなことはなかったぜなのだろうか…とか。

「前世」で片付けて、「また来世で」って亜紀子が行ってしまいそうになったときに「先生」として「今」が大事だと言ってもらいたかったかな~という。だって前世のことは覚えていないわけで、今好きになった今出会った今目の前の嫁さんが大事だと言葉にしてあげてほしかったなっていう。

後、あの、まぁ状況がどうであれ「死者は蘇らない」というのは非常に此処最近近しい人をなくしていたこともあってか非常にナーバスになっていた部分があり、とてもそこに引っかかりを覚えました。これは完全に私情なので割愛しますけれど、「どうやっても別れざるを得ない」なら黄泉平坂の部分である「振り返ってはいけないよ」とか色々あってもよかったんじゃないかなあ…とか……うん…。まぁこれは私がその辺のジャンルについてを知っているからなんですけれど。

後は「想像力で戦う」ってなったときに縮小化するとかは念頭にこの先生はなかったんだなーっていうのが。多分そういうのもできる…よね…?出来ないのかな。電車を編み出したときのとか。もうちょっとそこらへんあってもよかったのではとか思わなくもなかった。ただ、「鉄オタ」の部分、細部にまでこだわっている部分があったからこそ「想像力」で戦えたのかなーとも思いました。

また、戦闘シーンで先生が殺陣があったわけですが原作だと剣道3段ということで、こちらでも竹刀を使うときに、切り返しや胴、小手面などよく剣道の練習でやらされる*3動きだったので、そこらへんは見ながら堺さん意識して動いたのだろうなって印象があります。

全体的に「惜しい」と思った作品でした。主にストーリーに対して言いようのないもやもやが…!もうちょい!もうちょいなんかやり方なかったのかなあと。

群像劇の中でいくつかの「家族」の形を描写するにしてはちょっと分散してしまったかな、という印象が……。先生の家族間の問題で天燈鬼の一件で「あいつか」ってなったとき私はてっきりお母さんもそうなのかな?と思いましたが違ったんだなーと…。

後身体を乗っ取っていた家族についてあまりにも呆気なさ過ぎてそれならもうちょい描写の流れが出来たのではないかなあ、とか…。

 

なんだろう、いろいろがいろいろに「惜しいな!」っていう印象です。

 

映像について

流石の山﨑監督だと思いました。「ふしぎなちから」が違和感なくすんなりと、映像との組み合わせが綺麗だと思いました。

まぁ映画始まる前にWACOM*4のCMがあるせいで映像が切り替わって黄泉の国が出たときに「ぴっ…pixivで見たことありそう…!」っていうのが第一印象でした。いやとてもきれいなんですけれどね!和風なせいか千と千尋の影響をとても受けているのだろうかっていう印象も受けました。

天燈鬼が襲いかかるシーンに千と千尋の神隠しを一瞬思い出しました。あれは千尋カオナシだけだったけれど。

何にしても映像として綺麗でした。最後のお茶碗からのシーンは「知ってるそれ…ネプリーグ……!」ってなって大変申し訳無い。

 

音楽と先生たちの距離感とか、細々したものは見ていて楽しかったなあとは思いました。何度も言うけど個人的な見たタイミングがちょっと悪かったなと(笑)エンタメ性としては動きがあってわあきゃあして「ほっ」としたシーンもあるんですが、もうちょい、もうちょいストーリーなんか、こう、一声あったらいいのにな、って思った映画でした。それにしたって宇多田ヒカルの主題歌はとてもいいなと思います。

 

今作のなかで印象に残ったのは安藤サクラですかね。本当に良いお芝居でした。

後殺人事件が起きた金満さん(だっけ)の息子くんがキャベツ太郎めっちゃむさぼり食べていてキャベツ太郎食べたくなりました(笑)

*1:ポルノグラフィティ「Hard Days,Holy Night」より

*2:三代将軍の殺害の話。新編鎌倉志参照。

*3:あれ地味に疲れるよね…

*4:ペンタブを開発している会社。

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